2006年11月29日

いや、キャプテン、そういう問題ではなくて~“優勝”と“チャンピオン”と“カップウィナー”の話:前編

今から10年以上前、まだJリーグができて日も浅い頃の話です。
学生時代の友人が、何気なくこんなことを言いました。

「サッカーって、“優勝”がいっぱいあってよくわからないな」

名古屋生まれ、名古屋育ち、地元を離れずにその地元とドラゴンズを愛する典型的な名古屋人である彼の言葉に、当時まだそれほどサッカーに興味のなかった私は、彼に対してきちんとした答えを返すことができませんでした。

確かに、サッカー界には“優勝”がたくさんありますよね。
今年(2006年)のタイトルはまだ2つが未決定(記事投稿時点:2006年11月29日現在。2006年12月2日追記、浦和レッズがJリーグ優勝)なので、昨年(度)の例で言うと、

Jリーグ“優勝”:ガンバ大阪
ヤマザキナビスコカップ“優勝”:ジェフ千葉
天皇杯“優勝”:浦和レッズ

という具合になります。
ところが、これを英語で言い換えると、ちょっと違いが出てきます。

Jリーグ“チャンピオン”:ガンバ大阪
ヤマザキナビスコカップ“カップウィナー”:ジェフ千葉
天皇杯“カップウィナー”:浦和レッズ

英語、すなわちサッカー(フットボール)の母国の言葉ではリーグ戦の王者を“チャンピオン”と言い、カップ戦の王者は“カップウィナー”と言います。

と、サッカー好きには常識とも言える範疇の知識ですが、こんな前フリをわざわざ持ってきたのは、以前からACLのことが気になっていたところに、先日お馴染みの川淵キャプテンのご発言があったからです。

何でも、現在前年度のJリーグ1部王者と前々年度の天皇杯王者に与えられるACLの出場権を、天皇杯王者に関しても前年度の王者に与えてはどうか、とご発言なされたようです。

この発言の裏側を推測すると、今年のACLに出場した東京ヴェルディ1969(以下、東京V)のことが頭にあったから発言に至ったのだろうと思われます。
2004年度の天皇杯王者である東京Vは、優勝年度こそJ1にいましたが、翌2005年シーズンで残念ながらJ2に降格してしまいました。
そのため、2006年の「アジアのクラブチャンピオンの中のチャンピオンを決める」大会に、何と2部のクラブとして出場することになってしまったのです。
せっかくの晴れの舞台、東京Vも胸を張って堂々と出場したかったはずですが、彼らには何の責任もないのに、このような規定があったばかりに、出場することに対して世間から何かと注目されることになってしまって、サポーターの中には肩身の狭い思いをした人もいるでしょう。

川淵キャプテンは、今後そういったことがないようにと思ってあのような発言をされたのだと思います。
でも、問題の本質はそういうことではありません。

天皇杯王者、すなわち“カップウィナー”が“チャンピオン”ズリーグに出る規定があるからこういうことが起きるのです。

前年度だろうが、前々年度だろうが、天皇杯の仕組みが変わるわけではありません。
この天皇杯という伝統ある大会には、プロ・アマ問わず、全てのクラブが参加することができます。
現行方式ではシードされるJ1・J2のプロクラブとJFLの前期王者に加えて、各都道府県予選を勝ち上がった他のJFLのクラブや地域リーグ、さらに下の都道府県リーグや大学、高校のクラブ、Jの下部組織に至るまで、様々なクラブが参加するのです。
そして言うまでもなく、理論上はこれら全てのクラブに優勝の可能性が存在します。

今年の天皇杯を見てもわかるように、もちろんJ1のクラブとアマチュアのクラブには厳然たる実力差がありますから、百戦錬磨のプロたちを相手に、いくら一発勝負のカップ戦であっても、アップセット、ジャイアントキリングを演出するのは容易なことではありません。
まして、それを何試合も続けなければタイトルには手が届かないわけですから、事実上、彼らアマチュアクラブが覇権を握ることはないと言えるかもしれません。

しかし、そういう仕組みが存在し、下部のクラブやアマチュアのチームがアジアのクラブチャンピオンを決める舞台に出る可能性があるということが問題なのです。
この問題を早急に解決しない限り、「第二の東京V」がまた出てこないとも限らないでしょう。

では何故こういう仕組みができてしまったのでしょうか?
鋭い方ならお気づきでしょうが、そこは武士の情け、ちょっとだけ我慢して戴いて後編をご覧いただければ(そしてその上で突っ込んでもらえれば)嬉しく思います。

では「後半へ続く」(byキートン山田:再婚おめでとうございます!)。

posted by bunchousann |22:17 | サッカー | コメント(2) | トラックバック(0)
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Re:いや、キャプテン、そういう問題ではなくて~“優勝”と“チャンピオン”と“カップウィナー”の話:前編

おじゃまします。CMです(笑)。
鋭くないので判りませんでした。正直に自己申告して後半を楽しみにしています。
名前のリンクはキートン山田さんです。
時期の問題?(と、当てにいって外す人・・・)

posted by UJ | 2006-12-01 00:56

管理人より

UJさんへ
ありがとうございます。せっかくですのでお楽しみということにしてやって下さい。

とか言って実際、「お楽しみ」と言うほどでもなかったりするんですけどね。
う~ん、まさかアジア全体の問題だとは思いませんでした。

posted by bunchousann | 2006-12-01 01:04

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