2006年09月30日

クライマックスという華やかな舞台の裏側で……

くそう、憲伸で落とすとは……。
仕事でテレビさえ観られないのが何とも歯痒い限りです。まあ今日の「ノーヒッター」山本昌に期待しましょう。

パリーグは全ての順位が確定し、消化試合を1試合残してプレーオフを迎えるのみ。一方のセリーグは冒頭に書きました竜虎決戦の天王山。
まさにプロ野球はクライマックスを迎えています。

この時期、優勝争いをするチームの中でプレーできる選手というのは、本当にプロ野球選手冥利に尽きるのではないでしょうか。
チームに対するマスメディアの扱いも大きくなり、ファンの声援も一段とボルテージが上がります。
そして注目が高まれば選手のプレーも高まるものです。スポーツニュースでしか観ていませんが、昨日は阪神の下柳、金本両ベテランの気魄あふれるファインプレーがありました。ベテランにああいうプレーが出るとチーム全体が盛り上がりますよね。中日で言えば先日の山本昌がまさにそうでした。

さて、この天王山の記事はたくさんの方が書いていらっしゃるので、本稿ではその裏側でひっそりと伝えられた小さな、しかし毎年行われるもう1つのプロ野球選手の現実をお伝えしようと思います。

26日に発表された楽天に続き、昨日29日には横浜と日本ハムで、それぞれ戦力外通告になった選手の発表がありました。
日本ハムなどはほんの数日前にシーズン1位を決め、北海道は歓喜に包まれていたはずなのですが、今回発表された選手たちは一体どんな心境なのか、想像もできません。

しかも、ベテランが中心だった楽天とは異なり、今回横浜、日本ハム両球団から発表された9選手たちの平均年齢(9/29現在の満年齢)は、27.3歳。31歳の私よりも年上の選手は日本ハムの岩下修壱(33歳)たった1人だけでした。
また、この9選手のうち、逆指名での入団が1人、ドラフト1位の選手が3人、ドラフト2位の選手が1人含まれています。
さらにプロ在籍年数の平均を採ると、7.1年。最短は2003年のドラフトで逆指名入団の横浜・森大輔で、在籍年数わずか3年。1982年生まれの24歳というのも今回の9人の中では最年少でした。

先日の高校生ドラフト会議、悲喜こもごもと言った感じでしたが、新しく選手が入団するということは、誰かが出て行くというわけで、その結果の一部が彼ら9人というわけです。

日本ハムの横山道哉は「北の大魔神」と異名をとった2004年のパリーグ最優秀救援投手であり、横浜からトレードでやってきて見事に花開かせたと思ったのですが、たった2年後にまさかこうなるとは北海道のファンも思わなかったでしょう。
横浜の田中一徳はあの横浜とPL学園が死闘を演じた98年の夏の甲子園の準々決勝で、2年生ながら大活躍をした選手として高校野球ファンの間では記憶に残ってるでしょう。ドラフト1位で入団ということは期待も大きかったはずですが、いかんせん狭い横浜スタジアムでは俊足巧打の選手よりも強打の外野手が求められるのでしょうか。彼もまだ野球選手としては若いのですが、さらに若い吉村祐基の台頭もあってこのような結果になってしまいました。公称165センチの小さな体が躍動するのはもう見られないのでしょうか。

2年前のタイトルホルダーであろうと、甲子園を沸かせたドラフト1位の選手であろうと、チーム事情によって居場所がなければ追われていく。
こういうニュースを毎年耳にするたびに、改めてプロの厳しさを思い知らされます。

1つ救いがあるとするならば、この戦力外通告通知が9月という早い時期に行われたということでしょう。
今回の9人はほとんどの選手が20代。中には現役続行を望む選手もいるはずです。
来るべき合同トライアウトまで、また各球団の入団テストまで、調整の時間はまだまだ残されています。
仮に現役続行を望まないにしても、早いうちに戦力外通告が行われれば、その後の進路に向けて考える時間もたくさんできます。
時折、各球団の編成が固まりつつある時期にアンフェアな戦力外通告が行われることもあるということを考えれば、せめてもの慰めと言えるかもしれません。

もちろんテスト入団を目指すにしても厳しい道が待っています。
入団を果たせるのは12球団合わせてもほんの数人程度であり、入団を果たしたからと言って、活躍できる保証は無論ありません。

そんな中、今年はまずまずの成功例が現れました。
ソフトバンクの田上秀則。昨シーズンまで中日の選手でしたが、わずか4年目のオフ、25歳で戦力外通告を受けました。
その彼がテスト入団の末、ソフトバンク入団を果たすのですが、過去3シーズンで1軍の試合出場がわずか10試合、12打席でヒット1本(しかも2003年)、昨シーズンに至っては1軍出場が0の選手が、今年は主にDHとしてこのような成績を残しました。
終盤にはおそらく他球団の彼に対する研究も進んだのか、一頃の数字よりは率を落とす結果にはなりましたが、彼の実績を考えるとこの成績は立派の一言です。
中日には居場所がなくても、ソフトバンクには居場所があったということです。

もしかすると、今回の9人も他の球団では働き場所があるかもしれません(特に日本ハムの選手は尚更でしょう)。
もしも彼ら9人がわずかな可能性に賭けるのであれば、他の戦力外通告選手ともども、その勇気ある挑戦を素直に応援したいものです。

posted by bunchousann |02:53 | 野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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