2008年05月07日

スーパーアグリ、力尽く

昨季より伝えられていた様々なネガティブな報道、まるで開発中のマシンのようなスポンサーロゴのない殺風景なマシンの外観、そしてとどめには5月6日に緊急記者会見なるものが開かれると聞き及んで、まあ大方の見当はついてしまったわけですが……

本当に残念です。

スーパーアグリのチーム立ち上げが発表された時、管理人が最初に思い浮かんだ言葉は「無謀」でした。
とにかく、問題は唯一にして最大のもの、「お金」であることが明白だったからです。
そして、F1を真面目に観始めておよそ10年程に過ぎない管理人ですが、少なくとも、現代のF1チームを1年間運営するために必要な金額というものは大体把握していましたから、その金額がどうやって捻出されるのかという疑問はずっと持っていました。

ですが、その疑問は結局解決されることのないまま、残念な結末を迎えることになってしまいました。

亜久里代表がこのチームを立ち上げた熱意というものは、この2年とちょっとの間で充分に伝わりました。
ただ、皮肉な言い方をさせてもらうならば、その熱意が伝わったのはあくまでF1を愛する人々であり、F1をよく知っている人々でしかないのもまた事実でした。
F1チームを運営するにあたっては、そういう人々以外にも熱意を伝えなければならなかったわけですが、日本という国では、それがいかに困難であるかということを改めて思い知らされる結果になりました。

過去、幾多ものプライベーターが同じ道をたどっていったわけですから、F1の長い歴史という観点からは殊更感傷的になるべきことではないのかもしれません。
でも、そこは私も日本人。「判官贔屓」の文化で育った者として、年間予算が彼らの何倍にもなるワークス勢を向こうにしてレースをする姿に胸を打たれないわけがありません。

と、まあ感情の赴くままに耽美調で書いてまいりましたが、もちろんそんな綺麗事ばかりでないのは承知しております。
ビジネスパートナーに裏切られたとはいえ、結果としてスーパーアグリには莫大な負債が残されているわけですし、ホンダにもその負担が大きくのしかかっているわけですから、このような事情を抜きにして、単にホンダを悪者扱いすることはできないと思います。
最も、ホンダのイメージが悪化したのは事実ですし、ましてニック・フライなどは今後日本の地を踏むことができるのでしょうかねえ……

ただ、いつも思うのは、何ごとにおいても、こうした「最悪の結末」を迎える前に、もっといいやり方はなかったのか、ということなんですよね……外野からあれこれ言うのは無責任だとは思うのですが。

最後に1つだけ……

佐藤琢磨はこのチームで本当にいいドライバーになりました。これは間違いありません。
何とか彼に、今一度チャンスをあげたいものです。

posted by bunchousann |04:35 | F1 | コメント(6) | トラックバック(1)
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 6日、自動車F1シリーズ参戦中のスーパーアグリ・ホンダ・鈴木亜久里代表が都内で会見を行い、同シリーズからの撤退を発表しました。 ▼会見詳細はこちら 鈴木亜久里代表「レースのできないF1には戻らない」=会見全文(スポーツナビ)(08.05.06) ★メッセージ募集中★ ■スポーツナビでは、ドライバー&チームへの応援メッセージ、今季の予想などみなさんからのコメント・トラックバックを募集しています! ★トラックバック&コメントはこちらのエントリーへ↓↓↓ 【編集部発】応援コメント&TB募集中! 2008年F1

2008-05-07 05:03 | 続きを読む
この記事に対するコメント一覧
スーパーアグリ、力尽く

私としても、アグリの撤退はショッキングなニュースでした。
最近はジャパンパワーがどうのこうの、スーパーアグリを何やかんやと騒ぎ立てるフジのアナウンサーにうんざりしてしまって(局の方針なのでしょうかね?)、結局、F1の観戦は思い出したときくらいなんですけれども。

国際化の権化ともいうべきF1のなかで、プライベータで国産チームというのはどうなのかな、と思っていたのですが、このような形で、しかもシーズン途中での断念というのは後味が悪すぎますよね。

ちなみに、この件についてSky Sportsでの扱いはどうなのかというと、以外にも?10本ほどのヘッドラインニュースのうち、4本がアグリ関連でした。
やはりシーズン途中でのリタイヤとなると、あちらでもニュースバリューがあるんでしょうね。もちろん、いいニュースで注目されたかったところなんですけど…(笑)

posted by Nori Aihara | 2008-05-07 22:30

管理人より

Nori Aiharaさんへ
今年のフジの地上波中継は、もう中嶋一貴一色といっていいくらいです。スーパーアグリに関してはトンカツ(=一貴)についているキャベツのような扱いでか触れられません。
まあウィリアムズにはニコ・ロズベルクという優秀な若手ドライバーがライバルとしているばかりか、マシンの性能も中段グループに属していますし、レース展開次第ではポイント獲得、さらに表彰台も可能ですからやむを得ないわけですが・・・・・・。

Sky Sportsは英国のメディアだと思うのですが、アグリ報道が多いのは、彼らが英国にファクトリーを持っているからだと思います。
ちなみに、そのファクトリーはかつてのアロウズのファクトリーなのですが、彼らもまた、2002年のシーズン途中で資金不足でF1活動を断念、という歴史を持っていまして、この辺に何とも言いようのない皮肉(呪い?)を感じてしまうのです。

posted by bunchousann | 2008-05-08 02:33

スーパーアグリ、力尽く

お邪魔いたします。
近年のF1ドライバー・オーナーのチームではプロスト教授に続く
チームでしたが、やはり時代の流れには逆らえませんでしたね。
ウチも零細企業ですので、亜久里さんの今回の件は他人事に思えません。

特にご指摘にもあるニック・フライ氏は嫌悪感を通り過ぎて(以下自粛)
亜久里さんの集金力の問題もあったにせよ、上から目線でシッシと
野良犬でも追い払うような彼の態度はいただけません。
ポスト的に彼はホンダチームの現職の適任ではありますが、
スーパーアグリ存続に尽力したであろうホンダ本体への印象は
彼が居る限りあまり良いモノには思えないのは確かだと思います。

F1のコンテンツが大きくなるのは良いことだと思いますが、
夢も希望も奇跡(的な好事)も演出以外期待できなくなってきた昨今、
やはりF1チームに自動車メーカーはフェラーリだけで十分だったと思うのは
ワタシだけでは無いと思います。

posted by お!TAKさん | 2008-05-08 11:31

管理人より

お!TAKさんさんへ
ドライバー・オーナーと言えば、亜久里さんとナイジェル・マンセル(「共同」という形ですが)のやり取りなんかも報道されていましたが、やはり彼も大変なようです。

YAHOO!ニュースのコメント欄などはニック・フライ批判とホンダ批判で溢れかえっていますね。特にニック・フライはホンダ本体とは何の関係もないはずですし、彼がアグリチームの経営に口出しするのもそうですし、ましてサーキットへの入場を阻止したとなるいうのが事実であれば、もう日本人は何を言い訳したところで彼に対するネガティブな感情は消えないと思います。

F1は欧州系のスポーツですが、最近ではサッカーでも同じく「一部のチーム」しか勝利できない状況に、「その他大勢」が批判するということがありました。
それでも天候や事故(あまり期待してはいけませんが)といった大きな順位変動ファクターがあるだけ、F1はまだマシなのかもしれませんが……。

posted by bunchousann | 2008-05-08 13:18

残念ですね…

久しぶりにコメントいたします
F1に関しましては頭より見るつもりが中国語での観戦を余儀なくされている状況です…

本田に関しましては広州本田の税金問題に絡み出資ができなかったという話もあるようですね
どちらにせよ日本という国はモータースポーツに出資するような環境にないということがわかりました
これはモータースポーツに限らずベンチャー企業に関しても同じように感じます
スーパーアグリは一種のベンチャー企業のように感じます
もうちょっとメーカー間の枠を超えて協力体制を築いてほしかったように感じます
ただ日本の車メーカーもトヨタ以外は結構儲かっていないように感じます
資金面でホンダも相当苦労しているようには思います
アグリをつぶしたいじょうホンダにはがんばってほしいです

posted by のーちらす | 2008-05-10 22:42

管理人より

のーちらすさんへ
スイマセン。レス遅くなりました。そしてお久しぶりです。今、お仕事か何かで中国にいらっしゃるようですね。

広州ホンダの税金問題はこちらでも多少の報道がありますが、それがホンダの積極性に与えた影響についてはそれほどのものではないという見方が多く、上のコメントにも書いたようにホンダ本体もさることながら、やはりニック・フライ個人への批判がすごく多くなっています。
おそらく彼は、今年の日本GPでは確実にブーイングで迎えられるでしょうね。

メーカー間の枠を超えて、という考え方は確かに我々ファンにとっては願いたいことの1つですよね。
優れたドライバーというのは優れた共有財産であるべきだとも思いますが、アグリが力尽きた理由の1つでもあるように、F1はますます自動車メーカーが幅を利かせつつあります。
何とも皮肉なことに、そういうF1全体の傾向にドライバーもまた自分の運命を翻弄されているようです。琢磨がホンダ以外の車に乗っても、我々の応援スタンスはおそらく何ら変わらないと思いますが、その可能性はまた極小であるとも思います。

これでF1でホンダやトヨタが奮闘してくれていればまだ日本のファンは納得できるのでしょうが、あれだけの予算を使いながらコストパフォーマンスの悪さを世界中にアピールしているわけですから(特に昨年は!)、やりきれなさを感じるというものです。

posted by bunchousann | 2008-05-11 23:22

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