2007年11月17日

無責任な国民の一人として、イビチャ・オシムさんの回復を祈る

風邪の治りかけで、無理をしまいと更新をしばらく止めようと思っていましたが、はるかに苦しんでいる「恩人」がいながら、風邪ごときでやめるわけにはいかないと思い、こうしてキーを打つことにしました。

私事ですが、「○○ジャパン」という言い方がはっきり言って嫌いです。
それでも、この国では「日本代表」と名のつく全てのものに対して、それを率いる指揮官の名をジャパンの前に冠し「○○ジャパン」と呼ぶことが既に日常の光景になりました。
全てを監督に依存するような、非常に無責任な言い方のように思ってきました。

おそらくこの「○○ジャパン」の如き呼ばれ方を歓迎しないと思われるイビチャ・オシムという人。
既にジェフの監督時代からそうですが、記者とのやり取り、プレスリリースに現れる言葉の一つ一つに、こちら側が考えさせられることもしばしばです。
記者会見で、質問が適切でない場合では、逆に質問を返される記者もいました。
今までの監督たちではなかったことであり、マスコミもファンもしばしば戸惑うことになりました。

では、なぜ、こうしたことを彼は好むのでしょうか。

あくまで個人的な考えですが、考えざるを得ない場面をつくることによって、彼は、私たちに「責任」の一端を押し付けていたのかな、と思うことがあります。
こちらで「考えざるを得ず」出した結論から、現在のチームの状況を自ら分析させ、さらに問題点を指摘「させる」作業を仕掛けていたのかもしれません。
現状のマスコミを見るところ、これらの作業は上手くいっていないようですが、何となく意図は感じます。

誰かに依存し続けてきた結果、失敗を繰り返してきた歴史があるのに、なぜ日本人は、また同じ「他者依存」をしようとするのでしょうか。

そんな日本人に対して、監督に安易に依存するのではなく、自分たちに代表を強くするために何ができるのか、よく考えなさい、といったメッセージが、言葉の端々に含まれていたように思います。

そして、もし、そこまで日本人のことを洞察し、がっかり、うんざりさせられることがある程度わかった中で、なおこの無責任な国民にとっておそらくは最大の人気を誇るチームを率いるというプレッシャーを身を削る覚悟で受けてくれたというならば、私たちにとって、彼はやはり「恩人」と呼ぶべき存在なのだと思います。

実のところ、ドイツW杯の惨敗に非常に落胆していた私は、次の代表監督就任に際して、あまり明確な希望をもっていたわけではありません。
強いて言うなら、もう「勝てる」指揮官でいい。「日本人のメンタリティを理解していること」が前提だなんて、甘いのではないか。ヒディンクだってコリアンやオージーのことを完全に理解していたわけではないのだし……。

でも、一朝一夕に強くなることがないのも事実です。
そういう点で、イビチャ・オシムという人は、上記のような作業を続けることによって、私たちがよく知っているあることわざを示唆してくれたのかな、とも思います。

「急がば回れ」と。

感情の赴くまま、おそらくは的外れで意味不明であろうことをだらだら書いてきましたが、選手だけでなく、マスコミやサポーターをも含めた、全ての日本人のメンタリティにまで踏み込んでくれた外国人の指揮官は、これまでのところ私は思い当たりません。
そういった稀有の人、今は日本代表監督としてではなく、1人の人間としてのイビチャ・オシムさんの回復を、無責任な日本国民の1人としてただ願うばかりです。

ここの他のブログでも拝見しましたが、スタジアムで彼の名を叫ぼうということを提言されている方もいらっしゃるようです。
あるいは「シュワーボ、オスタニ!」もいいでしょう。
無責任な私は「仕事」という言い訳をここでもしてしまうのですが、皆さんの心からのムーブメントが、どうか彼に届きますよう、祈っております。

posted by bunchousann |00:10 | サッカー | コメント(5) | トラックバック(4)
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無責任な国民の一人として、イビチャ・オシムさんの回復を祈る

オシム頼むから回復してください…

posted by you | 2007-11-17 01:40

無責任な国民の一人として、イビチャ・オシムさんの回復を祈る

私も○○ジャパンには大反対です。
絶対に使わないと心に誓っています。
○○王子だとか、もう、いい加減にして欲しいです。

オシム監督、悲しすぎます。

posted by kenken | 2007-11-17 02:27

管理人より

youさんへ
今はとにかく回復を願いましょう。

kenkenさんへ
こうした呼び方をするのって多分日本だけなんでしょうね。それを格好いいと思ってやたらと連発するマスコミにもちょっとうんざりとしています。
そういうマスコミを啓蒙してもらう意味でも、オシム監督の存在は貴重です。
でもまずは病状回復が第一です。多くの人々の願いが届くといいですね。

posted by bunchousann | 2007-11-17 11:53

無責任な国民の一人として、イビチャ・オシムさんの回復を祈る

それにしても○○ジャパンっていつぐらいから言われ始めたんでしょうね?自分の記憶では90年代初頭、確かオフト監督時代ぐらいから
言われ始めてたような気がするのですが。また同じような時期に長嶋さんが巨人の監督に復帰するに伴って
『長嶋巨人』みたいな監督名+チーム名のような呼ばれ方が定着していったと自分は勝手に思ってますが。
それにしてもこういうのはやめてほしいですね。チームはファンみんなの物であってこれではまるでチームが監督の所有物みたいですし。
まぁ確かに分かりやすいし、大概の場合は言いやすいってのもあるのだろうからマスコミはこのフレーズを乱発してるのだとは思うのですが。

それにしてもオシムさんの件は本当に残念であると同時に心配です。
彼が監督に就任してからの日本代表は2010年W杯から恐らく逆算して着実に強化され、それもここ最近は
その成果が目に見えて現れ始めてただけにこんなタイミングでこんな事になるなんて本当に残念です。

でも今はそんな事はどうでもいいです。それにこれだけの好人物です。
一人の人間として、本当に一日も速く意識を取り戻してほしいです。

posted by ken1116 | 2007-11-17 22:43

管理人より

ken1116さんへ
そうですね。確かにオフト監督の頃にはあったような気がします。
それから他競技にも「普及」していきましたね。
現在ならサッカー以外に野球やバレーボールがポピュラーでしょうか。

「監督への依存」ということで言えば、日本人が真っ先に思い浮かべるのはやはり野球でしょうか。その影響がたぶんにありそうな気もします。
MLBの場合、日本ほど監督がメディアに前面に出ることはないようですし、そういう野球的要素、及び思考法がサッカーの世界に持ち込まれたことで、こうした呼び方ができたのかもしれません。

今日も小康状態ということで、あまり進展もないようですが、アジアカップ後から徐々にチームの形が見えてきたように私も感じています。
それだけに、このままのベクトルでこのチームがどれだけのことができるのか、ちょっと期待できるようになってきた矢先に今回のことが起こってしまったという感じがします。

とにかく、

「私が眠っていた間に、宿題は片付きましたか?」

なんてジョークが聞ける日を、今は待ちたいと思います。

posted by bunchousann | 2007-11-17 23:21

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