2007年10月26日
あえて、残留ラインを考える~Jリーグ、残り5節
さて、ミッドウィークのACLで浦和が見事に決勝進出を果たしました。 スポナビ+の各エントリーを見ていると、他のクラブのサポの方も随分応援されていたように思います。もちろん、中には複雑な思いでご覧になった方もいるでしょうが。 そんな一体感も、週末のリーグ戦には雲散霧消。 まるで映画での友情がテレビアニメでは見事に砕け散るドラえもんとその仲間たちの如し(笑)。 冗談はさておき、いよいよ残り5節となり、優勝争いも一部のクラブに絞られてきた一方で、早くも最下位横浜FCのJ2降格が決まるなど、J1クラブにとって最も恐れるJ1への残留争いも熾烈になってきました。 そこで、今回はあえてその残留ラインというのを数字で考えてみたいと思います。 スポーツという勝負事、数字が絶対ではないということは、この前に他の競技で見事に証明されましたが、それでも一応の指標にはなるのではないか、と思い、色々考えてみた次第です。 J1が現行の18チーム制になったのは2005年からで、比較的その歴史が浅く、2シーズンしかデータがないためにサンプルが充分ではありません。 ということで、同じように18チームで国内リーグ戦が行われている(あるいは過去にそうだった)ドイツ・ポルトガル(05-06シーズンまで。06-07シーズンからは16チーム制)・オランダの例も合わせて、各国02-03シーズンまでの合計16シーズンのデータから、どのくらいのポイントで順位が決まっているのかを調べてみました(注:あくまで順位であって、降格するチーム数は各国によって違います)。 まず、単純にサンプル16シーズンの平均をとってみました。 15位:36.250(最高:42、最低:31) 16位:32.875(最高:36、最低:27) 17位:29.000(最高:35、最低:19) 18位:22.125(最高:30、最低:9) (赤字:残留、紫字:入れ替え戦進出、青字:自動降格) ただし、ご覧いただければおわかりだと思いますが、順位が下の方がよりポイントのばらつきが大きくなっています。 15位と16位の平均ポイントの差が3.375であるのに対して、17位と18位の平均ポイントの差は6.875と、ほぼ2倍になっています。 これより、最下位のチームは比較的他のチームからポイント差がつく傾向にあると言えます。 やはり最下位のチームは最初に降格が決定する(あるいは降格が現実味を帯びる)ことが多く、降格決定後の戦いにモチベーションを保ちにくいなど、考えられる原因が多々あると思います。それに対して、そのほかのチームは残留に向けて最後までギリギリの戦いを続けるために差が小さくなっているのだと思います。 ちなみに昨季のJ1は非常に特殊な状況で、15位の甲府が42ポイントなのに対し、16位で入れ替え戦に挑んだ福岡が27ポイントと、実に15ポイントもの大差がつきました。これはサンプル中15位と16位の最大のポイント差になっています。 そして、今季のJ1の下位チームの29節現在のポイント状況を見てみます。 13位:名古屋 36 14位:大分 32 15位:広島 29 16位:大宮 27 17位:甲府 25 18位:横浜FC 11→降格決定 非常に申し上げにくいのですが、横浜FCがダントツの最下位になっている分だけ、その他のチームの残留争いが激しくなっています。 そのため、サンプル平均通りの結果にはなりにくいと考えられます。 まず、最下位横浜FCのポイントが、シーズン終了後、これまでのポイント獲得ペースから判断して、サンプル平均の22ポイントに届くには非常に困難だと考えられます。 そして、17位と18位のポイント差が14ポイントついていることも大きな特徴です。 今シーズンのこれらの特徴を考慮して、より近いサンプル例を絞って平均を出してみましょう。 最下位チームのポイントが20以下で、かつ17位と18位のポイント差が10以上離れているケースは、サンプルの16シーズン中、5シーズンありました。 これらのシーズンの平均値を出してみると、 15位:35.8 16位:33.4 17位:29.4 18位:15.2 となり、ほんの少しですが、16位、17位チームのポイントが高くなる傾向がありました。 ということで、2つのデータから最後は管理人が独断すると、
残留ラインは36、入れ替え戦進出ラインは33、というところになりそうな気がします。 これを踏まえて、残り試合などから下位チームの今後を考えてみましょう。 ●14位:大分 現在32 残留ラインまであと4、入れ替え戦進出ラインまであと1 おそらく入れ替え戦進出は最低でも堅いとは思いますが、比較的上位チームとの対戦が多く、またホームが2試合しかないのが懸念材料か。ただし31節に大宮(A)を叩けば、ほぼ残留は決まるでしょう。この1戦が肝心です。 ●15位:広島 現在29 残留ラインまであと7、入れ替え戦進出ラインまであと4 ホーム3試合が明るい材料ですが、対戦相手には残留争いの相手がおらず、ライバルを叩くことができないのが難点。ただし、優勝争いをしているチームは最終節のガンバ(H)のみなので、中位チームのモチベーションの低下に付け込みたいところです。 ●16位:大宮 現在27 残留ラインまであと9、入れ替え戦進出ラインまであと6 残留ラインまでの道のりは険しいのですが、対戦カードは最も恵まれています。30節は既に降格の決まった横浜FC(A)、31節は大分(H)、32節は甲府(A)と、ライバルを直接叩くチャンスがあります。また、ホームは2試合ですが、間借りしていた駒場ともおさらばで、いよいよ改修を終えたNACK5スタジアム大宮で試合をすることができます。好材料が多く揃っています。 ●17位:甲府 現在25 残留ラインまであと11、入れ替え戦進出ラインまであと8 さすがに現時点で17位だけあって、数字上は厳しいものがあります。これまでも数々の奇跡を演出してきたホームの試合を3試合残していること、そして32節に大宮(H)との対戦があることが材料としてはポジティブ。 これらはもちろん、あくまでも過去のデータからの(しかも管理人の)予想に過ぎません。 どのチームにも、残り15ポイントを獲得する可能性が残されています。それにサポの皆さんはこんな計算は関係ないはず。 そんな皆さんを元気付ける(というのもおこがましいのですが)意味でもなるべく各チーム好材料を取り上げてみたつもりです。 皆さんはいかが思われましたか? それにしても、26日1時30分頃から5時頃にかけてウチのパソコンではスポナビ+のトップページが真っ白だったのですが、今日ってシステムメンテナンスとかしてましたっけ?
posted by bunchousann |13:00 |
サッカー |
コメント(12) |
トラックバック(0)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/bunchousann/tb_ping/183
この記事に対するコメント一覧
あえて、残留ラインを考える~Jリーグ、残り5節
ホームだと勝率が良い
ってわけでも無いんだけどなー
広島は代表召集も痛い
posted by 16甲府17広島とみる | 2007-10-26 13:24
あえて、残留ラインを考える~Jリーグ、残り5節
自動降格:甲府、入れ替え戦:広島と予想します。
広島には世代別の代表を含めてたくさんの代表選手がいるので、降格となると大量放出の可能性があるということで先のことを考えても大ピンチですね。
posted by V | 2007-10-26 13:32
管理人より
16甲府17広島とみるさんへ
広島は柏木の疲労度が心配ですね。U-22でもレギュラー張りっぱなしですし。大分にも言えそうですが。
ホームでの勝率、確かにきちんと調べていませんでしたが、残留を信じるホームのサポの前で出来るということはポジティブなのかな、と思いました(ただし、プレッシャーになるかも)。
posted by bunchousann | 2007-10-26 13:33
あえて、残留ラインを考える~Jリーグ、残り5節
自動降格:広島、入れ替え戦:甲府
広島は相手関係がきついのと代表で選手をとられてしまうので。
甲府はこのところ調子が悪いのと、大宮と比べるときついカードが多いので。
どうでもいいですけど、なんで元東京Vの選手が多いクラブばっかり残留争いに巻き込まれてんでしょうね。
もしJ2に降格となった場合、彼らにとっては2度目の降格(横浜FCの山田は3度目)になるわけですけど、どういう決断をするのかちょっと興味があったりもします。また移籍かな?
で、その東京Vはというと大補強を慣行して昇格間近。
・・・緑の呪い?いや、ラモスの怨念か?
posted by hiro | 2007-10-26 13:43
あえて、残留ラインを考える~Jリーグ、残り5節
非常に興味深い内容で楽しく読まさせてもらいました。
俗に謂われる【対戦チーム数×その当該チームとの試合数】、Jリーグの場合は18チームなので【17チームと対戦×ホーム&アウェイの2試合】…つまり≪34≫なんですが、 bunchousannさんの調べたサンプルデータにも当てはまることに驚いています。この法則?公式?はどの国のリーグでも大体は当てはまるし、この法則を発見した人、または言い出した人は凄いと思います。
posted by ただの通りすがり | 2007-10-26 13:44
管理人より
Vさんへ
仰るとおり、早くも駒野、柏木らには魔の手を伸ばそうとするチームがあるという報道もあるようです。
降格すると財政的にも厳しくなりますし、選手としては、来年は五輪やW杯予選もあるので、やはりJ1のチームでプレーしたいと思うのが本音だと思います。これは過去にもそういうケースがたくさんありましたし、今回だけが例外というわけではないと思います。
もちろん、まだ降格が決まったわけではありませんから、あくまでも予想ということですが。
posted by bunchousann | 2007-10-26 13:46
管理人より
初めて携帯からレスします。上手くいくでしょうか?
hiroさんへ
広島サポの方のブログを読んでも悲観的な意見が多いようです。傍目には降格させるには勿体ない戦力だと思うんですが。
元東京Vの選手の巡り会わせの悪さですか……こればかりは何とも言えないですね。同じクラブで降格を何度も経験するのと、違うクラブで降格を複数回経験するのと、どちらがつらいのか、難しいです。
posted by bunchousann | 2007-10-26 18:59
管理人より
ただの通りすがりさんへ
これまでいろんなデータを漠然と見ていた限り、降格チーム数の違いもありますが、大体残留するのに必要なポイントは「試合数×1」という認識を持っていました。
今回調べてみて、それよりはもうちょっとポイントが必要らしいということもわかりました。
上位の状況にもよりますが、大体法則性のようなものがあるような気がします。
posted by bunchousann | 2007-10-26 19:13
あえて、残留ラインを考える~Jリーグ、残り5節
ごめんなさい。
多分、順位このままだと思います。しいて言えば広島が危険、大宮が脱出可能性ありって印象です。
というのは単純に現時点でチームのスタイルにこだわっているか勝つことにこだわっているかです。
甲府は甲府スタイルですよね。それでここにいる以上、浮上はかなり難しい。あとは大宮と広島がどうなるかですね。大分はなんだかんだいって選手いるし監督策士だからぎりぎりで踏ん張りがきくと思います。
posted by TK | 2007-10-26 22:00
管理人より
TKさんへ
甲府のサッカーはいろんな方が絶賛しています。
ただし、そのスタイルを貫くゆえに今の順位に甘んじているのかなぁ、とも思います。スタイルがはっきりしている以上対策をたてやすいのかもしれません。
それでも昨年は個人の力で打開できるバレーという存在がありましたが、今年はそういう選手も見当たりません。
極論すれば理想に殉じるのか、それともなりふり構わず残留を目指すのか、分水嶺にさしかかっているのかもしれませんね。
posted by bunchousann | 2007-10-27 02:28
あえて、残留ラインを考える~Jリーグ、残り5節
浦和は今、極めて現実的な戦いをしています。勝つこと優先。
実は浦和もかつて甲府スタイルよりもっとアグレッシブなスタイルを目指したことがありました。
3-4-3のDFラインの高いシステム、J開幕直前まではそれでうまくいけるかと思われました。
しかし開幕してみれば・・・・ご存じのとおり、長期低迷でした。一瞬、オジェック監督1期め、ギド・ブッフバルト中心の堅守速攻スタイルで浮上しそうになりました。
しかしフロントはつまらないと言って監督を変えました。
そのあとはチーム作りは2点3点しついにJ2。
ここへきてようやくチームのベースを再度構築しなければ・・・となり現在地点です。
浦和はまだ進化中です。かつての失敗を繰り返さないように慎重に進化の過程を進めようと。
だから理想を追及して欲しいけど、来期、甲府がいないJ1は寂しいかなと。個人的には思います。
長い目でスタイルを構築していくやり方も現時点ではあるのではないのかなと。
posted by TK | 2007-10-27 13:48
管理人より
TKさんへ
現在のJ1で「長い目でスタイルを構築していくやり方」というのは非常に難しいでしょうね。
甲府が今のスタイルをある程度構築できたのは、長年J2にいたことと無縁ではないでしょう。
J2には降格がありません。ですから、いい意味でも悪い意味でも“腰を据えて”「自分たちのサッカー」をすることができると思います。
一方、J1で同じことをやろうとすると、それなりの選手(選手個人の質)が必要になると思いますし、そもそも降格してしまったら全てが水泡に帰すことになります。
今日の引き分けで、さらに苦しくなりました。
大宮戦で、どうやら行く末が見えてきそうな気がします。
posted by bunchousann | 2007-10-28 03:05


