2007年09月23日
救われた誘導員~美しき新たな出発
このブログを日頃よりご覧の方であればご存知かもしれませんが、昨日より東欧時間での生活に入りました。変な時間に記事投稿、コメントへのレスが行われますが、気になさらないようお願いいたします。 さて、そんな管理人の個人的な事情はどうでもいいのですが、帰宅後、たまたまつけた某スポーツニュース番組でのことです。 先月末から今月初めまで行われていた世界陸上の男子50キロ競歩で、誘導員のコース誘導ミスで、まさかの途中棄権になった山崎勇喜選手が、岐阜長良川で行われた第55回全日本実業団対抗選手権の1万メートル競歩で、見事優勝を飾ったニュースが流れていました。 あの時、山崎選手は上位も狙える位置でレースを続けていました。 世界陸上で、8位以内に入れば北京五輪の代表に内定するのですが、その可能性も充分に残していた矢先の、誘導員のミスでした。 50キロ競歩という過酷な競技のレース終盤、テレビ放送の実況と解説者は、そのミスに気付いたようでしたが、当然レース中の本人にその声は届かず、結局レースは途中棄権という不本意な結果に終わってしまいました。 しかも、大会主催者側のミスによって記録を出すことが出来なかった山崎選手でしたが、五輪代表選出の選考に当たっては何らの救済処置もされず、ほとんどのアスリートにとって最大の目標である五輪への出場権獲得は0からのスタートを余儀なくされてしまったのです。 主催者側は当然謝罪しましたが、失われた機会も記録ももう帰ってきません。 いろいろなところで山崎選手には同情的な意見が寄せられ、同時に不手際をおかした主催者側への痛烈な批判も目にしました。 その世界陸上からわずか20日余り、全日本実業団対抗選手権は山崎選手の最初のリスタートとなったレースだったわけですが、山崎選手のコメントが何とも印象的でした。 「誘導員の方も一生懸命やって下さったので……」 この一言で、どれだけの人が救われたのでしょう。 テレビのインタビュアーに対して、誘導員に対する憤りや失望の言葉を出さず、後半ペースダウンしてしまったあの時の自分自身への怒りを感じているということを言っていました。 ミスをおかした人間を責めるのはたやすいことだと思います。 ただ、そんな自分も、どこか別の機会で、もしかしたら致命的なミスをおかす可能性があります。 それが自分にのみ不利益になるものなのか、あるいは他者に不利益を与えるものなのかさえわかりません。 そのように理屈でわかっていたとしても、普通の人間にはこれだけ他者のミスで不利益を被った場合、そんな簡単に割り切れないと思うのです。 このようなコメントを発するには、切り替えの早さ、精神力の強さ、そして人間性の美しさが必要だと思います。 そして、大きな目標があるからこその新しいスタートなのでしょう。 その新たな出発は、無事果たしました。 今は五輪出場、そしてその先に向かって、大きな怪我がないことをただ祈るばかりです。
posted by bunchousann |04:40 |
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この記事に対するコメント一覧
Re:救われた誘導員~美しき新たな出発
何となくその辺が負けの美学って言うんですかね?
日本人って結構そういう人が多いように感じます
その場の感情で動く人はそういう人って好くなと思いますが…
(僕も見習わないといけないですね…)
山崎選手に関しては全く誘導員のせいにしていないのは素晴らしいことだと思います
あのまま歩いていても抜かれてしまい入賞圏内は難しかったと思いますと言いきってましたからね…
誘導員の方大会関係者の方たちは大いに救われたように感じます
まぁ誘導ミスが日本人でよかったってことですかね…
posted by のーちらす | 2007-09-24 08:49
管理人より
のーちらすさんへ
山崎選手は、本当に自分に集中力があれば、誘導員が何と言おうが、自分自身であと1周周回しなければいけないことが判断できたのではないか、と思い、その判断ができなかった自分自身を責めているのかもしれませんね。
私たちも普段の仕事で部下や後輩のミスを被ったり、客や取引先のミスさえ被らなければいけない局面もあると思いますが、なかなか割り切るのは難しいものです。
それだけに、今回の山崎選手の態度は非常に気持ちのいいものだったと思います。
posted by bunchousann | 2007-09-24 13:07
Re:救われた誘導員~美しき新たな出発
山崎さんは、僕の住んでいる富山県の出身です。
県内駅伝の名門、富山商業に入るも、競歩へと転向します。
それから高校を卒業するまで、たとえ高校記録を出しても、平凡なレギュラー選手程度の扱いだった山崎選手は、いつか見返してやるという気持ちを持ち続けていたと思います。
今回こんなことになったのは残念ですが、山崎選手の敬意ある言動に、日々自らの傲慢さを思い知らされています。
私も陸上をやっています。
是非、山崎選手のように、陸上関係者以外の方々からも、一目おかれるような、フォームよりも心の美しいアスリートになりたいです。
posted by 富山県民 | 2007-10-09 14:05
管理人より
富山県民さんへ
陸上をやられているということで、故郷の素晴らしい先輩に対するリスペクトをひしひしと感じました。
その競技で世界的に高いレベルにあるアスリートもさることながら、こうした人格の優れたアスリートもまた、もっと尊敬されるべきだと思います。
心の美しいアスリートになられることを、期待しております。
posted by bunchousann | 2007-10-09 14:44


