2007年09月14日

前代未聞の一罰百戒~チャンピオンのいない来年もあり得る?

ここのところF1ネタの投稿が多くなっているのですが、どうもサーキットの外のネタが多くなっています。それでも先日「おすすめ」を頂いたようないいニュースならばどんどん伝えたいのですが、今回のニュースに関してはやはりちょっと残念だなあと思います。

この「スパイ疑惑」ニュースが最初に伝えられたのは7月頃でしたが、当初は全く気になりませんでした。
F1に限らず、どんなスポーツにでもよくあることですが、今回の話はよくあるゴシップの類だと思っていたからです。
そんな私の予想通り、その後この「スパイ疑惑」のニュースは完全にトーンダウンしたのですが、先週のイタリアGPの前に、FIAが新たな証拠を発見したとかで、風雲急を告げるような展開になってきました。

そして下った今回の裁定。個人的には随分厳しい裁定だと思います。

主な処分は2つあって、マクラーレンの2007年のコンストラクターズポイント剥奪、そしてそのコンストラクターズポイントの順位に伴う賞金や放映権料などの分配金、1億ドル(およそ115億円)の没収。

コンストラクターズポイントの剥奪は予想されましたが、分配金の没収(すなわち罰金)がここまで巨額になるとは思いませんでした。
F1での罰金といえば、かつてのフェラーリのチームオーダーに対するミハエル・シューマッハとルーベンス・バリチェロのケースを思い出しました。あの時、確か両ドライバーにおよそ1億円の罰金が科せられたと聞いて、「F1というのは随分巨額の罰金を科すのだなぁ」と思ったものですが(特に両者のギャラの大きな差を考えた時、バリチェロにはかわいそうな裁定でした)、チームへの罰金ともなればケタが変わってくるものですね。
それにしても1億ドルと言えば、資金難に悩むスーパーアグリのような弱小プライベーターならば、年間予算を上回る金額です。

幸いにもドライバーズポイントは剥奪されず、ルイス・ハミルトン、フェルナンド・アロンソの両ドライバーは、今後激しさを増す年間王者を目指しての戦いには、どうやら継続して参戦できるようです。
既にベルギーGPが始まり、その次はいよいよ日本GPですが、日本のファンも彼らのレースが観られるということで、ちょっとだけ安心したのではないでしょうか。

ただし、この裁定には続きがあって、2008年の選手権に関するマクラーレンの参戦に関しては、この原稿を書いている現在の時点では保留扱いになっています。
早い話、マクラーレンは「2008年の選手権に参戦できない」可能性もあるということです。
「参戦できない」というのは、今年に関する裁定のようにコンストラクターズポイントの獲得を認めないということなのか、それともマシンの出走自体を認めないということなのか、現時点ではわからないのですが、仮に後者だとしたら、現在ドライバーズランキングでチャンピオンに最も近いところにいるハミルトンとアロンソが来年のレースに出られなくなるということになります。この両名のいずれかがチャンピオンになった時、ディフェンディングチャンピオンが翌年の選手権に出られないという最悪の事態にもなりかねません。

また、レースそのものに出られないとなると、今年のように分配金を受け取れないばかりか、スポンサー関係にも多大な迷惑がかかることになります。
スポンサーのロゴが、1年間全く露出されなくなるのですから、おそらくマクラーレンはスポンサーに対する契約不履行によって莫大な違約金を払わなければならなくなるでしょう。
あるいは、スポンサー契約そのものを打ち切られる可能性もあります。
どちらにしても、経済的損失は計り知れないものがあります。
名門マクラーレン、長いF1活動の歴史の中で最大の危機を迎えているのかもしれません。

今回の一罰百戒によって、もうこの手の「スパイ活動」はなくなると思うのですが、来年のこともちょっと気になります。
個人的には、ドライバーはおそらく大きな関与をしていないはずだと思うので、たぶん大丈夫だと思うのですが……。

(9月14日、16時50分:追記)
記事投稿時点では、来季のマクラーレンの「参戦」は保留となっていましたが、どうやら条件付で参戦を許されるようになったようです。
ただし、そのためにはマクラーレンのマシン「MP4-23」に関する「完全なる技術レポート」をFIAに提出しなければならないとのことです。要するに、マシンにスパイ行為で得た技術が使われていないことを立証しなければ参戦を許さない、ということだと思われます。

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posted by bunchousann |12:30 | F1 | コメント(4) | トラックバック(0)
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Re:前代未聞の一罰百戒~チャンピオンのいない来年もあり得る?

コメント投稿者ID :

更にFIAが単独で今年のマシンを調査し、
今後、ドライバーズタイトルの剥奪もあるとの事ですね。。。
違法行為が認められてコンストラクターズポイントが剥奪なら、違法行為を行ったマシンで稼いだドライバーズポイントも剥奪されるべきだと思います。

posted by ぽむ | 2007-09-14 22:26

管理人より

コメント投稿者ID :

ぽむさんへ
そういう考え方には一理あるとは思いますし、他の方のブログでも同様の意見がありました。
ただ、違法行為を行ったのは彼ら2名のドライバーではなく、チームのスタッフですよね。
ドライバーがそういう違法行為を知っていて故意に見逃したという明確な証拠でもない限りは、彼ら2人もまた違法行為によって得られた情報が関与したマシンに「乗せられていた(乗らざるを得なかった)」一種の被害者であり、ペナルティを課す必要はないと思います。

posted by bunchousann | 2007-09-14 23:37

Re:前代未聞の一罰百戒~チャンピオンのいない来年もあり得る?

コメント投稿者ID :

もう読まれたかもしれませんが
http://f1.gpupdate.net/ja/news/2007/09/15/166990/

ライバルドライバーのピットイン周回を知っていたとかはショックを受けました。
まぁどの時点でアロンソが知ったのかは分かりませんが。

ドライバーにペナルティは課さないとの事ですが・・・ね。
個人的にもせっかくドライバーズタイトル争いが盛り上がっているので水を差すのはどうかと思うわけですが、もしそういうのが全く関係が無かったとしたら・・・どういう処分が下るんでしょうね。

posted by 通りすがり | 2007-09-15 23:49

管理人より

コメント投稿者ID :

通りすがりさんへ
う~ん、具体的な事実は知らなかっただけに、こういう話はちょっとショックですね。
ただ、ご指摘の通り、FIAはやはり興行面を重視してドライバーズタイトルの方は「お咎めナシ」にしたのだと思います。
また、ドライバーが積極的に証拠提出に協力したということで、司法取引的な側面もあるのだと思います。

posted by bunchousann | 2007-09-16 19:28

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