2007年08月08日
改めて考えてみたい~新人選手への高額契約金がもたらす影響
実は7月18日のプロ野球実行委員会での話で、今回の話題も取り上げたのですが、この時はそれよりも、オーナーたちの「っていうか、NHKがメジャーばっかり流すんでマジむかつくんだけど」発言の方へ話題をさらわれた観があるので、改めて書かせてもらいます。 8月7日の実行委員会で、新人選手への契約金額の上限が、これまで最高標準額なる文言で決められていた「1億円+出来高払い5000万円」に決まり、今後この金額を上回る金額を新人選手に支払った場合は、何らかの罰則が科せられることになりました。 ただし、この契約金上限額決定には「特例」も認められています。 7月の時にも一部オーナーたちから発言があった通り、特に有望な新人選手において、MLBへ高額の契約金で引き抜かれることが想定される場合には、特別にNPBに許諾を得ることによって上限額を超える金額を新人選手に支払うことができるようです。 那須野投手に5億3000万円支払ったとされる横浜以外、他の11球団はこれまで1億5000万円以上の金銭を1人の新人にすら支払ったことがないはずですが、この「特例」を設けることによって契約金をいかようにもできるわけで、事実上、新人選手への契約金の上限は撤廃されたという見方ができます。 前回も書かせてもらったのですが、少なくとも私が知る限り、これまで特に有望とされたアマチュア選手たちに対して、従来NPBの定めていた最高標準額を超える金額で交渉を持ちかけたMLBの球団があるという根拠のある話は聞いたことがありません。 あくまで噂の範囲で、現在読売に所属する上原浩治に対して、確かエンゼルスが高額のオファーを出したという話を聞いたことがある程度で、それもうやむやのままに立ち消えになったはずです。 これまで実績のない「脅威」に対して、オーナーたちはやや過剰に反応し過ぎだと思うのですが、過去から現在へと続く秩序が未来をも保障するわけではないのですから、オーナーたちの懸念は理解できなくもありません。 あるいは、私がその「脅威」を単に知らないだけで、実際はそういうことが頻繁にあったのかもしれません。具体的にご存知の方がいらっしゃったら教えてください。 こういう書き方は意地が悪いということを承知で書きますが、このような例外つきの決定が為されるということは、球団側は、高額の契約金の支払いが、有望新人選手をMLBに流出させないための手段として極めて有効であるとの合理的、論理的な説明ができるということなのでしょう。 ただ、球団経営が悪化する昨今の球界事情を考えると、こうした新人への過剰な投資は、当然リスクを伴うものでありますし、投資に失敗した時のダメージは、今までの比ではないと思われます。 前回のコメントでも頂きましたが、新人選手への高額契約金によって、これまで球団に貢献してきた選手への金銭的な反映がおろそかになるようなことがあっては、本末転倒というものです。 それに、NPB側のスタンスは、MLBへの有望アマの流出は断固阻止という姿勢を明確に示したとも言えますが、これが既にNPBに所属するプロ選手に対するスタンスだとすれば、まだ理解できる部分はあります。 しかし、現在の日本の野球界は、プロがアマに干渉できないような構造になっている以上、アマチュア選手が進路をどのように選択しようとアマチュア選手の自由であり、プロ側がとやかく言う問題でもなさそうな気がします。 結論から言えば、高額の契約金を設定することによって、抑止力を上げることはできるでしょうが、MLBに行きたいか、行きたくないかを決定付ける要素はもちろん金銭だけではありません。 その点で、どれほどの効果があるのか、私には大いに疑問です。 そもそも、そういう前例がないのも疑問に思う理由の1つなのですが……。 有望新人選手の契約金を上げるのは、確かに待遇という面において選手をNPBに引き止めるのに有効だと思いますが、それよりも、件の「NHK批判」の際に様々な方面から槍玉に挙げられていたNPB自らの魅力ある環境作りの方にも、もっと責任ある発言をして欲しいものです。
- 共通ジャンル:
posted by bunchousann |23:25 |
野球 |
コメント(5) |
トラックバック(0)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/bunchousann/tb_ping/155
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
Re:改めて考えてみたい~新人選手への高額契約金がもたらす影響
コメント投稿者ID :
確かに少なくとも今のMLBがそこまで完成されたとは言い切れない日本人のアマチュア選手を欲しがるかは甚だ疑問ですね。今のMLBではドミニカなどの出身選手はよほど有望でもない限り26歳にもなれば契約はしないでしょう。だからこそ年齢詐称の選手が多いのだし・・・。日本についてはその逆な感じがします。勿論根拠はありませんが。
問題なのは「NPBに許諾を取って」ということでしょう。これについて判断を下すのは、裁量権があるのは誰?さらにそれについて監査するのは誰?私の不勉強故の疑問かもしれませんが、どうも不透明な感じがします。
posted by 滋味 | 2007-08-09 09:26
Re:改めて考えてみたい~新人選手への高額契約金がもたらす影響
コメント投稿者ID :
前回もコメしましたが、やはり新人に対する契約金吊り上げには反対ですね。
まだプロで何も実績を残してない選手に対して払う金額ではありませんよ。逆に大金を貰うことによりダメになる選手もいるでしょうし。それに過去のドラ1でホントに活躍した選手って以外と少ないと思うんですがね。。。
それで赤字経営→球団売却→1リーグ制なんてナンセンスな話ですし。
管理人さん言うようにアマチュアに対してそれこそ「職業選択の自由」を取り締まることはできないんですから、MLBより魅力的なNPBにすることを優先した方がいいでしょう。
posted by DGS | 2007-08-09 18:00
管理人より
コメント投稿者ID :
滋味さんへ
確かに日本人のスター選手には、選手としての能力以外にもいろいろと金銭的な付加価値がつきます。それゆえ松坂のような選手にはあれだけの金額が投じられるんですよね。
それが有望選手とは言え、アマチュア選手であれば、スター選手のような付加価値がすぐに発生するとは思えません。
MLBのドラフトにかかった選手でも一部の有望選手には多額の契約金が支払われることはありますが、日本人選手には今のところそのような前例がないわけで、このようなルールができたことにやはり違和感を感じます。
「特例」に対する裁量権は、おそらくコミッショナーが有するのでしょうが、日本の場合、「コミッショナーが有する」という文言はあってなきが如しです。この件に関して、すでにいろいろな“抜け道”が報道されており、実質的にはザル法になる懸念が早くも指摘されています。
DGSさんへ
前回もレスしましたが、こうした契約金はその大部分をインセンティブにすればいいと思うんですけどね。
選手は活躍すれば充分な金銭を手にすることができますし、球団は期待値だけで多額の出費を強いられることもなくなります。リスクマネージメントとしても非常に有効だと思います。
それに仰る通り、ルーキーにはハングリー精神が必要ですし、実績を残していない選手が金銭的に裕福というのは、実力主義のプロスポーツの世界において不思議なことだと思います。
posted by bunchousann | 2007-08-09 20:13
Re:改めて考えてみたい~新人選手への高額契約金がもたらす影響
コメント投稿者ID :
横道に反れるコメントすみません。
甲子園が始り好きな野球が盛り上がり嬉しく思っています。
管理人様は、前に高野連問題で鋭い意見を述べてらしたので、あえて私の思いを書かせて下さい。
今日思ったのですが、選手達の姿を見てなぜか違和感がありました。良く考えて見ると、甲子園で付ける背番号です。地方大会では、各チームは自チームのユニホームに適した色やデザインの背番号を付けて戦います。
それが、甲子園へ出場すると、なぜか全チーム同じ白地に黒の数字の背番号です。
高野連から「出るならこれを付けろ!」みたいな気がします。
ベージュのユニホームやブルー、グレーなど各チームはスクールカラーを使っています。ましてメッシュや新素材のユニホームにあれは、違和感を感じます。管理人様のよくご存知なサッカーで、あんな背番号を付けるのでしょうか?
だいたい、選手の使う手袋にさえ、「高校野球対応」って商品にシールが付いています、高校野球では、バッティング用の手袋は、白か黒の無地と規定されてるらしいです。キャッチャーのプロテクターもそうです。
そこまで体裁をなぜ言うのか理解不能です。
多分この高野連の決め事って、一般世間からかけ離れていますよね。
すみません、こんな話題で。
posted by maro | 2007-08-09 22:14
管理人より
コメント投稿者ID :
maroさんへ
コメントを頂くのは有難いのですが、こちらは一応プロ野球の記事ですので、もし高校野球に関することであれば、これからは過去ログの高校野球の記事の方へコメント頂ければ有難いと思います(過去ログであっても新着コメントはトップページに反映されるので)。
で、ゼッケンのことですが、これは高野連のHPを見たところ、特に規定はないようですね。
ですが、おそらく大会前に主催者側からどのチームにも同じタイミングでゼッケンが配られるためにあのような没個性なデザインになっているのではないかと思います。
ちなみにあの道具に関する細かい規則を見ると、学生時代、生徒手帳に長々と書かれていた校則を思い出します。
あれだけ細かい規則を作る面倒をわざわざ買って出る、高野連の皆さんのその情熱だけはたぶん尊敬に値するものなのでしょう(笑)。
posted by bunchousann | 2007-08-09 22:47
コメントする
「他サービスID/メールアドレス」で投稿する場合は、そのID/メールアドレスは表示されず、当サービス専用の固定のコメント投稿者ID「英数+連番」に変換され表示します。
- Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
- mixiアカウントでコメント投稿
- Googleアカウントでコメント投稿
- Hatena IDでコメント投稿
- Biglobeアカウントでコメント投稿
- ログインしてコメント投稿
- メールアドレスでコメント投稿
※新規のメールアドレスによる投稿IDご利用は停止しました。
※コメント投稿手順
(1)上記リストから希望のIDを選択する。
例: Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
(2)Yahoo! JAPAN上の本人確認画面でIDとパスワードを入力する。
(3)スポーツナビ+blog側のコメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」
※コメント投稿手順
(1)上記リストからログイン/メールアドレスのどちらかを選択する。
例: ログインしてコメント投稿
(2)plus-blogのアカウントとパスワード/メールアドレスを入力する。
(3)コメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」


