2007年07月20日

やはり書いておかないと~アジアカップをゆるゆると、日本代表以外で

プロフィール欄に「主にサッカーや野球……」なんて書いておきながらこれまで当ブログではスルーしてきたアジアカップ。今更かよ、って感じですが、オフの徒然に任せて軽く書いてみようかと思います。
で、実は日本代表についてもざっくり書いてみたのですが、もうすでにたくさんのエントリーで語り尽くされてしまった感があるので、天邪鬼な私はその部分を消去してしまいました。ということでここまでの大会全体を俯瞰してゆるゆると書いてみようかと思います。

開催国の奮闘
今回のアジアカップは4カ国の共催という、どのサッカーのコンペティションでも前例のない大会になりましたが、それゆえの特異な状況がありました。
すなわち、全ての参加国が開催国との対戦をする、ということです。
開催国のメリットについてはW杯を開催した私たちはよくわかっていると思いますが、それゆえのアップセットもたくさんありました。
開幕早々にベトナムがガルフカップの優勝国UAEを屠り、タイは日本も苦しめられた中東の曲者オマーンを破り、インドネシアはドイツW杯予選でプレーオフにまで進出したバーレーンをそれぞれ下しました。
負けたチームがいずれも湾岸諸国という共通項がありますが、いずれもアジアでの地位は彼ら開催国よりも明らかに格上であり、地元のファンは快哉を叫んだのではないでしょうか。
ただしマレーシアだけは唯一3戦連敗、しかも目を覆いたくなるような惨敗続きで大会を終えてしまいました。
アジアカップの最中にマンUの親善試合を計画していたことが話題、問題になりましたが、こういう結果になることがわかっていたので興味をそらしたかったのか、あるいは逆にその親善試合の計画が大会でのモチベーションの欠如に繋がったのか、原因と結果の関係はわかりませんが、ホームアドバンテージをここまで活かせないというのはちょっと残念ですね。

日本と対戦したベトナムについてほとんどスルーされている事実として、彼らは2003年に行われたアジアカップ2次予選で韓国を破った実績を持っていました。
しかも、韓国のメンバーはベストではなかったということでしたが、ベトナムもまたこの試合には五輪代表を送りこんでいたとのことで、韓国にとっては、ただ負けたことだけでなく、二重の屈辱を味わったようでした。

この2次予選のグループリーグはオマーンでのセントラル方式で行われていて、ベトナムのホームではありませんでしたし、あの時とはメンバーも監督も変わっているとは言え、要するにサッカーでは何が起こるかわからないということで、私は日本ももしかしたらアップセットを喰らうのではないかとほんの少し危惧していました。それが杞憂に終わったのは幸いですが、今回彼らはホームではそれなりにやれることを実感したはずです。また、ベトナム代表には五輪世代の選手も多く含まれており、この点はU-22の五輪最終予選でも要注意だと思います。

そしてグループリーグで勝利を収めたチームのうち、そのベトナムは見事決勝トーナメントに進出しました。2位通過であるがゆえにホームでの戦いができなくなりますが(日本は空気を読めって?)、この成果だけでも十分だと思います。

強豪国の苦闘
開催国の奮闘が1つの驚きであるならば、優勝候補と目された国の苦闘もまた驚きの1つだったと思います。
そう、オーストラリアや韓国といった昨年のW杯出場国がグループリーグ敗退の危機にさらされました。

オーストラリアは欧州勢が多すぎることが逆に足かせとなっているのかもしれませんね。確かにアジアレベルでは素晴らしい能力を持った個人の集合体ですし、それを有機的に連動させる能力も備えているのでしょう(今大会の結果は別にして)。ただし、快適な欧州でのプレーにいささか慣れ過ぎてしまったがゆえに、この特異な環境(気候、審判、ピッチ等)に戸惑いを見せたのかもしれません。
また、これだけいい選手が揃っているのだから結果を出して当然というプレッシャーもあったでしょう。まあこの点は「3連覇」の文字が頭から離れない日本にも共通していると言えそうですが……。

韓国は自慢の欧州組が揃って怪我をしてメンバーから外れ、彼らの言うところの「ベストメンバーではない」布陣で臨むことになりました。
この国に関しては、例の対談企画でも発言させてもらったのですが、どうもアジアカップでは、苦手意識があるのか、W杯予選でのような存在感を感じないことが多いと思います。
また、2003年というW杯の翌年に、韓国は上記に挙げたベトナム、そしてこの後オマーンにも連敗を喫し、その翌年、2004年にはW杯1次予選でモルディブと引き分けるというさらなる屈辱を味わい、ウンベルト・コエリョ監督(当時)の更迭へとつながったわけですが、もしかしたらUJさんがあの時に仰った「4年サイクルでの後半(もっと言えばW杯直前の終盤)の伸びが大きい」がゆえに、この時期は結果が出にくい傾向にあるのかもしれません。。
また、その結果が伴わないことによるピム・ファーベック監督への協会や世論の風当たりの強さや、上手く協力関係を構築しているとは言い難い代表とKリーグとの関係も、チームのパフォーマンスに影響を及ぼしているのかもしれません。実際にグループリーグ2戦目でバーレーンに敗れた際に、今回は出場していないある代表の主力選手が監督をかばうシーンが見られましたが、案の定、監督更迭論は加速しました。

それにしても面白いのは、両国の共通項として、どうもフース・ヒディンクのマジックに一度かかると、その結果(内容がいいというのもチームが進化するための1つの「結果」だという解釈をした上で)が伴わないと、なかなか我慢するのが難しいのもかもしれませんね。そして監督の交代はオーストラリアでも現実味を帯びてきているようですが(こちらはアーノルド監督が暫定的に就任したという話のようですし)、そこに挙がった名前は韓国にもゆかりの深いあのオランダ人。やはりヒディンク=オランダという呪縛からは逃れられないのかもしれません。

韓国はイラン、オーストラリアは日本と、共に準々決勝ではW杯出場国同士の対決となりました。それぞれ決勝でもおかしくないカードですが、日本代表への注目もさることながら、この両国(を取り巻く環境)にも注目してみたいと思います。

それと、強豪国と呼ぶと「え?」という声がかかってきそうな中国。
前回のアジアカップで日本は大変お世話になったわけですが、このアジアカップの最中にかの国の五輪代表はイタリアでインテルと親善試合などしているようで、こうした事実は世代間の有機的な結合が進んでいないことを表しているような気がします。
地元での五輪で好成績を収める(=社会主義国として体面を保つ)ために、A代表の強化はおざなりにされているという話は噂に聞きましたが、グループリーグで厳しい組に入ったからとは言え、決して突破できない組ではなかったはずです。

これも対談の中で私が言ったことですが、W杯のアジア最終予選が過去2回、いずれも4カ国ずつで2つのリーグ戦をH&Aでやるという形式で行われている以上、アジアのベスト8に残れないということは、前回のW杯予選同様、1次予選敗退にも等しいことを意味します。
調整中のインテルとぐだぐだの試合をするくらいなら、いっそアジアカップに五輪代表をそのまま送り込んできても面白かったと思うのです。どうせ2010年の予選は彼らが主役になるわけですし、今後のためにも貴重な経験になると思うんですけどね。

たった2つの話題しか書いていないのに、ゆるゆる書いたら長くなってしまいましたね(マジで2時間近くもかかりました)。日本代表についても書いたほうがよかったんでしょうか。それは機会があれば(または他の皆様にお任せする)ということで……。

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posted by bunchousann |14:55 | サッカー | コメント(8) | トラックバック(0)
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Re:やはり書いておかないと~アジアカップをゆるゆると、日本代表以外で

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オーストラリアは東南アジアの高温多湿の環境に想像以上に苦労してるみたいですね。
1年前には今回のアジアカップの予選でバーレーンをアウェーで3-1で負かしてるから
湿度のあまりない、単純な暑さにはあまり問題はなさそうですけど。…そういえばドイツで日本が負かされた時も…(涙)。
でも今回のオーストラリアはグループリーグで一度『死んでる』わけで日本人が想ってる以上に手ごわいかもしれませんね。
逆に今大会の日本は本当の修羅場はくぐってないわけだし。でもハノイはバンコクより更に暑いみたいだし(というか今大会のベトナムは開催4カ国の中で一番暑いらしいですけど)
日本戦の後半、オーストラリアはガス欠になっちゃうと自分は予想してるのですが。
逆に日本代表はそこに10日以上滞在して環境に慣れてるアドバンテージがある分、試合後半日本はかなりペースを握れると踏んでます。
…まぁオーストラリアは個人のタレントのポテンシャルだけでみれば間違いなくアジアNO.1だし、そんなに都合良くいくとも思えないですけどね(苦笑)。


posted by ken1116 | 2007-07-20 16:34

Re:やはり書いておかないと~アジアカップをゆるゆると、日本代表以外で

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いやあ、中国は個人能力が高いからまともな監督、オシム等を導入すれば飛躍的に伸びると思います。今はぶつ切りですからね。

posted by ばんは | 2007-07-20 17:41

Re:やはり書いておかないと~アジアカップをゆるゆると、日本代表以外で

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ここまでの開催国の奮闘ぶりには自分もビックリでした。完全に予想外^^;しかし、中国とベトナム以外は結局順当ですかね。ただ、東南アジアの国々に「地元なら!」って意識が芽生えたのは間違いなく、W杯予選が厄介かも!?と思い始めてます。

そういう意味でも、明日の豪州戦はめちゃ大事!これに負けると日本全体として苦手意識を持ちかねないし、逆に豪州は対日本戦に自信を深める気がする。。。対戦成績はほぼ五分だと思いますが、それ程ドイツの惨敗は強烈でしたからね><
先のW杯予選を考えればホントに大事な一戦です。いざ、リベンジ!

posted by DGS | 2007-07-20 17:45

管理人より

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ken1116さんへ
いわゆる“hot”と“humid”の違いですね。オーストラリアは前者への対応はできるようですが、後者への対応は必ずしも上手くいってないのだと思います。
ただ、最大限相手方に好意的に解釈すれば、相手は「決勝進出」を最低限の目標としているわけですから、W杯での強豪国の戦い方と同じく、決勝トーナメントにコンディションのピークを持ってくるのかもしれません。いずれにせよ、侮れない相手であることには違いありませんね。

ばんはさんへ
強化の継続性や世代間の一貫性、そこに気付いた時、中国は今よりもずっと強くなるのでしょう。

DGSさんへ
何だかんだで、ベスト8はほぼ順当というところで、W杯の最終予選進出国もおそらくこんな感じになるのでしょう。
ただ、ご指摘の点は本当に重要で、日本の場合、W杯予選の前に五輪代表の予選ですぐにでも影響を受けそうな気がします(ベトナムです)。中東だけでなく、東南アジアも今後は侮れない相手になる可能性を秘めているかもしれませんね。

それと、今後のことを考えても、やはりオーストラリアには勝っておきたいですね。アジア予選が簡単なものだと思われては、彼らとてわざわざオセアニアから転籍してきた意味がなくなりますものね。

posted by bunchousann | 2007-07-20 18:02

Re:やはり書いておかないと~アジアカップをゆるゆると、日本代表以外で

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 真剣勝負でタイトルのかかった試合の経験というのは後々大きいですからね。

 

posted by ソクラテス | 2007-07-20 19:29

管理人より

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ソクラテスさんへ
親善試合にないガチンコ感は、こういう大会ならではのもの。それだけに、結果も内容も今後の糧とすべく大切にしたいですね。

posted by bunchousann | 2007-07-20 20:39

Re:やはり書いておかないと~アジアカップをゆるゆると、日本代表以外で

コメント投稿者ID :

やはり書いておかないと^^; という事で私も。だいぶ遅れましたが。

一つの山を越えましたが、今終わったであろう相手(バレを恐れて2つとも書きませんが)と水曜日に。そして決勝もイラクvs (あの因縁のチーム)の勝者と、という事で、世間で一部報道されている「事実上の決勝戦」が終わったからといって油断は出来そうもありません。
もっともオシムさんがそう思って手綱を引き締めていそうなのが判るので(ベトナムにいて外部からの情報がほぼ遮断されている選手達のコメントから想像できますが)、その点は以前に比べれば安心できるのですが。

posted by UJ | 2007-07-22 23:58

管理人より

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UJさんへ
バレに対するお気遣いありがとうございます。大丈夫です。

何だかんだで準決勝はいつものカードになりましたね。イラクもグループリーグではオーストラリアを撃破してますし、シドニー五輪でチームの躍進貢献した選手たちがそのまま力をつけてきているようです。韓国もグループリーグ敗退という崖っぷちから這い上がるそのパワーはさすがというところ。
そして我ら日本はサウジアラビアとの対戦。ここのところ相性がいいという印象があって、余裕とうぬぼれを履き違えそうな空気が何となく漂うのが怖いですね(個人的には「“準決勝まで”ハノイ」という言葉もあまり好きではありませんでしたが)。

PK戦の選手情報、ありがとうございました。なるほど、練習でできない選手が本番で上手くいくはずもないですからね。納得です。

posted by bunchousann | 2007-07-23 11:11

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