2007年03月12日
こういう時代だからこそ、第一声が肝心なのだ~「奨学金」ではなく、「裏金」とドラフトの話:雑感
裏金問題のことについては、私も前回書きましたし、様々な方が書いていらっしゃるので、もう今後の制度はどうするべきか、などの議論はここでは書きません。 さて、裏金報道を受けての早稲田大学野球部監督の発言が、各種報道やインターネット、ブログなどの個人メディアなどを含めて話題になっています。 私も多くの人たちと同様に、正直に言ってちょっと理解し難いところがあります。 「西武のクソバカタレ」「球界から去れ」など、随分威勢のいいことを仰っているようですが、報道されるということを意識してのものとはとても思えません。 身内かわいさゆえに述べたのだとしたら、とんでもない思い違いをしていると言えるでしょう。 そもそも本来受け取るべきではない金銭を受け取っておきながら、一方的に被害者面をするという行為に対して、早くも不快感を表す人々が出始めています。 しかも、裏金を受け取っていたことは「本人のあずかり知らぬこと」と選手の父親が言っているわけですから、これは世間知らずの未成年者が軽い気持ちで受け取ったものではなく、本来分別あるはずの大人が受け取ったということになります。 この裏金は、西武側が「奨学金」ということで渡してきたそうですが、それは早稲田の高額な学費を納めるためだそうです。「奨学金」であるがゆえに、入団の際に契約金から天引きするいう約束を交わしたそうですが、契約金から天引きということであれば、プロへの入団が内定していると言えますから(本来そんなことはあり得ないのだが)、そのことを普通は所属チームの監督に対して相談や報告をするものではないでしょうか? また、この選手はプロのスカウトも注目するほどの選手だったそうですから、スポーツ推薦で入学したそうですが、果たしてその際に大学側は充分な調査を行ったのでしょうか? これでも選手側、大学側は一方的な被害者と言えるのでしょうか? 勿論、最初に裏金を持ちかけたスカウトが悪いわけですが、件の監督の発言のように初期対応を間違うことで、各種メディアを見ても、早稲田大学の野球部員の場合は、東京ガスの木村投手との印象がたった一日で随分ネガティブな方へ変わってしまった印象があります。 そして、こうしたイメージの問題で傷つくのは、他ならぬ選手なわけです。「本人のあずかり知らぬこと」なのだとしたら、選手の周囲の大人たちが金銭を受け取り、しかもその行為の責任を一方に被せたわけですし……端的に言って全ての対応を間違っているように思えます。選手を傷つけてしまったのは自分たちだということに、気付いてもらいたいものです。 このように、最近は高校や大学の野球部の監督の発言が、騒動の火に油を注ぐことが多いような印象を受けます。 ドラフト会議の際にも、入団拒否するや否やでそれぞれの所属する学校の野球部監督が随分過激な行動や発言を行っていましたが、そういうことが世間に誤解を産み、本来は受けるべきではない批判や非難を受ける余地を作ってしまうのです。 今回の応武監督のケースもそういうケースの1つになってしまうような気がします。 高校や大学を問わず、このような野球の名門校の場合、選手は学生ゆえにアマチュアであっても、監督はチームを勝たせるために雇われているわけですから、いわばプロということになります。 そういった観点からみても、チームのマネージメントをするべき“プロ”の監督が行った発言としては、あまりにもプロフェッショナリズムに欠け、ネガティブなイメージを残すものだったと思われます。 もはや企業の不祥事が起こるとトップ以下、幹部総出で頭を下げる場面をよく見ますが、大抵の場合、最たる原因は不祥事の初期対応を誤ったからに他なりません。 今の時代、批判をするのはマスコミだけではなく、一般人もこうしてネットなどを使って様々な意見を述べることができるようになりました。 そういう時代だけに、批判の余地を広げないようにする技術、つまり、第一声が肝心なんだということを、改めて思い知らされたような気がします。
(2007.3.16追記)
と、この記事は投稿時点(3.12の午前4:50)で、早大の清水選手(の名前も公表されましたね)自身が、裏金をもらっていることを知らないと清水選手の父親がコメントしていたことを元に書いたものです。
しかしその後、清水選手自身が裏金をもらっていたことを承知していたという事実と、そのことを西武側から口止めされていたという事実が発覚しました。
記事の内容に誤解があってはいけないので、ここに追記させてもらいます。
全ての対応を間違えていたのは、西武も同様でしたね。はあ、力抜けました。
posted by bunchousann |04:50 |
野球 |
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この記事に対するコメント一覧
Re:こういう時代だからこそ、第一声が肝心なのだ~「奨学金」ではなく、「裏金」とドラフトの話:雑感
まったく同感。周囲の大人があまりに幼稚で学生がかわいそうだ。学生スポーツの指導者って、社会人としてどうよ?って人が散見されるのが残念。
東京ガスはさすがに一流企業だけあって、大人の対応をしたという感じで。こじれると、なんぼ名門でも、企業スポーツは簡単に休廃部においこまれるからね。
posted by もらるはざーど | 2007-03-12 12:00
Re:こういう時代だからこそ、第一声が肝心なのだ~「奨学金」ではなく、「裏金」とドラフトの話:雑感
裏金に類する金は昔から有ったと容易に想像できる
し今回も氷山の一角でしょう。
今回表面化した、選手や家庭、企業を叩いても何の解決にならない。
根源は小学生の四、五年からスポーツ少年団に加わった場合多額の費用が掛かる現状を改善出来ないのか? 誰が何処が主導してこの問題を討議、研究をするのか国民皆が考えなければ成らない。
posted by 佐藤武久 | 2007-03-12 13:03
管理人より
もらるはざーどさんへ
東京ガスの方としても言いたいことはいっぱいあったでしょう。しかし、リスクマネージメントにある程度長けている一流企業だけに、それを我慢してまずは事実を認めて謝罪するということを重視している印象がありました。
一方の早稲田大学の場合には、そういう印象がまるでないんですよね。
佐藤武久さんへ
確かに「今回表面化した、選手や家庭、企業を叩いても何の解決にならない」し、少なくともこの記事はそういう趣旨で書いたわけではありません(一例として挙げたわけで、話の本質は学生野球の指導者の資質に関してだと思っています)。
そして根源にある「小学生の四、五年からスポーツ少年団に加わった場合多額の費用が掛かる」ことについてですが、こうした、本来少年たちを指導するべき資質に欠けた指導者がプロ側だけでなく、選手の保護者から裏金を受け取るケースが非常に多いようです。
仰るとおり、大学、高校と進学の度に、斡旋と称して金をせびるこのような指導者を、アマ球界は厳しく指弾する必要があると思います。
posted by bunchousann | 2007-03-12 13:35
Re:こういう時代だからこそ、第一声が肝心なのだ~「奨学金」ではなく、「裏金」とドラフトの話:雑感
早稲田の監督は、どのような見識で発言しているのか?(金をもらった選手の父親も同様)ちなみに高校の監督、大学の監督でも、本当に身辺が綺麗な状態なのか?豪邸に住んでいるという有名大学監督もいると聞きます。更には、プロ野球に入れなかったレベルの選手でも栄養費は、もらってます。面倒なので口座振込みを希望する学生が多い。六大学レベルの主将・副主将クラスであれば、後輩に奢るお金も必要。長嶋茂雄以前からの習慣と思います。大学時代の手術費用なども球団負担で出ます。高校生の場合、大学生ほど現金は飛びませんが、地方大会の早い段階で敗退して欲しい、との希望はある。(特に貧乏球団のスカウト)理由は勝ち進むと値段が跳ね上がる為です。プロになれない選手でも数百万ですから、プロになった選手は、数千から数億はもらってます。(特に全日本クラスは・・・)このような事件があると、有名大学の野球部では卒業生まで含め緘口令がひかれます。各球団の主力選手、コーチ、監督含め、身に覚えのある関係者は百人を超えるでしょう!
posted by 西山 | 2007-03-12 15:44
Re:こういう時代だからこそ、第一声が肝心なのだ~「奨学金」ではなく、「裏金」とドラフトの話:雑感
もらう方も払う方も、どっちもどっち・・・今回のことで、ドラフトが完全ウエーバー、あるいはそれに近い形に変わっていくでしょう。今回の一件は、制度改革への生贄に使われたのかと邪推したくもなる。
完全ウェーバーになったところで、新たな問題は当然出てくるが、やらないよりはまし。FAの期間は、据え置きでいいのでは。ドラフト改革とFA取得期間の短縮は、連動するべきだろうけど。金持ちチームに選手が集まっていくのでは、ドラフトの存在理由である、”戦力の均衡”という目的が達成されないので。
いすれにしても、プロ野球も現実社会と同じく、裏金、学歴、派閥、という世界になってきた。金が全てじゃないでしょうが!夢のあることをしなさいよ・・・
posted by oak | 2007-03-12 16:25
Re:こういう時代だからこそ、第一声が肝心なのだ~「奨学金」ではなく、「裏金」とドラフトの話:雑感
西武の方ばかりが取り沙汰されて、大学の方に目を向けた記事が少なかったので胸が透く思いでした。
しかしロッテが強行指名した大嶺選手の件といい、学生野球の指導者はなにか勘違いしてるんじゃないかと思ってしまいます。
結局選手のためにまったくなっていないですから。
そういえば早稲田は星野ジャパンに 斎藤佑樹選手を出さないなんていうのもありましたね。
posted by * | 2007-03-12 17:44
Re:こういう時代だからこそ、第一声が肝心なのだ~「奨学金」ではなく、「裏金」とドラフトの話:雑感
かつて巨人の桑田の親族の不動産投資の借金の肩代わりをしたと読売のナベツネがぽろっとしゃべったように、また巨人の高橋や二岡にも裏金の疑惑がありましたが、あくまでも疑惑ですが、親族の借金の肩代わりしてやるかわりにうちに入団してくれとという、球児を道具にしている大人同志の利害関係というもに対して一定のルールを創るには、古田元選手会会長は完全ウェバーがいいといってますね。
posted by ソクラテス | 2007-03-12 18:15
管理人より
たくさんのコメントありがとうございます。
また、今回の記事は久々に「おすすめ」に選ばれたということで、スポナビ+編集部様にも御礼申し上げます。
西山さん
本当にそうですね。自信を持って身辺がきれいだと言い切れる指導者が何人いるのか、自分の胸に手を当てて聞いてもらいたいものです。
ちなみに、「高校生の場合(略)地方大会の早い段階で敗退して欲しい」ということですが、これには金銭だけでなく、別の理由もあると思いますよ。
「甲子園は才能の墓場」ということを随分前の記事で紹介させてもらいましたが、特に投手の場合はトーナメントの過密日程による連投で肩が磨耗、消耗することをプロのスカウトでも嫌がるそうです。息の長い、また通算勝利数の多い投手に甲子園で活躍した選手が少ないということとの関連性は高いと思います。
oakさんへ
一場の時もそうでしたが、確かに人身御供の側面はあるでしょうね。
以前も申し上げましたが、ベストではなく、よりベターな制度改革を期待したいものです。
* さんへ
少し本質から離れますが、賄賂というものは、贈った側も貰った側もルール違反として処罰されるものです。
今回の裏金も、双方ともにルールを破っているわけですから、貰った側が「逆ギレ」していることに少なからぬ違和感を覚えました。
まあ「佑ちゃん」のことは些事に過ぎませんが、監督の自分本位の言動の1つだと捉えれば、今回の発言も悪い意味で納得できてしまうんですよね。
ソクラテスさんへ
読売の逆指名選手には、この手の話が本当に多くて(あとは阿部の父親がビルを建てただのなんだの)……まともな契約などないのではないかとさえ思えてきます。
選手会が希望枠撤廃なんて言うのなら、「自分も裏金を貰った」という選手がその弊害なりなんなりを自らの口で説明して欲しいんですけどね。
まあもう流れは出来上がった感じがありますね。
posted by bunchousann | 2007-03-13 04:04
Re:こういう時代だからこそ、第一声が肝心なのだ~「奨学金」ではなく、「裏金」とドラフトの話:雑感
bunchousannさんお邪魔いたします。
早大監督さんに関して星野日本代表監督が
「彼はプロに行きたくて、いけなくて僻んでいる人」
のような発言してまたね。自分も巨人に行きたくていけなくて
僻んでいたようなものなので、日本代表候補に斉藤投手を
断られたからとはいえ、株を下げる発言だったのでは?
と余計な心配してしまいます。こういった「おごり」のような
意識が上に居る人間の根底にある限り、こういった問題は
何処までもついてまわるモノではないかと思います。
モラルがなければ厳しく罰する。これしかないでしょう。
posted by お!TAKさん | 2007-03-13 14:32
管理人より
お!TAKさんへ
星野発言もまた自分本位の発言の1つということならば、確かにプロ側のスタンスにも疑問があります。
何にしてもプロとアマの関係がようやく雪解けし始めた矢先のこういう事件。その関係改善に星野発言は何ら寄与しないのは明白でしょう。
前回の記事にも書いたんですが、ルールを決める以上、それに違反した場合の罰則をきちんと定める。当たり前のことなんですが、何故かそれができないんですよね。
posted by bunchousann | 2007-03-14 03:35
Re:こういう時代だからこそ、第一声が肝心なのだ~「奨学金」ではなく、「裏金」とドラフトの話:雑感
このブログを見て、今までのマスコミ及びアマ、そしてプロ側の問題点が浮き彫りになったと思います。
①プロとアマをここまで厳格にする必要があるのか?
②早稲田大出身者の裏金問題で、専大北上高だけの責任に特化する高野連、そして大学野球に問題が飛び火しないようにするマスコミ及び関係者。
①に関しては、プロが90年以上の歴史がありその創設にかかわった読売新聞の傲慢体制及びアマ側のそれぞれの主張がこの問題を複雑にしてると思います。
ハッキリ言って、マスコミが球団を経営してるのが問題であると思います。本来マスコミは、権力を監視する役目が基本としているはずなのに、球団を持っているせいで、自分側に刀を振りかざすことは拒む。正直、読売・中日新聞に言いたいのは、野球をスポーツとしてどの様にとらえているのかを紙面(社説)にてハッキリさせていただきたい。
また、野球には色々な組織があるため、他のスポーツのように柱の中心となる「ベースボール協会(仮)」のようなものを立ち上げる時期に入っているのでは?と思います。
②に関しては、早大のある選手が裏金をもらっていた件で、出身校である「専大北上高」に問題があるような言い方で、高野連・マスコミ揃って煽っています。
正直、「専大北上高」だけが悪なのですか?と言いたい。野球部を解散して、マスコミの騒ぎが一段落してから再加入させるとの方向で動いています。では、出身高だけで責任を取らせるのであれば、大学野球部で所属していた早大にも問題を提起する必要があると思いませんか?
全体責任で取るのであれば、早大も六大学リーグを出場辞退する行動があってもいいのではと思います。(悪魔でも、全体責任という概念です)
それがマスコミは揃って、そのことには触れないでいる。誰でもわかるように、「斉藤祐樹」が絡む問題でもあり、あえて触れさせないような雰囲気がありムネヤケがする。そのことは、大学野球側・マスコミも暗黙の了解の状況で動いている点を見逃していいのか?と言いたい。
この事に関して、ブログの管理者はどの様に思っているのか教えていただきたい。
posted by fumi | 2007-04-24 14:52


