2008年01月13日

メンタリティの戦い

いって参りました、AJ準決勝。いやー面白かった。
特に女子。どちらも延長戦にもつれこむ熱戦でした。

第一試合はトヨタVSJOMO。今年のWJBLは近年まれに見る混戦で、上位3強を星一つの差で、トヨタ・JOMO・富士通が争い、若干離れてシャンソンが追う展開となっている。混戦の要因はいろいろあるが、今年、大躍進を遂げているトヨタに関して言えば、新人・桜田の加入が大きい。チームのPG・三浦の中学・高校でのチームメイトである桜田は得点ランクで10位に入っているほか、出場時間ではチーム最多と加入一年目にして、早くも欠かせない戦力となっている。(ちなみに出場時間の2位は三浦である。)いままでは榊原への依存度が高く、ここ一番というときは攻撃が単調になりがちであったが、その弱点が解消されたことが、現在のチーム成績につながる一番の要因といえる。
一方のJOMOは昨年、劣勢を覆して、富士通を逆転で破りWJBLで優勝して一気に自信をつけた。一番の強みは何といってもキャプテン大神。今、WJBLでもっとも絶対的な存在といえるだろう。昨年の優勝は正直、かなりのサプライズであった。リーグ戦では全敗し、ファイナルも王手をかけられてから3連勝で富士通を破ったものの、こと昨年に関して言えば、富士通の方が強かったと考えているひとは多いはず。すなわち、JOMOの今年の戦いは昨年のWJBLでの優勝が勢いによるものだけではないということを証明する戦いであるのだ。
最後のピースを手に入れまさに頂点に手をかけようとしているトヨタと、絶対的なエースを要し真の王者を目指すJOMO。そんな両者の戦いはまさに熱戦であった。

序盤から大神を中心にJOMOが点を重ね若干JOMOがリードして試合は進む。トヨタは榊原がJOMO田中、桜田がJOMO吉田のマークを振りほどけず両エースが思うように点を重ねられない。JOMOの田中は昨年、ほぼ一年を怪我で棒に振ってしまった選手だが、見事に復活し、チームの中では日本代表センター山田をしのぎ、大神につぐ得点源となっている。榊原にたいしても全くひるむことなく、1Q序盤には榊原からバスケットカウントをうばったカットインからはこの試合にかける意気込みが伝わってくるようであった。個人技にたけ、一対一に強い。試合を通して、膠着状態となったとき、JOMOは田中からの展開で状況を打破していくというケースが目立った。たいしてトヨタは主力に硬さがめだち、特に桜田がまったく思うように攻めることができない。そんな中、センター角井が相手センター山田がフットワークがにぶく外角までディフェンスにこれないというギャップをうまくつき3Pを効果的に決めていく。JOMOの山田は攻撃に際して、その体格をいかしたゴール下は効果があるものの、とにかくフットワークが鈍く3Pまで打ってくるセンターには対処できないケースがリーグ戦から目立っている。さらに外角までふりまわされるとリバウンドにいけないことが多く、そのため、角井のようなフットワークのあるセンター相手にはチーム自体が苦戦してしまう一因にもなっている。

両者一進一退という状況で試合は進んでいったが、速攻と個人技から堅調に得点を重ねるJOMOに対して、ときおり効果的に3Pをきめつつトヨタが競り合っていく展開。両者ともにディフェンスがよくハーフコートでの攻防は個人技からの仕掛けが中心でトヨタはベンチスタートの鈴木の個人技がよいアクセントになっているがとにかく桜田の得点が重ならないのが気になるところであった。序盤、思うような動きができなかったエース榊原も徐々に復調し。終盤戦へ。

大きく動いたのは最終Q。田中・大神・内海の3人が交互に得点を重ね、残り3分で10点差をつける。(53対63)この試合トータルで大神は24得点9アシストを記録しているがここまで対する三浦は0得点。三浦はリーグ戦でも平均7得点と、従来あまり得点力のある選手ではないのだが、それにしても、無得点とはどういうことか?リーグ戦での試投数と比べても若干少ない程度でこの試合の三浦のシュートチャンスはあまりに少なかったということはない。(リーグ戦では2P・3Pあわせて1試合平均5,7本、この試合はトータル7本)また、試合中から思ったことは自分でシュートを打てる状況でも狙わないケースが目立つ。ようするにメンタリティの問題だと思うのだ。
しかし、試合はそんな状況をあざ笑うかのように進み、トヨタは榊原・田代と連続で3pを決め、のこり1分半で5点差まで詰め寄る。1本シュートを決めてはディフェンスでしのぎ、JOMOに得点を許さない。点差を考えると、そこでシュートを決めさせることは即チームの敗退につながる可能性が高いからだ。まさに綱渡りのような形でトヨタが点差を縮めていった。残り1分少々、JOMO田中が3P狙うもはずれトヨタのオフェンス。まだJOMOは自分達が2回オフェンスに失敗しても2P2回決められただけなら、逃げ切ることができる。トヨタはどこかで3Pを決めるしかない。しかし、ディフェンスが厳しくゴール方向をむくこともままならない。ここで、やや早い展開から、ここまで無得点だった三浦がゴール正面に近いポジションでノーマークになる。
一瞬、館内が息を呑むように静まり返る中、三浦がここで3Pを決めた。ボールをもった瞬間に少し決心を決めるような間があったように感じたが、とにかくこの試合初得点・初3Pで2点差。この試合での初得点はこれ以上望むべくもないもっとも貴重でプレッシャーのかかる場面でのものとなった。そして、のこり1分を切りJOMOのオフェンスとなる。

JOMOはベンチスタートの内海がこの試合は都合20得点しているが、この選手は心臓が強くここ一番というところで結果を出す。思い切りがよい選手だと思う。五輪予選でも敗れた準決勝・中国戦で最多得点(ちがったかな?)を記録するなど、国際大会での活躍に関してはご存知の方も多いはず。ここでも、その強心臓ぶりを発揮して3Pを狙う。そんなことせず、大神に1対1を狙わせて、ファウルをもらうようにすればいいのにとか、時間はまだあった(24秒バイオレーションにはまだ、余裕があった)とか、問題はいろいろあるのだが、シュートははずれ、それでもオフェンスリバウンドをとり、ボールは再び内海へ。ここでこの試合、まったくと言っていいほど、見せ場のなかったトヨタ桜田がスティール!!そして、速攻からシュートを決め同点!高校時代、静岡・常葉学園で全国3冠を成し遂げた桜田・三浦の活躍で、なんとなんと3分で10点差を追いついたトヨタが延長戦へと駒をすすめることに成功した。

延長戦へはいると、本線終了間際の勢いそのままにトヨタが若干リードする形で試合は進む。のこり1分57秒、鈴木がFTを2本決めたところで76対73とトヨタ3点リード。しかし、ここからエース榊原が連続してシュートをはずしたトヨタにたいしてJOMOは大神・内海が連続得点し、逆転。
76対78で残り25秒、トヨタの攻撃。ウィングポジションでパスを受けた榊原がハイポストにパスをいれバックドアからゴール下でボールをもらうことに成功。冷静にシュートフェイクをいれマークをはずし、ノーマーク。しかし、エース榊原がここでイージーシュートをはずしてしまう。榊原はチーム最多23得点を記録するものの最後はやってはならないミスで試合を決める要因となってしまった。本来であればまったく問題がないポジションであったが・・・不安があったのだろうか。

決意や過信、そのほか様々なメンタリティが交差する予想外・予想以上の熱戦であった。
どこが勝負の分かれ目になったか結論づけるかは難しいが一つ個人的にあげるなら、やはり主力が要所で力を発揮したJOMOと延長で主力が力を発揮できなかったトヨタの差というべきか。トヨタは実は延長戦での得点はベンチスタートの鈴木が全得点を記録。先にも書いたとおり個人技にたけたところはあるものの、ベンチスタートから攻撃にアクセントをくわえることでチームの力になっている選手。本来、主力ではないところでの得点に頼らざるをえないかったトヨタと、大神・内海で延長戦10得点をあげたJOMOの差というべきではないか。

それにしてもあまりにいい試合で、試合後はしばらく動くこともできないほど憔悴してしまった。(じつはその後、富士通対シャンソン戦をみてさらに憔悴することになるのだが。)
本当に素晴らしい試合で、本当に試合終了後はしばらく一言も言えないくらいだった。こんな試合を生で観戦できたことに感謝。TVで放映すればよかったのにとつくづく思う。
JALから始まった女子バスケですが、本当に面白い。JALだけではなく、いろいろ魅力的な部分が見えてきてさらにはまりそうです。
WJBLファイナル、今年は見に行こうかなぁ・・・


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posted by bubusprts |13:43 | バスケット | コメント(0) | トラックバック(0)
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