2007年12月10日
落球伝説
残るものはなんだろう。 スポーツを見ていると時折、そういう問いかけがふっと頭の中をかすめていく。 その日のスコアは残るだろうか。バッターボックスのスコアは?ピッチャーの投球数は? 公式記録として残されることは違いない。その点は野球であろうが、サッカーであろうが、 あるいはゴルフの場合であっても変わらない。 得点、シュートの数、オフサイド、ファールに関するデータ、 ゴルフのストローク数、パットの数…。 どれもこれも記録としてファイルされる。 その一部は翌日の新聞に掲載され、ファンの想像をかきたてることになるのだろう。 プロスポーツに関するデータ、記録は、コンピューターにファイルされ、 ディスクのなかで眠り続ける。 そういう意味ではほぼ永久に残るといってもいいのかもしれない。 しかし、人間の記憶のなかからは徐々に抜け落ちていく。 一方で、選手のゲームに関する記憶力にはたびたび驚かされることがある。 ただ、選手にとって強烈に記憶に残ってしまう記憶というのは、失敗に関するものが多い。 もっとも、失敗は記録の上では単純化されるか、残らないものの一つである。 その意味では失敗は永遠に独り占めすることができる。
スターターは18安藤、4荒木、7土屋、9小笹、16清野。 エース松田は本人曰く「腫れが全然ひかない」ということで、この日も監督を務めた。 開始2分、18安藤がゴールクリアランスを左コーナーになげると、 相手DFを背負った9小笹はうまく体を入れ代える。バスケでいうところのスピンムーブのような形だ。 ポジショニングの駆け引きで相手を制すと、バウンドして浮き上がったボールをふわりと浮かせて前に出ていたゴールキーパーの虚を付いたゴールで先制する。 しかし、その直後3分には20中村→7安田とつながれ同点とされる。 残りの17分間はお互いに決定的なチャンスをつくれずにいる。 ZOTTはゴレイロとベッキの間を狙い、 高西は守備→攻撃のスピードをあげることで、カウンターを狙った。 しかし、様子を伺うようなまま前半は終了する。 後半、ZOTTは4荒木、5丸山、9小笹、12鵜飼と攻撃的な布陣でスタートする。 後半、6人がピッチに入ってしまうという信じられないミスがあったZOTT。 ただごとではない、何かが起こる気がした。 33分には5新井のシュートがZOTTの選手の足に当たりゴールへと吸い込まれる。 ただ、36分には9小笹からのパスを左サイドでうけた4荒木がゴール右サイドへと、キーパーの逆を付くわざありにゴールを決め、その1分後には12鵜飼が逆転。 ここで高西はタイムアウトをとる。 残り3分、主将の5新井がパワープレーでゴレイロに入るとボールを回され、シュートを打たれた。 結果に言えばZOTTはシュートを打たせる選択をしたのだと思う。 しかし、そのシュートは安藤の脇をするりと抜け同点となる。 安藤は仰向けになった。そして、31秒。 FPに戻った5新井がドリブルで仕掛けるとそれを倒してしまう。 しかし、笛はならなかった。 高西は9丸山は一瞬ZOTTの動きが止まったことを見逃さずに、これぼれ球を右サイドでもらうと、ゴール前で待ち構えていた20中村へと文字通り横流しする、それを落ち着いて決め逆転。 高西にとっては大金星であった。 試合後のMTGは選手控え室で行われた。 大人が15人弱はいるには狭すぎるその部屋には汗のにおいが充満していた。 それはさわやかな汗というよりは、じっとりとかく嫌な汗の匂いだ。 選手の体同様に生暖かい熱を帯びた部屋の窓は曇っていた。 誰も言葉を発せずに、ただ換気扇の音だけが鳴り響いている。 その場を一人、また一人へとシャワーを浴びに出て行く。 選手控え室の空気はとても重い。 これで1部昇格への可能性はさらに低くなった。 金星の一方で、肩を落とすZOTTメンバーの姿はあまりにも強烈なコントラストをなしていた。 ZOTT 3(1-1)4 高西FC Kawagoe 得点者:ZOTT 9小笹、4荒木、12鵜飼 高西 7安田、5新井(2)、中村 警告:10小林 以下MTG内コメント 主将 4荒木 今日は、今年を総括する意味でも、来年を考える意味でも大事な試合だった。 結果を出さなければいけない試合で、内容がどうであれ結果が出なかった。 この後どうするか、しっかりと考えなければならない。 勝負どころで結果が出ていないのは、甘さなのだろうと思う。 副主将 18安藤 お疲れ様でした。2-1から、3-2にできたのはチームの力だと思うし、それを守りきれなかった。こういうことは初めてではない。後半は相手にも特にやられた印象はなかったし、守りきれなかった(自分が)。 本当にすみませんでした。 12鵜飼 正直悔しいけど、これがチカラ。現状なんだ。」これが結果だから。 勝つためにみんなが本気になっているか。俺はもっとやれると思う。だから、もっと力になりたい。 こういう試合…勝たなきゃいけない、勝てた試合。 誰が悪いでもなく、チームの力。 だから、悔しさ忘れないで、やっていきましょう。 代表 16清野 タカオは気にしないで欲しい。前半の戦い方にしても、後半も決めるべきところが沢山あった。 今はまだ整理できていないけれど、何でフットサルやっているか。 このメンバーであるからだ。このメンバーじゃないと意味がない。 仲間を信頼して、勝ったらみんなのおかげ、負けたらみんなに責任がある。 やるからには勝ちたい。勝つことは大切だ。勝つために何が必要か。 この悔しさだけは忘れないで欲しい。勝って笑いましょう。 <総括 何かを探すということ> ある病気に対してワクチンを作るには、まずその原因がわからねばならない。 その病気にかかかった人の細胞からその“何か”を見つけなければならない。 そして、病人とほぼ同一の属性の人の細胞にはその“何か”がないことを見つけなければならない。 それらのサンプルをいくつも集める。 そして、その“何か”を健康体に打ち、同様の病気が発生すれば、 そこに病気と“何か”の相関関係は見受けられる。でも、それは因果関係ではなかった。 野口英世が間違えたのはここらしい。 野口の研究した時代に顕微鏡で見られるものの最大の大きさは、 視力のいい人間がギリギリで確認できるものが、 大よそラグビーボール大にみられるものであったという。 その“原因”の中には米粒方の何かがいた。 でも、それらの“原因”の本当の大きさは、 ラグビーボールに対してパチンコ球ほどしかなかった。 野口が“原因”だと思っている、 その米粒型の何かの隙間にいる(はずの)“何か”が“原因”だったのである。 だから、梅毒や黄熱病などの研究で知られる野口英世の業績というのは ほとんど間違いである部分が多いらしい。 もっとも、スポーツにおいて負けの原因はどんなに精巧な顕微鏡でも見ることはできない。 わかるのは失点と得点という二つの要素の相関関係からなる勝敗だけである。 でも、一つ言えることはやはりZOTTは追いかけることが巧くなった反面、 守り抜く力には長けていないということだ。だからついつい競り合ってしまう。 つまり、考えるべきは何故安藤の脇をボールがすり抜けたかというよりは、 パワープレーとはいえ、フリーでシュートを打たせてしまったことではなかろうか。 選手のコメントやZOTTの歴史がわかるZOTT公式HPはコチラ さらに深い選手の気持ちを知ることができる。 ZOTT16番で代表の清野潤選手のブログはコチラ 取材・編集 篠雄也 *写真などは随時更新していきます。 参照:関東リーグ公式HP 以下、写真
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