2009年11月19日

香港戦:悲しい現実

立ち上がりを見る限り、ドリブル力に関しては、香港のほうが日本より上かもしれないと思ったが、その後は見ることができなかった。香港は全員がボールウォッチャーになってしまうため、日本は自由にボールを回すことができたが、流れからシュートまで持っていくことは少なかった。

日本での試合に比較すると、香港はホームなので健闘したが、それは運動量の違いとゴールに向かう意欲の差だった。

この試合を見る限り、真剣勝負の場がほとんどアジアに限られるので、アジア全体のレベルがアップしないと、日本もサッカーが強くならないかもしれないと感じた。

posted by ボウヤ |02:53 | アジアカップ最終予選 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2009年11月15日

南アフリカ対日本

ワールドカップ本戦への参加が24カ国から32カ国に増えてから、開催国は有利な組み合わせでグループリーグを戦えるようだ。つまり、開催国のグループには各地区の比較的弱い国が選ばれる。だから、日本がグループリーグを突破するためには、南アフリカのグループに入る必要がある。そのためには、この試合で日本が弱いことを示さなければならない。ニュージーランドがワールドカッ出場を決めたので、南アフリカの組に入る1カ国が決まったかもしれない。

冗談はこれくらいにして、日本は立ち上がりにパスをつないでいい攻撃をした。南アフリカの動きが悪かったので、得点のチャンスだったが、徐々に後ろでパスを回す時間が増えて、自らリズムを崩して攻撃ができなくなった。サッカーでは1秒、コンマ1秒でも相手より早くボールを動かすことが大切だが、日本が得意とする時間を作るプレーで、逆に南アフリカに守備の余裕を与えてしまった。日本は、誰かが攻撃のトリガーを引き、攻撃陣全員がシンクロナイズしてゴールに向かうプレーが、いつものようにほとんどなかった。

今回の南アフリカの先発には、コンフェデレーション・カップのブラジル戦に先発した選手が5人しか含まれていなかった。ボールを取ってもバックパスが多く、攻撃にまったく迫力がなかった。たまに、パスを細かくつないで日本の守備をかいくぐって攻めたが、シュートまで持っていけなかった。前半の途中から良くなったが、後半に入ると再び悪くなり、ミスも増えて、試合が退屈になってしまった。

日本は1回だけだが、危ないシーンがあった。前半30分、南アフリカが中盤からボールを戻してバックラインで回しているときに、プレッシングのために日本の中盤が前がかりになった瞬間に、中盤にいたツァバララがフリーになり、そこにバックラインからうまくパスが入った。ツァバララはドリブルからシュートを放ったが、川島が好セーブした。前線からの守備に穴があいた一瞬だった。

南アフリカは、イギリス領だった歴史と約5千万人もの人口なのに、サッカーはどうしてかぱっとしない。1996年にアフリカネイションズ・カップに優勝し、ワールドカップもフランス大会と日韓大会に出場したが、ヨーロッパにたくさんの優秀な選手を送っているカメルーン、ガーナ、ナイジェリア、コートジボワールなどの西アフリカ諸国から、ずいぶん遅れを取ってしまった感がある。南アフリカ大会は施設などのインフラ整備が心配されていたが、南アフリカ代表の力も心配だ。今日の日本戦は、開催が決まってから、選手の底上げが行われたのだろうかと疑問に思うような試合だった。ただ、本番ではこの日のような試合はしないと思うが。ドイツワールドカップの半年前に日本と戦ったアンゴラは、本番ではまったく別のチームになっていた。代表の試合を南アフリカへのマイルストーンと考えると、日本も進歩がほとんど感じられない戦いだった。

posted by ボウヤ |04:37 | 雑感 | コメント(6) | トラックバック(1)
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2009年11月14日

戦わないパスの名人

サッカー日本代表の遠藤は高いパス成功率を誇る。日本がWC出場を決めたウズベキスタン戦とアジアカップ最終予選の香港戦のパス成功率は、それぞれ87%(45/52)と96%(77/80)だった。カッコ内の数字は成功したパス数と合計パス数。ちなみに、チャンピオンズ・リーグでの主なボランチのパス成功率を次に示す。

バルセロナのヤヤ・トゥーレ:88%(57/65)-インテル戦
アーセナルのソング:79%(48/61)-オリンピアコス戦
チェルシーのエッシェン:80%(79/99)-ポルト戦

数字だけ見るとは上記の選手より上だ。遠藤がウズベキスタン戦で一番多くパスを供給した選手は中村俊(途中から阿部)で11本(1本は失敗)だった。次に多いのが中村憲の10本と長谷部の9本。中村憲は遠藤の前のポジションなので、縦パスが10本中8本(2本は失敗)もあった。香港戦では、長友20本、中村俊16本、玉田(途中から松井)12本だった。

このように、レジスタとして味方にパスを正確に供給することで、岡田監督の信頼を得ているのだろう。しかし、遠藤のパスの有効性には疑問を感じる。ウズベキスタン戦も香港戦も、遠藤のパスから攻撃を組み立ててシュートまで行くことはほとんどなかった。攻撃は遠藤のパスを受けた選手のチャレンジから始まっていた。2試合で中村俊へのパスは27本だが、そのほとんどがボールをはたくだけの横パスだった。長谷部へのパスはその半分しかなかったが、パスを受けた長谷部がドリブルや前方へのパスで相手を崩そうとしていた。

長友へのパスは2試合で28本。香港戦では縦パスが5本(1本は失敗)あったが、ウズベキスタン戦では0本だった。遠藤と長友のコンビネーションでサイドを突破するのではなく、遠藤はパスを出しっ放しで、長友が自力でまたは別の選手とのコンビネーションでサイドを突破することのほうが多かった。

香港戦は相手からのプレッシングがなかったので、逆サイドの駒野(途中から徳永)へのパスが10本もあったが、プレッシングが厳しかったウズベキスタン戦はたった1本しかなかった。それも、自陣深いところでのバックパスだった。結局、プレッシングが厳しいとレジスタとして機能しなかった。

相手が近くにいたり、寄ってきたりすると、そのほとんどが近くにいる味方への横パスかバックパスになってしまう。香港戦では、相手からのプレッシングがないのに、7本ものバックパスを中澤または闘莉王に送った。

上述した問題だけでなく、遠藤は空中戦をほとんどしない。たまに、ドリブルからパスを送るが、完全にフリーで駆け上がれるときに限られる。守備でも、ボールを持った相手に近付くだけで、体をぶつけにいくことはほとんどない。相手の突破を止めるために、スライディングをすることも滅多にない。つまり、攻撃でも守備でも、相手との接触を極力避けるプレーに徹している。

相手と戦わない遠藤が日本代表に必要なのだろうか。中盤の底で相手と戦ってボールを失うより、無難にボールをさばくほうが安心なのだろう。しかし、ワールドカップに出場する国が全力で日本にぶつかってきたら、遠藤のサッカーは100%通用しない。本人と岡田監督がそのことに気付いていないのが悲しい。サッカーを観る楽しみは、ボールを持った選手が次に何をしてくれるかだが、遠藤の場合はパス成功率が高いが、失望率も同じくらい高い。

注)パスの分類については、相手の守備を破ろうとする前方へのパスを縦パス、後方にいる味方へのパスをバックパス、その他を横パスとした。

追)U-17日本代表がナイジェリア大会で健闘したが、グループリーグ全敗で終えた。A代表よりはいいサッカーをしていたが、A代表と同じように、大事な点が欠けていた。スペースを見つけてパスをつなぐサッカーだけでは世界に通用しないことが、何度も何度も証明されているのに、監督も選手も未だに気付いていないようだ。そんな中で、途中出場の宮市(中京大学附属中京高校)だけが世界基準のサッカーを見せてくれた。もう一人良かったのが宇佐美(ガンバ)だ。西野監督はどうして宇佐美をもっと使わないのだろう。戦わないパスの名人より、ずっといいと思う。

posted by ボウヤ |01:03 | サッカーの基本 | コメント(34) | トラックバック(0)
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