2009年05月28日

チリ戦:岡田監督になってからの最高の試合

久しぶりに日本代表のいいパフォーマンスを見た。キリンカップはウズベキスタン戦のための準備の試合なので、ベストメンバーで戦うべきだが、いろいろな理由で何人かのレギュラーが離脱してしまった。これは控え組や新メンバーにとってのチャンスである。いいパフォーマンスを見せて、代表に定着して欲しいと思っていたが、それが現実になった試合内容だった。

試合が始まると、チリが猛攻をしかけた。本来は、ホームの日本がしなければならないのだが。しかし、日本も受身にならず、ボールを取ると積極的に攻めた。ドイツワールドカップのウォーミングアップ試合のドイツ戦に少し似ていた。先取点を取ると、弱気の虫が出るところが日本代表の悪い点だが、この試合ではすぐに立て直した。

この試合のハイライトは前半24分の2点目だ。中村憲が自陣で相手のボールをかっさらって前線にフィードし、玉田が相手のスライディングを受けながら、外側にいた本田にパスを出した。本田は、ボールを止めて寄せてきた相手と駆け引きをし、横後方にいた長谷部に横パスを送った。これが結果的に良かった。長谷部がワンタッチで出したボールが、前線に上がっていた中澤に渡り、中澤の絶妙なトラップとパスにより、ディフェンダーの間を抜け出した岡崎がシュートを決めた。中澤がどうしてこんな高い位置にいたのだろうと思って、ビデオを見直したら、本田がボールを持っているときに駆け上がっていた。本来なら、中盤の選手がこのようなプレーをしなければならないが、中澤の勇気ある判断と絶妙なボールコントロールに拍手を送りたい。

ただ、問題もたくさんあった。結果は4対0だったが、内容は3対3ぐらいが妥当だろう。この試合を見ればよく分かるが、個人技に優れた選手がいるチームと戦うと、複数でプレスを掛けても、うまく抜かれてピンチを招いてしまう。この辺のディフェンスをもっとうまくやらなければならない。たとえば、複数で囲むのではなく、1対1で相手を止め、その後ろでもう一人が守備をする方法だ。また、この試合で活躍したのはレギュラー組ではなく、控え組だった。岡崎は、2月のフィンランド戦同様、うまい飛び出しで2点を取った。中村憲も、積極的に攻撃に参加した。本田は、やっと代表にフィットしたという感じだった。一方、レギュラー組の遠藤は、このような厳しい試合には向いていないようだ。この試合を含めた今までの試合を見る限り、中盤の4人は大久保、中村俊、遠藤、長谷部ではなく、本田、松井、中村憲、長谷部のほうがずっとよい。フォワードはもちろん岡崎だ。岡崎は、前回も準備の試合でもよかったのに、本番では後半38分の出場に限られた。先発させるほうが力を発揮すると思う。一方、この試合のサイドバックはあまり機能していなかった。どうして、内田ではなく駒野だったのだろう。駒野は、守備でも攻撃でも弱さを見せただけだった。左SBは今野が勤めたが、今野にサイドバックのプレーを期待するのは無理がある。つまり、内田と長友の代わりがいないことが露呈した。

南米予選でチリは、前回ウルグアイ、前々回ペルーと戦った。その先発メンバーは1つのポジションを除く10人が全員同じだったが、今回来日したメンバーで両方または片方の試合に参加した選手はたった6人(両方先発したのは2人だけ)だった。そのため、チームとしてうまく機能するのだろうかと思ったが、心配したとおり個人技は見せたが試合はぼろ負けになってしまった。ドリブルやボール扱いですばらしいテクニックとスピードを見せてくれたが、最後のパスとシュートでミスを繰り返した。また、セットプレーに対する対応が非常によくないのと、プレスを掛けていたが前掛かりのために、日本に攻撃をするスペースを与えすぎていた。ウルグアイが来日したときは、ほぼベストメンバーだったので、少し残念だ。

最後に、どんな相手だろうと、どんな試合だろうと、昨日のような戦いができるようになれば、日本はきっと強くなるだろう。たとえ負けたとしても、続けなければならない。

posted by ボウヤ |01:33 | コメント(26) | トラックバック(1)
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2009年05月26日

日本代表の不思議(リスクマネージメント)

岡田監督は、ピッチ上の選手にリスクマネージメント(危機管理)を要求しているらしい。代表選手も同じようなことを言っている。ボールを奪ったからといって、一気に攻撃するのではなく、ゆっくりボールを回してリスクを最小限にして攻撃を組み立てるやり方である。また、サポーター中にも、スリリングな試合よりリスクマネージメントの完璧な試合を好む人が多いようだ。しかし、このような状況で日本のサッカーが本当に世界に近付けるのだろうか。

イングランド・プレミアリーグはマンチェスターの3シーズン連続優勝が決まったが、2連敗後のアストンビラ戦(31節)の3対2の勝利が大きかった。この試合は、ルーニーとベルバトフが出場できない状況で、17歳のマケーダが後半61分にプレミアデビューを果たした。このとき、マンチェスターは1対2でアストンビラにリードを許していた。ベンチにはパクとウェルベックが入っていたが、ファーガソン監督が最初に使ったのは初めてベンチ入りしたマケーダだった。守備も攻撃もできるパクではなく、新人のマケーダの出場は1つの賭けだった。試合は、80分にロナルド、ロスタイムにマケーダが点を入れて、マンチェスターが逆転勝利した。試合後に、ファーガソン監督は「We take risks but risks are a part of football」と言った。これは「リスクを犯したが、リスクはサッカーに付き物」とい意味だ。

世界のトップを走り続けるチームは、常に守りより点を取ることに重点を置いている。ところが、成長しなければならない日本がどうして守り最優先なのだろう。選手は点を取るために自分の責任でリスクを犯さなければならない。監督は、点を取るための戦略を考えなければならない。これがサッカーだ。「蛮勇」という言葉を使って、ピッチ上の選手にリスマネージメントを要求する監督。時間が大切な要素なのに「攻め急ぎ」という言葉を使って、リスクを避け遅攻に徹しようとする選手。このように、リスクマネージメントを前面に押し出すようでは世界に近付けないどころか、韓国との差さえ縮めることができない。最近、流れから点を取れなくても、どんな方法でも勝てばいいというムードが代表全体に漂い始めた。アジア予選を勝ち抜いても、日本のサッカーは後退の一途をたどることになりそうだ。私は、リスクマネージメントを否定するつもりはない。特に、監督にとっては非常に重要な管理項目だ。しかし、リスクマネージメントは監督が選手に強いるようなものでも、選手がファンに見せるようなものでもない。ファンに見えないところで、ひそかにやっていただきたい。

キリンカップは、負けても失うものは何もない。リスクを恐れずに攻撃的なサッカーを見せて欲しい。そして、同じようなサッカーをアウェーのウズベキスタン戦でも見せてくれることを願う。課題の1つは、中盤がどれだけ押し上げられるかである。

posted by ボウヤ |00:59 | サッカーの基本 | コメント(41) | トラックバック(0)
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