2009年02月15日

WCアジア予選の前半戦を終えて

WCアジア予選の前半戦が終わったが、日本は非常に有利な組に入ったという印象だ。相手がもう一方の組の韓国、北朝鮮、サウジ、イランだったら、もっと厳しい結果になったと思われるような試合内容だった。そして、アジアのレベルの低さにがっかりした。もう少しレベルが上がっていると思ったが、日本を始めとして、新興国のバーレーン、カタール、ウズベキスタンのサッカーは、世界とは程遠いところにある。攻撃だけ見れば、この3カ国のほうが日本より上だが、守備のまずさは何ともしがたい。

合計7点の得点シーンを振り返ってみよう。1点目は中村俊の直接FKだった。闘莉王が壁に入ってシュートコースをあけたが、バーレーンのキーパーはそのコースをケアせずに打つ瞬間に逆に動いた。2点目は遠藤がPKを決めた。バーレーンはミスパスからファイルを取られ、FKからのシュートがディフェンダーの手に当たってしまった。3点目は、バーレーンがやる気をなくしていたときに、中村憲のうまいタイミングのミドルシュートが決まった。4点目は中村俊のクロスを大久保が折り返して玉田が合わせて得点した。パスを受けた中村俊の回りにウズベキスタンの選手が複数いたが、これが災いして誰もプレッシャーにいかなかった。5点目は内田の縦パスが抜けて先に追いついた田中がシュートを決めた。ラッキーとカタールの守備のまずさからの得点だった。6点目は長谷部からのパスを玉田がダイレクトシュートして得点を取った。このシーンだといい攻撃に見えるが、カタールはその直前にゴール前で2度もミスをした。1度目は内田のミスパスを拾ったディフェンダーのパスが悪く、再び日本に取られた。2度目は中途半端なクリアだった。ゴール前で続けて2度もミスをすれば、得点されるのは当然だ。7点目はショートコーナーから中村俊のクロスを闘莉王が頭で決めた。結局、相手の守備を崩して決めた得点は1点もなかった。

一方、失点は3点だけだった。1点目は、右からの速いクロスをイサがトラップして素早くシュートした。なぜか、日本のディフェンダーがそのクロスにまったく反応しなかった。2点目は闘莉王と楢崎の連係ミスで、闘莉王のヘディングによるバックパスでオウンゴールが生まれた。3点目はカパーゼのクロスをシャツキフが滑り込んで得点した。闘莉王のボール処理のまずさからボールを拾ったマグデーエフが、走り込んだカパーゼにヘッドでボールを渡した。

以上のように、日本との戦いはミスの多いチームが負けるという結果になった。サッカーはミスから得点が生まれるスポーツだが、見る側は敵のミスを楽しみにしているわけではない。応援するチームがどのように敵の守備を崩して得点を取るかがサッカーの醍醐味である。日本代表の試合は守備重視で、相手が勝手に崩れるのを待つサッカーなのだ。しかし、その守備も世界に通用するものではない。カタール、バーレーン、ウズベキスタン、オーストラリアは日本の守備を崩すだけの攻撃力がなかったが、そこにルーニーやメッシがいれば、日本はもっと失点することになる。

とはいっても、日本は2勝2分の勝ち点8。この数字は非常にいい結果で、ほぼ予定通りと言える。しかし、アウェーで2勝、ホームで2分はいただけない。日本の有利は変わらないが、前半戦より後半戦のほうが苦しむことになるかもしれない。ただ、ワールドカップ出場より日本代表のサッカーを変えることのほうがはるかに重要だ。なぜなら、過去に3回連続して出場したワールドカップの経験が今の代表のサッカーにまったく生かされていないからだ。このような状況では、何度ワールドカップに出場しても日本は世界に近付くことができない。無理なのは分かっているが、後半戦に日本のサッカーが少しでも変わることを期待したい。

バーレーン:バーレーンは不思議なチームだ。WCアジア予選ではないがアジアカップ最終予選で、日本の攻撃をほぼ完璧に抑えながら攻撃もうまく組み立てていたのに、アウェーのウズベキスタン戦では、相手の攻撃に圧倒されてミスを繰り返していた。しかし、ロスタイムにFKを直接決めて、勝ち点を4に伸ばしてかろうじて残った。次回の日本戦に勝てば2位の可能性が膨らむので必死でくるだろう。しかし、中東のチームはパフォーマンスにむらがあるので、バーレーンが前回と同じレベルの試合をやる保証はない。一方日本は、このバーレーン戦に勝利すれば、日本のワールドカップ出場は間違いないが、引き分けでもいい状況にある。どちらにしろ、ワールドカップに出場する価値のある試合をして欲しい。

ウズベキスタン:非常に幸運な日本に対して、ウズベキスタンは非常に不運だったというしかない。いいサッカーをしているが得点が取れずに。4試合で得点したのは日本戦の1点のみ。ホームのバーレーン戦でも圧倒的に攻めて、いくつもチャンスを作ったが、最後のシュートでミスを犯した。結局、ロスタイムに直接フリーキックを決められて0対1で負けた。この失点もキーパーの反応がちょっとおかしかったためで、通常なら得点にはならないようなシーンだった。日本が次にウズベキスタンと戦うときは、ウズベキスタンが3位に入る可能性も消えているかもしれない。ただ、ホームなのでウズベキスタンがいいパフォーマンスを見せれば、日本は相当苦しむことになるだろう。前回の試合はアウェーで守備的だったが、がんがん攻めるときのウズベキスタンは非常にいいチームだ。

カタール:この組で一番がっかりしたのがカタールだ。日本をホームに迎えて3失点、オーストラリアとはアウェーで4失点。勝ちと引き分けだったウズベキスタン戦とバーレーン戦でもいい時間帯がある一方、逆に受身になって危ないシーンもたくさんあった。オーストラリア戦は観ていないが、日本戦は守備のミスが目立ち、逆に日本の守備を崩すだけの攻撃力がないという印象だった。ただ、個人能力が高いので油断していると、一つのプレーで得点される可能性が常にある。

オーストラリア:日本とオーストラリアは、この試合の前に2位以内を確定したいだろうが、そうならなかった場合、3位に沈む可能性が発生する。しかし、このような状況が日本にとって一番いいかもしれない。本当の意味での真剣勝負がオーストラリアとできるからだ。そこで勝ってこそ、ワールドカップに出場する資格がある。

posted by ボウヤ |05:11 | アジア予選 | コメント(7) | トラックバック(2)
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2009年02月12日

万全を期して臨んだオーストラリア戦

日本は万全を期してオーストラリアをホームに迎えたが、無得点で引き分けてしまった。

この試合のために長い準備期間を取り、テストマッチもした。でも、テストマッチで良いパフォーマンスを見せた中村憲ではなく、良くなかった遠藤が先発だった。

JFAの力で中村俊を早目に呼び戻した。でも、中村俊の動きもセットプレーも輝いていなかった。

前半、オーストラリアの高い最終ラインの裏を取るプレーをした。でも、そこに裏を取るのがうまい岡崎はいなかった。

ドイツで華々しくデビュー(?)した大久保を後半12分から左サイドで使った。でも、サイドのプレーよりゴール前のプレーのほうが良かった。

ボールをゆっくり回して、少しずつ相手の首を絞める日本のサッカーが決まった。でも、残り10分を切っても、同じように後ろでパスを回していた。

複数で囲んで相手からボールを奪った。でも、そこを抜かれると危ないシーンが繰り返された。

引き分けでも良いというオーストラリアに対して、日本は絶対に勝つという強い気持ちで臨んだ。でも、試合からそれを感じることはできなかった。

日本のほうが得点機会が多かったので、選手と関係者がある程度満足していた。でも、日本が先行したらオーストラリアのサッカーががらっと変わるのに。

日本の夢のないサッカーはいつまで続くのだろう。松井と田中と内田だけが夢の可能性を少し示した。

posted by ボウヤ |03:27 | アジア予選 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2009年02月05日

フィンランド戦の良いプレーと悪いプレー

この日の明け方に録画しておいた22節のインテル対トリノ戦を観たので、この試合の退屈さが目立ってしまった。それはリーグ戦と親善試合の違いではなく、サッカーというスポーツを選手がどれだけ具現化できるかの差だ。岡田監督が目標とするベスト4が虚しく響く。日本代表のサッカーは、セリエAで18位に沈むトリノの足元にも及ばないのだ。

<良いプレー>

1点目と2点目は岡崎のインサギのようなプレーが光った。玉田がドイツワールドカップでブラジルから得点したときも、この種のプレーからだった。以前の試合で、松井がゴール前に浮かすボールでスルーパスを狙ったら、ベンチからサイドに開けという声が聞こえたが、日本はサイド攻撃よりスルーパスからの得点のほうがうまいと思うが。岡崎のようなプレーヤーがいればなおさらだ。岡崎を使うなら、従来のように左ではなく中央で常に相手の裏を狙うプレーをさせるのがベターであることが分かった。今回は、走り込むプレーヤーとパスを出すプレーヤーへのプレスがほとんどなかったから得点できたが、プレスを受けながらこのようなプレーで得点を取れるようになれば、世界に1歩近付くことになる。

<悪いプレー>

前半23分、左サイドに上がった中村憲がペナルティーエリアの少し後ろにいたフリーの遠藤にパスを出したが、遠藤はシュートせずにディフェンダーに囲まれている前の選手にワンタッチでパスを出した。このようなときこそシュートチャンスなのに。前半33分、橋本からのパスが右サイドを駆け上がった内田に渡ったが、内田もシュートせずにパスを選んだ。内田はフリーで前にはキーパーしかいなかったのに、どうしてシュートを打たないのだろう。

特に前半戦、得点こそ献上しなかったが守備の穴が目立った。ボールサイドに選手が偏りすぎて、長友の前やゴール前に大きなスペースが空いてしまったシーンがあった。古い試合になるが、フランス代表が日本に来たときに、試合が始まってすぐに日本の守備の穴を見つけ、カントナとパパンで簡単に得点を取ったのを思い起こさせるような守備だった。

後半34分、香川が自陣からセンターラインまでドリブルで上がり、中村憲にパスを出した。明らかにカウンターのチャンスだったが、中村憲はボールを思いっきり蹴って、遥か後方の長友に戻してしまった。それだけでなく、自分も走って戻ってしまった。何を考えているのか分からないプレーだった。

日本は楽な展開で5点も取って勝ったため、この程度のサッカーで良いと勘違いしてしまうことが恐ろしい。前回のバーレーン戦で何を学んだのだろう。反省したとは思えない試合内容だった。

<フィンランドについて>

フィンランドの今回のメンバーで、WCヨーロッパ予選のロシア戦にベンチに入ったのは、リトマネンとクイバスト(前回来日したときのキャプテン)だけだ。しかも、リトマネンは85分からの出場、クイバストはベンチを温めただけだった。今年38歳になるリトマネンが未だに代表でサッカーをやっているのは驚きだ。フィンランドといえば「リバプールのヒーピア」だが、4日にFAカップがあるので、もちろん来日しなかった。ただ、セビージャのプッキという選手は、1月25日のリーガの試合に出場している。2月1日の試合は出ていなかったが、リーガを休んでこの国際親善試合にやってきたようだ。セビージャにはファビアーノ、チェバントン、カヌーテという優れたFWがいるので、出場機会が少ないのかもしれない。プッキは後半23分からの出場だったが、欲しいシュートを2本打った。ボールに触れる機会が少なかったが、他の選手を比べるとサッカーがうまそうだった。バクスター監督はどうしてプッキを最初から出さなかったのだろう。

2年前にもフィンランドと国際親善試合としている。その試合も非常に退屈だった。当時の監督はホジソン氏だったが、試合前に「日本のW杯への準備を手助けできるような良い試合をしたい」と言っていた。今回の監督はサンフレッチェとヴィッセルを率いたことがあるバクスター氏だが「経験の少ない選手は多いが、体も大きいし、岡田さんの助けになれれば」と述べたらしい。結局、心配したとおりの緩いサッカーになってしまった。テストマッチでも、もっと真剣勝負に徹して欲しいものだ。

posted by ボウヤ |03:20 | コメント(4) | トラックバック(0)
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