2008年09月19日

セルティック対オールボー戦の迷解説者

サッカー解説者が、ヨーロッパで活躍する日本人プレーヤーの肩を持つのは不思議なことではないのかもしれない。しかし、この種の解説者は最悪だ。公共の電波を通じて、真実を曲げていいはずがない。

風間八宏氏がフジテレビでサッカーの解説を始めた頃は、ピッチ上のプレーを自分なりに分析して、それを分かりやすく説明していた。当時は、私も解説者として立派だと思っていた。ところが、ある時期から風間氏の解説内容が変わってしまった。日本人プレーヤーや日本代表チームを、ただ褒めるだけの解説者になってしまったのだ。

風間氏は、前々回のチャンピオンズ・リーグに初めて日本人選手として出場した中村を、フリーキック以外はさしていいプレーもしていないのに褒めちぎった。また、昨年2月のインバネス戦でも、風間氏は90分間ずっと、中村のプレーを絶賛した。当の中村といえば、横パスをインターセプトされたり、イージーなパス交換を狙われてボールを取られたりして、いいところがほとんどなかった。挙句の果てに、うまくいかない中村のプレーをすべて、セルティックの他のプレーヤーのせいにしていた。今年の6月に、五輪日本代表がカメルーンと練習試合をした。このときのテレビ解説者も風間氏だった。中村だけだと思っていたら、日本代表チームも90分間褒めまくっていた。

今回のセルティック対オールボー戦でも、上述した試合ほどひどくなかったが迷解説が繰り返されたので、参考のためにいくつか掲載しておく。

■中村は相手が分かりますよね。見ながら相手の何を崩していくとよいのか、誰を崩していくとよいのか。いろいろなことを立ち上がりから、自分でボールを動かしながら見てますね。
■中村って、すごくゆっくりに見えますが、丁寧なので、その分本当は速いんです。判断も速いし、止めてから蹴るまで、そのスピードが正確ですごく速いんです。
■中村がボールを持ってトップスピードに入っていこうとしたときに、そこでパスをもらった選手が切ってしまんです。
■今も、マクドナルドは俊輔のパスによって動かされているんですよ。逆に、ここで俊輔が持ったときに、自分が相手を外して動けば、俊輔からパスが出てくるんですけど、俊輔はパスで動かしているんですね。だから、逆になっているんです。
■これもね、中村がうまいんですけど。このときに(サマラスが)いい動きをしたんですけど。ただ、角度を作る動きができていなかった。もうちょっと離れれば、ディフェンダーからちょっと離れて待つかすれば、中村も出しやすいですよ。タイミングはよかったんですけど、動き出しの質の部分でしたね。
■中村にもう少しボールを集めたいですね。今のところ、彼のアイデアだけが突破口になっていると思いますね。中村のアイデアだけが、オールボーのディフェンダーが分からないですね。ですから、彼をどんどん使って彼のアイデアに皆が反応していく。そうなったときに決定機がくるでしょうね。

風間氏は以前、日本サッカー協会の特任理事だった。今年、会長が川淵氏から犬飼氏に代わったときに、特任理事から理事に昇格した。私は、風間氏がサッカーに情熱を持って取り組んでいると思うが、どうして特定の選手の宣伝マンになるのか理解できない。テレビやサッカー協会という大きな組織の中で生き抜くための手段だと割り切ったのだろうか。それとも、心情的にこのような解説になってしまうのだろうか。どちらにしろ、解説者として問題がある。誰かが風間氏に注意していただければと思う。多くの人はテレビでサッカーを観て、いろいろなことに影響されるが、そのテレビがサッカーに対して真摯に取り組んでいないということは、日本人にとって非常に悲劇である。この問題はテレビだけでなく、新聞も同じである。ボールをただはたいただけなのに、そこから数回のプレーで得点が入ると、ゴールの起点になったという記事がしばしば掲載される。これは真実ではない。マスコミが選手を持ち上げて、一体何の意味があるのだろう。

posted by ボウヤ |03:42 | サッカーとテレビ | コメント(25) | トラックバック(1)
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2008年09月14日

グループAの印象

アジア最終予選グループAの試合を一通り観た。そこで、各チームの印象を簡単に述べたいと思う。4試合が終わって、ホームチームが1勝2敗1分と成績が悪い。早くも、ホームで負けたチームがそのまま敗退しそうな雰囲気になってきた。

■ カタール(1勝1分)
カタールはセバスチャン(FIFAに登録されている名前:キンターナ)のチームだ。セバスチャンは、自分で点を取ることも味方を使うこともできる非常に優れたウルグアイ人だ。セバスチャンがいい場所でボールを受けると、必ず何かが起きそうな雰囲気になる。ウズベキスタン戦は3点取って勝利したが、内容的には少し押され気味だった。しかし、セットプレーとカウンターがうまく決まった。バーレーン戦に関しては、前半非常に良かったのに1点しか取れず、後半足が止まって同点にされた。両試合とも、後半26分と13分に、ハッサンが入ってドリブルで相手の守備を崩した。これがカタールの1つの作戦かもしれない。他にも、ドリブラーが多いので、調子に乗せると非常に厄介なチームだ。去年のアジアカップと比べると、見違えるほどいいチームになっている。日本は今までカタールに勝っていないが、勝つのは今まで以上に難しそうだ。

■ 日本(1勝)
日本の攻撃力はボトムだが守備力はトップだ。さらに、セットプレーというプラスアルファがある。監督と選手の当面の目標はワールドカップ本戦出場なので、この最終予選では守備重視でいくしかないようだ。同じぐらいのレベルなら、守備がしっかりしているチームのほうが勝ち抜く可能性が高いからだ。日本は、攻撃でリスクを犯さないことによって、守備の組織を崩さないように注意している。このやり方をすべての試合で貫くことになるだろう。ただ、先取点を取られて日本が攻めなければならないのに、攻撃ができないという状況にならなければいいが。ワールドカップ本戦を見据えると、攻撃力のアップは欠かせないが、現状でそれを試す余裕はまったくありそうにない。

■ オーストラリア(1勝)
ウズベキスタン戦の前半を見る限り、オーストラリアは攻守とも抜きん出ている。ただ、先取点を取ってから守備的になってしまった。特に、後半は1点を守り抜くサッカーを選んだようだ。カウンターで追加点を取るチャンスも少しあったが、カウンターに鋭さが欠けていた。キューウェルは、リーズ(現在リーグ・ワン)で活躍していた頃と比べると、かなち落ちてしまった。そんなキューウェルを観るのはとても寂しい。オーストラリアの問題点は、ほとんどの選手がヨーロッパでやっているようなので、各試合前の準備という点で日本同様苦しい状況に置かれることだ。日本は、最終戦のアウェーでオーストラリアと戦うため、その前までに2位以内を確定しないと、非常に苦しむことになる。

■ バーレーン(1敗1分)
バーレーンは不思議なチームだ。日本戦でもカタール戦でも、退場者を出して1人少ない状況で得点を取った。ただ、その質は日本戦とカタール戦では異なっていた。日本戦は日本の自滅だったが、カタール戦は素晴らしいカウンターから得点した。その原動力が、日本戦に途中出場したジョンと日本戦に出場しなかったファタディだった。この2人の調子がいいと、日本はホームの試合で苦しむことになるかもしれない。バーレーンの問題は前にも述べたが守備だ。2試合とも、イエローカード2枚で退場者を出した。マークやプレスに対する訓練が足りないため、守備が遅れ気味になり反則が多くなる。日本戦はイエロー4枚、カタール戦はイエロー5枚だったが、実際には、もっとイエローカードが出されても文句が言えないプレーをしていた。

■ ウズベキスタン(2敗)
ウズベキスタンのサッカーは、アウェーのカタール戦でよく見えたが、ホームのオーストラリア戦ではよく見えなかった。これは、カタールとオーストラリアの守備力の差だろう。ウズベキスタンはうまさを見せたが、ドリブル・パスとも、オーストラリアの守備を脅かすまでには至らなかった。1点リードされた後半、一気呵成に攻撃をしかけたが、シュートまでのチャンスはほとんど作れなかった。カタール戦で後半から出場して活躍したゲインリフの出場停止が痛かったかもしれない。また、FWのシャツキフも、カタールのセバスチャンと比べるとすべての面で劣っていた。日本は、組織的な守備ならオーストラリアより上なので、ウズベキスタンを0点に抑えられそうだが、一対一の状況を多く作られると、攻撃力に優るウズベキスタンに得点を許すことになりそうだ。さらに、ウズベキスタンはこれ以上負けられないので、必死でやってくるだろう。それをうまくかわせるかが鍵になるだろう。

posted by ボウヤ |22:25 | アジア予選 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2008年09月08日

バーレーン戦の勝因

岡田監督のチーム作りでは、勝つのが難しいだろうと思っていたが、完全に予想が外れた。日本の勝因はバーレーンのマチャラ監督の作戦ミスだ。攻撃力で日本を上回るのに、1点を先行されるまで、ロングボールを多用してあまり積極的に攻めなかった。その結果として、前半18分に先制されてしまった。後半17分に代わったジョンは素晴らしい能力を見せたが、どうして最初から使わなかったのだろう。また、バーレーンは守備の練習をまったくしないようだ。マークやプレスをほとんどせず、危ないと思ったときだけ、相手に体からぶつかっていくような守備ではサッカーにならない。バーレーンの事情は分からないが、マチャラ監督が選手の能力を十分に発揮できたかどうか、非常に疑問が残る試合だった。守備ができない分を攻撃でカバーするという方法が、バーレーンには一番よいだろうと感じた。

日本に奪われた得点は、日本のトレードマークであるセットプレーだった。1点目は、フリーキックに対する壁の位置に問題があった。低い弾道の速いボールが壁の左端をかすめてゴールに吸い込まれてしまった。2点目のセットプレーでは、ゴール前で中村俊を完全にフリーにしてしまった。つまり、マークの甘さからの失点だった。3点目も、気が抜けた状態でだれもボールを持っている選手にプレスにいかないときに、ミドルシュートを打たれて得点された。すべて、守備の基本ができていないための失点だった。バーレーンはこのグループの最下位候補のようだ。

この勝利で多くの関係者がほっとしているだろうが、内容はウルグアイ戦より悪かったことを忘れてはならない。前半18分の先取点までは、日本の攻撃はいつもよりボールを多く縦に入れて、それなりの攻撃をしていた。ところが、2点目を取ってからの日本のボール回しには閉口せざるを得ない。特に、後半21分にモハメド・ハサンが退場になってからのサッカーは最悪だった。ボールを後ろで回して隙をうかがって攻撃するという方法が、世界に通用しないことは分かっているはずなのに。その付けが終了間際の2失点につながったと考えるべきだろう。つまり、きちんとサッカーをしないと、集中力が持続できないのだ。さらに、カウンターのチャンスがたくさんあったのに、誰もカウンターを仕掛けようとしなかった。カウンターの効果を理解していないのだろうか。

この試合でやっと岡田監督の考えるチームが明らかになった。左SBとFWは変わるかもしれないが、その他のメンバーは決まりのようだ。日本の唯一の救いは、松井、田中、玉田の3人がうまく絡めば、攻撃の形が作れそうだったことだ。まだ連携不足だが何度か一緒にやれば、いいサッカーができるかもしれない。ただ、田中と玉田のシュートを打つタイミングが遅い。前に相手がいても、フォワードならもっと強引にシュートを打つべきだ。また、次回のウズベキスタン戦に、松井がイエローカードの累積で出られないのが非常に残念だ。代表の試合を観る楽しみが1つ減ってしまう。

posted by ボウヤ |04:34 | アジア予選 | コメント(43) | トラックバック(0)
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