2008年06月30日

「たらなし」のスペイン人

私がユーロ2008で優勝して欲しい思っていた国は、ポルトガル、スペイン、そしてイングランド(今回は最悪の予選敗退)だ。「おめでとうスペイン!」。スペインのサッカーは質もすばらしく、優勝に値する内容だった。

スペインは多民族問題で、代表にはいつも不協和音があったようだ。特に、バスクやカタルーニャの人々は独立心が強いらしい。今回の代表にも、バスク出身のシャビ・アロンソ、カタルーニャ出身のシャビとセスクとプジョル、マドリード出身のトーレスとカシージャスがいる。監督のアラゴネス氏もマドリード出身である。しかし、その不安を感じさせないサッカーを繰り広げた。多民族問題は負けたときの言い訳に使っていたのだろうか。

スペインの試合では不可思議なことが2つあった。1つは、ロシア戦で圧倒的に攻撃していたスペインのボール支配率が52%しかなかったことだ。しつこい守備をされたイタリア戦は56%、ロングパスが多かったドイツ戦は49%だった。自由に攻撃ができたロシア戦のボール支配率が低かったのは、常にゴールに向かっていたためで、ムダにボールを保持するという時間がほとんどなかったからだ。もう1つはアラゴネス監督の選手交代だ。ロシア戦では1点勝っている後半24分、ドイツ戦でも1点勝っている後半33分に交代枠をすべて使い切った。

この2つには共通点があるかもしれない。つまり、「同点にされたら」「誰かが怪我をしたら」「ボールを取られたら」というネガティブなことは一切考えないラテン気質だ。スペイン人は「たらなし」と呼べる。一方、日本のホームでのバーレーン戦のボール支配率は64.4%だ。これは「ボールを取られたら」まずいという消極的なボール回しのためだ。また、アウェーでのオマーン戦で、岡田監督は非常に暑い中での試合にもかかわらず、後半33分に1人、後半46分に2人代えた。これも、後半同点に追い付いたので「チームをいじって変になったら」まずいという消極的な発想なのだ。つまり、日本人は「たらたら」と呼べる。

この両者の気質は国の長い歴史で築かれたものなので、なかなか変えることができないが、日本はサッカー発展途上国である。つまらない試合をして勝つより、面白い試合をして負けないと発展しない。その手本はトルコが見せている。だから、日本代表にはできる限り「たらなし」のプレーヤーを選んで欲しい。ただ、スペインの「たらなし」気質は、ユーロやワールドカップなどの大きな大会で優勝できない原因にもなっている。それでも、多くのサッカーファンはスペインに拍手を送るだろう。日本の進む道は見えているが。

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posted by ボウヤ |13:41 | ユーロ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年06月28日

3次予選の総括と最終予選への提言

■ 日本の3次予選

アジア3次予選の得点を見ると、次のようになる(カッコ内はPKまたはセットプレーによる得点)。

バックス:4(4)
ミッドフィルダー:5(2)
フォワード:3(1)

6試合で12点は合格点だが、内容を見ると合格とはいえない。フォワードの得点は3(27%)、流れからの得点は5(42%)しかない。この5点も、日本がお家芸とする流れるようなパス回しからの得点ではなく、気の抜けた相手のプレーや偶然が絡んで得た点にすぎない。これは何を意味するだろう。マスコミやサッカー関係者は、日本がアジアで最も優れたテクニックと精度を持っていると強調するが、それが幻想にすぎないということだ。また、ゴールへの執念が一番高かったのがCBの2人というのも非常に残念だった。3次予選の国とワールドカップに出場する国ではまったくレベルが違う。その3次予選でさえ、パスをつないで相手の守備を突破できないのだから、最終予選やワールドカップでそれができるはずがない。この幻想から早く脱しないと、日本のサッカーは救われない。

テクニックは、静的なテクニックと動的なテクニックに大別できる。日本はセットプレーなどの静的なテクニックは一流だが、動的なテクニックは二流にも届かないかもしれない。スルーパスにしても、日本の場合は、相手の守備が一瞬止まっているときに、タイミングよく出す場合が多いので、これも動的というよりは静的に近い。日本に動的なテクニックがないことを裏付ける1つのデータがある。それは、カウンターがほとんどないことだ。

■ 他国の3次予選

アジアサッカー連盟(AFC)が昨年発表した順位のうち、ベスト10の国がほぼ順当に3次予選を勝ち進んだ。ただ、8位のクウェートと10位の中国が落ち、代わりに15位のUAEと16位のカタールが最終予選に進んだ。非常に残念だったのはイラクだ。イラクが入った組は、オーストラリア、カタール、中国と、いいチームばかりだった。しかし、昨年のアジアカップで優勝したときのイラクは、決勝のサウジアラビア戦で非常にすばらしいサッカーを見せてくれた。ここで脱落するとは、イラクに何があったのだろう。戦争の長期化で国が苦しんでいるが、そういった意味でも応援したかった。

■ 最終予選の組み合わせ

最終予選では、日本は中位にいる。日本より上がオーストラリア、韓国、サウジアラビア、イラン、下がカタール、UAE、バーレーン、北朝鮮だ。ウズベキスタンは未知数。ただ、その差はあまりない。

結局、日本の対戦相手は、オーストラリア、カタール、バーレーン、ウズベキスタンとなった。最近の試合を見ていないが、ウズベキスタンはテクニカルでロシアぽいところが気に入っている。そのウズベキスタンがあまり強くなければ、日本はかなり相手に恵まれたことになる。何もよりも、日本に闘志をむき出しにして向かってくる朝鮮半島のチームがいないのだから。カタールは昨年のアジアカップで対戦している。私が見たアジアカップの試合で、最低の試合を演じた。当時ほど、カタールがひどいサッカーをするとは思えないが、格下のチームには違いないだろう。ただ、日本はカタールに一度も勝っていない。個人的には、日本、オーストラリア、ウズベキスタンがワールドカップに出場して欲しいが、すべて同じ組になってしまった。対戦は非常に興味深いが。

■ 最終予選への提言

最終予選での戦い方は2つ考えられる。1つの方法は、日本人が最も得意とする決められたとおりの攻撃や守備をするチームを作ることだ。コンセプトは和を重んじるチーム。個々の判断で攻撃ができない部分を補うために、セットプレー以外の攻撃パターンをいくつか確立するだけでよい。

もう1つは、現状を打開できる選手を組み合わせる方法だ。コンセプトは個を生かすチーム。代表のサッカーは選ばれた選手でほぼ決まってしまう。凡戦を繰り返す日本代表を変えるには、新しい戦力が必要になる。ただし、個のチームより和のチームのほうが、予選突破の確率は高いだろう。しかし、個のチームで予選を突破すれば、ワールドカップでの期待感は和のチームよりはるかに高くなる。

和のチームは、トルシエ氏、オシム氏、岡田監督らが作ってきたチームに近いので、あまり推奨しない。個のチームについて、もう少し具体的に述べたい。日本の大型フォワードが最終予選やワールドカップで活躍できることはまずありえない。そこで、4-6-0という布陣にする。中盤の6人は、稲本(鈴木)、長谷部、松井、山瀬、梅崎(田中達)、エスクデロだ。きっと、日本のサッカーを少し変えてくれるだろう。3次予選で、数少ない流れからの得点を導いたのは松井と山瀬だった。エスクデロと梅崎は、オリンピックで活躍してA代表に入ってほしい選手だ。なぜか、レッズの選手が多くなってしまったが。面白い試合は、個の集大成としてチームが機能したときに見られる。

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posted by ボウヤ |17:29 | アジア予選 | コメント(7) | トラックバック(1)
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2008年06月25日

成長しない日本代表

サッカー日本代表に足りないものを探ってみよう。海外の選手は、若い頃に今一物足りないと思ってもいつのまにか成長して、いい選手になる場合が多い。逆に、日本の選手は若い頃に可能性を示しても、ほとんど成長しない。この差がそのまま、日本と世界の差になっている。どうしてだろう。その答えは、ユーロ2008とアジア3次予選の試合を比較すれば一目瞭然だ。

ユーロ2008の試合を観ると、テクニック、スピード、パワーのどれをとっても、日本は残念ながら及ばない。しかし、この3つの差以上に差を感じることがもう1つある。それは、1つ1つのプレーに対する気持ちの入れ方である。もっと具体的に言うと、ユーロで戦っている選手は、局面局面で自分自身を必死にアピールしているように見える。選手がボールを持ったとき、何かをしれくれるという期待感がサッカーを観る楽しみである。それを実現してくれるのが、欧州サッカーであり、南米サッカーである。ところが、日本サッカーにはそれがほとんどない。

日本代表の攻撃を観ると、全力でやっている選手が残念ながらほとんど見当たらない。プレーからは、80%ぐらいの力でなんとかミスをしないようにという感じが伝わってくる。これが、日本の選手が成長しない大きな理由である。チャレンジしてボールを取られるから、次は絶対に取られないようにしようという気持ちが強くなり、それによってサッカーが上達する。

最近、「サッカーの日本化」「勝つことに徹するサッカー」「試合を落ちつける」「攻撃を作り直す」という言葉が、まことしやかに使われている。サッカーの試合は、片方のチームが攻撃的になりそれをもう一方のチームが跳ね返そうとすると、結果的に両方のチームにスペースが生まれて面白くなる。そして、そこでスパープレーやスパーセーブが生まれる。日本代表のように守備重視で遅攻に徹すると、互いにスペースがなくなり、どうしても凡戦になってしまう。この種の凡戦を繰り返しても、個々の選手は成長しない。

シュートを打たない日本代表がしばしば問題になるが、これも、試合で気持ちを入れたプレーを心がければ、シュート・チャンスで何をしなければいけないかが自然と身につく。そうなれば、この問題は簡単に解決される。シュートは、考えるより前に体が自然に動かなければならない。これはフォワードに限ったことではない。

サッカーの技術は相手との駆け引きから生まれる。日本代表が技術を売り物にしたいのなら、1つ1つのプレーにもっと気持ちを入れないと、世界に通用するサッカーにはならない。サッカーは単純なスポーツだが、技術から見ると、非常に奥深い。この技術を磨くには、真剣勝負の場で気持ちを入れたプレーを繰り返す必要がある。相手との接触を逃げるような選手は一流になれない。

技術の差はすぐに縮まらないが、気持ちの入ったプレーは明日からでもできる。これは精神論ではなく、サッカーの基本なのだ。この基本を繰り返すことによって、サッカーが上達しチームが強くなるである。

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posted by ボウヤ |11:47 | サッカーの基本 | コメント(16) | トラックバック(0)
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2008年06月23日

日本対バーレーン

アウェー、試合2日前の来日、先発7人の入れ替え、雨。この試合で最も心配だったのはバーレーンのやる気だったが、その心配は無用だった。一方、岡田監督は前回のアウェーでの敗戦を「屈辱的」と言って、気持ちを引き締めた。スポーツでは気持ちの高揚が勝敗を左右する。ホーム、リベンジ、1位通過など、バーレーンよりモチベーションを高める条件が揃っていた日本が勝つのは当然だが、試合内容はかなり寂しいものだった。これだけ気楽に試合に臨めることは滅多にないのに、自分たちの力が出し切れないのはどうしてだろう。

日本が躍動したのは、バーレーンの足が止まった後半30分を過ぎてからだった。ホームなのに、どうして最初からもっともっと攻撃的に行かないのだろう。攻撃には、サイド突破からのセンタリング、アーリークロス、フォワードへのロングボール、フォワードへの縦パス、ドリブル突破、パスをつないでの中央突破、中距離シュート、スペースへの走り込みなど、いろいろなパターンがあるが、どれ一つとして日本の武器になるものを示せなかった。結局、日本の唯一の武器は、正確なフリーキックと強いセンターバックによるセットプレーのみだった。3次予選を締めくくるこの試合を最終予選への試金石と考えると、日本代表の出来はまだまだである。このまま最終予選に臨むなら、ワールドカップ本戦出場はとても心許ない。

岡田監督の選手交代も非常に疑問だ。アウェーのオマーン戦も、非常に暑い中での試合にもかかわらず、交代は後半33分に1人、後半46分に2人だった。このバーレーン戦も0対0で得点が必要なのに、後半19分にフォワードを引っ込めてミッドフィルダーを出した。当然、2トップのまま、守備的な選手を攻撃的な選手に代えるべきだ。緊迫した試合では、選手交代が非常に重要になるが、岡田監督の試合を読む能力に一抹の不安を覚える。

この試合で特に気になったのは、日本代表プレーヤーのボールへの執着心の足りなさである。意図が分からないパスを取られてピンチを招いたり、絶好のシュートチャンスを外したりしていた。失敗は大まかに2種類に分類できる。積極的なプレーでの失敗と消極的なプレーでの失敗である。日本代表プレーヤーの失敗は消極的なものが多い。これは技術ではなく気持ちの問題なのだ。

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posted by ボウヤ |02:01 | アジア予選 | コメント(4) | トラックバック(1)
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2008年06月17日

アウェーでの試合開始時間

日本代表のアジア3次予選のアウェーでの戦いは、1勝1敗1分と、まあまあの成績だったが内容がよくなかった。相手がワールドカップ本戦に出場したことがない国ということを考えると、日本代表の力にかなりの不安を覚える。ただし、問題はサッカー以外の部分にもあった。それは試合開始時間で、30℃、37℃、36℃という暑さの中で日本代表は戦わざるをえなかった。自社の都合を優先して、まだ太陽が出ている時間に試合を開始させておきながら、「強烈な暑さの中での過酷な戦い」と叫ぶテレビ。視聴率が取れる日本代表の試合は、テレビ局にとってドル箱かも知れないが、サッカー人気が高くなった弊害でもある。日本サッカー協会(JFA)は、この種の問題の防波堤になるべきなのに、逆に代表の足を引っ張る行為に協力している。これもすべてスポンサーへの配慮なのだろう。アウェーでたくさんの不利があるのに、それに拍車をかける行為が許されてしまう日本。選手の体調や試合の内容よりコマーシャリズムを優先しても、日本のサッカーは強くならない。

この問題は、多くのジャーナリストとサポーターが感じていたはずだ。非常に腹立たしかったので、FIFAにメールで抗議してみた。しかし、FIFAからの回答はなく、JFAに対するアクションもなかったようだ。FIFAもJFAも同類なのだろう。

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posted by ボウヤ |22:00 | サッカーとテレビ | コメント(2) | トラックバック(0)
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