2010年03月04日

バーレーン戦:代わり映えがしない代表

この試合は公式戦だが、予選突破がすでに決まっている両チームの消化試合でもある。試合が有意義なものになるかどうかは、すべてバーレーンにかかっている。バーレーンは助っ人なしの1軍半だったが、今までとあまり変わらないパフォーマンスを見せた。国内組が着実に力を付けているのだろう。ただ、日本の力を測るにはやはり力不足だった。

一方、日本はヨーロッパ組5人全員が先発すると思ったが、森本だけ後半22分からだった。それも、違いを見せていた松井に代えてしまった。松井、本田、森本がどんな攻撃を見せるかが重要だったのに、残念ながらその機会がふいになった。なんとも岡田監督らしい采配だ。

前半の日本の攻撃はロング・スルーパスだけに頼っていた。うまく攻め込めないために、中村俊、内田、長谷部がミドルシュートを打ったが、あきらかに判断ミスだった。前が空いていたので、ボールをゴール近くまで運んでから、シュートやワンツーをするチャンスだったからだ。バーレーンは、スペースでうまくボールを受けたり、カウンターで何度かチャンスを作ったが、最後の部分で攻め切れなかった。これをWCで日本と戦うチームに置き換えると、日本の守備の弱さは致命的だ。前半30分過ぎから、バーレーンの動きが悪くなり、そこをうまく突いて36分に松井のクロスを岡崎がヘッドで得点した。

後半の立ち上がり、日本は相手陣内に攻め込んでチャンスを作った。中村俊のクロスに本田がヘッドで合わせたが、GKにセーブされた。その後は、両チームともミスが多く凡戦になってしまった。2点目は後半ロスタイムに生まれた。内田のクロスが流れて、ゴール前にいた本田がヘッドで得点した。本田がこの試合で活躍できずに、代表落ちになってしまわないか心配だったが、これで一安心だ。一方、森本は時間も短く活躍できなかったため、南アフリカには行けないかもしれない。

90分を通して、日本がいい攻撃をしたのは、たった1度しかなかった。それは前半のロスタイムだった。自陣の右サイドで内田が相手を詰め、中村俊がボールを奪って、長谷部にパス。次に、長谷部から内田そして前方の本田にパス。本田は相手2人に寄せられたので、長谷部に戻し、ワンツーの形で前線に走りボールを受けドリブルし、前にいた岡崎にパス。再びパスを受けた本田は、ドリブルから相手ディフェンダーの間にボールを通して、左から上がった松井にパス。松井がキーパーと1対1になったが、シュートははじかれてしまった。これは静的ではなく動的な攻撃だ。このような攻撃をもっと増やさないと、日本は世界で戦えないが、日本代表にはネックになる選手がレギュラーに居座っている。

この勝利で岡田監督への世間の批判が弱まりそうだが、海外組が国内組と比較してそれほどよかったわけではなかった。なのに2得点して勝ったために、WCで戦えると錯覚してしまう。これが日本の弱点なのだろう。この日の内容で韓国と戦えば、結果は国内組ときっと変わらないだろう。ただ、一つ言えることは、間に合わせのチームでも、事前に合宿して4試合に臨んだチームより、部分部分でいいパフォーマンスを見せることができるのだ。つまり、代表を選ぶ場合、岡田監督の戦術を理解する選手より、個の力で打開しよとする選手のほうが重要だということが、この試合で証明された。約1年前のバーレーン戦でいい働きをした田中達、Jリーグで活躍した石川、オシム監督のときはレギュラーだった鈴木が入れば、もっと魅力的なチームになるだろうが、怪我などの事情もあり、岡田監督がこの3人を選ぶことはないだろう。ただ、石川だけはまだ当落線上にいるかもしれない。

posted by ボウヤ |11:14 | アジアカップ最終予選 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2009年12月02日

香港戦:日本の攻撃パターン

格下の香港に対して、アウェーでどれだけの攻撃パターンを見せられたのだろう。合計19本(前半6本、後半13本)のシュートを放ったが、日本が目指すサイド攻撃や守備からの素早い攻撃ができたのだろうか。わかりずらいと思うが参考のために、日本がシュートまで行けた過程を以下に示す。最後の数字はシュートまでのパス回数。

前08:闘(自陣でFK)→長(横)→大(バ)→遠(横)→俊(横)→大(横)→内(ク)→敵→俊(外):8
前18:川(フィード)→中(縦)→長(横)→闘(縦)→遠(横)→松(ク)→大(シュ)→敵→大(ブ):6
前32:闘(敵陣で拾って横パス)→内(横)→途中省略→駒(横)→俊(横)→長(バ)→内(縦)→長(ゴ):9
前40:川(フィード)→闘(横)→遠(横)→長(縦)→内(横)→?(縦)→内(ク)→岡(セ):7
前41:内(自陣で取って縦パス)→俊(ロ)→岡(横)→松(ブ):3
前44:中(自陣で拾って縦パス)→遠(縦)→内(ク)→闘(セ):3
後02:松(敵陣奥からスローイン)→岡(ク)→大(ミス):2
後04:俊(敵陣でFK)→?(捕):1
後09:長(自陣で取ってドリブル・縦パス)→?(横)→松(CK):2
後10:俊(CK)→敵→遠(ク)→大(捕):2
後13:遠(敵陣でカット)→岡(横)→大(外):2
後16:長(自陣でカット)→松(縦)→佐(横)→松(縦)→俊(外):4
後21:?(相手FKをクリア)→大(ド)→敵→遠(縦)→敵→遠(縦)→松(外):4
後27:中(CLで取ってパス)→松(バ)→途中省略→遠(バ)→中(横)→闘(縦)→長(ス)→松(オ):10
後29:中(相手CKをクリア)→敵→遠(縦)→俊(ド横)→内(ポ):4
後29:俊(敵陣でこぼれたボールを取ってバックパス)→遠(ク)→佐(ゴ):2
後39:俊(直接FKからゴール):0
後43:中(CLで取ってパス)→途中省略→岡(縦)→徳(ク)→中(横)→岡(外):18
後46:阿(敵陣でカット)→徳(横)→中(横)→阿(バ)→松井(バ)→闘(縦)→岡(PK):6

日本が目指す前線からの守備でボールを取ってシュートにつなげたシーンは、前半32分、後半13分、後半46分の3回だった。そのうちの2回はシュートまでに9回と6回のパスをつないだ。後半13分は2回のパスからシュートをしたが、相手のキックが詰めた遠藤に当たり、こぼれたボールがうまく岡崎に渡ったときだった。結局、前線からの守備が素早い攻撃として実を結ばなかった。

サイド攻撃は通常、サイドライン際を突破したり中央からサイドに開いたりして、敵陣奥までボールを運びクロスを入れる攻撃だ。前半8分、前半40分、前半44分、後半43分の合計4回、サイドからのクロスでシュートを放ったが、サイド攻撃と呼べるのは前半44分の内田からのクロスに闘莉王が頭で合わせてシーンだけだった。その他の3回は、パスをゆっくり回して、最終的にサイドからクロスを入れただけだった。前半18分にアーリークロスもあったが、6回もパスを回しているのでアーリーとは言えない攻撃だった。このように、サイド攻撃もあまり効果的に行われなかった。

ただ、香港戦は今まであまり見るることができなかったカウンターを1回仕掛けた。後半29分に中澤が相手のCKをクリアし、遠藤、中村俊、内田と、ボールが回ってシュートした。

効果的なロングパスも1回あった。前半41分に内田が自陣で相手からボールを取り、中村俊がロングボールを岡崎に出したシーンだ。

日本が得意とするスルーパスはどうだっただろう。後半27分に、ゆったりとした横パスを繰り返してしたときに、闘莉王から長谷部に縦パスが入り、松井にスルーパスが出た。ネットを揺らしたが、オフサイドを取られてしまった。スルーパスからのシュートはこの1回だけだった。

上記のスルーパスは中央からだが、その他にも2回中央から攻めたが、中央突破と言えるような攻撃ではなかった。

上述したのはシュートに結びついた攻撃だけを取り出したので、その他にいい攻撃があったかもしれない。ただ、いろいろな攻撃をしているように見えるが、ボールを取ってから素早くボールをつないでシュートまで持っていく回数が少なすぎる。5回以内のパスでシュートをしたのは12回あったが、そのうちの8回はセットプレー、こぼれ玉、可能性のないミドルシュートだった。この香港戦は、日本の攻撃力の弱さを見せてしまった試合だった。

posted by ボウヤ |22:48 | アジアカップ最終予選 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年11月19日

香港戦:悲しい現実

立ち上がりを見る限り、ドリブル力に関しては、香港のほうが日本より上かもしれないと思ったが、その後は見ることができなかった。香港は全員がボールウォッチャーになってしまうため、日本は自由にボールを回すことができたが、流れからシュートまで持っていくことは少なかった。

日本での試合に比較すると、香港はホームなので健闘したが、それは運動量の違いとゴールに向かう意欲の差だった。

この試合を見る限り、真剣勝負の場がほとんどアジアに限られるので、アジア全体のレベルがアップしないと、日本もサッカーが強くならないかもしれないと感じた。

posted by ボウヤ |02:53 | アジアカップ最終予選 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2009年10月11日

スコットランド戦は采配の勝利

スコットランドはレギュラーの多くが離脱し、若いメンバーでの来日となった。先発は、セルティック2人、レンジャーズ1人、その他のスコットランド・プレミア3人、イングランド・プレミア1部2人、2部3人。WCヨーロッパ予選のオランダ戦に出場した選手は2人だけだ。MFとFWがスコットランド・プレミアとイングランド・プレミア2部の選手で構成されている。つまり、前線は戦力ダウンしているが、守備はベストに近い。WCヨーロッパ予選に負けてモチベーションの上がらないレギュラー組より若手のほうがいいかもしれないと思っていたが、スコットランドは真面目に戦ってくれた。速いパス回しから得点チャンスを何回か作ったが、決定力が残念ながらなかった。スコットランドがロングキックでゴール前に放り込むプレーをしてくれれば、日本のディフェンスにとっていい練習になったが、スコットランドは残念ながらそれをやらなかった。

5月のキリンカップのチリ戦で非常に良かった中村憲と本田が先発したが、この2人が中盤をやると攻撃が活発になる。さらに、新メンバーの石川が加わり攻撃力が増した。前半、香港戦とは違うサッカーらしいサッカーを繰り広げた。縦パスが通らないこともしばしばあったが、大事なことは通ればチャンスになるパスやドリブルをどれだけ多く出せるかだ。中村憲、本田、石川はその可能性を示した。

後半、スコットランドの圧力が強まると、下がり気味になって攻撃が単発になった。しかし、岡田監督が後半20分に選手を3人代えたことにより、また徐々に攻撃ができるようになった。それは、ボランチに下がった中村憲からの縦パスや松井のドリブルから始まった。岡田監督の選手交代はいつも疑問だらけだったが、この交代は今までで一番的確だったかもしれない。さらに、後半37分に入った駒野からのクロスにより、2点を取ることができた。まさに采配の勝利である。

この試合で分かったことは、日本代表がスコットランド・プレミアリーグならそこそこ戦えるかもしれないということだ。もちろん、セルティックとレンジャーズを抑えて優勝できるレベルではない。イングランド・プレミアリーグの1部はちょっと難しいだろう。

posted by ボウヤ |02:31 | アジアカップ最終予選 | コメント(7) | トラックバック(0)
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2009年10月09日

サッカーの歴史と比例しない香港

香港のサッカーがあまりにも低レベルだったので、香港のサッカー事情を少し調べてみた。人口約700万人の香港のサッカーの歴史は古い。1886年から現在まで続いている香港フットボールクラブ(Hong Kong Football Club)は総合スポーツクラブだが、アマチュアでありながら、プロリーグの2部でチームが活躍している。1部は11チームで構成されていて、現在トップにいるの南華(South China)FCは1910年発足の伝統あるクラブだ。現代表はこのクラブのメンバーが中心のようだ。サッカー協会は1914年に設立された。どうして、長い歴史があるのに、アジアからも取り残されてしまったのだろう。

香港戦の日本のスタッツ
・ボール支配率:71%
・シュート:27本
・コーナーキック:8本
・フリーキック:13本
・クロス:39本(ブロックされたものも含む)

WCアジア最終予選のカタール戦は、比較的プレスが甘かったが、それでもクロスは8本しかなかった。今回のテーマがサイド攻撃だったためにクロスが増えたようだが、それにしても日本のやりたい放題だった。ただ、流れからのクロスによる得点は徳永から岡崎への1点だけだった。

試合を見ていて詰まらないと思うときがある。その原因の1つが選手が戦ってないと感じるときだ。特に、ゴールや相手を背にしてボールを受けるときのプレーが気になる。弱いチームは、ほとんどがバックパスになってしまう。この試合でも、この場面でバックパスはないだろうと思うときが37回もあった。一方、相手を背負って反転して前を向いたプレーは4回しかなかった。香港のようにプレッシングが甘い相手なら、ボールを受けてから反転して前を向くのは簡単だと思うが、この問題はなかなか改善されない。むしろ、香港の前線の選手のほうがこの点に関しては頑張っていた。

posted by ボウヤ |04:36 | アジアカップ最終予選 | コメント(10) | トラックバック(0)
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2009年01月30日

若き日本代表のイエメン・バーレーン戦

本来なら、ドイツワールドカップ後に監督に指名されたオシム氏が若手でチームを作らなければいけなかったが、オシム監督はドイツ組にジェフ組を加えただけの代表チームを作ってしまった。1994年のアメリカワールドカップのベスト16で敗退したアルゼンチンは、パサレラが監督になり、最初は国内の優秀な若手でチームを編成し、徐々に中堅とベテランを合流させる方式を取った。これが一番妥当なチーム作りだろう。このときに選ばれたサネッティは、今でもインテルで活躍している。

ともあれ、オシム時代にアジアカップで4位に終わったために、日本は予選からの出場になった。それが結果的に、若い選手に真剣勝負の場を経験させながらアピールさせるよい機会になった。若い選手がどんなサッカーを見せてくれるか非常に楽しみにしたが、レギュラー組を脅かすような選手は出現しなかった。中田英が代表で初めて試合に出たときの感動は未だに忘れない。中田英は、プレーで代表チームの雰囲気をがらっと変えてしまった。そんな若手がいつ現れるのだろう。次から次へと、才能ある若い選手が出てくる国との差は大きすぎる。

<イエメン戦(ホーム)>

レギュラー組のある選手が以前に「ボールを簡単に回して点を取る」と言っていたが、この試合はまさにその言葉通りのサッカーだった。ボール支配率が75%のポジションサッカー。しかし、ボールを回して点を取ることはできなかった。日本の2点は恒例のセットプレーからだった。

どうして流れから点が取れないのだろう。理由は簡単だ。サッカーは戦いなので、相手と戦わずして点を取ることは、ミスなどを除けば、ほとんどないからだ。ボールを回すだけでは点が取れないのだ。日本は、相手を抜いたりかわしたりするシーンがほとんどなかった。つまり、相手が近寄る前にパスを出すという悪いパターンだ。両サイドバックがそれぞれ1回だけ相手を抜いてクロスを上げた。このときは両方ともチャンスになったが、このようなプレーをもっと増やさないと、日本のサッカーが成長することはありえない。日本の成長を止めているのは、選手自身なのだろうか、それとも監督とコーチなのだろうか。

この試合で一番良かったのは、後半34分に入った乾貴士だった。積極的に動いて相手を崩そうとしていた。セレッソで一緒にやっている乾が入って香川の動きがよくなったと思ったら、金崎に代えられてしまった。岡田監督はチームメートの重要さを理解していないようだ。

<バーレーン戦(アウェー)>

放映権料の問題で試合が観られないと思っていたら、ライブスポーツが無料で録画を提供していた。これもインターネットのお陰だ。いいプレーをした選手が誰なのか特定できないときを除けば、実況や解説のない試合もいいものだ。

この試合はバーレーンのコンディションのよさが光った。守備でも攻撃でも非常によく動き回っていた。今までの試合を観た限り、守備に問題があると感じていたが、この試合はまったく違っていた。イエローカードを貰うことなく、90分間プレスをかけ続けた。このようないい守備をされると、日本の攻め手はほとんどなくなる。これはレギュラー組が入っても同じだ。

攻撃力では、バーレーンがはるかに上回っていた。得点はフリーキックからだったが、得点チャンスを何度も作った。日本のプレスがきついときはロングボールを蹴り、攻撃するスペースができると、ドリブルと素早いパスでゴールに向かった。この戦略が非常にうまくはまった。守備ができれば日本より上であることが明らかになった。

反対に、日本の攻撃陣は何もすることができなかった。相手の守備がいいと、攻め手がまったくなくなるのが今の日本の実力だ。縦パスを入れても、受けた選手は後ろにはたくだけのプレーを繰り返したいた。また、ドリブルの方向を間違えている選手もいた。ゴールと反対に向かってのドリブルに何の意味があるのだろう。プレスをかけてくる相手をどうやって抜こうと考えているプレーヤーはゼロだった。これで世界と戦えるのだろうか。

若手で先発メンバーに入ったのは岡崎と本田圭だけだった。岡田監督がどうして岡崎を高く買っているのか分からないが、動きの質ではなくボールとの付き合い方をもっと向上させないといけないだろう。本田圭はボールを持つと何かをしてくれそうだが、結局無難なプレーで終わってしまう。もっとエゴを出して、自分が何とかするから付いて来いというプレーをして欲しい。途中から香川と興梠が入ったが、ムードを変えるようなプレーはできなかった。

posted by ボウヤ |03:02 | アジアカップ最終予選 | コメント(12) | トラックバック(0)
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