2009年10月15日

トーゴ戦:先発考

トーゴ戦は、前の2試合をどのように評価するかだけでなく、11月に行われるアウェーでの南アフリカ戦と香港戦の先発メンバーを暗示している。トーゴ戦の先発メンバー見ると、岡田監督はスコットランド戦の先発メンバーに控えというレッテルを貼ったようだ。つまり、レギュラーは最初から決まっていて、それ以外の選手は何をしてもレギュラーの座を奪うことは無理らしい。

ただ、右サイドバックはレギュラーを誰にするか、まだ迷っているようだ。レギュラーに定着するはずの内田が最近調子を落とし、守備の不安が解消しないためだ。香港戦とスコットランド戦でいい働きをした駒野がレギュラーに復帰するのかと思ったら、トーゴ戦の先発は徳永だった。トーゴの守備がゆるいので、どんどん上がってクロスを上げるだろうと期待したが、無難なプレーに終始した。そのせいか、3戦連続(30分、25分、45分)出場のせいか、それともレギュラーではないことを暗示するためか、後半から内田に代わった。一方、左サイドバックは長友が先発したが、このポジションは成長し続けている長友で決まりのようだ。ただ、左サイドバックにレフティーを置くというオーソドックスなフォーメーションは試さないらしい。クロスを重視するなら必要だと思うが。

フォワードは、玉田が怪我で離脱したために森本が先発した。しかし、玉田のレギュラーの座は変わらないのだろう。トーゴ戦ではゴール前で相手を背に反転してゴールをあげたが、流れたボールは相手のクリアボールだった。森本のいいところはポジショニングだが、自分の力だけで得点する力はまだ弱い。もう一人のフォワード(左サイドハーフ)は岡崎だった。代表でゴールを量産している岡崎は自分の力でレギュラーの座を獲得したようだ。この日も香港戦に続きハットトリックを達成した。両フォワードで開始から11分で3点を取ったが、トーゴの選手の体が温まる前の得点だった。

ボランチは長谷部と遠藤が先発した。この二人がレギュラーなのだろう。今までの試合では長谷部が攻撃的、遠藤が守備的だったが、この試合の立ち上がりは逆で、遠藤が積極的に攻撃に参加していた。長谷部は、ボールが足に付かないことが多く、この試合はあまりよくなかった。ただ、前の2試合を見る限り、遠藤のポジションは最近好調の中村憲のほうがよい。最近の代表の試合では、攻撃的MFでも守備的MFでも活躍している。問題があるとすれば、ワールドクラスのプレッシングを受けたときに、どのくらいのプレーができるかだが、この点も遠藤よりはいいだろう。

攻撃的ミッドフィルダーは中村俊と中村憲が先発した。香港戦の中村俊は体調がいいと言っていたが、ミスが多く、ボランチの位置まで下がってプレーした時間帯もあった。このようなプレーをファンが喜ぶだろうか。トーゴ戦も香港戦同様、調子が上がらないまま後半37分に退いた。このポジションはスコットランド戦に先発した石川と本田のほうがはるかに上だ。得点に絡むプレーが石川と本田のほうがはるかに多いからだ。

センターバックは中澤と闘莉王が先発した。この2人がレギュラーなのは間違いないようだが、世界と戦うためには新しい選手を選んでレベルアップを図る必要がある。しかし、岡田監督に守備の要を変える勇気はなさそうだ。スコットランド戦で可能性を示した岩政はトーゴ戦で控えにも入らなかった。岩下は、槙野同様に出場機会を与えられないまま消えてしまうのだろうか。岡田監督は国際試合より練習を重要視しているらしい。

キーパーは川島が先発したが、経験が多い楢崎が怪我から復帰すれレギュラーになると思われる。楢崎が代表を離脱してからは、川島が3回、西川が1回、都築が1回先発しているので、川島が第2キーパーになったのだろうか。

岡田監督がトーゴ戦で選んだ先発メンバーの一番の問題はミッドフィルダーが点を取れないことだ。日本が世界と戦うためには中盤の得点力が鍵になるが、この3連戦であげた13点のうち、中盤の得点は本田の2点だけだった。

posted by ボウヤ |03:44 | 日本代表監督 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2009年10月14日

サッカー日本代表内の差別

新しく選ばれた選手は試される存在なのだろうか。古くから選ばれている選手はずっと安泰なのだろうか。監督なら、自分の目でピッチ上の選手を数回見て、その選手が何をできて何をできないかを把握できなければならない。だから、選んだ選手は全員レギュラーであるという考え方から始める必要がある。新レギュラーがいいパフォーマンスを見せたら、旧レギュラーはその座から降りるしかない。その後に、どうしても旧レギュラーが必要だと思ったら、呼び戻せばいい。アルゼンチンのパレルモは10年ぶりに代表に呼ばれて、大事な得点を入れた。

posted by ボウヤ |00:24 | 日本代表監督 | コメント(8) | トラックバック(0)
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2009年10月13日

代表への門戸はコンビネーションとチームコンセプト

コンビネーションとチームコンセプト。これは岡田監督が重視している代表チームへの必要条件だ。だらか、コンビネーションを意識しない選手やチームコンセプトを理解しない選手は代表にまぜない。しかし、このような排他的な考え方は問題だ。

代表では、今最高のサッカーをしている選手を11人選べば、必ずいいサッカーができると信じることが重要だ。なぜなら、彼らはそれぞれのチームでコンビネーションとチームコンセプトを具現化しているからだ。だから、代表監督にはすべての選手に門戸を常に開く度量が必要だ。

くしくも、香港戦のコンビネーションとチームコンセプトを大事にするチームより、スコットランド戦の寄せ集めチームのほうが魅力的なサッカーをした。トーゴ戦は代表を再構築するチャンスになったが、岡田監督にその発想と勇気があるだろうか。

posted by ボウヤ |00:50 | 日本代表監督 | コメント(12) | トラックバック(0)
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2009年10月06日

岡田監督の4カ条

岡田監督はWC出場を決めたあとに、選手に次の4カ条を指示したようだ。なぜか、新聞記事とテレビ番組ではちょっと違う。

1) 少々のプレスを受けてもパスを回せるように技術を上げる
2) パススピードを上げる
3) 走り勝つ
4) 球際で競り勝て

① パススピード(2)
② 1対1の強さ(1と4)
③ 質の高い運動量(3)
④ 得点力

岡田監督はWCベスト4を掲げているので、それを達成するためにこの4つの課題を選手に課したはずだ。ということは、4つのうち1つ欠ければベスト8、2つ欠ければベスト16、3つ欠ければリーグ選敗退、4つ欠ければ1勝もできずにリーグ選敗退と、岡田監督は頭に描いたかもしれない。そこで、選手がこの4つの課題を達成できるか検証してみよう。

②の「1対1の強さ」に関しては、オランダ遠征で早くも諦めたようだ。アフリカやヨーロッパの選手に1対1で勝つのは難しいので、攻撃では相手と接触する前にパスを出し、守備では高い位置から複数でプレッシングをかけるに変わった。しかし、これはドイツ大会で日本がやったサッカーである。相手を引き付けるから味方がフリーでボールをもらえ、攻撃を組み立てることができる。相手と戦わないサッカーでは相手の守備を崩すことはできない。また、前からのプレッシングは非常に危険だ。複数のプレッシングを破られたら、ディフェンダーが相手と1対1で対応しなければならない。強豪チームの場合は、誰かが突破すると、他の選手も全力でゴールに走るので、結局数的不利になって簡単に得点を許すことになる。1対1で戦うのが基本で、問題はサポートをどうするかだ。

①の「パススピード」に関しては無理な課題といえる。これはサッカー環境の問題だ。相手の守備を崩すためにパスを出す海外の環境と、味方に正確にパスをつなぐ日本の環境の違いを簡単に変えることはできない。たとえば、国内組はJリーグでパススピードを磨くしかないが、誰か1人だけがパススピードを上げても、受ける側がトラップできずにチームがうまく機能しなくなってしまう。Jリーグ全体のパススピードを上げるには上述した環境を変える必要があるが、1年足らずでは不可能だ。

④の「得点力」を選手に課すのはどうかと思う。得点力は特別な才能が必要だ。リベリアのジョージ・ウェアは身体能力が高くサッカーも巧かったが、フォワードとして得点はそれほど多くなかった。つまり、監督ができることは得点力を意識した選手起用だが、岡田監督はそれをしているだろうか。最近の試合では、玉田をトップ、岡崎を左サイドに置いているが、これは岡崎の守備力に期待していると思われる。点を取りたいなら、岡崎と玉田のポジションを入れ替えるべきだ。さらに、当初点を取ったが怪我で代表から外れた山瀬が復帰しても、なぜか選ばない。Jリーグで得点を量産している石川をようやく選んだが、岡田監督の選考理由は攻撃的オプションの追加らしい。日本代表に必要なのはレギュラー陣の攻撃力のアップだ。このように、得点力は選手に与える課題ではなく、岡田監督が自分自身で解決しなければならない課題である。

結局、残るのは③の「運動量」だけになってしまった。岡田監督は、オランダ戦後に90分間プレッシングをかけ続ける体力と気力を選手に要求した。運動量は多いに越したことはないが、日本代表に欠けているのはボールを取ってからの運動量と勇気だ。

以上の検証から、運動量を除く3つの課題の達成が難しい。つまり、岡田監督は4カ条を示したことで、代表を率いる能力が足りないということを自ら証明してしまったことになる。高い目標や理想的な課題を掲げても、それが選手の努力の範囲内でなければ絵に描いた餅にすぎない。1対1で戦う選手、速いパスを出す選手、そしてゴールに向かうプレーをする選手を選ばなければいけないのに、そうでない選手を選んで課題を課しても目標は達成できない。

posted by ボウヤ |01:38 | 日本代表監督 | コメント(10) | トラックバック(0)
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2008年07月15日

日本代表監督の今と昔

ブラジルに勝利したアトランタ五輪の西野監督は英雄扱いされたが、私は当時、非常に大きな問題を感じていた。北京五輪の反町監督はOA枠で非常に悩んだようだが、西野監督はOA枠どころか、当時Jリーグで頭角を現してきた23才以下の有能な選手さえも使わなかった。1試合または2試合試したが、最終的に「若い年代から一緒にやってきた仲間で五輪に臨む」という結論を出した。おそらく、最初から新しい有望な選手を使う気はなかったのだろう。レギュラーの中には、プロでやっていけるのだろうかと思わせる選手も入っていた。

それまで一緒に代表でやってきた選手を外すことは、敗者のレッテルを貼ってしまうと考えたのだろう。また、戦術面でも長く一緒にやってきた選手のほうが徹底しやすい。しかし、西野監督のやり方は、一度得た権益は他人には渡さないという身勝手な考えに通じる。旬の選手を選んで、うまくまとめるのが代表監督の務めだ。

反町監督は非常に優柔不断だ。プロになってからプレーに精彩を欠くある大型FWを代表を背負う選手と持ち上げた。ところが、調子の悪いときに代表に呼んで、調子が上向いてきたら代表に呼ばなくなった。OA枠でも、選んだ二人が出られないと、「足りない部分の補強が必要」から「U-23の選手だけで十分」と発言を変えた。トゥーロン国際大会後には、「アジアレベル」から「世界レベル」への変更を宣言。スペインで修行した人がどうして初めから「世界を目指す」サッカーをしないのだろう。サッカーに対する自分なりの信念を持っていないのだろうか。クラブの監督ができたからといって、代表の監督ができるとは限らない。選手と接する時間が著しく短い代表の監督は、クラブの監督とは発想を変えなければ務まらない。

14日に発表した五輪代表メンバーにしても、選ばれた選手が落ちた選手より、代表でいいパフォーマンスを示したか非常に疑問だ。反町監督は期待値だけで選んでしまったらしい。監督はもっと冷静に選手を分析できなければならない。

病気で代表監督を辞めたオシム氏は、クラブでの実績とユニークなコメントで神格化されてしまった。だが、本人はそれを望まないだろう。私は、オシム監督の約1年半の代表作りに疑問を感じていた。その1つがポリバレントだ。2人のレギュラーCBの控えがポリバレントなミッドフィルダーだった。どうして、控えとしてCB専門の選手を選ばなかったのだろう。結局、CBの一方が出場できない試合は、守備が非常に不安定になった。この問題はSBでも露呈した。頼りないレギュラーを脅かすような選手を控えとして選ぶ必要があったが、ポリバレントがそれを邪魔した。

オシム監督のもう1つの問題は消極さだ。監督に就任したドイツ・ワールドカップ直後は新鮮な選手を使ったが、約1年後のメンバーにはドイツ組を10人も選んだ。彼らが成長したのならともかく、ほとんど成長していないにもかかわらずだ。一番がっかりしたのは、アジアカップの準決勝でサウジに負けたあとに、フレッシュな選手を考えていると言ったが、結局実現しなかったことだ。さらに、アジアカップでは、同点で1人多い状況が約120分もあったのに、積極的に選手を交代して攻めの姿勢を示さなかった。監督の消極的さは選手に伝染する。

非常に気楽な状況で試合に臨めたにもかかわらず、オシム監督が指揮した代表が面白い試合をすることは、残念ながらほとんどなかった。

岡田氏は、途中からオシム監督を引き継ぐという難しい状況で監督を引き受けた。そのため、ある程度の混乱は仕方ないかもしれない。気に掛かるのは、どのようなチームを作りたいかである。選ばれた代表メンバーを見ると、二つの方向がある。1つは、ボールを取ったら積極的に仕掛けるチームだ。もう1つは常にゆっくりと攻撃を組み立てるチームだ。この2つが同居すると、チーム内に混乱が起こる可能性がある。

もう1つ岡田監督で気に掛かることがある。それは選手へのおべっかだ。「いいサッカーをするし、うまい選手も多い。頑張ってもいる」「私にとってはこれだけうまい、スマートな選手たちが、泥臭く点を取ってくれたことがうれしく思います」。これは岡田監督の選手掌握術なのかもしれない。しかし、ちょっと間違えると、選手の油断につながる。また、単なるマスコミ対応かもしれないが、サッカーについてきちんと話して欲しい。最近、監督と選手の間に「内容ではなく勝てばいい」という雰囲気が強くなっている。しかし、このような考え方でアジア予選を突破しても、南アフリカでの本戦では、惨めな思いを繰り返すだけだ。

岡田監督のいいところは若い選手の登用だ。彼らのプレーはちょっと心もとないところもあるが、代表を経験して成長することを期待している。

私が代表監督で覚えているのは、マスコミが取り上げ始めたオランダ人のオフト監督からだ。ただ、あまり興味がわかなかった監督は評価できないので、ここでは取り上げなかった。監督が管理者だという意識がまったくないジーコ監督は、監督以前の問題なので取り上げなかった。トルシエ監督は選手に恵まれていた。当時はいろいろ感じたかもしれないが、特に批判するようなことを覚えていない。今振り返ってみると、トルシエ監督が一番よかったかもしれない。ただし、もう一度やって、うまくいくとは限らない。

日本代表監督には、勝つことではなくいい試合を見せて欲しい。つまり、将来を担う子供たちにサッカーとはどういうものかを表現できる選手を選んで、面白い試合をやって欲しい。当然、監督の役目はワールドカップや五輪に出場することだし、代表監督が日本のサッカーを大幅に変えることは無理だ。それでも、目先の目標ではなく日本のサッカー文化を変えるぐらいの気持ちで監督を務めてもらいたい。これには相当な勇気が必要なので、日本人監督には無理かもしれない。将来、協会の役員になる踏み台と考えているような人は、当然御免だ。

追伸

日本サッカー協会会長が川淵氏から犬飼氏に代わった。川淵氏は名誉会長になったが、協会から潔く身を引くべきだ。居座れば目の上のたんこぶになるだけだ。川淵氏がサッカーにもっと貢献したいのなら、自分の財産を注ぎ込んでサッカーに係わればいい。

犬飼会長は、日本代表戦の入場料収入が落ち込んでいることに対し、ドイツを例にして「選手は積極的にテレビ出演などしてアピールすべき」と述べたらしい。これは「代表選手が協会の宣伝マンになって、協会にもっと金をもたらせ」と言っているに等しい。テレビと協会の利益のための暴走が心配だ。

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posted by ボウヤ |18:02 | 日本代表監督 | コメント(8) | トラックバック(0)
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