2010年07月12日

選手は一流、でも試合は二流

私はイングランドかアルゼンチンに優勝して欲してと思っていた。この2カ国以外なら、今まで優勝したことのないポルトガル、オランダ、スペインに期待した。決勝は、私の期待どおり、オランダ対スペインの戦いになった。最後の部分でうまく行かなかったが、パスとドリブルで相手の守備を切り裂くサッカーを貫き通したスペインが優勝して本当によかった。一方、オランダは見掛け倒しだった。

「選手は一流、でも試合は二流」。これは、W杯がテレビで見られるようになってから私がずっと感じる試合の印象だ。今回の大会は、多くの国が負けないことに重点を置いたため、試合内容がさらに退屈になった。W杯では、サッカー中堅国が全力投球で大会を盛り上げてくれるが、今大会はそのような試合も減ってしまった。特に、アフリカ初の大会にもかかわらず、今までピッチで躍動したアフリカのチームがどこかに消えてしまった。多くの選手がヨーロッパで戦術的なものを学んで、代表監督もそれを要求するからだろう。それにしても、ヨーロッパの中堅国はどうしてしまったのだろう。そんな中でも、チリ、メキシコ、米国と、アメリカ大陸の中堅国が頑張ってくれた。さらに、ウルグアイも4位と健闘した。ウルグアイは、大好きだったフランチェスコリを輩出した国であり、2年前に来日したときに、フォルラン抜きでいいサッカーを見せてくれたので応援していた。

W杯のもう1つの楽しみは若い選手の発見だ。メキシコのエルナンデス、チリのサンチェス、ドイツのエジル、ポルトガルのコエントロンらがいいプレーを見せてくれた。エルナンデスは来シーズンからマンチェスターでプレーするらしいので、とても楽しみにしている。

FIFAそして選ばれた監督と選手には、サッカーが見て楽しいスポーツであることを忘れないで欲しい。そうでない試合が増えれば、W杯の意義が薄れてしまう。

posted by ボウヤ |18:21 | ワールドカップ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2010年06月29日

日本は運動量で勝ったか(データから見る日本)

FIFAのホームページには、いろいろな統計データが掲載されている。日本の課題は運動量だったが、3試合の結果はどうだったのだろう。

◆走った距離

①オーストラリア:112.6キロ
②日本:     110.5キロ
③メキシコ:   109.8キロ

走った距離はオーストラリアに負けたが、2位につけた。日本と対戦した3チームで一番走らなかったのはカメルーンで101.7キロだった。課題どおり、1人分近く多く走ったことになるが、試合は12対11には見えなかった。

◆ボールを持って走った距離

①スペイン:  47.5キロ
②ブラジル:  47.2キロ
③セルビア:  46.7キロ
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③日本:    33.0キロ
②ナイジェリア:32.5キロ
①ホンジュラス:31.4キロ

ボールを持って走った距離はボールポゼションにも関係するため、スペインが1位になった。スペインはポゼションサッカーなので、ボールポゼションが高いと言われるが、ほんとうにいいサッカーをしたときは55%ぐらいで、そんなに高くない。たから、高すぎるときは、サッカーがあまりよくないと言える。日本は下から3位(30位)だった。韓国8位、北朝鮮29位、ニュージーランド28位だった。このデータこそが韓国と日本の差を如実に表していると言える。

◆ボールを持たずに走った距離

①北朝鮮:    52.6キロ
②オーストラリア:50.5キロ
③スイスと日本: 48.8キロ

日本は、ボールを持たない走りではスイスと並んで3位に入った。これは走っているというより、走らされているとも考えられる。ただ、1位の北朝鮮と2位のオーストラリアは内容が少し違うようだ。「ボールを持って走った距離」と「ボールを持たずに走った距離」差を比較すると、北朝鮮は-18.6キロだが、オーストラリアは-10.3キロしかない。オーストラリアは守備だけでなく、攻撃でもよく走っているのかもしれない。日本は北朝鮮の次に差が大きく、-15.8キロだった。スペインは逆にプラスで、+14.1キロだった。

ちなみに、個人では遠藤が90分換算で11.1キロ(157位)だった。ただし、上位は出場時間が少なく、とんでもない数字なので、それを除くと100位ぐらいにはなる。そのあとに、本田、長友、長谷部が続き、3人とも10.8キロぐらいだった。日本は全選手が一生懸命走るが、他のチームは走る選手と走らない選手の差が大きいのだろう。

posted by ボウヤ |02:29 | ワールドカップ | コメント(5) | トラックバック(0)
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2010年06月28日

日本のシュートの内訳(データから見る日本)

守備があまりよくないカメルーンにシュートが少なかったのは、初戦の緊張とカメルーンの選手の身体能力によりボールをカットされたためだった。オランダ戦にシュートが増えたのは、オランダが先制して守りに入ってくれたお陰だった。やっと、3戦目のデンマーク戦で、積極的が攻撃からシュートまで持ち込むことができた。

得点は4点で、2点は直接FKだった。残りの2点は流れからだったが、その起点はやはりセットプレーだった。つまり、日本が目指すボールを取って素早く攻撃するというパターンでの得点は取れていない。課題はまだ解決されていないようだ。

◆シュート数

本田6本、大久保5本、松井と岡崎4本、長友3本だった。前線の選手が上位だが、これは一方で、3ボランチの攻撃参加が弱いということを意味している。特出すべきは岡崎だ。途中出場(プレー時間:21+13+16=50分)で4本もシュートを打った。長友は守備に追われたが、3本もシュートを打った。しかし、長友がすべきクロスは3試合でたった2本だった。どちらかというと、SBとしては今野のほうがいいプレーをしていた。

◆起点

どんなプレーからシュートまで持ち込めたかをチェックした。起点は、大まかにセットアップと流れの2つに分けられる。

<セットアップ:17回>
・GKロング    3回
・GKフィード   2回
・FKゴール前   3回
・直接FK     4回
・スローイン    3回
<流れ:13回>
・ボール奪取    2回
・クリアボール   3回
・相手のミス    5回
・こぼれ玉     2回
・仕切り直し    1回

W杯以前の試合は、仕切り直しが多かったが、グループステージの3試合では、たった1回しかなかった(ただし、シュートにつながったシーンのみのカウント)。これは、前線に大久保、本田、松井を置いた効果だろう。この3人は、守備でも自陣に戻るため、戻った位置でボールを受けると、積極的に前にいくプレーが多かったからだ。ただ、ボールを取ってからシュートに持ち込めたのは、たった2回しかなかった。一番多かった流れからのプレーは相手のミス(パスミス)で5回だった。ボール奪取の場合は、相手も必死に取り返そうとするので、簡単に攻撃につなげないが、距離のあるパスミスだと、ミスをした選手が遠くにいるので、攻撃につながりやすいことが分かる。

流れからが13回に対してセットアップが17回と、起点はセットアップのほうが多かった。ゲームが止まって相手の気持ちが緩むため、攻撃しやすくなったのだろう。流れからの攻撃が少ないことは、攻撃の圧力はまだあまり高くないと言える。これはコーナーキックの数にも表れている。引いたオランダ戦こそ5対4と勝ったが、カメルーン戦は0対3、デンマーク戦は2対7と、完全に負けてしまった。

◆タッチ数

何回のボールタッチでシュートまで持ち込めたか。一番少ないのは直接FKの1回、一番多かったのは11回だった。平均タッチ数は約3.5回だが、直接FKやこぼれ玉のシュートなどを除くと、約4.5回に増えた。これは、最近よく言われるショートカウンターなど、素早い攻撃がまだあまりできていないことを表している。

◆係った選手

起点からシュートまでに係わった選手をカウントした。シュート数同様、本田が19回で一番だった。次に、遠藤15回、松井14回、大久保11回、駒野10回と続いた。ただし、セットアップの起点を除くと、遠藤が4位に下がり、松井と大久保がそれぞれ2位と3位に上がり、長谷部が駒野と同順の5位に上がる。本田はFWだが、実際のプレーはMF的なので、攻撃の起点や中継点になっているため、一番多かった。つまり、ゼロトップが功を奏したようだ。松井は途中交代で90分出ていないので、非常に活躍したことがこの数字で分かる。このデータからも、前線に本田、松井、大久保の3人を置いた効果が理解できる。

最後に、一番手数がかかったシーンと比較的素早いカウンターだったシーンを次に示す。

<オランダ戦の前半11分>

相手のクロスを駒野がカット。松井、中澤、長谷部が細かくつないて、再び松井に。松井がドリブルし遠藤にパス。遠藤と大久保を経由して、再び松井に。松井がドリブルし、相手をかわしてから、サイドを上がった長友にパス。長友は少しドリブルをしたが、前をふさがれたので、松井にバックパス。松井が中に走った長友にパス。このボールを長友がダイレクトシュート。

<デンマーク戦の前半44分>

闘莉王がセンターライン付近で、相手のクリアボールを頭で落とし遠藤へ。遠藤が頭で長谷部にパス。長谷部は相手2人に囲まれて倒れたが、流れたボールを松井がスライディングで取り、すぐに立ち上がって、右サイドを駆け上がった駒野にパス。駒野がドリブルでペナルティーエリアに侵入しシュート。

posted by ボウヤ |01:18 | ワールドカップ | コメント(3) | トラックバック(0)
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2010年06月25日

デンマーク戦:束縛からの解放

日本は、やっと戦う姿勢を示してくれた。そして、勇気を持って戦えばデンマーク・クラスのチームとなら、ある程度は戦えることが分かった。これがこの試合の一番の収穫だ。ある程度と言ったのは、立ち上がりのサッカーを見ると、やはりデンマークとの差は大きいと感じたからだ。しかし、その差は気力で補える範囲だ。そして、多少のラッキーがあれば勝てるということだ。

試合の序盤、日本は比較的高い位置でプレッングにいったが、デンマークはそれをうまくかわして、パスを回して日本のゴールにせまった。トマソンがうまくゴール前に入ったが、最後のところでボールをうまくさばけなかったため、日本は何とかしのぐことができた。トマソンは、その後もシュートミスを繰り返してくれた。日本の勝利はトマソンのお陰かもしれない。

前半17分に本田が、得意の無回転FKで得点を決めたため、さらに日本に追い風が吹いた。つまり、まだ時間は十分あったが、デンマークに少し焦りがでて、無理なボール回しがだんだん増えた。日本は逆に気が楽になったせいか、さらに動きがよくなり、守備だけでなく攻撃も積極的になった。その成果が前半30分に表れた。大久保がゴール正面でファールを貰い、遠藤がFKを決めた。FKでの2点はいかにも日本らしいが、やはり、流れからの得点も必要だ。そして、デンマークの集中が切れていた後半42分に、本田がうまく相手をかわして、岡崎が本田からのパスをシュートして3点目を取った。

後半、デンマークはラーセンを入れ空中戦を挑んだが、クロスの質が悪かったので、ゴール前に上がったボールはほとんど日本が跳ね返していた。こんなことは非常に珍しい。ラーセンのシュートがバーに当たったり、長谷部のハンドを審判が見逃したりしたラッキーもあったが、岡田監督になって最高の試合を南アフリカの地で見せてくれた。これで、ベスト16のパラグアイ戦が楽しみになった。

ただ、どうしてアジア予選からこのような試合ができなかったのか、疑問は消えない。また、元に戻ってしまうかもしれない。何らかの理由で、選手たちが岡田監督の束縛から解放されたのだろうか。それとも、岡田監督が選手を束縛するのを辞めたのだろうか。

posted by ボウヤ |06:42 | ワールドカップ | コメント(2) | トラックバック(0)
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2010年06月24日

デンマーク戦の希望フォーメーションとデンマークについて

デンマーク戦は2人だけ選手を代えて欲しい。大久保と遠藤をベンチに下げ、トップに森本、左に松井、右に本田、長谷部の相棒に稲本を入れるフォーメーションだ。

本田は、1点取ったがFWとしてあまり機能していないのでMFに戻すべきだ。絶好調の大久保は自分勝手なプレーをしすぎ。遠藤は思ったほど悪くないが、やはりもっと積極的な選手が必要だ。新しいフォーメーションにすれば、左からは松井と長友とコンビによる攻撃、右からは本田のパスとシュートが期待できる。また、森本にいい形でボールが入れば、何かをやってくれるだろう。森本はオリンピックで活躍できなかったが、イタリアに行き、ストライカーとしての自分を確立した。W杯でどこまで出来るか見てみたい。稲本と長谷部なら守備力が上がり、攻撃でもシュートチャンスに直接結びつくプレーが増えるだろう。セットプレーに関しては、中村俊と遠藤がいなくても、まだ本田と阿部がいる。

デンマークというと、一番にラウドルップ弟をイメージしてしまう。素晴らしいドリブラーだ。しかし、常にこのような選手がいるわけではない。日本も、中田英寿の前にも後にも、中田のような選手はいない。彼らは特別だったのだろう。

デンマークの攻撃は大まかに2つに分類できる。1つは、ユーベのC・ポールセンにボールを集め、そこからボールを展開する方法だ。もう1つは、右SBのヤコブセンと右OHのロンメダールのホットラインだ。また、攻撃は基本的にロンメダール側に偏る。テストマッチやオランダ戦では、ボールを細かく回していい攻撃をしていたが、カメルーン戦では一発のロングボールが多かった。つまり、状況に応じて長短のパスを使い分けることができるようだ。また、CBのケアーとアッガーからのロングフィードも脅威だ。しかし、ケアーが2枚のイエローで日本戦は出場できないので、代わりにクロルドルップが出場するらしい。

トマソンはクラブで途半端な選手だった。カメルーン戦に先発したが、プレーの質は昔とあまり変わらなかった。アタッカーとしてはインパクトが弱く、とかいって、トップ下のゲームメーカー的な役割をうまく果たせるわけでもなかった。日本にとっては、トマソンより若手のエネボルセンのほうが怖いだろう。エネボルセンはオランダ戦で右OHとして先発した。そのため、ロンメダールが左に移動したが、この辺のデンマーク事情は分からない。

ベントナーは、デンマークの絶対的なストライカーだが、怪我がありベストの状態なのだろうか。オランダのファン・ベルシーは華麗なプレーをする選手だが、デンマークのベントナーは重厚なプレーをする選手だ。日本にとっては、ベントナーのほうがやりづらいかもしれない。体が大きいだけでなく、ボール扱いも非常にうまいためだ。ベントナーにボールがうまく入ると、日本はどうしようもなくなる可能性がある。これを切るには、前線からのプレッシングが重要になるだろう。

ヨルゲンセンは、現在自国に戻ったが、ウディネーゼとフィオで活躍した。何度か試合を見たので、顔と名前は覚えているが、プレーはあまり印象に残っていない。オランダ戦とカメルーン戦もOHとして出場したが、やはり目立たなかった。ただ、イタリアではもっと走り回っていたような印象がある。

ソレンセンは、あの有名なシュマイケルの後継GKだ。プレミアリーグの2008-2009年シーズンに、12試合無失点をストーク・シティーで記録した。怪我から復帰したばかりのようだが、オランダ戦もカメルーン戦も安定した守備を見せていた。

ちなみに、カストロールインデックスで見ると、デンマークの上位3選手は、ソレンセン54位(8.63)、ロンメダール103位(8.02)、ベントナー170位(7.32)だ。一方、日本の上位3選手は、本田66位(8.46)、中澤114位(7.89)、駒野116位(7.87)、だ。チーム平均値は、デンマークが5.95、日本が6.23なので、日本が勝っている。

posted by ボウヤ |03:19 | ワールドカップ | コメント(2) | トラックバック(0)
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