2008年07月22日

日本的サッカー論

日本人だから、日本らしいサッカーを確立することが、世界に通用する近道になる。サッカーの日本化だ。トルシエ氏は日本代表監督のときに、どんなときにも感情をむき出しにしない日本人の冷静さを見て、「日本人の精神性は武器になるかもしれない」と考えたらしい。そこで、日本らしいサッカーとは何か(日本的サッカー論)を考えてみた。

日本人は和を大切にする。テレビでサッカーの試合を見ていると、非常に興味深いことが繰り返される。解説者が、シュートで得点を取った選手ではなく、その周りを動いていた選手をベタ褒めするのだ。つまり、周りの選手が相手を引き付けたので、シュートコースが生まれて点が入ったという訳だ。シュートを打った選手とそれを助けた選手の共同作業こそが、日本人の考える美しい組織サッカーなのだ。そして、主役より助演のほうを褒め称える。これが日本的サッカー論の原点である。

ある解説者が「怪我をしないようなプレーを心掛けなければならない」と盛んに言っていた。3対0で勝っている試合のときである。海外の試合で、もう試合が終わろうとして勝ちが決まっているのに、ゴール付近でイエローカードを貰うプレーをするときがある。当然、日本人なら「非常に愚かな行為」と批判するだろう。しかし、その選手は異なるサッカー観を持っているかもしれない。それは、瞬間、瞬間に全力を尽くすことこそがプロだという考えだ。この種の考えは、日本的サッカー論では通用しない。どんなときにも、冷静に状況を判断しなければならないからだ。この場合、1点は仕方ないと考え、怪我をしたりカードを貰ったりしないプレーを冷静に選ぶのだ。

ゴールラインに近いサイドでボールを受けたら、どうすべきだろう。ドリブルでゴールライン方向に切り込んだり、無理にセンタリングを上げたりしてはいけない。理由は、ボールを取られるリスクが高いからだ。日本的サッカー論では、味方が自分の後ろを駆け上がるまで待っていなければならない。これにより、パスの選択肢が増えて、パスまたはセンタリングの成功率が上がるからだ。追い越す選手が間に合わない場合は、バックパスをするのが基本だ。

サイドチェンジもロングキックを使ってはいけない。ちょっと間違えれば相手にインターセプトされるからだ。ミッドフィルダーが横一列に並んで、短いパスを素早くつないで、サイドを変える。大事なことは最も簡単なプレーを選ぶことだ。なぜなら、精度が保証されるからだ。日本的サッカー論では、精度が落ちるプレーを選んではいけない。

ある選手が次のように言っていた。「ボールがこないときの動きをしっかり繰り返すことで、周りが生きる」。私が子供たちとサッカーで遊んでいたときに、私の息子はボールに触れることができずに、いじけてやめてしまった。ボールを扱わずに、ただ走っているだけでは面白くないからだ。しかし、日本的サッカー論では、ボールを持たないときの動きこそが大人のサッカーで、ただボールを追いかけるサッカーは稚拙なサッカーなのだ。ボールを欲しがってはいけない。さらに、サッカーをボールを使って自分を表現するスポーツと考えてはいけないのだ。サッカーにおける最高のプレーは、ボールを持っていない選手の相手をつる動きから生まれるからだ。キーパーをゴールから誘い出せば、点は簡単に取れる。

日本的サッカー論では、パスをつないでゴールにボールを入れるのが基本だが、もう1つ点を取る方法がある。それが直接フリーキックだ。問題は、いい場所でフリーキックを貰うことだが、これは相手のすきを見て、フォワードに縦パスを入れることによって実現する。もちろん、フォワードには相手のマークが付いているので、フォワードはワンタッチでフリーな味方にボールをパスしなければならない。この時に、相手が反則をしてくれれば、めっけものだ。フリーキックのエキスパートを揃える日本代表なら2回に1回ぐらいは、何の苦労もなくネットを揺らすことができる。

アルゼンチン代表のグティエレスのブラジル戦でのプレーは非常に印象的だった。味方が自陣でボールを取ると、一目散にサイドライン沿いに駆け上がった。そのため、ブラジルの選手はグティエレスを必死に追いかけた。グティエレスは相手を引き付ける最高のプレーをしたことになる。しかし、日本的サッカー論では、これは無謀なプレーになる。つまり、ボールを途中で取られたら、グティエレスの守備範囲ががら空きになり、点を取られるリスクが増すからだ。左MFのグティエレスは、ボールが確実にフィードされるまで、待っていなければいけない。大事なことは、今ボールがどこにあるかということだ。つまり、状況判断こそが最も重要なのだ。日本的サッカー論は先走りを禁じている。

ミスをしても笑顔でいなければいけない。心の動揺が一番問題なので、どんなときでも平常心を保つための笑顔だ。ふかしたシュートはゴールキックから始まるので、最もリスクが少ないと考える。パスや守備でミスをしたときは、互いの団結心をさらに強いものにするいい機会と考える。ミスをした選手がむきになってボールを取り返しにいってはいけない。和が個人のミスを帳消しにするのだ。

絶対に点を取られない方法が1つある。それは、90分間ボールを支配することだ。だから、日本的サッカー論では、ボールを失わないことを最優先にする。100%の支配率は無理だが、できる限りボール支配率を上げることによって、相手の得点機会を少なくしなければならない。だから、ボールを取られそうになったら、ボールを後ろに戻して、そこでゆっくりとボールを回す作戦を多用する。

日本的サッカー論は究極の組織サッカーだ。攻撃では、相手がくる前にフリーな味方にパスを出し、ボールを簡単につないで、キーパーをも誘い出して無人のゴールにボールを入れる。相手と接触するプレーは絶対にやってはいけない。さらに、ドリブルのようなリスキーなプレーや強引なパスやシュートも絶対にやってはいけない。守備では、ボールを持った相手を一瞬のうちに複数で取り囲んで、何もさせないようにしてからボールを奪い取る。ボールを取ったら、すぐに攻撃せず、ボールを戻してゆっくり回して支配率を上げる。大事なのは、みんなで協力して単純かつ高い精度のプレーを繰り返すことだ。攻撃でも守備でも、常にリスクを最小限にすることを意識して、的確なプレーを選ばなければならない。この考えを徹底させることによって、日本代表は日本らしいサッカーで世界にはばたくことができるのだ。

最後に一言:これは逆説的サッカー論。

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posted by ボウヤ |13:39 | サッカーの基本 | コメント(7) | トラックバック(0)
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日本的サッカー論

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なぜ、こういう歪んで皮肉な「逆説」だと称する話が出てくるのだろう。それはサッカーを真剣に観察しないからではないか。ながめたものの背後にあるものを、たいして見ないからではないか。

マラドーナでさえ、組織が整った守備を前にしては、味方の動きを利用しつつシュートをするしかなかった。

味方がいないゴール前にクロスを通して、自殺点を期待する攻撃はあるか。それは、話によると実在した。だがその場合は、ペナルティ・エリアの端に、すでに味方が追いついていたときだった。
クロスでなく、ドリブルで切れ込んで、それを悪いという日本人は、列島内に二、三十人はいるのだろうか?

サイドチェンジもロングキックを、どうこう。最近の、チェンジ・サイド推奨日本人に、ぜひ読ませたいものだ。

試合で、ボールに触れる数分以上に、ボール無しで動く数十分を大事にすべきこと、言うを待たない。

リスク忌避精神は、逆説でなく、充分に存在する。

こうまでひねくれられるのは、やっぱり野暮な坊やだけだ。

posted by 害があるのでは | 2008-07-22 15:56

日本的サッカー論

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すごい正論。そしてすごい皮肉(笑)。
ひねくれてるけど、的を得ているところが好きです。

世界に組織サッカーが数多く存在する中で、
ひときわ『リスクマネジメント』を重視する日本サッカー。
でも管理人さんのように、あけっぴろげに言葉にしちゃうと、
よくわかんない反論を繰り広げる輩が多いのも、日本サッカー迷走の象徴。


日本的ってのは、管理人さんの言うくらい愚直なものかも、ですね。
でももしそれが実現しちゃったら、強くてもファンは減りそうだなぁ。。。

posted by 3857 | 2008-07-22 16:34

日本的サッカー論

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 一部を切り出して一般論とし過ぎではないでしょうか?

 3-0で勝っている場面である解説者が「怪我をしないように~」というのはその解説者のサッカー論であって、それが決して一般的なサッカー論ではないです。
ジュビロ磐田の中山選手ならば、勝ちが決まってようが負けが決まってようが最後まで戦い続けます。
試合展開関係なく、キーパーと衝突してイエローカードだって貰います。
中山選手の考え方は通用していないでしょうか?
むしろ数多くの選手やサポーターに影響を未だに与え続けています。

 センタリングはJリーグでは頻繁に上がっています。
特に名古屋グランパスやFC東京などは、強引に上げていますよ。
昨今売出し中の若手や京都サンガの渡邊選手などはドリブルでもガンガン仕掛けています。
海外と比べれば・・・まだまだ少ないかもしれませんが、今年のJリーグはそうした傾向は増えています。
そういった点から考えると、この点を批判に入れるのは少しおかしいかと。

 その他は同意する点もあるのですが(サイドチェンジの少なさなど)、長くなりすぎるのでやめます。
とりあえず、「Jリーグをもっと見たらどうですか?」が言いたいことです。

posted by i | 2008-07-22 17:02

日本的サッカー論

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かと言って、この反対のことをやれば世界に追いつけると言うのも違うんじゃないだろうか。

両極端に走るのが一番問題だと思う。

組織と個をどう合わせていくのか、試行錯誤しながら今、日本は方向性を見つけ出していこうとしている。それをピッチで確認しながら観客やサポが応援で評価する。その繰り返しでしかない。拙速でビデオゲーム的な解決策はないのだからしかたがない。

posted by 言いたいことはわかるけど | 2008-07-22 19:26

日本的サッカー論

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デフォルメして逆説的な言葉を並べているけど、おもしろくない。
逆説を並べるなら、G・K・チェスタートンくらい知って書いて欲しい。
逆説は真実を照らし出す光のはずだけど、それに失敗すると、これほど退屈なものはないから。

posted by ジダ | 2008-07-23 01:45

日本的サッカー論

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この人の批判は、それではどうすれば良いか、というアイディアがない。サッカーはアイディアで勝負するもの。
アイディアの無い批判を繰り返す人間がサッカーを批判するのは、どうか。EURO2008のスペインはかなりリスク回避した戦術を取っていた事を知らないのか。ドリブラー不在かつ両サイドバックの低いポジショニング。一般的には最高のサッカーであったと考えられてるが。このブログのロジックからすれば今回のスペイン代表は最低であるという事になる。

posted by superunknown | 2008-07-24 18:10

日本的サッカー論

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今日のオリンピック代表の試合を観て、このブログの批判がちっとも当を得ていない事が良く分かりました。
日本的サッカー論ではなく、このブログを書いている人の妄想を自分で批判しているだけの循環。
「Jリーグを」といわず、サッカーをもっと見たらどうですか?
と言いたい。サッカー見たこと無いんじゃないのかとさえ、思えてしまう。

posted by wellknown | 2008-07-24 22:17

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