2008年03月21日

弛み

 今日は祝日とあって多くのスポーツイベントがありました。プロ野球ではパシフィックリーグが開幕、いづれの試合も1点差の緊張感ある好ゲームで幕を開けました。Jリーグではナビスコ杯が始まりましたし、さらに海外でも、遠くスウェーデンでは世界フィギュアでレベルの高い争いが繰り広げられています。

 
 そんな中で今日の注目は、終盤を迎えた大相撲春場所です。

 結果からいってしまうと、朝青龍・白鵬の両横綱が共に敗れてしまうという、まるで今日の天気のような波乱の展開となってしまいました。

 まず先に行われた白鵬-千代大海戦

 立合いで当たり負けた白鵬、相手の勢いに押されたところに絶妙のタイミングでのいなしを受けるとたたらを踏んでそのまま土俵を割ってしまいました。

 今場所は腰の状態が思わしくないといわれていました。そんな中で4日目に土がついてからは特に慎重に勝ち星を積み重ねてきましたが、場所を追うごとに疲労が溜まってきたでしょう。そんなところで強烈な突き押し相撲の千代大海は最も嫌な相手だったでしょうが、とはいえ朝青龍を追う立場として、先に負けることは絶対に許されなかったのですが…

 正直、この結果を見て、僕自身「あぁ~今場所は朝青龍で決まりだな」と思いました。今場所これまでを振り返っても、朝青龍の11連勝はいずれも磐石の厳しい相撲を取ってきていて、負ける姿が微塵も想像できませんでしたし、さらにこれまで22度もの幕内最高優勝を果たしている大横綱が、眼前でライバルが敗れようとも気を緩めたりするとは思えなかったからです。

 実際、白鵬の敗戦を目の当たりにしても、表情一つ変えない朝青龍。いつものように制限時間いっぱいになるとまわしを力強く叩いて気合を入れ、あとはどうやって相手を仕留めるかだけだと思ったのですが…

 おそらく、毎場所圧倒的な強さで優勝していた頃の朝青龍なら、この後の1番もあっさり勝って、そのまま危なげなく優勝を飾っていたのではないでしょうか。

 ただ、今場所は少し状況が違いました。昨年の謹慎によって場所から離れ、さらに復帰した先場所では白鵬との相星決戦に敗れて優勝を逃し、実に3場所も優勝から遠ざかっているのです。彼が横綱になって以降、これだけ優勝から遠ざかったことは当然ながらありません。それによって、彼の心中には、これまで以上に「勝ちたい」という欲求、優勝への渇望があったのは想像に難くありません。

 そこに目の前でライバルが負け、2つの差がついた―「この一番に勝てば優勝は間違いない」、「勝ちたい」―勝利への渇望が、無意識のうちに朝青龍の体を支配し、動きを硬くしてしまったのです。

 その影響は、立合いに如実に現れました。

 普段見ていて感じるのは、朝青龍は立合いで相手より手を遅く着くことが多いイメージがあります。

 また朝青龍に限らず、横綱・大関といった番付上位の力士は、下位の力士と対戦するときには手を後で着くことが多いのではないでしょうか。

 これはおそらく相手が先に手を着いていれば、自分のタイミングで手を着いてそのまま立てばよく、先に着いていた方は相手に合わせて立つことになるからだと思います。

 ですが、今日の朝青龍は、一度着きかけた手を引いた後いったん引いて、それから相手に合わせるような形で手を着いたのです。これによって琴奨菊に一瞬の遅れを取ったことがことが結果的に致命傷となりました。左を差され、右上手を引かれると、一気に土俵際まで追い詰められ、粘ったものの最後は力なく寄り切られてしまいました…

 朝青龍まさかの敗戦…その原因となったのは、本人すらも気づいていないかもしれない、心の揺らぎだったと、僕は感じました。

 今日のこの結果を受けて、改めてスポーツにおけるメンタルの重要性、「勝負」に絶対はない、ということを改めて思い知らされました。と同時に、これがあるからスポーツはやめられない!とも思いました。

 朝青龍の敗戦によって優勝の行方はまだまだわからなくなりましたので、この場所がいったいどんな結末を迎えるのか、楽しみに待ちたいと思います。

posted by 久保ちゃん |00:45 | 批評 | コメント(0) | トラックバック(0)
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