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チェルシー対ボルトン分析~伝えたい副将の言葉~

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 チェルシー対ボルトンの一戦です。エヴァートンに負け、バーミンガムに引きわけ、ナポリに完敗と気づいたら勝利からずいぶん遠ざかっておりますチェルシー。降格圏に沈むボルトンが相手ということもあって、何としても勝って色々踏みとどまらないと、といったところでした。ちなみにケーヒルは昨年までいた古巣との対戦です。

 一方のボルトンですが、こちらも残留のためいくらチェルシー相手でも勝ち点が欲しいところでしょう。そのための秘密兵器(?)、19歳の日本人WG宮市亮を先発起用してきました。こちらにも注目が集まりましたね。というかこっちがメインか。汗


 で、先に試合結果をば。3-0でチェルシーの勝利に終わりました。ルイスが得意の角度からゴールして先制。さらにドロさんがヘッドでたたき込み、最後はランプスが決めて勝負あり。ボルトンの拙守拙攻もあり、久々に楽に見れました。

 じゃあ、どんな試合だったんでしょう?詳細を見ていきましょう。スタメンはこちら↓

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●チェルシーの攻撃●  中盤に注目。ラミレス、ランプス、エッシェンは相手MFと見事にマッチアップしているのが分かります。  チェルシーとしては、このマッチアップした状態を崩したい。なので、選手が動かなければなりません。  まずマタ。彼はいつも通りトップ下になることが多かった。もはや良く見る光景ですね。彼は中央に入ることで、チェルシーは中盤で数的有利を形成できる。ボルトンの拙攻もあって、マタはあまり守備を気にせずポジションレスになることができました。  マタやドログバのためのスペースメイクも行われていました。例えばラミレスの動き。彼は下がってボールを受けることが多かった。そうすることで対面するムアンバを釣り出す→ムアンバの背後にスペースを作る。ここにマタなり、スタリッジなり、ドログバなりが侵入するわけです。ランパードも同じ動きを行っていました。    あとはCBのオーバーラップ。彼らが中盤に介入することで、ボルトンの守備にイレギュラーを起こします。 ●ついてきちゃうボルトンのCB●  で、この空いたCMFの背後目掛けてチェルシーの選手が飛び込んでいくのですが、ボルトンはCBを上がらせて対処しようとしていました。ドログバと偽トップ下のマタに対し、CBを仕向けるわけです。しかしその結果、今度はボルトンの最終ラインにスペースができてしまう。ならばと、そこに他のチェルシーの選手が飛び込んでいくわけです。例えばドログバが下がる→右CBのウィーターがついていく→空いたボルトンの右CBのスペースにランパードが飛び込むなんてシーンがありました。↓
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 逆側でも似たシーンがありましたね。  中央の高い位置から下がったマタに左CBのリーターがついていく→空いた左CBのスペースにドログバとイヴァノビッチ侵入→あわやツインシュートって場面も。(この2人がツインシュートしたら絵的になんかえげつないな…。たぶん劇画だろう。)  で、3点目の過程にも注目してみてください。途中出場のトーレスさんが地味ながら仕事しています。トーレスが下がる→左CBのリームがついていく→空いた左CBのスペースにラミレスが飛び込む→そのラミレスへケーヒルがパスを繰り出す→右CBのリーターがカバーして防ぐも、こぼれ球をマタが拾う。で、クロスから我らがランプスがあっさりゴールを奪ったわけです。 注目すべきは、トーレスが下がったことがスペースメイクに繋がったこと。これが3点目のきっかけを作りました。  相手にギャップを作らせるためか、久々にポジションの流動性を垣間見ました。マタが下がる→ランパードが上がる→ドログバが左サイドへなんてシーン久々に見た気がする。あと全然防がれたのだけど、20分のシーンは紹介しておきたい。↓
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(黒点線はボールの軌道です。)  ルイスが上がってレオコ―カーを釣る→その背後のスペースにドログバ行く→右CBついてくる→空いた右CBのスペースにマタ侵入っていうお手本のような攻撃でした。まあ、マタにムアンバがついてきて対処されてしまったのですが。 ●ボルトンの攻撃は?●  もちろんボルトンにとっても、チェルシー同様中盤はマッチアップしている状態です。だから、ボルトンもこの均衡を崩したい。まあ、ロングボールも多かったですが。 でもショートパスで繋いでいくときは、ズバリランパードの背後を狙っていました。  例えば右CBのウィーターが上がってくる。ランプスは上がってきたCBに対してチェックに行きます。結果、レオコ―カーが解放される。で、起こったのがこういう事態↓
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 アシュリー・コールがレオコ―カーとトゥンジャイに挟まれ、数的不利に立たされてしまうんですね。  でもまあぶっちゃけ、ボルトンはこういうしっかりした攻めを行うことはあまりありませんでした。 ●チェルシーのとった守備対策●  でもボアスはボルトンのこういう攻めに対して、回答は用意してたのかなと。  ランプスにはむしろ自由に守備させている印象でした。前にプレスいきたきゃどうぞって。その代わり、エッシェンとラミレスがスライドして対応する。ランプスの背後にエッシェンが、合わせてラミレスもやや中央に寄る。そうすることで、ボルトンのつきたいスペースをなくすわけですね。要は彼らにフォローしてもらおうってことです。  ランプスを活かすには、まあこれが一番いいでしょう。彼の守備力と運動量を考慮し、なおかつ並々ならぬ攻撃力を解放するために、残りの中盤2枚がカバーする。現にラミレスとエッシェンならできちゃいますから。 今後はこのスライドをもっと早くして、ランプスの背後をつかれるシーンをより少なくしていく必要があるでしょう。 ●最後に~副将の言葉~●  試合後、ランパードは、自分を含む数人の選手は、指揮官と理想的な関係ではないことを認めました。しかし、彼は同時にこうも言っている。ソースは『ESPN』です。 「確かに、複数の選手と指揮官との間には問題がある。ある選手はプレーできないのが嫌だと不満を述べているよ。でも、誰ひとりとして、クラブを投げ出し、チェルシーに悪影響を及ぼすようなことはしない」 「チェルシーに来て、長い時間が立った。僕ももう33歳だ。現実的に考えている。毎試合に出たいと言っているわけではないが、たとえベンチに座っていても、僕はチェルシーの勝利を見たい」  多くは語りますまい。ただ、感動しました。レジェンドであってほしいと心から願います。  リーグ通算150得点、おめでとうフランク!!!




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apple-teaさんへ

ランパードにはレジェンドになってほしいですが、老害にはなってほしくありません。ただ、今回のコメントで、改めて彼のチェルシーへの愛情の深さを知れたことが嬉しかったです。
ボアスは、チェルシーを変えるという使命を持っています。でも、同時にちんたらやってたらアブラモビッチが待ってくれるはずはありません。
自分の見立てでは、アブラモビッチはボアスを今シーズン途中で解任することはないのかなと。シーズン4位以内でフィニッシュできるかというのは明確すぎるラインになるでしょう。

眼前の問題は、チェルシーをまとめきれるかということ。正直、一枚岩ではないでしょう。ここからまた上がっていくには、勝利を重ねるためには、それが必要かなと。厳しいかもしれないですが、やり遂げなくてはならないですね。

Re:チェルシー対ボルトン分析〜伝えたい副将の言葉〜

ランプスのコメント素晴らしいですね。
このコメントで、吹っ切れたチームメイトもいるかと思います。

ですが、ランプスは余りにもクラブ内で影響力を持ちすぎていると思います。本人はそうは思ってないかも知れませんが、ランプスの言動に左右される選手もいる、という事を自覚して頂きたいです。
同時に、ボアスさんの人身掌握にも疑問を感じました。
チームの急激な変化について来てない選手へのフォローはしっかりして欲しいですね。
でもこれで、現有戦力のままでは、ボアスさんの理想が夢のままで終わってしまう、という事が分かったと思います。
スタイルを貫くのであれば、夏には大幅な戦力の入れ替えをした方がいいですし、
このままの戦力なら、戦力に合わせた戦術をしつつ、そこからゆっくり時間を掛けて、ボアスさんの哲学が浸透していくのを待つしかないですよね。
そうなると、アブラモさんは、待てますかね〜?
めんどくさーとか言ってお金使いそう。

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チェルシーとジョー・コールが大好きな新社会人。

サッカーライターを目指していたのだけれど、色々考えるところもあり今はIT系の会社で働いております。
社会人になってサッカーに割く時間が減ってしまいましたが、何とかチェルシーと日本代表は追っていきたいなあと考えているところです。


なお、こちら気まぐれブログとなっております。ご了承ください。
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