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本田さん投入の意図とは…~CSKAモスクワ対レアル・マドリード分析~

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 チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦1st Leg、CSKAモスクワ対レアル・マドリードの一戦。極寒の地モスクワでの試合となりました。スタジアムにはピッチ外に雪が残り、選手のはく息は白く染まる。気温は何とマイナス15℃だったそうな。良く体が動きます、ホント。モウリーニョなんかちゃんとメモとれたんだろうか。普通は震えて書けないですよ。

 まあ、試合を見ていきましょう。両チームスタメンはこちら↓
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●CSKAの守備●  CSKAの守備から。カウンターに繋げていくわけですが、単純に引きこもる訳ではなかった。最終ラインをあげてなるべくコンパクトにしよう、敵がミドルサードに来たらプレスしっかりかけていこうって意図が見られました。押し込まれてリトリートせざるを得なくなった時でも、簡単には最終ラインを下げないよう意識していましたね。 また、自分達が敵陣の深い位置でボールを失うorレアルがミスして押し込めそうな時は、CSKAは即座にプレッシャーをかけていっていました。コンパクトネスを保ちつつ、深い位置でのプレス、中央でのプレス、リトリートしてプレスっていう3つのプレスを使い分けている印象でした。  ピッチが人工芝だったことも大きな理由でしょう。レアルの選手にとってかなり不慣れなものだったはずです。北朝鮮対日本の試合でも、日本代表が人工芝のピッチに苦戦するシーンが多々ありました。逆にCSKAとしては、これを使わない手はない。コンパクトな守備ができれば、相手は必ずミスをする。そこからカウンターで点をもぎ取るっていうのが、スルツキ監督の考えうる“白い巨人対策”だったのではないでしょうか。  高いコンパクトネスの意識はサイドの守備の際にも表れていました。特にロナウドのいるCSKAにとっての右サイド。こうなっていました。↓
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 右サイドにSH、右CMF、SBで対処する。時にザゴエフもフォローで戻ってきます。で、MFは合わせてスライドする。アルドニンが左CMFから右CMFに、逆サイドハーフのトシッチが左CMFっていう感じですね。相手のエースに対する高い警戒心、コンパクトにしてスペースをなくす意識が見られました。  で、先述したように奪ってカウンターへ。相手SBの裏など、空いたスペースに前線が走り込みます、ドゥンビアなんか存在感ありましたね。 ●マドリードの攻撃●  まずビルドアップに関してですが、これはまあ必要ならアロンソが下りてくるってだけですかね。相手2トップが両方ともレアルの最終ラインへプレスに来れば、レアルは2CB+アロンソって形を最終ラインで構成し、相手に対し数的有利を築きます。これで後方でボールを保持するわけですね。  なんですが、慣れない人工芝、低すぎる気温、そしてチェスカのコンパクトなディフェンスにより中盤で回しづらくなったレアル。よって彼らは、相手最終ライン裏へのロングボールで打開を図るシーンが続出します。  でもこれが点に結びついちゃうんですね。28分です。CSKAの対応もまずかった。セルヒオ・ラモスのロングボールから、一度はボールを奪われるものの、アタッキングサードで再びボールを奪い返します。で、パスを受けたコエントランのセンタリングを、トシッチが痛恨のクリアミス。これをロナウドが拾ってズドン。レアルが敵地で貴重な先制点をあげるわけです。  しかし、その後のチャンスシーンは基本的にカウンターからでした。ビルドアップはやはりロングボールを蹴り込むことが多かったですが、あまり決定機演出には至らず。  ショートパスで繋いで崩す時も、少ないながら在りました。特徴的なのは、そのほとんどのケースにエジルが絡んでいること。テクニックとスペースを見つけるセンス…ボールの運び役としては、彼やっぱ頭一つ抜けてるんですよね。 ●レアルの守備●  レアルの守備はというと、相手CBがボールを持ったとき、こうしかたったのかなと。↓
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 ベンゼマ(けがによりイグアインと交代)は、相手最終ラインにプレス。ちょうど相手をサイドに押すように詰め寄っていきます。で、エジルは押し込む側にいるCMFをチェック。で、もう一人の相手CMFに対しては、アロンソかケディラのどちらかが上がってプレスをかけに行きます。後はSHが相手SBを見れば、レアルはCSKAの選手を完璧に塞ぐことができるわけですね。  ただ、毎度この形を実践しているわけではなかった。例えば、上記のシーンでCSKAが右CBのベレヅスキまでボールを運べると、ちょっと事情が変わってくる。↓
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 アロンソの背後にスペースが生まれるわけです。CSKAにとっては、そこにボールを運べばチャンスになりやすい。  まあ、これを防ぐための、ベンゼマのサイドに追いやるプレスなのですが。特にベンゼマが負傷してイグアインになってからは、あまりこの動きがしっかりできていなかった印象です。エジルにも言えますが、この2人はちょっと運動量足りてなかったかなとも。寒さのせいかもしれませんね。  その他にも相手CMFには、ベンゼマが下がってチェックしたり、カジェホンがチェックしたりする等例外も。また、エジルが最終ラインにチェックに行く時もありましたね。あとエジルが最終ラインにプレスをかける時もありました。  まあ、つまるところレアルの守備で何が言いたいかというと、最終ライン手前に広汎なスペースが生まれやすかったってことなんですよ。理由はレアルのDMFが積極的に相手CMFにプレスをかけに飛び出して行くから。レアルの最終ライン手前には、DMF1人しかいないことはよくありました。  普通に考えたら結構リスキーです。現にCSKAもドゥンビアとザゴエフが頻繁にこの空いたライン間のスペースに下りてボールを受けようとしていました。より具体的に言うなら、CSKAのCMFにプレスに行ったレアルのDMFの背後ですね。  でも、別に先述した守備に限らず、レアルはあまりライン間を空けてしまうことを怖がらなかった。  何故だろうって考えると、モウリーニョはCBを信頼しているからこそ、この守備を敢行できるのだろうなとも。 最終ライン手前や、後SBの裏等に空いたスペースをつかれても、ペペとラモスなら何とかしてくれるだろってことですね。  現にチャンスになりそうなことはあっても、なんだかんだCSKAは攻めきれませんでした.。ボランチの献身的な姿勢もありますが、最後に何とかしてくれるペペとラモスの存在というのは非常に大きかったと思います。 ●打開するためにスルツキが切ったカードこそ…●  先述したように、レアルのCBは強力なわけです。でも、その手前にスペースが生まれやすいこともやっぱり事実。議論が2転3転して申し訳ありませんが、CSKAとしてはこのレアルの弱点をつきたいわけです。確かに、前半からドゥンビアやザゴエフが積極的に下りてこのスペースを使おうとしていましたが、得点には繋がりません。  そこで、です。スルツキ監督はボランチの改善に着手します。つまりボランチでキープできれば、相手のプレスをいなして、タメなりパスなりできる選手が居れば、より空いたアタッキングサードへボールを運ぶ確率は増します。むしろキープ力によりレアルの選手をひきつける→でも失わない→レアルの選手をひきつけたことによりスペースメイクができているってことも。つまりスルツキ監督は、ボランチでタメを作れ、ゲームメイク能力に長けた選手を置けばうちの攻撃は活性化されるんじゃないかって考える。    でもCSKAのベンチにそんな選手いるの?…それがいるんですね。68分にピッチに立った背番号7は、ひざをかばいながらも見事監督の期待に応えてみせました。そう、本田圭佑です。  彼の与えられた役割は先述したとおり。ボランチ起用には不満のはずでしょうが、けがによる少ない運動量ながら、ボールを持てばその存在感は絶大でした。  何より彼はボールを失いません。この試合一番相手がタイトに迫ってくる中央で、ボールをいなし続けました。 77分の、詰め寄ってきたアロンソをかわし、そのままドリブルで攻め込んでいったシーンは素晴らしかったです。その後(途中出場の)オリセーへのパスがオフサイドになってしまいましたが。 ●ロスタイムは魔の時間帯● 上の通りです(笑)。土壇場でCSKAが同点弾を押し込み、1-1で試合終了となりました。本田さんの投入が引き寄せた得点…とは言えないか。笑 ●感想●  カシージャスはほんとトラップする時反転できないんだなあと。パスを受けた同じ方向にしか返せないのが印象的でした。  あとCSKAは交代選手が良かったね。本田さんとオリセーは効いていました。  CSKA不利なのは否めないけど、本田さんにはベルナベウでマドリスタを唸らせてもらいましょう。完治して、フル出場頼みます。




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チェルシーとジョー・コールが大好きな新社会人。

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