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リヴァプールに復活の兆し~リヴァプール対トッテナム分析~

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ここ最近、リヴァプールはあるとてもシンプルな問題を抱えていた。

“バイタルエリアに人がいない”“フィニッシュでの人数不足”という現象である。

この現象に陥った原因としては、やはりスアレスの離脱が大きいだろう。バイタルだけでなく、危険なスペースに侵入してボール引き出すスアレスの存在は、リヴァプールの攻撃において不可欠な存在だった。動きの少ないキャロルになった途端、先述した問題が浮き彫りとなってしまったのだ。バイタルに積極的に侵入しないCMFの動きにも問題があるのだろう。
最もチャンスに繋がり易いゾーンを脅かせていない。結果として起こっていたのは低い位置からの強引なクロス、厚みのない攻撃、キャロルの孤立等…つまるところより深刻な得点力不足だった。

カイトをトップに置くなどダルグリッシュは改善策を練ったが解決策にはならず。結局スアレスの出場停止が明ける今日まで悩み続けたと思われる。

今回取り上げるトッテナムとの試合もスコアは0-0。頼みのスアレスもベンチスタートだし、やっぱりこのゲームでもリヴァプールの攻撃は淡泊なものだったのだろうか?

結論は、NOである。スアレスが復帰した試合になってやっと、ダルグリッシュはリヴァプールの問題解決策を見出したのかもしれない。そう考えるとちょっと皮肉だ。では、それは一体どのようなものなのか?試合を見ていこう。といっても、今回は試合の流れは度外視して。印象的なシーン、選手をピックアップしていきます。ご了承ください。


スタメンはこちら↓

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ちょっとトッテナムは4-1-4-1っぽくなる時があり、表記に迷った。でもまあ、こう記しておきます。 ●トップ下・ジェラード● 既にはっきりとした違いが見られる。トップ下ジェラードの存在だ。これまでバイタルをわざと空け、そこに選手を飛び込ませるダイナミックなサッカーを標榜していたダルグリッシュだったが、先述した問題を受けバイタルにキャプテンを座らせた。 ジェラードはバイタルエリアでボールを受けるのはもちろん、サイドに流れて攻撃に厚みをもたらす、下がってフォローに入る等中盤で存在感を発揮。さらに彼がボールをもつことで、トッテナムの選手が警戒する→他の選手のマークがはずれるといった効果も。バイタルの人数不足を解消しただけでなく、様々なポジティブな要素がそこにはあった。 ●MF兼FW、カイト● カイトの動きも非常に興味深かった。まあ、いつもの彼の特徴が出ていたと言えばそれまでなんだが。 逆サイド(左サイド)からの攻撃時に、中央に移動し2トップ気味になる。そこからバイタルに侵入する等、攻撃に厚みをもたらしていた。やはり彼の存在は最終局面の攻撃を厚くするために欠かせない。 ●サイドから中央へ● 特に前半に見られた攻撃であるが、サイドから中央突破を試みる展開が印象的だった。 サイドから押し込んで、そこからバックパスを経由するか直接中央へ持っていくというパターンだ。サイド攻撃からある程度までボールを運び、相手を下げさせる。そうすることで、ハーフウェイくらいにいるDMFにプレッシャーがかからなくなる。 強引なクロスに走らず(フリーな状態ならアーリークロスを選択することも少なくなかったが)、中央にいるDMFにボールを返して、バイタルに侵入したジェラード、カイト、時々キャロルに縦パスを送る。そこからゴールとは行かなかったが、それまでの試合よりも数段可能性を感じるものだったのではないだろうか。 印象的なのは、必要とあらば積極的にDMFがサイドのボールホルダーの後方にポジショニングしていたことだ。バックパスを受ける役目を担っていた。フリーな状態で受けることができるので、中央にボールを展開するのはもちろん、アダムは高精度なロングパスを供給するなど存在感を発揮。 この試合の特徴として、リヴァプールの選手はバックパスを使う意識が高かったことが挙げられるだろう。 例えば25分のシーンなんか素晴らしかった。先述したカイトの特性も良く表れている。
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(黄色が選手の動き、黒点線がボールの流れです) ベラミーから後方にポジショニングしたスピーリングへ。フリーな状態となっているアダムへ展開し、ドリブルで上がったアダムは中央に移動したカイトへパス。バイタルエリアで受けたカイトは、すかさずオーバーラップしたケリーへ。残念ながらケリーのクロスがワロスだったが、一連の流れはダルグリッシュの狙っていた形なのではないだろうか。 前半のみのデータだが、中央での攻撃が60%台と非常に高かった。 ●キャロル覚醒!?● ユナイテッド戦でもエヴァンズをかもったが、この試合でも光るポストプレーがいくつもあった。確実に相手にとって脅威となっていただろう。特に少し下がりながらポストプレーする時、その成功率がすごくいい。基本最終ラインに対し、FWは並列か後ろにいるから当たり前っちゃ当たり前なんだけど。とにかくポジショニングで有利にたつシーンが少なくなかった。ここにきていよいよ覚醒しつつあるのかもしれない。 と、言いつつも74分に決定的なシーンで宇宙開発しているので断言はできませんが。 ●スアレス復活● 65分頃から遂にスアレスがピッチに。カイトと交代した。すると早速、バイタルでボール受ける、カットアウトの動きでSBの裏を狙う等彼らを存分に発揮。やはり彼はスペースに飛び込む技術が高い。少し試合勘が戻ってないかな?とも思ったが随所に彼の長所は表れていた。 ●トッテナムの守備の問題点● トッテナムはラインの連動ができていないシーンが目立った。チェルシー戦でも感じたが、最終ラインにあまり上がりたがらない“癖”みたいなものがトッテナムにはある気がする。最終ラインが上がらないので、MFもバイタルが空くのを嫌い積極的にプレスをかけるシーンが少なかった。前後半の始めはやっていた印象だけれど。ドーソンとキングはスピードがあるわけではないので背後にスペースを作りたくないのは分からないでもない。ちょっとここはスパーズファンに聞いてみたいところだ。 このことはキャロルがMFとDFのライン間に侵入してポストプレーを行うシーンが続出した一因にもなっていたのではないかと感じている。 ●感想● 結局リヴァプールはスコアレスに終わったわけだけど、確実に変化は見られていた。 トップ下にジェラード、サイドにカイトとベラミーというのは、アタッキングサードでの攻撃の厚さを意識した配置に見て取れた。ベラミーはサイドでのプレーが多かったけれど。でも後の2人はバイタルエリアを確実に荒らし、トッテナムに脅威を与えていた印象だ。スアレスの投入もそれに拍車をかけたと言える。 またこれまでの焦るような攻撃から一変、横パス、バックパスを意識した丁寧な攻撃を心がけていたのも変化と見てとれるだろう。多くのシーンで後方に選手を配置する光景が見られた。 トッテナムについてはほとんど書かなかったけれど、攻守においてもパーカー大佐の存在感がまぶしかった。落ち着いたビルドアップ、そして何よりも体を張った守備は素晴らしいものがある。イエローをもらった後でも、ひるむことなくチームをけん引。無失点に多大な貢献をした。ぶっちゃけテリーがキャプテンをはく奪された今、パーカーがキャプテンになっても何らおかしくはないと思っている。しかしジェラードもいいプレーをしていたので、あとランプスを加えた3人が最終候補となるんだろうな。てかそんな記事がBBCにあった。 とにかく結論として、ここからのリヴァプールはちょっと一味違う…かもしれない。チェルシーファンとしてはそうあってほしくないのだけれど…w




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プレミアリーグ
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