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リバプール対ユナイテッド(FA杯)今更分析

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アンフィールドで行われたFAカップ、リバプール対ユナイテッドの試合である。QPR対チェルシー同様人種差別問題で揺れたゲームだったが、レッズサポのエヴラへのブーイングといういわば“最小限”のダメージで、試合を終えることができた。スコアは2-1でリバプール勝利。88分にカイトがゴールをあげるという劇的な幕切れであった。

しかし、試合後ジェラードが試合内容に不満を示したように、リバプールの選手・ファンにとって決して納得のいくゲームでもなかっただろう。一体問題点はどこにあったのか?ユナイテッドの内容も含めて見ていこう。


両チームスタメンはこちら↓
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●試合の流れ~ボールを“繋ぐ”存在~● 共に引いてカウンターを行うのが基本コンセプトだった。なので、引いた相手に対し、攻撃側はバイタルエリアに飛び込めるか、深い位置まで侵入し効果的なクロスをあげられるか、といったことが焦点となる。 しかし深くサイドをえぐるならば、結局中央を上手く使っていく必要があるわけで…。個人的には、いかにバイタルエリア、DFとMFのライン間に侵入できるかがカギとなると考えていた。図示するとこういうスペースになる。↓
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前半、この“ライン間”を積極的に使おうとしていたのはユナイテッドである。特にパク・チソンの存在感は素晴らしかった。危険な位置に飛び込み、パスを呼び込む。ボールを運ぶリンクマンとしてその役割を担っていたといえる。 30分過ぎから中央にいたギグスとポジションを交換したのも、スペースで受ける動きを評価されてのものだろう。特にキャラガーの脇に何度も侵入し、ボールを受けチャンスにつなげようとしていた。 当然、他の選手もライン間を狙っていた。実際バレンシアがヘンダーソンの背後(キャラガーの脇)に忍び込んでボールを受けたことから、パク・チソンの同点弾が生まれている。 一方、リバプールでリンクマンを務めようとしたのはマキシ・ロドリゲスだ。しかし、こちらはなかなか思うようにいかない。前半の終りにバイタルエリアでパスを受けるが、すぐにDFに奪われてしまう。何本かパスを受けるシーンはあったが、印象にはあまり残らなかった。リバプールは低い位置からのクロスや縦パスが多かったイメージである。効果的だったかどうかも、正直疑問。 前半はリバプールがコーナーキックから先制するも、先述したパク・チソンのゴールでユナイテッドが追いつき、1-1のまま終了。個人的にはユナイテッド優勢と捉えていた。 後半になると、リバプールはラインを上げ、相手のCMFに積極的なプレスを敢行するようになった。なるほど、前半何本もパスを捌き、攻撃にリズムをつくるだけでなく、スペースに侵入する選手にボールを供給していた(特に)スコールズとキャリックを抑えようということだろう。 またボール奪取の位置を高くすることで、キャロルの孤立をごまかす意図もあったかもしれない。 これに対しユナイテッドは、前半のスタイルを変えなかった印象だ。プレッシャーの少ないCBが、キャラガーの脇のスペースに侵入したパク・チソンにパスを出したり、CMFも前半に比べると存在感はなくなったが、下がってボールを受ける等自ら余裕を作りパスを供給する。 また相手最終ラインが上がったので、ウェルべック等がCBの裏を狙って、そこに後方の選手がフライスルーパスを送るというシーンもみられるようになった。 それでもユナイテッドは追加点を奪えない。やはり10番の不在が響いたのだろうか。最後の崩しにおいて、従来のクオリティを発揮できていない印象だった。 一方のリバプールも、守備に変化はみられたが、攻撃に変化はあまりみられない。 前半同様相手の嫌がるライン間、バイタルエリアにパスが出ることはほとんどなく、アーリークロス、低い位置からの強引な縦パスが目立つ。 それでも変わった点を挙げるとするならば、キャロルのポストプレー成功率が如実に上がっていたことだろう。自分が見た数試合の中で、ユナイテッド戦後半のキャロルは、ずば抜けてボール回収率が高かった。 というわけで、攻撃面の改善も促す必要が出てきたダルグリッシュ。キャラガーに代えてアダム、目立てなかったマキシに代えてカイトを投入する。 アダムの高精度のパスは言わずもがな。さらにカイトというリンクマン兼フィニッシャーをおいて攻撃の活性化をはかった。 さらに70分過ぎにはキャプテン・ジェラードを変え、グレイグ・ベラミーを投入。キャロルと2トップを組ませ、布陣も4-4-2に変更。より攻撃的にうってでた。 カイトとベラミーという2人のリンクマンが入ったことにより、ようやくリバプールはライン間、スペースへのパスが増え始める。特にベラミーが頻繁に現れる左サイドが活性化されていた印象だ。  それでもユナイテッドのディフェンスを崩すことができず、両者1-1の引き分けかと思われた88分、ドラマが待っていた。 ●苦しみぬいたキャロル…執念のポストプレー● レイナのゴールキックにキャロルがヘッドで合わせる。キャロルが狙ったのは追い越して行ったデュルク・カイト。少し下りてハイボールを処理しようとしたキャロルに対して、エヴァンズが追いかけてきていた。そのため、本来エヴァンズが守るべき右CBのスペースが空く。そこに、カイトが飛び込んだのだ。 キャロルのヘッドは見事にカイトへのスルーパスとなり、フリーでボールを受けたカイトは思い切りのいいシュートでネットを揺らした。 この得点シーンをみて、カイトに裏をとられたエヴラ、止めきれなかったデ・ヘアを非難する人は多いかもしれない。しかし、個人的にはキャロルをただ称賛したい。冬にはテベスとのトレード説が浮上する等、今まで以上に心中穏やかではなかったはずだ。それでも、アシストという形だがビックマッチで結果を残して見せた。彼にとって、この試合がターニングポイントになるかもしれない。 試合はそのまま終了。2-1でリバプールが勝利。劇的な勝利にアンフィールドは大いに沸いた。 ●感想● こういう記事を書いていると、「偉そうに書いてるけどおたくのチーム(チェルシー)はどうなんだい」って思われている気がしてならない…w。ちなみに我がチェルシーはスワンズにアウエーで薄氷の勝ち点1をもぎ取りました。 ユナイテッドはデ・ヘアが心折れているようで気がかり。信頼されず、リンデゴーアに段々ファーストチョイスを奪われるようになって、結構ぐらついているのではないかと思う。青年GKには試練の時が来ているのかもしれない。 一方既に試練中のキャロルはトンネルの先がようやく見えてきたかといった出来でした。でももしかしたらエヴァンズのエアバトルが弱いのかもしれない。 マキシはもう少しやってくれると思ったけど、というかダウニングとカイトを代えなかったのは少し意外。そして何故カイトがベンチなのか…。好きな選手だけにじゃあチェルシー来いよって言いたくなります…w。 …失礼しました。とりあえず今週チェルシーはユナイテッドと対戦します。ユナイテッドにダブルを食らうのも、またホームで負けるのも、正直しんどい。ここでは勝たないといけません。ボアスの試練はまだまだ続きます。




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チェルシーとジョー・コールが大好きな新社会人。

サッカーライターを目指していたのだけれど、色々考えるところもあり今はIT系の会社で働いております。
社会人になってサッカーに割く時間が減ってしまいましたが、何とかチェルシーと日本代表は追っていきたいなあと考えているところです。


なお、こちら気まぐれブログとなっております。ご了承ください。
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