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リバプールに布陣提案してみた~リバプール対ストーク分析~

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試合前、斜陽の映し出すあたたかな色合いと、We Will Never Walk Aloneの大合唱につつまれるアンフィールド。テレビ越しながら、静穏と熱気が入り混じったような不思議な感覚をおぼえた。
対戦相手はストーク。アウェーでの成績はパッとしないが、無論簡単な相手ではない。フィジカルで相手を蹂躙する巨漢集団は、コンタクトの激しいプレミアリーグですら異彩を放つ。デラップ砲は言わずもがなだ。プレミアトップ5進出を目指すケニーの前に、ピュリス率いるポッターズが立ちはだかる。





というわけで、この記事ではまずリバプールの問題点を中心に試合分析。その後題名の通り、叩かれるのを承知でいくつか布陣を提案、という流れになっております。




それでは試合の方から。。
両チームスタメンはこちら↓
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5バックにはもちろん驚かされたが、それよりも個人的には1トップカイトに注目していた。心持としては、「ダルグリッシュさん、ついにか。」といったところ。もちろんローテーションの意味合いもあっただろうが、キャロルに信頼を寄せきれていないのではとついつい疑ってしまう。 カイト起用の理由を聞かれると、自分は「スアレスと似た動きが出来るから」と答える。即ち、スペースへの飛び込みだ。豊富な運動量を活かし、あらゆる前線のスペースに侵入し、パスを引き出す。ダルグリッシュが掲げる“パス&ムーヴ”のサッカーに適しているのは、どんと構えるキャロルよりもむしろカイトのはず。しかも、キャロルはポストプレーの成功率がまだまだ低い。 では、この起用が功を奏し、リバプールは快勝。キング・ケニーはアンフィールドで祝杯を挙げるに到ったのか?先に結論を言ってしまうと、残念ながらそうはならなかった。試合はスコアレスドローで決着してしまう。内容に関しても、リバプールはほとんど決定機を作りだすことが出来ず。 果たして、リバプールの問題点とは一体何なのだろうか? 守備に関しては、特にこれといった問題はなかった。ストークがだった拙攻であった感は否めないが、それでもプレッシングは出来ていたし、懸念されていたクラウチもシュクルテルがしっかり封印していた印象だ。 やはり、課題は攻撃面にありそうである。 ●リバプールの攻撃~ビルドアップ編~● 私の印象では、序盤ストークの守備は積極的だった。最終ラインも高く、リバプールのCBにもプレッシングを行っていた。 だがこの試合リバプールは5バックを選択しており、つまり後方に割く人数がいつもより多い。その為ストークは前プレがはまらず、これを断念せざるを得なかった。結果ゴール前にバスを停めて、ロングカウンターに切り替えたのだ。 逆にいえば、リバプールはビルドアップに関しては上手くいっていたと言えるかもしれない。特にコアテスとシュクルテルの存在は、リバプールに数的有利をもたらしていた。↓
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特に前半において、リバプールの攻撃は図示した黄色の範囲(特に左サイド)から始まることが多かった印象である。 ●リバプールの攻撃~フィニッシュ編● 無得点で終わったのだから、無論原因はアタッキングサードでの攻防にある。ビルドアップが上手くいったならなおさらだ。一体リバプールはどんな問題を抱えていたのか。 1.前線の役割 まずトップのカイト。先述したように、彼は縦パスを引き出す為にスペースへ飛び込む動きが目立った。サイドに流れたり、DFとMFのライン間に侵入したり。 もちろんシュートを打つシーンもあったが、楔の動きもしていたわけで。カイトを活かす&攻撃に厚みを出す為、他の選手がPA内に侵入→フィニッシュに絡んでいく必要があった。 ではPA内に飛び込む選手は誰か。手っとり早いのはカイトの次に高い位置にいるSH(WG?)の選手である。 しかし彼らにそういう動きが出来ていたかというと、否定せざるを得ないだろう。特にダウニング。 彼らはバイタルエリアでボールを持つ、中央の低い位置でビルアップを手伝う等の動作は行っていた。サイドに張り付いていたわけではない。むしろヘンダーソンなんか中央でのプレーの方が多かった。しかし、PA内でチャンスに絡むことはほとんどなかった印象である。 以前、フットボリスタで「ダウニングは逆サイドからの攻撃に絡む意識が低い」という評価を見た記憶がある。この試合ではその事が思い出された。 逆にSH時のカイトは、積極的にPA内に飛び込んでいくのだけれど。スアレスが下がってボールを受ける→カイトがスアレス追い越し、PA内に侵入するなんてシーンよくあった。ストーク戦では、こういう動きが少なかったのではないか。 2.MF、DFの攻撃参加 で、次にPA内に飛び込む選手候補として、DMFの選手が挙げられる。ジェラードとアダムだ。実際、アダムなんかPA内で惜しいシーンを2,3作っていた。 しかし個人的な意見として、アンカーが入ればもっと彼らは積極的に打って出られたのではないかと思う。5バックではあるが、勿論バイタルエリアを守るのはDMFである。課せられた守備タスクは大きい。実際2人とも上がった為カウンターを食らう場面はいくつかあった。 スピーリングは負傷が癒えていないのだろうか。欠場が悔やまれる。 DFはどうか。先述したが、SHの選手がPA内に飛び込まない。なので、SBの選手がカットインしてフィニッシュに絡もうとする。特にG・ジョンソンはダウニング以上に攻撃で存在感を発揮していた印象。DFに阻まれたが、枠内シュートも打っている。 しかし同時に、彼にシュート、ラストパス等フィニッシュを託すのは少し荷が重かったか。彼が決定機を演出できていたかというと、疑問が残る。まあ、どの選手もあまり決定機を作れなかったわけなのだけれど。 3.コンビネーション、ラストパス 縦の楔のパスを上手く活かせていない印象を受けた。パスがきつくトラップミスしたり、連携が合わなかったり。次に繋がることが少なかった印象である。また選手がバイタルエリアに侵入することも少なくないのだが、ラストパスに精度を欠く。全体としてパスに愛がないとも思った。 試合後ダルグリッシュもイマジネーションが足りなかったことを悔やんでいる。 ●リバプールの攻撃~ちょっとしたまとめ~● と、自分が考えうるリバプールの問題を並べてみた。一番言いたいのはフィニッシュに絡む人数が少なく、攻撃に厚みがない、ということ。特に前半に当てはまる。後半はキャロル、べラミーを投入して攻撃に厚みが出てきていた。べラミーなんかもっと早く投入すべきだっただろう。ヘンダーソンも後半になるとPA内でシュートを打つ等存在感をやや発揮(キャロルのナイスDFに阻まれたが)。逆に言うと、後半は3の項目が目立ったといえるかもしれない。 もちろん一部は別の解釈だってできる。例えば問題視したSHの動きだ。 ダウニングはワイドなポジショニングすることで、G・ジョンソンが切れ込むスペースを確保していたとも考えられる。ヘンダーソンも下がることで、アダム(ジェラード)を押し上げる役割を担っていたと表現できうる。 しかし私見は前述した通り。ダルグリッシュは彼らにもっと決定的な役割を期待していたと思うのだ。現にダウニングは後半早くに交代させられている。 この試合ではストークが引きこもるので、両SBがガンガンオーバーラップできていた。彼らにサイドを任せ、SHはどんどんカットインしてPA内に飛び込んでいっても良かったのではないか。 ●試して欲しい布陣● というわけで、色んなフォーメーションを提案してみた。 まず5バックでいくならこちら↓
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べラミーもスアレスに似た動きをすると思っている。べラミー、カイト、マキシはスペースに侵入するのが上手く、PA内にもどんどん飛び込む。サイドはSBの為に空けておく。エンリケもG・ジョンソンも攻撃力が高いので、彼らを使わない手はない。ストーク戦よりは分厚い攻撃ができるのではないか。例えばべラミーが楔のパスを捌き、その隙に両SHがPAに飛び込んでいく、とか。 べラミーの位置にキャロルでも面白いかもしれない。マキシとカイトはキャロルと近い距離で連携し合ってもらう。キャロルの孤立を防げるだろう。 4バックならまずこちら↓
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理由は先に述べたのと変わらない。キャロルの孤立を防ぐためべラミーと2トップを組ませる。カイト、マキシにはスペースへ飛び込み縦パスを引き出す&PA内への侵入を積極的にやってもらう。でもこれならマキシのとこにダウニングでも全然ありだろうな。 でも強いていうならキャロルではなくスピーリングを用いたい。正直キャロルが活躍するという青写真は、まだ描けていないからだ。なら中盤に黒子役を置いて、アダムとジェラードのポジションをあげたい。彼らの攻撃力をより引き出すのが目的だ。逆にアダムとジェラードだけでは守備に不安が残る。両者守備に秀でたわけではないので、相棒のことを考えると思い切った攻撃参加は限られるだろう。むしろ中央2枚なら、ハードワークできるヘンダーソンを投入した方がいいかもしれない。 なので是非試してほしいのはこの布陣↓それにしてもスピーリングはいつ帰ってくるの??
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以上、チェルシーファンが小生意気なことを申しました。つまりマキシもっと使おうってことです(笑)。もちろん、守り切ったストークも褒めるべきでしょう。引いた相手に苦戦するのは強豪の宿命と言えるかもしれません。チェルシーもまさに同じ悩みを抱えています。 リバプールについて、皆さんの意見を聞きたいです。特にレッズファンの方はどう思っているのか非常に気になる。ツイッターでもいいので、是非意見交換しましょう。コメント待ってます。




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この記事へのコメントコメント一覧

ぎぐさんへ

確かにストーク相手にクロスは分が悪かったですね。クロスの質の向上と共に、中央からの崩しというのも課題の1つといえるでしょう。

アダムには後方からの組み立ても求められるので、ジェラードにはもっと求めていたものがあったかもしれません。
別の方がおっしゃられていたのですが、アンカーがいてもCHの攻撃参加はさほど変わらないよ、という意見がありました。ここも大きな問題なのかもしれませんね。

チェルシーファンがこれを言うべきではないのかもしれませんが、メイレレスが入ればと思います。

Kさんへ

すごい詳しいコメントありがとうございます。自分のリバプールへのイメージをより明確に出来ました。

フィールドを広く使い、ダイナミックで縦パス意識の高いサッカーを行う。でも新規選手が多く、バランスを欠いている。結果、特にPA内での層が薄いという大問題を引き起こしているんでしょうね。

でもはまればすごい魅力的なサッカーをやってくれる印象です。ボルトン戦、ユナイテッド戦なんかは特にインパクトがありました。
英国人の奮起が求められるところでしょうか。

テキーラさんへ

自分の意見としては、今最も出場するべきはマキシですね。後…メイレレス(笑)

将!さんへ

初コメありがとうございます!
厳しい意見ですね。他の方もそうですが、案外ケニー解任賛成派は多いんですね、驚きました。人気はあるものだと…。

5バックはアンカーを任せる選手が不在だったからかもしれませんね。ローテーションの意味合いもあったでしょう。

パスの連携の悪さは自分も気になりました。特に中央突破の際は選手の距離が近いし、その割にきついパス多いなとも感じました。

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チェルシーとジョー・コールが大好きな新社会人。

サッカーライターを目指していたのだけれど、色々考えるところもあり今はIT系の会社で働いております。
社会人になってサッカーに割く時間が減ってしまいましたが、何とかチェルシーと日本代表は追っていきたいなあと考えているところです。


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