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難敵撃破!波に乗れるか~チェルシー対サンダーランド分析~

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前節ウルヴズに勝利し、連勝を重ねて波に乗っていきたいチェルシー。スタンフォード・ブリッジで、オニール新監督率いるサンダーランドを迎え撃った。対するブラックキャッツはシティを倒した勢いそのままに、再びジャイアントキリングを目指す。


スタジアムにはようやく交渉がまとまったG・ケーヒルの姿が。さらには元ブルーズの選手であるジャン・フランコ・ゾラ氏も観戦に訪れた。ビラス=ボアスの心境を察するに、新たなチームメイトとクラブ最高峰のレジェンドを前にして無様な姿は晒すわけにはいかない、といったところか。






両チームのスタメンはこちら↓

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サンダーランドはシティ戦とほとんど変わっていないはず。チェルシーの意外な点はWGにラミレスを起用したところか。献身的な守備とダイナミックな動きが光るブラジル代表MFへの、指揮官の寵愛が伺われる。 と、いうわけで試合を見ていこう。 サンダーランドの守備は明確だった。前線に“充電する選手”としてベントナーとセセニョンを残し、後の選手はゴール前に4-4ゾーンを形成。守りを厚くし、カウンターに繋げる狙いだ。 この手の相手には年末、年始に散々痛い目にあわされた。個人的には、最終的にクロスを送りこむ形に終始してしまうのが気になるところ。ビラス=ボアスはどのようなプランをもって試合に臨んだのだろうか。 ●チェルシーの攻め● ~縦の数的有利~ 何やらそれっぽく書いてしまっているが、要は敵の背後を突くというセオリー通りのことをやっていたわけだ。 その為に重要なのが、CMFの下がる動きである。目的はプレスの来ない位置でパスをもらうことだけでなく、相手CMFを釣り出す狙いがある。 例えばCMFが下がってボールを受けると、ヴォーン或はカッターモールがプレスに来る。そうやって相手CMFが釣り出された結果、彼らの背後にスペースができるのだ。そこに他の選手が侵入し、チャンスメイクするといった具合である。 チェルシーのCBの運ぶドリブルも、同様にCMFを釣り出す狙いが1つあったかもしれない。しかしCBのドリブルというのは、黒猫の2トップの視界に入り易い。その為特にセセニョンがCBに対処するシーンが多く、CBのドリブルからは縦に数的有利を築きづらかった。その点でも、CMFの“下がってボールを受ける動き”の方がより効果的であったと言えるだろう。 メイレレスが下がってボールを受けた場合、こんな感じになる↓
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もちろん、選手全員が同時にこのような動きを行うわけではない。ラミレス、ランプス或はマタもヴォーンの背後を狙う。ラミレスにリチャードソンがついてくれば、他の選手が次に空いた左SBのスペースを狙うと面白い。 先制点も、まさにこの形から生まれている。ボジングワがボールを受ける。メイレレスが少し下がり、それにカッターモールも注意が向く。その隙をつき、ラミレスがカッターモールの背後に侵入。ボジーからボールを受け取る。するとリチャードソンがついてきたので、今度はリチャードソンのいたスペース(左SB)に侵入したマタへパス。フリーのマタは正確なクロスを供給でき、トーレスのバイシクルシュートを経由して、ランプスのスタンフォード・ブリッジ歴代最多得点へと繋がった。トーレスは、、、少し残念だったけれど。 ~サイドでの数的有利~ その他に挙げるとするなら、サイドで上手く数的有利を築けていたことだろう。 CMF、トーレスがサイドに流れたり、大きくひらいたCBが上がったり、マタが右サイドに顔をだす。そうすることでサイドで3対2の数的有利を築くことがきるのだ。マタのおかげか、特に右サイドでこのシーンが目立ったといえる。先制点のシーンにしてもそうだし、31分のトーレスの惜しいヘッドもマタが右に流れているからラミレスがフリーでクロスを挙げられているのだ。メイレレスもサイドに流れてフリーでボールを受けると、そこからアーリークロスなり切れこんでミドルシュートなりで存在感を発揮した。 またサイド攻撃を演出する際のサイドチェンジも印象的である。特にランプスは多くのサイドチェンジからチャンスを作り出し、攻撃の潤滑油となった。 後半は前掛かりになったサンダーランドに対し、カウンターで応戦。マタ、ラミレス、トーレスが印象的なプレーを見せたが、特筆すべきはメイレレスである。献身的な守備から、カウンターとなるやすぐに上がってきて攻撃に絡み、チャンスメイク。その運動量には脱帽である。 ●エッシェンの復帰● 72分を少し過ぎた頃だった。電光式選手交代ボードに、緑色で「5」の文字が表示される。スタンフォード・ブリッジは拍手と歓声に包まれた。交代するランプスへの賛美と同時に、怪我を乗り越え今シーズン初出場を果たすマイケル・エッシェンへの祝福である。昨シーズンはフル稼働したエッシェンだったが、昨夏に膝を負傷。復帰には半年を要するとささやかれたが、予定よりもずいぶん早く戻ってきてくれた。今冬最大の補強と言えるだろう。 ピッチに立ったエッシェンはミドルシュートを放つ等、精力的にプレー。ピッチに立てる喜びを噛み締めながら走っているように見えたのは、自分がチェルシーサポーターだからなのかもしれない。 それでも彼の本領はまだまだこんなものではないはず。後半戦の巻き返しに向け、我らが“モンスター”の完全復活が期待される。 ●問題点● もちろん、良いことばかりではなかった。チェルシーの左サイドはA・コールの負担が増大していた印象だ。 攻撃において、A・コールは孤立しやすかった。これはポジションレスなマタの動きの弊害と言える。ランプスのケアの少なさもあるかもしれない。チェルシーはあまり左から層の厚い攻撃を演出できなかった印象だ。これまでも度々指摘された問題である。 しかし一方で、マタの動きがポジションレスなほど今のチェルシーの攻撃は活性化されるわけで。バランスの難しさを感じさせる。4-2-3-1ならその問題も解決されるが…。 チェルシーは相手2トップへの対応にも苦労していた。サイドに流れたり、下りて楔のボールを受ける等活発な動きでチャンスを演出したセセニョン。彼にはテリーが主に対応していたが、そのスピードに手を焼いていた印象だ。ポストプレーからカウンターの起点となったベントナーに対しても同様のことが言える。彼らを捕まえ切れず、ピンチを迎えてしまうシーンが何度かあった。 また今日のD・ルイスの出来には疑問が残る。相変わらずのムラっ気だ。カバーリングの遅さ、ポジショニングの悪さから対応に遅れるシーンが目立った。攻撃面では貢献を果たしたが、G・ケーヒルの加入は、この陽気なブラジル人にとって大きな試練となるに違いない。 その他にも、ロメウはやはりスピードある選手への対応に難があるし、ボジングワは見事にオフサイドトラップの連携を誤りピンチを演出してしまった。そういった点を踏まえると、ディフェンスに不満が残る試合であったと言える。 ●結果、指揮官コメント● それでも無失点で乗り切ったチェルシー。リーグ2連勝を飾ると共に、昨シーズン1-3で敗れた難敵相手にダブルを達成した。 試合後指揮官ビラス=ボアスは、以下のようにコメントを残している。 「ファーストハーフでは、我々は常に試合をコントロールした。我々は相手よりも良い内容で、多くのチャンスを演出したね。セカンドハーフでは、両チームにとても大きなチャンスがあった。」 「サンダーランドは自らチャンスを演出した。我々はカウンターアタックで対抗したよ。両チームとも印象的なチャンスシーンを作った。2-0、或は1-1で試合を終えていてもおかしくなかっただろう。」 「好調な状態にある相手を破ることができたのは良いことだ。他の試合結果も考慮すると、この勝ち点3は大きなものと言える。チームは好パフォーマンスを示してくれた。」 「我々はプレッシャーの元に晒されたが、それでも何とか状態、規律を保ち大きな結果を手にすることができた。1stハーフにおいて、我々は堅実で、優勢に試合を支配していたと言えるよ。」 「トーレスは試合で好調を維持しているね。インスピレーションのある、気持ちの入ったプレー、良い動きを示してくれたと思う。彼にはチームとファンがついているんだ。」 ●感想● MOMは悩んだ末にメイレレス。ランプスも捨てがたかったけれど。個人的にメイレレスの運動量が印象的過ぎたかな。 ケーヒルの加入、エッシェンの復帰、トーレスとランプスの復調とポジティブな点は多い。攻撃面でも前半はポゼッションから、後半ではカウンターでチャンスを演出してみせた。連携ある攻撃を見せてくれたと思う。やはり懸念されるのは守備面での不安だろうか。D・ルイスは当たり外れが大きく、計算しづらいものがあるのかもしれない。G・ケーヒルの加入による、競争力のアップに期待。




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この記事へのコメントコメント一覧

Daiさんへ

ご意見ありがとうございます。

僕4-3-2-1あんま好きじゃないんですよw
基本的に守備厨なんで、PA手前を4-3ゾーンで守るのが嫌なんですw上手く守れるなら、いいんですけど。
でも4-3-1-2は度々やってますよね。

4-4-2だとCMFに余剰戦力がでてきてしまうかな、と思いました。エッシェン、ラミミ、レレス、ランプス、ロメウ、ミケルっていますから。

なんだかんだ4-3-3とか4-2-3-1でいくと思います。バランス考えたら。
あと自分はWGにはむしろクリエイティブな選手置いておいていいと思いますね。その代わりSBガンガン上がることでピッチをワイドに使えればいいんじゃないかって。言うなればマンCとか、昨シーズンのバルサとか。

難敵撃破!波に乗れるか~チェルシー対サンダーランド分析~

毎回楽しみに読ませてもらっています。
エッシェン復活は朗報ですよね!!
いいミドルも放ってましたし。
ルイスの攻撃力は魅力的ですけど、
やっぱり守備が危なっかしいですよね。

従来の4-3-3も好きなんですけど、
ウイングの適任者がいなかったり、
中盤のレギュラー格の枚数を考えると、
・4-3-2-1
・4-4-2(セカンドトップにマタorスターリッジ)
などを見てみたい気もするんですけど、
どう思いますか?

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チェルシーとジョー・コールが大好きな新社会人。

サッカーライターを目指していたのだけれど、色々考えるところもあり今はIT系の会社で働いております。
社会人になってサッカーに割く時間が減ってしまいましたが、何とかチェルシーと日本代表は追っていきたいなあと考えているところです。


なお、こちら気まぐれブログとなっております。ご了承ください。
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