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マンチェスター・ダービー分析。5バックの真意って何だろう

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さて、FAカップでマンチェスター・ダービーが行われました。結果は3-2でユナイテッドの勝利となりましたが…。




それにしても色々あった試合でした(笑)




クリス・フォイが抜群の安定感を見せたり、、

ベッカムがお子さん連れて観戦に来てたり、、

そのベッカムが見てる中でスコールズが半年ぶりにピッチに立ったり、、

ついでにそこにロイ・キ―ンもいてちょっとした同窓会になっていたり、、

終盤にはハ―グリーブズが古巣相手にピッチに立ったり、、、




気づけば妙な豪華さを感じるゲームになっていましたね。


内容としては、前半早くに退場者をだしたシティが後半1点差まで迫るものの、なんとかユナイテッドが逃げ切ったって形でした。
シティとしては劣勢の中大健闘。一方ユナイテッドとしては少し後味の悪さも残ってしまったかな?




まあ、そんなわけで試合を見ていきたいと思います。両チームのスタメン、フォーメーションがこちら↓



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●序盤~ハイプレスのシティ、カウンターのユナイテッド~● シティはハイプレスを敢行してきました。ラインも上げて、ユナイテッドにガンガン圧力をかけていきます。 正直ユナイテッドも苦戦しているように見えました。下がってカウンターを狙うのだけれど、シティの積極守備の前になかなか上手くボールを運べません。 それでもシティの攻撃を耐えしのげたのはルーニーの中盤起用にあったと言えるかもしれません。彼が守備時も積極的にPA手前まで戻り4-5ゾーンで守ることで、シティの攻めるスペースをなくそうという意図がありました。 で、奪ってウェルべックに当ててカウンターに繋げていくというのがユナイテッドのメインコンセプトだったと思われます。 しかし先述したように、試合の流れとしてはシティの方が優勢。正直自分もユナイテッドはここ耐えて途中から巻き返すしかないかなあ、と思いながら見てました。 そんな中、ユナイテッドがファーストチャンスを得点に結びつけるわけです。10分でした。 シティのプレスが中途半端になり、ラインコントロールもおざなりになった一瞬の隙をルーニーは逃しませんでした。バイタルエリアでボールを受けると、右サイドのバレンシアへ。さらにルーニーはバレンシアの高精度のクロスを合わせ、ゴール。ルーニー→バレンシア→ルーニーという流れで、圧されていたユナイテッドが先制に成功します! 予想外のであった序盤でのユナイテッド先制に好ゲームの予感が漂います。しかしその時、自分は主審が誰であるかを忘れてしまっていました…。 ●みんな大好きクリス・フォイ● 以前もこの皮肉フレーズ使った気がします。前半12分でした。仕掛けてきたナニに対し、コンパニがタックルを行い、ボール奪取に成功します。しかし、このタックルが危険なものとみなされ、一発レッドカード。正直、厳しすぎると思いました。足裏を見せてしまったからなんでしょうけど、タックル自体ボールにちゃんと行ってますからね。少なくともイエローでいいのでは?っていうのが自分の意見でした。 ●コンパニ退場後● ミルナーをSBの位置に、リチャーズをCBに、ナスリをCMFにポジション変更してきました。4-4-1と言えるでしょうか。 前線の人数不足に陥ってしまったシティですが、やってるサッカー自体はあまり変わらなかったようにみえました。アグエロは時に最終ラインにもプレスに行くし、応じてラインも上げる。引き続き積極的なサッカーをやろうとしていたと思います。 しかし、前線の人数が一枚少なくなったため、どうしてもプレスに厚みをもたらすことができないシティ。積極的に出るものの、押し込まれ、リトリートっていう事態が続発していました。 攻撃に関しても退場前と後で大きな違いはないなと思いましたね。ショートパス主体のサッカーから何とかゴールをこじ開けようとしていました。 しかし、ユナイテッドも変わらなかった。1点リードという状態でしたしね。たたみ掛けるというよりも、じっくり料理していこうって意識が見えました。守備もカウンター主体の姿勢を継続。ルーニーもしっかり戻させ、引き続き5人でPA手前を守らせました。 1人少なくなったシティと人数割いて守備を行うユナイテッド。途中シルバの強引なシュート等はあれど、結果としてシティはどうしても攻めきれません。逆にカウンターを食らってしまいます。ファギーの思い通りと言ったところでしょう。 で、さらに思い通りにことが進むユナイテッド。30分にウェルべックのダイナミックなゴールが生まれます。これも起点となったのはルーニーの動きでした。するどいカットからデ・ヨングのマークを振り切ってボールを受けると、左サイドへ展開。受けたナニはカットインして敵を引きつけると、走り込んできたフリーのエブラへパス。彼のクロスはDFに当たりますが、こぼれ球をウェルべックがハーフボレーでシュート。これが見事にネットを揺らし、ユナイテッドがスコアを2-0とします。ウェルべックの高い身体能力を見せつけるかのようなゴールでした。 得点後もシティを押し込んでいくユナイテッド。中盤はルーニーを下げていることで数的有利を築ける。さらにシティの前線はアグエロのみなので彼さえ捕まえておけばセカンドボールも奪取できる、ということでユナイテッドはポゼッションも高めていきます。シティはハイプレスも難しくなり、より押し込まれていく。 で、39分に3点目。PKでしたがこれもルーニーが起点でした。パンティリモンのキックミスからルーニーが高い位置でボールを受けると、ルーニーに注意が向いているナスリの背後にギグスが侵入。ルーニーが彼にパスを送ります。バイタルエリアでボールを受けたギグスはすかさずウェルべックへスルーパス。するとPA内でパスを受けたウェルべックをコラロフが倒してしまい、ユナイテッドがPKを獲得しました。 一度パンティリモンがセーブに成功するものの、キッカーのルーニーが冷静にこぼれ球を押し込み、3点差に差が開きます。 ●中盤・ルーニーの存在感● シティ相手に中盤で主導権を渡すまいと、ファギーはルーニーをMFとしてこの試合起用してきましたが、かなり効いていましたね。 先述したとおり守備ではPA手前まで戻り、バイタルエリアを塞ぐ。 攻撃ではカウンターの起点から、高い位置での展開、パスを呼び込む的確なポジショニング、効果的な縦パス、さらにはPA内への飛び出しなどやりたい放題でした。 そんな中彼の存在感はシティに混乱をもたらしましたと思います。ルーニーがバイタルエリア手前でボールを受けるとシティの選手の注意が彼に引きつけられる。そうすると危険な位置に侵入したギグスやウェルべックへのチェックがおろそかになる、というシーンがありました。3点目のPKなんかそうですね。ナスリはルーニーに注目して完全に背後に忍び込んだギグスを見逃していました。 ●後半、マンチーニの奇策● A・ジョンソンに代えてサビッチ。シルバに代えてサバレタを投入します。 何だこの守備的な采配は!?マンチーニまさかあきらめたのかと思うようなこの交代。負ければ即終了のカップ戦にもかかわらずです。一体どういう意図があったのでしょう。 シティのフォーメーションはこうなりました。↓
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正直自分この采配疑問なんですよね。まあ、ばっさり言うとカウンター攻撃にシフトしたってことなんでしょうけど。自分が首を傾げた理由を列挙していきたいと思います。 ●5バック採用で起きた弊害● 1.サイドの数的不利 後半開始直後コラロフのFKで反撃の狼煙が上がりそうなシティ。しかし布陣変更によりサイドが1対2の数的不利になりがちでした。なんかとても単純な話なんですが、例えば左サイドだとコラロフ対バレンシア&P・ジョーンズという形ですね。 これに対しマンチーニとしては、DMFとSBで守ろうとしていました。 時間が経つごとにサイドで数的不利に陥るシーンは減っていった印象ですが、それでもPA手前を2人で守ると言うのは無茶がありまして。DMFがフォローに行けず、サイドを突破されピンチになる場面がありました。 特にP・ジョーンズのオーバーラップは効いていた印象です。 2.空きやすい逆サイド サイドの守備時にDMFがスライドして対応していたシティ。その為逆サイド、というかほぼ中央も空きやすい状態にありました。キャリックなんか度々フリーになるので何度もパスを要求していた印象です。
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で、結局PA手前でもユナイテッドは楽にパスを回すことができ、展開からチャンスを広げることができる。そこからは追加点を狙いつつ、いかにカウンターをくらわないかが重要視されます。ルーニーなんか積極的にミドルシュートを打ってカウンターを回避することを心がけていました。 まあでもシティはほぼロングカウンターしか狙えない状況に陥っていたと思います。PA手前の層が薄く、どうしても押し込まれてしまうから。 でも、シティのロングカウンターが上手くいくかと言えば、これも疑問なわけですよ。 3.アグエロ頼りな攻撃 まずユナイテッドは前半同様基本的には引いてシティにボールを持たせます。時に激しいプレスは織り交ぜますが。 なのでボールを持ったシティは攻めきれません。ハーフウェイ手前でボールを回すしかできない。で、ナスリもよく下りてくるので実質縦パスを受けるのはアグエロのみという状況が多発。つまりユナイテッドとしてはアグエロをしっかり捕まえとければシティの攻撃は怖くなかったんです。 後無駄にパスを回すシティの選手に疑問。さっさとアグエロあたりに一か八かパス打ってボール放棄→カウンターに備えるってしたらいいのにと思いました。 で、カウンターの時も同じですね。ユナイテッドは残って起点となるアグエロをマークできていれば、シティの攻撃を封じることができた。 なおかつシティの選手は守備時にほとんどの選手が引いて守っているわけです。なので仮にアグエロにボールが渡っても、他の選手が上がってくるのにどうしても時間がかかってしまう。そうなるとユナイテッドの選手もリトリートしてブロックを作り上げるので、シティはカウンターができないわけです。 ナスリも試合から消えることが多く、効果的な動きはできず。シルバよりも彼を代えるべきだったかもしれません。 後半シティは2点返しましたが、それはFKと相手のミスから。FKに関してはそれを呼び込むシティの動きがあったのだけれど。80分までは、それ以外にシティにチャンスなんてほとんどありませんでした。 次に5バックにした利点やら、先述した弊害に対するシティの修正やらを見ていきましょう。 ●5バックの利点!?~CBの動き~● CBは一枚増えたので、前半よりも積極的な動きができるようになっていた印象です。 まずウェルべックにしっかりついていくこと。この動きがシティの1点目に繋がりましたね。ウェルべックから高い位置でボールを奪ったリチャーズが倒されて得たFKでした。 また途中から、PA手前の空きやすい守備においても改善が見られました。CBが前に飛び出すことでPA手前の薄さを解消しようとする動きがみられるようになります。シティが2点目とった後から、この動きは顕著でしたね。レスコット、リチャーズは果敢に前に飛び出している印象でした。
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と、ここで1つ仮定、、、 マンチーニとしてはこういうCBの前向きの守備からカウンターに繋げていきたかったんだろうか。スペースをわざと空けて、そこにボール出させる。と、同時にCBが飛び出してボールを奪い、カウンターみたいな。確かに奪えればそのCBは前向きでボールを持つことができ、カウンターしやすくなるけど…。 実際そんな守備方法あるんですか??自分は初めて見ました。 というかまあ、こういう形からシティがチャンスを迎えることはほとんどなかったので自分の妄想である可能性は非常に高い。ただ、あまりにシティの守備に意図を感じ取れなかったもので…。 で、80分過ぎにナスリに代えてハ―グリーブズが投入される。 またも守備的な交代ですが、自分が思ったところとしては、、、 ウェルべックに代えてアンデルソン投入後、ボールを回してポゼッション志向を高めてきたユナイテッドに対して、ボールを奪える選手を配置したかった。ミルナーはナスリの位置に入ったが守備熱心なのでしっかり帰ってきてくれる。 またPA手前に3人割いたことによりボールを奪取する位置が前方になる可能性が高まった!? こういったところがマンチーニの意図かなあ、と感じましたね。 が、結局シティはもう1点を奪うことはできず、3-2でユナイテッドが次に駒を進めました。 ●シティの守備に対して、最終的な結論● 仮定とか色々書きましたけど、結局シティの動きは'ゴール前固めてこれ以上の失点を避けよう。後はユナイテッドのミスを待とうって見えました。まあ、カウンターだし当たり前の姿勢ではあるんですが。 まあシティは、この姿勢で2点奪ったことはある意味できすぎしょう。逆にちょっとユナイテッドがバタつきすぎたかなという印象でした。特に80分過ぎからシティに押し込まれましたが、ユナイテッドの選手に荒いプレー→ファールっていうプレーが多発した時間帯でもあったわけです。P・ジョーンズの疑惑のハンドもありました。 マンチーニの戦術すげえ!といより、ちょっとユナイテッドがらしくなかったかなと感じましたね。 それでもウェルべックのシュート、キープ力には恐れ入ったし、P・ジョーンズもあの図体からは考えられないダイナミックな動きでした。さらにスコールズですよ。ミスを犯したものの高いパスセンスと力強いミドルシュートは未だ健在でしたね。彼の復帰はユナイテッドにとって素晴らしいものとなるでしょう。 一方のシティは負けたけど大健闘。正直コンパニーがフルタイムいる中で、どうなったかすごく見てみたかった。ただ、後半の5バックは好手だったのかはやっぱり疑問がつくかなあ。カウンターやるなら後半開始にハーグリーブズ投入した方が良かったと思うんですよね。 皆さんの5バックへの印象、意図等をすごく聞きたいです!サッカー知識に乏しい自分では限界があるので。コメント待っています。




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ぎぐさんへ

ご意見ありがとうございます。

ギグスのカバー、というのは自分も思いました。で、なおかつ中盤に人数かけることで、マンC相手に中盤の攻防で負けないようにするっていうのが最終的な自分の結論に至ったんですよね。攻守ともに厚みをもたらしてくれるルーニーの存在っていうのは本当に効いていると感じました。


アグエロがサイドバックのいたスペースに流れてボールを受けるシーンはありました。でも、選手の多くが下がりすぎていること、ナスリが行方不明になっていることからどうしても早いカウンターをすることができていなかった印象です。SB(WB?)も確かに運動量は豊富ですけど、深い位置まで戻る分なかなかすぐにカウンターには絡めない。加えてユナイテッドも戻りも早かった。

確かにユナイテッドのSBを上がらせるためとか、ユナイテッドの選手を上がらせるっていうのには完全に同意なんですけど、そこから質の高いカウンターをできていただろうかっていうことには疑問なんですよね。だったら4-4-1か4-3-1-1のほうが、最終ラインに手前に人を多く割いている分カウンターしやすかったのでは?おもうわけです。

まめな更新お疲れ様です

この日のルーニーは、ギグスCMF起用時に生じる中盤の穴、守備&運動量不足対策なんだろうなと思います。それにしても、ルーニー獅子奮迅過ぎます。ダービー補正とかじゃなくて、EUROに向けてこの調子で上昇していって欲しいです。

マンチーニは勝ってる試合でよく3CBやりますけど、3点リードされ1人少ない後半から5バック(3CB)やるって凄いですね。前半は1人減ったのに割とボールを持たされてユナイテッドのカウンターを食らっていたので、5バックにして後方に比重を置くことにより、必然的に相手にボールを持たせてこっちがカウンター志向を明確にしたってことでしょうか。管理人さんのおっしゃるとおり、当然サイドは数的不利なので、「相手SBに余裕こいて深くまで攻撃参加してもらう→人数の多いPAで跳ね返す→空いたSBの裏のスペースをカウンターで使う」ってシーンはあったでしょうか?適当でスミマセン。あと、SBが攻撃参加しやすくなるんで右SBはサバレタよりリチャーズの方が良かったかな?どのみち求められる運動量は半端じゃなかったと思いますが。

自分的にはアグエロがもの凄く働いているように見えて好印象でした。

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社会人になってサッカーに割く時間が減ってしまいましたが、何とかチェルシーと日本代表は追っていきたいなあと考えているところです。


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