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アンカーシステムの弱点を克服~チェルシー対バレンシア~

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CLグループリーグ最終節、チェルシー対バレンシアの一戦です。チェルシーは負け、又はスコアレス以外のドローで敗退が決まるという厳しい状況にありました。しかも相手は難敵バレンシア。前節ではマティウとアルバの左サイドに手を焼きましたが、今回はどうだったのでしょうか?

両チームスタメンをどうぞ↓


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ボアスさんはランプスではなくメイレレスを選択。ランプスはニューカッスル戦は不調でしたからね。それでも思い切った決断をしました。 ●バレンシアがやりたかったこと● バレンシアは、前節同様ロメウの両脇をかなり狙っていたと見ていいでしょう。それをまず顕著に示すのがティノ・コスタの動きだと思います↓。
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彼は前に進むのではなく、サイドに流れたり下がったりしながらボールを受けます。特にサイドに流れることが多かった。理由として、プレスのかかりづらい位置でボールを受けたかったことが挙げられます。しかし、この動きにはもう1つ大きな狙いがありました。ラミレスを、プレスさせに釣り出すことです。その結果、ラミレスの背後(ロメウの隣)に広大なスペースが出来る。そこに侵入した選手に縦パスを送り、崩していくというのがバレンシアの意図する攻撃でした。 マティウなんか分かりやすかったです。高い位置にポジショニングして、ロメウの隣が空くと下りて飛び込む。アルバは彼を追い越していきますね。この左サイドの動きは個人的にバレンシアの一番怖い攻撃だと思っています。 ラミレスもティノ・コスタを追いすぎている場面が目立ちました。ただ、ティノ・コスタもプレッシャーがなければどんどんロングパス蹴るので難しいところではあります。 ラミレスはここのところ試合に出ずっぱなしだったので疲れもあったかな?65分にミケルと交代しました。 右サイドでも同じことが言えるでしょう。フェグリも積極的にロメウの脇を狙いました。 ただ、メイレレスは不用意にプレスにいって背後にスペースをあけなかった。あとコールがフェグリにしっかりついていったこともあり、動きを抑えることに成功していましたね。 と、ちょっとチェルシーの守備について話してしまいましたが、次の章でもっと詳しく説明していきたいと思います。 バレンシアの攻撃に対し、チェルシーは一体どう守ったのでしょうか? ●チェルシー守備陣が心がけた2つのこと● まずこの試合、チェルシーはニューカッスル戦に続きカウンターを行いました。プレスの位置は低く、ポゼッションも放棄。最終的に支配率は34%でした。その中で、前述したようにロメウの両脇を狙われたのですが、それを防ぐ為、主に2つのことがボアスさんから言い渡されていたようです。では一体ボアスさんは選手に何を指示したのでしょうか? ① MFのスライド 先ほど、チェルシーはラミレスの背後を特に狙われたと書きました。しかし、ちゃんと対抗策を持っていたし、むしろその策がはまってバレンシアの攻撃をストップしたシーンの方が多かった。 その1つがMFのスライドです。こんな感じ↓
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(場合によってはマタがメイレレスの隣にスライドします) ラミレスの背後にロメウが、さらにメイレレスがバイタルエリアを塞ぎます。これにより、チェルシーはラミレスの背後のスペースを消すことに成功します。 とにかくラミレスとメイレレスが同時に前がかりな守備をしないこと。どちらかが前にでれば、一方は引いてロメウの負担の減らすことを強く意識していました。これはニューカッスル戦で、メイレレスIN後に見られていましたね。 ② WGのハードワ―ク チェルシーのWGには攻めだけでなく守りでも大きな役割がありました。相手SBをしっかり追って、自由にさせないことです。特に攻撃的SBであるアルバとマッチアップしなければならないスタリッジの役目は重要でした。 一見ロメウの隣問題と関係ないんじゃない?と思うかもしれません。しかしWGのしっかりした守備が、“チェルシーのSBがバレンシアのSHを安心して追っていける”という状況を生み出します↓
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スタリッジがアルバを離さないので、イヴァノビッチはマティウを心おきなく追っていけます。そうすることで、スペースが出来てもマティウに好き勝手やらせない。実際スタリッジは、イヴァノより低い位置にいるシーンが結構ありました。 右サイドでも同じことがもちろん言えて、A・コールはフェグリを深くまで追って思うようにプレーさせませんでした。それはマタの献身的な守備参加があってこそでしょう。マタは守備は苦手ですがしっかり帰ってきてくれる。それだけでも全く違うものです。 時にはWGがロメウの隣にポジションニングして守備をしていましたね。SBとマーク相手を交換しながらプレーしていました。スタリッジとマタは、ハードなタスクにもかかわらず臨機応変な対応も見せ、集中力の高いプレーをしてくれましたね。 この2つにより、チェルシーはバレンシアの中央突破とサイド攻撃両方を封じることに成功します。①と②で中央突破、②でサイド攻撃ですね。そしてここからカウンターへと繋げていく。 ボールを運ぶ先にいるのは、復活を果たしたモンスター、ディディエ・ドログバです。 ●チェルシーのカウンター● ドログバさんのポストプレーがメインです。実際ショートパスを繋ぐスタイルはバレンシアのハードプレスの前に苦戦しました。ロメウ、メイレレス、マタがいるのでパスの質は低くないはずなのですが、バレンシアのプレスが素直に素晴らしかったと思います。 ただ、先制点はショートパスによるカウンターでした。 マタとメイレレスで、PA内に入ってきたフェグリからボールを奪ったところからです。 メイレレス→ラミレス→ロメウ→スタリッジ→PA内へクロス→マタ→ドログバ というものでした。 まず褒めるべきはマタ。完全なBox To Boxでした。守備してアシストにも絡むという、テクニックだけではなく、積極守備と高い運動量を示したと思います。 ロメウも難しいボールを上手くいなしてイヴァノビッチへ渡しましたね。彼のパスからカウンターに繋がったと言っても過言ではない。この試合ロメウは守備だけでなく、パスを捌く能力の高さも示してくれました。 2点目もドログバのポストプレーからでしたね。もちろんカウンター。ドログバがロングボールを収め、ラミレスへスルーパス。異常なスピードでDFを抜き去り、シュートを決めました。 さらに怪物は、76分にマタのスルーパスにぬけ出し3点目を得点。試合を決定づけ、スタンフォードブリッジを興奮の渦に巻き込みました。 結局攻守高いクオリティを見せたチェルシーが3-0でバレンシア相手に快勝。レバ―ク―ゼンがゲンクに引き分けた為1位通過が確定しました。ちょっとできすぎですね(笑) ●まとめ● チェルシーはラミレスの背後、逆サイドのスペースからピンチになりそうなシーンもあったが、PA外のシュートはチェフがことごとくシャットアウト。またこれまで狙われ続けた“アンカーの脇”は、この試合でも狙われたが、CMFだけでなくWG、SBもこのスペースに高い警戒心を持ってプレーしたことから、バレンシアに決定機をほぼ作らせない結果に繋がった。ホームとはいえ、好調の相手にクリーンシートをやってのけたことには大きな意味がある。 またボアスは自分のサッカーを一旦冬眠させたようだ。実際このチェルシーは、モウリーニョ時代を彷彿とさせるほど切れ味の高いカウンターだった。 冬の人員整理で、またバランスを欠かないかが少し心配だが、少なくとも12月にちょっと希望を持てるようになってきた。ボアスは少しずつ自分の色を出していけばいいと思う。 MOMはもちろんドログバ。だが、ハードに動き続けたスタリッジとマタ。攻守に安定感をもたらしたロメウ。チーム最長13キロ走ったメイレレスに抜群のセービングを見せたチェフと言ったように全員がハイパフォーマンスを見せた結果であることは明白だ。ソルダードはシュートを1本しかうてていないのだから。シティ戦もこの試合と同じくらいの集中力をもって良い結果を得てほしい。




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記事カテゴリ:
チャンピオンズリーグ
タグ:
チェルシー
バレンシア
ドログバ

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この記事へのコメントコメント一覧

テキーラさんへ

とりあえずトーレスはもっとマタとレレスと一緒に見たいと思います。ただシティ戦はおそらくドログバでしょうかね。かなり復調傾向にありますから。
トーレスは厳しい時期ですが、特にポストプレーにおいてドログバが一枚上手なのも事実。腐らず頑張って、チャンスをものにしていってほしいです。

祝!勝利

勝利おめでとうございます!
今日の試合は観てて楽しかったです。
素人目からでもドログバの化け物っぷりには度肝抜かされました(笑)
全盛期を観てみたいです。
もしチェルシーがカウンターサッカーにシフトチェンジしてくれるのならトーレスにもチャンスが!?
と思ったのは僕だけでしょうか?
今度のシティ戦も応援しまっせ!

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ブロガープロフィール

profile-iconblues225

チェルシーとジョー・コールが大好きな新社会人。

サッカーライターを目指していたのだけれど、色々考えるところもあり今はIT系の会社で働いております。
社会人になってサッカーに割く時間が減ってしまいましたが、何とかチェルシーと日本代表は追っていきたいなあと考えているところです。


なお、こちら気まぐれブログとなっております。ご了承ください。
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