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4-4-2の弱点を自ら示してしまったリバプール

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今更シリーズ最終弾、ということで今回はリバプールにスポットを当ててみました。今節はチェルシーとの対戦だしね。リバプールの相手は昇格組のスウォンジー。アンフィールドでの試合だけあってリバプールとしては絶対勝っておきたい試合でしたが、結果はスコアレスドロー。何故リバプールは勝ち切れなかったか、またどのようにスウォンジーは善戦したのか。試合を見ていきたいと思います。


今回注目してほしいのはお互いのフォーメーションです。それがこちら↓

blues225-282965.jpg
リバプールが4-4-2なのに対し、スウォンジーは4-3-3です。この結果生まれてくるのは、簡単な話(リバプールにとっての)中盤の数的不利です。例えばこの図を見ただけでもブリットンは誰が見るの?ってなります。 この試合、前半リバプールの守備は積極的でしたが、リトリート意識も高かったです。ファーストプレスをかいくぐられるとリトリートして4-4ゾーンを形成していました。スウォンジーのパス回しも、ダイレクトが多くなかなかのものです。 で、その結果ブリットンがフリーになります。彼がちょうどMFとDFの間でボールを受け、捌くことでスウォンジーの攻撃を組み立てていくんですね。彼はスアレスあたりが見るのかな、と思ってましたが最初そんな動きはなかったです。 しかし、しっかりブロックを作るリバプールに対し、スウォンジーもどうしても攻めきれません。そこは流石リバプールといったところでしょうか。 そうすると今度は主導権がリバプールに渡っていきます。スウォンジーもある程度攻め込まれるようになると、ポゼッションを半ばあきらめDFとMFがしっかりブロックを布くようになります。これはスペースを好むスアレス対策でもあるでしょう。特に彼が好むDFの裏のスペースを潰す為に、DFラインは低く設定しバイタルエリアを消す為にMFも下がる。強豪相手への戦い方をしていました。チェルシー戦でもそうでしたね。 スウォンジーが引いて構えるようになったので、リバプールはボール保持において苦労しなくなります。アダム、ルーカスにプレスが掛かりづらくなりましたから。特にアダムがフリーでボールを受けられるようになったのは大きいですね。効果的なパスでリバプールの攻撃を組み立てていきます。 と、いうわけで前半15分頃からリバプールペースに。しかしスウォンジーはMF3人がしっかり引いて固める為中央からの崩しは難しそうです。 なので、サイドからの崩しが多くなるリバプール。スウォンジーは、サイドは基本SBとWGのみに守備させてましたから。ダウニングの突破や、スアレスがサイドに流れてチャンスメイクをはかります。 しかしこういう時こそ期待されるキャロルは不発。ファールを受けてFKをもらうシーンこそあれ、彼がポストプレーで存在感を発揮するシーンはほとんどありませんでした。 クロスが身を結ばず、スアレスがPA外からシュートを放つもゴールには至りません。 そうすると、35分からスウォンジーが盛り返してくるんですね。ピッチを広く使ってリバプールに揺さぶりをかけてくる。 鍵を握るのはやはりブライトン。35分のシーンでは、アダムが彼にプレスに行きましたが、かいくぐられます。その結果右SBのランヘルを経由してアレンへ効果的な縦パスが入る。そこからスウォンジーが深くまでボールを運びます。最終的にエンリケがダイアーのドリブルを防ぎましたがいい形でした。 37分にもブリットンを起点にピッチをワイドに使い、スウォンジーは決定機を作ることに成功。アレンのシュートはわずかにゴールの外を通過しましたがスウォンジーにとって前半最大のチャンスシーンといえるでしょう。 その後もチャンスをつくったスウォンジーですが得点には至らず。0-0で前半を折り返します。 前半の総括としては、リバプールが押し気味でしたが、スウォンジーも随所で強さを発揮。シュート数はリバプールが10本、スウォンジーが2本。ポゼッションもリバプールが57%と、数字だけ見ればリバプールが圧倒していますが、スウォンジーもゲームプラン通りの展開ができたと思います。時間帯で差異はあれどほぼ互角の内容に見えました。スウォンジーの健闘が光ります。 で、後半に入るわけですが、まずダルグリッシュさんはブリットン対策を立てました。主にスアレス(時々キャロル)にチェックさせます。前半はスアレスが見るのか、思い切ってアダムがチェックにいくのかぼやけていましたが、後半ははっきりしていました。FWが起点となる選手をしっかり見張ります。 さらにリバプールには大きな変化が。 守備がかなり積極的なものになりました。リトリートせず、ガンガンプレスをかけていきます。応じて最終ラインも高く設定。後半ヘンダーソンに変えてカイトを投入したのは守備面での意味合いが強かったと思いました。ホームでしかも相手は昇格組ということもあり、ダルグリッシュさんも負けられないという想いが強かったのでしょう。 リバプールが積極的な姿勢に出たこともあり、試合はテンポアップ。カウンターの応酬に。スウォンジーも前半終りのようにチャンスをつくれません。 それでも、攻めきれないリバプール。スアレスをPA内でプレーさせない、スウォンジーの低いライン設定とバイタルを消すMFの配置。そして集中した守備があったからでしょう。 そうすると、です。リバプールは疲労から中盤が間延びしてくる。アッガーとシュクルテルも高いラインは苦手なのか、最終ラインも思い切って上げきれない時が出てき始め、ここにスペースが生まれてきます↓
blues225-282966.jpg
すでに矢印で示しましたが、ダイアーとルートリッジが積極的にこのスペースに侵入しリバプールに脅威を与えます。これも中央にMFが2枚しかいない故でしょう。例えばここにアンカーがいればまた違ってきますね。近年4-4-2が減ってきているのは、単純に中盤に人を割く布陣が流行しているからというのが大きいです。 で、特にアダムの守備のさぼりようが目につきました。中盤の2枚には運動量が求められるのにもかかわらず、です。アダムの背後にスペースが生まれやすく、スウォンジーはそこからチャンスを作っていきます。カイトが途中から左にシフトしましたが、アダムの守備を見越してのケニーさんの判断だったかもしれません。 結果として60分過ぎからもう一度スウォンジーが流れを引き戻すんですね。特にWGのダイアーは見ていて面白かったです。高い突破力を持っている。今後ブレイクする可能性の高い選手なので、スウォンジーの試合を見るときは彼に注目することをお勧めします。 でも得点には至らない(笑)なんかこんな流ればっかですね。でも入らなかったのですからしょうがないです。 終盤はリバプールがホームでの意地をみせシュート攻勢に出ますが、フォルムが素晴らしい反応でこれを防ぎ、試合終了。0-0で試合を終えましたが、見ごたえのあるいい試合でした。中立で見る分には、ですが。 リバプールとしては痛い引き分けでしょう。ただ今週はチェルシー戦ですが、うちは攻撃的な分下手したらスウォンジーよりやりやすいかもしれませんwアダムとスアレスをしっかり抑えることですね。とにかく、オープンな試合になるでしょう。1つボアスさんとしては正念場ですね。勝ってほしいです。 ウルブズ戦で感じたのですが、リバプールはサイド攻撃された際に、CMFがサイドに出向いて数的有利をつくるのですが、その分中央が手薄になる現象が見られました。この試合ではヘンダーソンはスライドして中央をしっかり埋めていましたね。ただ、ダウニングあたりちょっと微妙かな。 アダムの攻撃力と守備力を考えると4-4-2はちょっとあってないなと思います。個人的にはユナイテッド戦の布陣がベスト。ジェラードは怪我しちゃいましたが。つまり自分としては、キャロルは要りません。カイト使いましょう。まあチェルシー戦の布陣はどうなるか楽しみですね。 スウォンジーは好印象です。ダイレクトパスの多いパス回し、早い攻守切り替え等チーム力の高さがうかがえます。基本リトリートしてゴール前を固めますが、ボールを失えばそこでまずプレスをかけ相手の攻撃を遅らせる。あとルートリッジ、シンクレア、ダイアーのいるWGも威力ありますね。そこらへんはプチ・モウチェルシーって感じでしたwやっぱり似たとこはありました。後は強力なCFですか。グラハムはインパクトに欠けました。まあ、新加入選手なので化ける可能性はあります。




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この記事へのコメントコメント一覧

nittさんへ

コメントありがとうございます!正直リバプールは4-3-3(4-1-4-1?)で、バイタル空けてそこにどんどん色んな人が入ってくるダイナミックなサッカーやってる時が一番好きです!
キャロルは苦しんでるようですね。得点とればまた変わってくるんでしょうけど。マンU戦など、強豪相手には2トップはしてこないかな、とは思います。なので、チェルシー戦もキャロルははずれるかなあ、と予想してますがどうでしょうね。

4-4-2の弱点を自ら示してしまったリバプール

お初のコメント失礼します。
リバプールファンのものです。

すごくわかりやすく的確な記事で楽しく読ませてもらいました。

ケニーの心中を察するにおそらく、キャロルは将来のためにも使いたい、でもスアレスもサイドよりトップの方がいい、だから4-3-3より4-4-2という事なのだと思います。
もちろんメンバー的にも4-3-3の方がいいと私も思うんですけどね。
ヘンダーソンも中で見たいし。

今週末は楽しみにしています!

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チェルシーとジョー・コールが大好きな新社会人。

サッカーライターを目指していたのだけれど、色々考えるところもあり今はIT系の会社で働いております。
社会人になってサッカーに割く時間が減ってしまいましたが、何とかチェルシーと日本代表は追っていきたいなあと考えているところです。


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