2010年03月21日

【Jリーグ百年構想】の本当の敵は 国道沿いに林立する地方の風景だと気付くべき

秋春制を考えていくと、とどのつまりは『Jリーグが何を目指しているか』に行き着く。

《Jリーグ百年構想》1*

  • あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること
  • サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること
  • 「観る」「する」「参加する」。スポーツを通して世代を越えた触れあいの輪を広げること

百年構想に照らすとまだまだJクラブは少ないと思う。
しかしこの社会状況経済状況で今のままでいいのかというのは正直悩ましいところだ。

2月13日の毎日新聞で大坪氏はこう述べている。2*

  • Jリーグの経営戦略は長期的と短期的の両面から考察する必要がある。長期的視点に立てば、クラブの数は増えれば増えるほど良い。なぜなら、スタジアムに足を運ぶサポーターの数が確実に増えるので、リーグ全体の収入と価値が上昇するからだ。しかし、短期的視点では、今、クラブ数を増やすタイミングではなく、リーグと各クラブの財務力を強化すべきである。そうしないと、資金難のクラブが続出し、リーグそのものが経営破綻に陥りかねない。私は、クラブの大半が黒字経営になるまでクラブの増加は控えるべきと考える。

大分の例しかり、ヴェルディの例3*しかり。財務体質の強化は絶対に重要だ。ただそれとタイミングという視点でいいのだろうか。
日本という市場の中でサッカーに限らずスポーツは競争している。野球・サッカー・バレーボール・バスケット・ラグビー。。。どのようにしたらファンを獲得できるか競争し合ってる。サッカーは一時期野球を追い抜いて子供たちのなりたい職ランキングでトップだった。しかし現在その座をまた野球に奪われている。年棒差を見れば当然野球にいくのも分る。

smJリーグは成長のシェアマトリクスでいえば90年前半が「花形」→90年代終わりが「問題児」→現在は「負け犬」でこれから「金のなる木」になっていく循環のようにも見える。4*
このまま放っておけば小さな市場で安定収入が見込めるかもしれない。しかしそれでいいのか。
むしろこの時期にこそJクラブの拡大の構想をその将来性と効用をまだできてない地域にアプローチしておく。いわばこの時期こそ種まきの時期にしたほうがいいのではないかということ。

だとしたら大都市中心に活動してる野球と市場を食い合わないことも重要だ。
もう一回Jリーグに活気を取り戻す。その為のキーワードは「グローバル化」による「無秩序な開放」ではなく、いままでやってきたことをぶれずにもっと浸透させる。それが「百年構想」であり「地域密着」こそ大事なはずだ。


Jri-ga-
出身地  人数  J1  J2

北海道  26  10  16   青森県   2   2   0
岩手県   4   3   1   宮城県  12   5   7
秋田県   3   1   2   山形県   5   4   1
福島県   5   3   2   茨城県  30  16  14
栃木県   8   4   4   群馬県  21  12   9
埼玉県  73  39  34   千葉県  59  24  35
東京都  96  51  45   神奈川県 61  29  32
新潟県  11   7   4   富山県   8   5   3
石川県   7   2   5   福井県   3   1   2
山梨県  10   2   8   長野県   5   2   3
岐阜県   7   0   7   静岡県  78  44  34
愛知県  15  12   3   三重県  19  14   5 ⇦◎
滋賀県  15   9   6   京都府  22  11  11
大阪府  65  31  34   兵庫県  49  26  23
奈良県  12   3   9   和歌山県  6   5   1
鳥取県   3   1   2   島根県   5   3   2
岡山県  17   3  14   広島県  28  14  14
山口県  15   8   7   徳島県   8   1   7
香川県   2   0   2   愛媛県  15   5  10
高知県   5   4   1   福岡県  34   8  26
佐賀県   4   1   3   長崎県  10   6   4
熊本県  27   8  19   大分県  13   5   8
宮崎県   9   5   4   鹿児島県 31  13  18 ⇦◎
沖縄県   9   6   3

J1現在。JリーガーはJ1J2合わせ972人。5*
地域別に見ると東京が96人と一番多く、次に静岡、埼玉、大阪、神奈川、千葉、、、とつづく。少ない順では青森、香川の2人、秋田、福井、鳥取3人とつづく。多いか少ないかは人それぞれだと思うが、少なくとも1人〜20人の赤い色の地域を見る限りまだまだ手付かずの地域が多い気がする。

JkurabuJクラブ所在地数のグラフを比べると、なんといっても鹿児島にJクラブがないのは不可解だ。鹿児島は全国9位の31人。J1だけなら13人も輩出してる。人口密度から考えれば静岡に次ぐ全国2位の人材輩出県だ。そういう地域にJクラブがないというのは百年構想の理念からいっても残念至極。
鹿児島の他には三重県の19人。お隣の愛知県が15人だから数字が逆じゃないかと思うくらい。選手は自然と出てくるのではない。
club地域の指導者たちがある意味育てていた賜物でもある。そういう地域の根をつなげていく為にもクラブが必要なのだと思う。

滋賀、長崎は「J参入」を目指しているクラブがあるので問題ないとしても、鹿児島や三重の場合はもう少し地元サッカー協会はやる気を見せてもいいのではないかと思う。
このように日本にはまだまだ開拓されてない地域がある。
百年構想を考えるとJリーグの更なる「拡大」が絶対必要なはずなのだ。


元サッカーマガジンの編集長伊東武彦氏がこのようにいっている。6*

  • 地域社会でのスポーツ環境の確立に求められるのも、 「100年」 を語る高邁な言葉ではなく、 理念から離れた農作の感覚である。 フィールド・オブ・ドリームスではないが、 田畑をフィールドに見立てた地域のドリームスが数多くあっていい。 Jリーグが掲げる総合スポーツクラブの日本的な実態。 それはサロン的な感覚を持たない日本人にとっては、 そうした草○○的な単体の集合なのではないか。  そして、 そこに必要なのはやはり地域企業の 「芝生」 の提供だ。 あるいは各クラブ員がそれぞれの庭で育てた苗を持ち寄って植えるための土地の供与といった発想である。 スポーツ文化の<文化>が農耕を意味するという事実以上に、 いま必要なのは文化というよりも、 環境作りだ。 それは、 地域における生活環境の充実をそのまま意味する。  それにしても、 国道沿いにパチンコ店が林立する地方の光景を前にしたとき、 それらが総合スポーツクラブと併存する時代がくるとは思えない。 コンビニの前の地面に座り込んで週末の夜を過ごす若者たちが、 投機性の高い娯楽で耐久の感覚をそがれていく時代にスポーツに課せられたものは大きい。 でなければ、 カツオも、 ワカメも、 国道沿いのパチンコ店に通うようになる。

伊東氏の言葉を借りれば、、
Jリーグの本当の敵(ライバル)は野球やラグビー等ではなく、実はパチンコ店やゲームセンター、テレビゲームなのだ。Jには想定外の敵がいろいろ多いのだ。もちろんパチンコやテレビゲームが悪ではない。モノが罪なのではなく、人間の心が問題であるのはいうまでもない。
だが『心』と『風景』はつながっていることを忘れてはならない。
Jリーグは「地域密着」という旗を掲げた限り進んで進んで進まなくては。敵の大きさを考えればここで足を止めてはならないのだと思う。
Jリーグは未だ道の途中なのだ。。。

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posted by 騒霊 |10:30 | j-league | コメント(1) | トラックバック(0)
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