2009年03月31日

【画龍点晴を欠く秋春制】海外移籍しやすくなるって本当か?

■そもそも、なぜ秋春制をやらなければいけないのか?

まずそこが騒霊はまったく理解ができない。

犬飼会長や秋春制支持のジャーナリストたちは
欧州のサッカー先進国で主流の秋春制に合わせると
日本サッカーが日本代表が強くなるという。

シーズンを合わせると欧州から上手い外国人選手が補強しやすくなり、
日本人選手も海外移籍しやすくなり、日本人選手のレベルも上がるという。

でもはたして本当にそうだろうか?



■秋春制になるとビッグネームの選手がやってくるのか?

そもそもそんなすごい外国人選手が今時日本にくるかが心配になる。
Jリーグ創成期の頃と今とではもう時代が違う。
今では中東の方が日本より外国人選手に移籍ビッグマネーを払えるし獲得してる。
日本は出せるクラブも限られるし、出せたとしても遅い。
中東の独裁的な経営者たちとマネーゲームができる程クラブに体力・力量の有る無しが問われてくる。
たぶん秋春制を導入しても今よりどのくらいいい外国人選手が移籍してくるかは答えづらいが、少なくても中東にくる選手より格下の選手なのは間違いなさそうだ。
けして可能性はゼロではないと思うが、何よりかにより
それに外人選手にとって移籍のタイミングも大切だが、もっと大事なのは
やはりお金だろう。

だとしたら秋春制になってもやはり同じ秋春制をしく中東のクラブのオイルマネーには勝てないはず。
そう考えると外国人選手については秋春制になっても今と大して変わらないのでは?と思えてくる。不思議だ。

最近は中国もかな。個人的にはトンマージは中国でなく日本に来てほしかったけど残念。
日本のクラブは金がないのかネットワークがないのかもともと関心がないのか、はてさて。まずそこの分析から始めた方がいいと思うのだが、、。


■秋春制になると日本人選手が移籍しやすくなるのか?

移籍の話を分かりやすくするため、年齢で分けてみる。
A:ティーン世代(〜20才)
B:オリンピック世代(〜23才)
C:オーバー世代(〜25才)
D:その他(27才〜)

前提として27才くらいのサッカー選手のキャリアの絶頂期までが移籍の旬。27までの逆算した年齢が多いほど移籍のチャンスがある。
移籍は若ければ若い程いい。青田買いが世界の現実。移籍ビジネスとしてみればリスクヘッジも含めて考えれば若い方が利鞘が大きい。
選手が移籍をキャリアとしてのチャンスと捉えてると同様に、受け入れる側のクラブにも移籍は上のクラブへ高く売れるチャンスと捉えている。

中田英にしても小野にしてもパクチソンにしてもAにちかい極めて若い時期に移籍できた。
ただ全体的日本人はフィジカル的な成長途中の選手も多いし、何よりオリンピックが移籍市場の世界展覧会みたいな位置づけでもあったこともあり
Bの23才くらいで移籍する選手が主流。稲本、大久保、松井とか。

このランクの選手は若く活躍の可能性も高い。活躍できた場合、
選手にもメリットはあるし、移籍先のクラブにもメリットがある。加えてその選手が代表で還元してくれるから日本もよしという、
売り手よし買い手よし世間よしという三方よしのめでたしめでたしの関係ができる。
つまり基本的に23才までのAとBのランクの選手までは日本サッカーを成長させる目的にも当てはまるので、協会はこの世代の才能ある選手の移籍をどんどん後押ししてやるべきだと思う。

ただ
Dの27才以上は移籍ビジネスとしては価値の小さい。
それでも何らかのスポンサーメリットとかあればそれはそれで良い移籍だと思うが、マクロな日本サッカーのレベルアップの移籍という訳ではない。

Cについては判断が難しい。キャリアの絶頂期に近く伸びしろが小さい。
移籍先のクラブで運良く活躍できたとしても上位クラブに移籍させ利鞘を稼ぐという意味で受け入れるクラブとして旨味はない。
それでも日本人はスポンサーを連れて移籍しちゃうアクロバット手法ができる可能性はあるけど、、。選手とクラブ間でウィンウィンならまあそれでも良いのだろうけど、、Dと同様マクロとしてのレベルアップという視点で、A、Bのような三方よしの関係では言い難い。


で今秋春制にしたらどうなるか考えた場合、
何だかんだで日本サッカーが期待しているABの移籍はそれほど増えずにCとかDの移籍数がスゲー伸びる皮肉な結果になるのではないかと思う。
まあC、Dの選手たちにとっては本場でサッカーができるのは嬉しいし頑張りがいもあるのだろうけど、
日本サッカーのレベルアップという視点では、あまり効果がある施策とは言えないのではないだろうか。

つまり日本サッカーのレベルアップという目的ならABランクの選手に対してタイミングよく移籍できる何らかの施策を考えてやる必要はある。でも
そもそも今までも中田英にしろ小野伸二にしろAランクの移籍に際してはベルマーレやレッズともにトラブルなく移籍できたはず。
結局このランクの選手はクラブの方も日本サッカーの期待の星であることを理解し応援してるから、今までも問題なく移籍できてたと思うし、これからも問題なく移籍できると思うのだけれど、、。

逆に問題をよく起こしてたのはCランクの選手。
年齢的にも所属のJクラブの中核になってる選手たち。彼らも最後のチャンスと思って欧州移籍を探っていて、いろいろな駆け引きも存在しただろうから、ある意味トラブルが起こるのは当たり前。

トラブルがあるのはいいことではないけど、
だからといってここら辺の問題解決のために秋春制を導入し
日本サッカーとして彼らの移籍を後押ししてやる程の必要性はないと思う。
いずれにしろ近い将来、移籍金廃止も導入されるだろうから、どうしても移籍したい選手は今までよりスムーズに移籍できるはずな訳で問題は少なくなっていくはず。

その意味からも秋春制にすれば移籍がしやすくなるというのは間違いだと思う。


■確かに冬より夏のマーケットだけど

「でもさー、何が何でも欧州移籍したいという選手にとっては夏の移籍マーケットはチャンスだよね。だって冬のマーケットより長くて大きいじゃん。秋春制だと便利なんだよねー」

何事にもタイミングは大事だ。
ほんとに世の中には偶然というものが存在するし。
ビッグネームの外国人がたまたま何所とも契約してなくて、試しに日本に来てみようかーって話はよくある。日本人が移籍する際もたまたま枠がぽっかり開いてしまったなんて話もよくある。

でもそんな偶然性を期待して秋春制にしていいのか。
個人なら分かる。めっけ物だったですむ。しかし日本サッカーを強くするメリットの一つとして偶然性を期待してるというのなら、いささかお粗末ではないか。

騒霊としては
基本的には日本サッカーとして移籍を後押しする年代は23才までのティーン世代とオリンピック世代で、
ティーンなら半年くらい待っても遅くはないと言うかもしれない。
ただチャンスを逃したくないという気持ちも分かる。
でもやっぱりそれは本人次第。しっかり海外移籍の為に時間をかけて準備調整しておけば、たとえシーズン途中になろうと在籍のクラブやサポは理解してくれるはず。将来の日本を背負うと期待の選手ならきっと応援してくれると思う。
前項でも言ったように近い将来、移籍金廃止も導入されるだろうから、どうしても移籍したい選手は今までよりスムーズに移籍できるはずで問題は少なくなっていくはずだし、必要とあらばこの年代のサポートスキームを作ればいい。


■とどのつまり

大事なのは移籍することではなく、移籍してから活躍して成長すること。
はっきり言ってアジアU-20でも結果を出せず、オリンピックでも結果を出せず、将来の日本を背負おうとするその年代のトップ選手が世界にはね返されている状態の今現在で何をや言わんかって感じだ。
まず、行きたいではなく、来てほしいという選手を育てることが大事なはず。

はたして秋春制は本当に日本サッカーのレベルアップする移籍スキームなのか?
そこまで想定してメリットを計っているのだろうか甚だ疑問。

簡単にいうと
秋春制にすれば海外移籍しやすくなり幾分かのメリットになるかもしれないけど、
ただそれは単にエゴっていうかすごく個人的な話で、日本サッカーの将来構想を語る中では不適当。ミクロな話とマクロな話をごちゃ混ぜにして語ってるようにしか思えない。もっと語るべきはマクロな話でありスキームの話だと思う。

犬飼会長や秋春制賛成のサッカージャーナリストの方々の言葉が心に響かないのは、
そこの整理がされていないのか、騒霊の心がねじ曲がってる所為なのか、
きっとどちらかだと思うのだが、、、。
はたしてどちらでしょうw。





※前回のエントリーもあわせてお読みください。
画龍点晴を欠く秋春制と変なレギュレーションのナビスコ杯
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/blueja/article/95



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posted by 騒霊 |19:57 | j-league | コメント(11) | トラックバック(0)
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