2008年03月22日

【観戦記】3.20全日本キックボクシング連盟

行って来ました後楽園ホール。客入りは6-7割くらい?全日本にしては苦戦といっていいレベル。
休日(春分の日)、しかも全日本の看板といっていい(はずの)真弘選手と、昨年激闘続きで名を上げた前田選手が出場するにもかかわらずこの入りとは、厳しいですね。

オープニングファイト
第1試合 武彦vs園山翔一×
これがデビュー戦となる武彦選手の右ストレートが終始有効。それにこだわってしまったのか、それ以外の攻撃があまりない一発狙いの展開に。とはいえダウンも奪ったうえでの堂々の判定勝利。
初戦で硬くなっていたようですが、荒削りとはいえ武器のある選手は強いのでこれからに期待です。

第2試合 ×宮本隆憲vsウー・エリック
宮本選手はさすがボクシングでの実績があるだけあって、パンチが非常にシャープ。ロープ際につめての左のダブルなど、キックではなかなかお目にかかれないテクニックも。しかも意外とローが強く、蹴り合いの局面でも勝っていました。
ただ組まれたときの対応がほとんどできず、2R以降は終始組みつかれる展開に。結局執拗に組みにいったウー・エリック選手の判定勝利。

これしかないという戦法を徹底したウー・エリック選手はもちろん、敗れた宮本選手も光った試合。
ボクサーがキックルールに転向したときに直面する試練として「首相撲」「ロー」「前蹴り・ミドルの間合い」などがありますが、ローについては克服できそう。首相撲については時間が掛かると思いますが…克服しなくても組みの少ないルールの団体を選んで出ればいいのか?

第3試合 △金谷隆洋vs尾田兼次△
金谷選手は前回の勝ちっぷりのよさから注目していたのですが、この日はイマイチ。
やや尾田選手がコントロールしていたようにも見えましたが特に決定打もなく、結果ドローに。
3回戦のドローの試合というのは見ていて残念ですね。今後への期待が湧き上がることもなく。

本戦
第1試合 白濱卓哉vs那須儀治×
前手(左)を極端に下げ、ほぼノーガードの白濱選手。この死角からのジャブが当たる当たる。1Rからパンチでダウンを奪うも、このときは仕留めきれず。
3Rには、今度は跳びヒザでさらにダウンを追加。那須選手が粘りを見せるも、残り10秒できっちり3ノックダウンを奪いKO勝利。ここで倒しきるのと判定までもつれこむのでは天と地ほどの差があります。

白濱選手いいですね。面白くて、倒せて、しかも結果を残していれば、これからも自然と試合が組まれていくはず。早く3回戦を卒業して、是非畑尾選手とのトリッキー対決を実現して欲しいものです。

第2試合 ×藤井基文vsソルデティグレ・ヨースケ
長身を利してストレートや前蹴りなど直線的な攻撃が主体の藤井選手と、出入りが速くフック系パンチをまとめてくるヨースケ選手。好対照かつ非常に噛み合った展開に。
2Rに藤井選手が組んでいったところ、ヨースケ選手が薙ぎ倒すような右フックでワンパンチKO。

第3試合 藤牧孝仁vs翔太×
これよりサドンデスマッチ。まずはライト級のランカー対決。
2Rに、翔太選手の蹴りにあわせて藤牧選手が(同門の魂叶獅選手を彷彿とさせるような)大振りの右クロスを当てダウンを奪う。このポイント勝負を決し、藤牧選手の判定勝利。

両者の攻防を見ているとそれほど差がないようには思えるのですが、それでも下位ランカーにはきっちり判定で勝利する藤牧選手の壁は高いです。

第4試合 吉本光志vs三上洋一郎×
1R開始早々、なんと左ボディーストレートで三上選手がダウン。場内どよめく。その後も吉本選手の猛攻でKOは時間の問題かと思われるも、1R終了直前に起死回生のバックブローで今度は吉本選手がダウン。場内さらにどよめく。この一連の流れはこの日一番の盛り上がりでした。
しかし左ボディーストレートでダウンて。生まれて初めて見ました。
その後は吉本選手が首相撲に勝機を見出し、徹底したヒザでダウンを奪い、KO勝利。

さて吉本選手の、パンクラスからの凱旋試合として組まれたであろう試合。1年半ぶりのキックということで、この間何が変わったかに注目してみました。

1.入場前にダンサー3人が踊り始めた。
しかし後楽園ホールの花道で踊られても、客席からはあんま見えないですから。しかも吉本選手が踊るわけではなく、ダンスが終わった後にひと区切り入って(曲も変わって)からの入場というのもなんだか。

2.試合前にコールされたとき、何のアピールもせず無視を決め込むように。
普通はポーズをとったりお辞儀したりするもんなのですが。湟川選手や引退した浜川選手がやはり無視スタイルなので、これはAJジムの伝統?

3.ファイトスタイルはよりパワー系に。
最初の左ボディーストレートでKOしていればものすごい幻想が沸いたのですが…。
もともと武器としていたミドルやハイはほとんどなくなり、蹴りはほぼローのみに。

いろいろな意味で一回り大きくなったように感じます。今後はもっと上位選手との対決に期待。

第5試合 湟川満正vsクリストフ・プルボー×
これまでの試合経験では湟川選手の3分の1に満たないプルボー選手ですが、こまめにスイッチをしたり、的確にミドルを返したり、首相撲で相手をコントロールしたりと試合巧者振りを発揮。湟川選手もパンチとローで着実にダメージを与えていきます。湟川選手なので当然のごとく、延長へ(この人の試合はなぜかほとんど延長戦になるのです)。
延長R全体をとおしてみるとプルボー選手がペースを握っていたものの、湟川選手が右ストレートでぐらつかせたシーンが勝敗を決したか、判定は2-1で湟川選手の勝利に。とはいえプルボー選手の勝利となっていてもおかしくなかった試合。必ずどちらかに振らなければならないのがサドンデスマッチの難しいところです。

これで湟川選手はトップランカーの地位を守ったわけですが、前回のタイトル挑戦からはまだ1年足らず。リベンジマッチにはまだ早いかな。次の相手は小宮選手あたりどうでしょう。

第6試合 中村高明vsランボー・C.M.A.×
これより5回戦。藤原ジムvsタイ人の3on3です。
試合前にはワイクーの披露あり。この後登場する2選手も舞ってました。
序盤から中村選手が細かいパンチ連打が有効、さらに接近してのヒジ・ヒザ・サバ折りでペースを握ります。この展開の中で(ヒジかヒザかは確認できませんでしたが)カットに成功。そのままTKO勝利。

1Rにヒジで斬られるシーンがあったものの、それを除けば中村選手の完勝でした。これで6連勝。そろそろフィーチャーされてもよいのでは。
しかし70kgまで落ちない純粋なミドル級の体格だけに、合う対戦相手がなかなか見つからないのが悩ましい限り。寒川選手は現在療養中。あとは…須藤選手あたりが候補?

ここで、次回大会で対戦する石川選手、元気選手が挨拶
要約するとこんな感じ。
石川選手「この試合は余計なことを言って汚したくないです。」
元気選手「相手を甘く見るわけではないけど、KOします。」
石川選手は試合が汚れるような余計なことを言った過去があるだけに妙に説得力があります(「ホテルで一発より気持ちいい試合をします」とかなんとか)。

第7試合 △前田尚紀vsルンラウィー・サシプラパージム△
ルンラウィー選手のセコンドにはセンチャイ会長の姿(ソンクラー選手も)。ちなみにF16選手のセコンドにもついていました。全日本が招聘するタイ人はウィラサクレック会長ルートのイメージがあったんですが、変えてみたんでしょうか。今後ノーンビー選手やセンチャイ選手が全日本に上がる可能性も?

さてこのルンラウィー選手、BBTVのエキサイトファイト・オブ・ザ・イヤー'06という肩書をもち、パンフでも「激闘系」と煽られていたのですが…パンチも使うよってくらいで普通に堅いタイ人でした。
5Rにわたって左ミドルでペースを握り続け、中盤にはパンチで前田選手を追い込むシーンもみられたためルンラウィー選手の判定勝利と思いきや、結果はまさかのドロー。最近の印象として全日本のジャッジ陣はミドルに厳しいような。基準がK-1に近づきつつある?

第8試合 ×山本真弘vsF16・PKPラチャノン
ルンラウィー選手に輪をかけて堅いスタイルのF16選手。真弘選手が仕掛けようとするもパンチの間合いに入れず空振りが続く展開。ラウンドが進むにつれてだんだん距離が縮まり、真弘選手のパンチが当たりだしたかと思ったところでF16選手のヒジ一閃。この一撃で大量出血、TKOとなってしまいました。

ここ4戦、日本人相手に鬼のような強さをみせてきた真弘選手ですが、やはりタイ人には相性が悪いようで今回も勝てず。先日K-1トライアウトに合格しているだけに、同じ相手でもK-1ルールだったら勝ったかもとつい考えてしまったことは秘密。


全体を通した感想としては、全日本にしては珍しく盛り上がりに欠ける大会だったな、と。
「あの国内最強との呼び声高い真弘選手が16歳に負けるなんて」的なインパクトはあるものの、会場で見ている限りはセミ・メインともタイ人が日本人のよさを封じる展開で興奮に繋がるわけではなく。メインで真弘選手がTKOを宣告された瞬間に会場中のお客が一斉に席を立ったことが印象的でした。余韻を楽しむような空気がなかったような。
ある程度技術好きならいいんですが、ライトなファンにとってはきつかったのでは。そう考えると6-7割という客入りも妥当なものだったのかもしれません。

あと気になったのはワイクー。大会時間短縮のためにコール時のテープの投げ入れを禁止している全日本、であるならばワイクーもやらなくてよいのではないかと。お客からはそれほどニーズがあるとも思えませんし(まあタイ人のほうがやりたがったんでしょう)。ちなみに大会終了は21時半ごろでした。

posted by bjkf |23:39 | コメント(2) | トラックバック(0)
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