2007年05月31日
第3章では身体の各部の自然体について考えていきたいと思います。
頭は重い
頭部は口を開けるということ以外、大きく形を変えることはできませんので、それをコントロールするには首が重要です。
首は少し前に湾曲した7個の頚椎の連なりとそれを取り巻く数多くの筋肉からなります。
左右に180゜近く回旋します。前後左右に160゜くらい屈曲します。
それらの組み合わせで、かなり広い可動範囲があります。
首の自然な位置や形は、首が立っている胸郭の位置や形に大きく依存します。
ですから、首の位置や形を自然にしようとした場合、体幹の姿勢が自然でなければならないと言うことになります。
身体の一番上にあって重い頭は、うまくコントロールできると動作に有効に役立ちますが、うまくコントロールできないと邪魔になります。
良い例が、小さな子供です。
まだ幼い子供は、身体全体に占める頭の重さの割合が大きいのと、それを支える筋力が少ないことが、立って体を動かすとき、運動を制限する要素のひとつになってしまいます。
動き始めるときに、動く方向に首を傾け、重い頭を使って重心をそちらの方向に持って行けば、すばやく動き始めることができるでしょう。
そうしておいて頭の位置を固定させれば、身体の他の部分を頭を軸にしてスピードアップさせることもできます。
また、急激なストップをしたいとき、頭を運動の方向に投げ出すことによって、身体の重心を反対方向に保つことができます。
頭は体幹から離れていて、四肢のように運動そのものに使われることが少ないので、重心の移動に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
ですから、優秀な選手は総じて首が太く、体幹と強く結びついています。
重いものを動かす筋力も、それを使いこなす神経も、手足のように発達していてこそ、体重移動を伴った素晴らしいパフォーマンスを生むことでしょう。
ただ、重心の移動と言うのはあくまでも全身でのことなので、首だけで練習できることはほとんどありません。
posted by bigfield |11:57 |
自然体の研究 第3章 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2007年05月30日
とてもデリケートな蝶番
肩といっても漠然としていますが、今回の場合は鎖骨、肩甲骨、上腕骨の上部、その周囲の組織ということで研究を進めます。
肩は鎖骨と胸骨のところの関節でつながっているだけで、骨格的にはほとんど宙ぶらりんな部分です。
腕を使う動作をするときには、体幹の一部として腕の動きの起点になり、同時に腕と連動して細かな動作の調整を可能にしています。
鎖骨と肩甲骨の動く範囲が広いということは、腕の動作半径が広くなるということなので、それだけ動作に幅ができます。
鎖骨は胸骨を支点としていますし、肩甲骨は肩甲挙筋、菱形筋、僧帽筋で脊柱とつながり、上腕骨の上部に起始部のある大きな筋(大胸筋、広背筋)は直接胸骨、脊柱につながっています。
腕の動作を考えたとき、肩関節から先の動きだけ考えるのではなく、胸骨、脊柱のある正中線を意識することが大切だと言うことです。
さらに、健常者であれば左右に一対の肩があるわけですから、左右のバランス、連動ということも上手に行われなければ、動作全体が無理なものになってしまうでしょう。
宙ぶらりんな部分だけに、立っていればどこかしらの筋肉で吊り上げている必要があります。
吊り上げるための胸鎖乳突筋や肩甲挙筋、僧帽筋などは、ただでさえ疲労して肩こりになりやすい部分ですです。
それにもまして、敵と相対して緊張しているとき、動物的反射として、身体を大きく見せようとして肩を持ち上げようとします。
試合前の選手が肩を上下して、肩周囲をリラックスさせる必要があるのはそのためでしょう。
もしかしたら萎縮して肩をすぼめているからかもしれませんね。
いずれにしても、他の部分に比べて非常に心理的影響を受けやすい部分でもあります。
posted by bigfield |12:09 |
自然体の研究 第3章 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2007年05月29日
なんでもできる精密機械
人間は二足歩行で手が自由になり、大脳が発達して、手先が非常に器用になりました。
図らずも手が自由でない人に、機械などによってある程度のサポートを可能にしているのも、器用な手によって作り出された技術によるものです。
しかし、科学が発達して色々なロボットが開発されていますが、人間の手のように精密な仕事ができる機械が完成するには至っていません。
スポーツの場面でも腕~手は非常に重要な部分です。
体幹と肩関節でつながり、左右両側に突き出ている腕は、可動範囲が非常に広く自由です。
その部分の自然な状態というのは、身体のほかの部分の状態次第と言えるでしょう。
どういうことかというと、腕~手はそれ自体の動作の他に、他の部分の動作を助ける重要な役割も大きなウエイトを占めているということです。
例えば、走るとき右足が前に出るときに左腕を前に振るとか、高くジャンプするとき両腕を勢い良く振り上げるなど、腕の動きが加わることによってある身体全体の動作の質を高めることができるのです。
いくら自由に動くといっても、腕だけで何かできるわけではなく、体幹につながっているからこそ可能なわけです。
ですから体幹の側がフニャフニャしていたんでは、せっかくの腕のパフォーマンスも台無しです。
腕~手で思いどうりの動作をしようと思ったら、その土台として耐えうる体幹を作ることも重要だと言うことです。
posted by bigfield |13:01 |
自然体の研究 第3章 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2007年05月28日
小さな力で大きな効果
手の小指1本だけを見ると、なんだかひ弱で頼りなげな感じです。昔から女性のことを小指で表現するのも、そういうイメージからなんでしょうか。
しかし、握力が30kgの人ならば、単純な計算で指1本あたり6kgですから、小指の細さを割り引いたとしても4~5kgくらいの力はあるということです。
例えばラグビーで、華麗なステップを切る相手にタックルしようとしたとき、小指だけでも足首あたりに引っかけることができれば、脚がもつれて転ぶかもしれません。
例えばテニスで、チャンスボールが来たとき、小指が痙攣して利かなくなってしまったら、インパクトのときにラケットがぶれてネットにかけてしまうかもしれません。
たとえ小指1本でも、試合を決することになる場面もあるのです。
五体満足なのであれば、身体のどの部分もおろそかにしてはいけませんね。
手は器用な運動器であると同時に「触覚」でもありますから、知覚神経が細かくはりめぐらされています。
ですから、爪の根元のささくれなんかでも非常に気になります。
転んでできた擦り傷が膝にあったからといって、パフォーマンスに影響を及ぼすことはほとんどないでしょうけれども、手は多用する部分でもあり、目の前にありますから、小さなケガでも意外と影響が出てしまいます。
サッカーなど手を使わない競技は別にして、多くの種目で「手の健康」は非常に大きな意味を持つのです。
posted by bigfield |10:57 |
自然体の研究 第3章 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2007年05月27日
「姿勢が悪い」とは?
私がこの自然体の研究を始めたのは、あるスポーツ大会の開会式での来賓挨拶で、「外国のコーチに、日本の選手は姿勢が悪いと言われた」と言っていたのを聞いて、「そうなんだろうか?」と疑問に思ったのがきっかけです。
そんないきさつを抜きにしても、背骨=脊柱のあり方はこの研究の最重要部分であると言えます。
さて、日本人の姿勢が悪いと言われた件ですが、そもそも体型には人種的な特徴があります。
それぞれ一言で表すと、
ヨーロッパ系のいわゆる白人は「ガタイがデカイ」
アフリカ系のいわゆる黒人は「手足がひょろ長い」
アジア系のいわゆる黄色人は「小さくて軽い」
となります。
脊柱だけ見てみますと、白人、黒人は横から見たS字型の湾曲が強く、黄色人は湾曲が少ない傾向があります。
湾曲が強いと、肋骨が上に押し上げられ胸郭が前後に厚くなります。湾曲が少ないと薄くなるのです。
胸の厚い人と薄い人が並んで立ったら、厚い人は胸を張っていて、薄い人は肩をすぼめているように見えてしまうことでしょう。
それをもって「姿勢」が悪いと言ってしまうと、姿勢を作るときに大きな間違いを犯してしまうことになります。
かつて、日本よりもトレーニング理論が進んでいた欧米から、喜んで取り入れていたトレーニングのマニュアルが、実は日本人には適当ではなかったという例はいくつもあるのです。
では、日本人にとって「自然体で良い姿勢」とはどういうものなのでしょう。
posted by bigfield |11:11 |
自然体の研究 第3章 |
コメント(0) |
トラックバック(0)