2007年06月08日
動き始めの分類
スポーツをするとき、その競技に直接かかわる動き始めというのが必ずあります。
例えば、野球のバッターは打つことをしなければ競技が成り立ちませんから、「打つ」ことは競技に直接かかわる動きですが、ピッチャーがボールを投げるまで足をチョコチョコ動かしてタイミングを取ろうとしているのは、絶対に必要なわけではありませんので直接かかわる動きとは言いません。
ここでは直接かかわる動きについてのみ考えます。
スポーツにおける動き始めは、おおまかには三つに分類されます。
ひとつはヨーイドンで動き出すもの。
陸上トラック競技や競泳などは文字通りこの仲間です。野球のバッティングも分類としては同じでしょう。
ヨーイドン系と名づけます。
ふたつ目は自分のタイミングで動き始めるもの。
体操などの演技や野球のピッチャー、テニスやバレーボールのサーブ、ゴルフのスイングなどがここに分類されます。
自分勝手系と名づけます。
三つ目は相手やボールなどに合わせて動き始めるもの。
格闘技や多くの球技はこれです。サーフィンは波に合わせて動き始めます。
あなた次第系と名づけます。
実際には、テニスのサーブレシーブのようにヨーイドン系とあなた次第系が混ざっていたり、相撲の立会いのようにもっと複雑に混ざっているものもあります。
そして、どんなスポーツでも、一度動き出したらあなた次第系になります。
自分の状態、相手の動き、ボールの動きなどに合わせて次の動きを始めなければならないのです。
それぞれの分類によって求められることは異なりますので、当然、その時の自然体とはどうあるべきかというのも違ってきます。
posted by bigfield |20:15 |
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2007年06月07日
ヨーイドン系に求められるもの
陸上短距離、水泳、スピードスケートなど、神経を研ぎ澄ませてスタートの合図を待ちます。
この時、ドンの合図で求める動きを起こせるような体勢が求められます。
まったく力が入っていない筋肉に一瞬で100%収縮しろっていっても無理があるので、ヨーイの合図である程度力を入れておきます。
とは言っても、一方方向に力を入れれば身体は動いてしまいますから、それと拮抗する力(重力も利用します)も加えておきます。
そしてドンの合図で収縮すべき筋肉にさらに力をいれ、同時に拮抗してつっかえ棒になっていた力を抜く。これでドカーンとスタートできるわけです。
この時、重心を大きく速く移動させるためには、接地しているところに加わる力が、反力として全身に伝わらなければなりません。足の裏で地面を押す力が頭のてっぺんから指先まで100%伝わってこそ良いスタートと言えます。
野球のバッティングの場合も、足がしっかり地面をとらえていなければバットを振ることはできませんから同じです。
しかし人間ですから、ヨーイで構えた時にとった体勢が常に完璧とはいきません。
この時、全身の神経が反射して、身体のある部分で足りないことを他の部分で補って完璧に近い状態に持っていこうとします。
よくトレーニングされた人は、大脳で考えなくても自然体でそれが行われるので、いつでも完璧に近いスタートができるのです。
逆にそれをできなくさせるのは、プレッシャーだとか迷いだとか、大脳が作り出す条件であることの方が多いでしょう。
posted by bigfield |13:16 |
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2007年06月06日
自分勝手系に求められるもの
ヨーイドンじゃなくて自分のタイミングで始められるものはどうでしょう。
ヨーイドン系ほど神経は使いませんが、一度動き始めたらやり直しはできませんので、やはりベストに近いタイミング、フォームを求めます。
自分勝手に始められるからこそ完璧を求めますので、大脳が余計なことを考えすぎて失敗してしまうこともあります。
また、いくら自分勝手に始められるからといっても、ほとんどの場合時間制限はありますから、あまり時間をかけすぎると制限時間に余裕がなくなり焦ってしまうことになります。
何らかの迷いを生じてしまっているようなとき、自分から動き始められず、いっそ誰かにヨーイドンと言って欲しいと思うこともあるでしょう。
自分勝手にできるだけに、メンタル面の影響を強く受けてしまいがちなのが、この自分勝手系と言えるでしょう。
posted by bigfield |15:46 |
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2007年06月05日
あなた次第系に求められるもの
動き始めは、自分のことより、まず先に自分を動かす対象に気を使います。
格闘技ならば戦う相手、球技ならばボールと自分以外の選手、サーフィンで言えば「波」です。
この時、ある一方方向に力が入っていたら、逆を取られた場合、動きが遅れてしまいます。相手にそれを利用されてしまえば、すなわち負けです。
わざとそうさせてその裏をかくということもあるかもしれませんが、その場合でもすぐに相手の動きに対応できる準備をしておかなければなりません。
かなりニュートラルな状態で待っている必要があるわけです。
ただ、完全に力を抜いた状態では、すばやく対応できなくなってしまいますので、小刻みに体を動かしておくとか、つま先に体重を乗せておくとか、少しは筋肉に緊張を与えておく必要があります。
そうしておいて、対象が動いたらそれを身体の諸器官で察知して神経に反射させるのです。
さらに、それは一連の動きの中で常に行われていることなので、どこが動き始めなのかはっきりしないことがほとんどです。
相手に合わせて動き始めたら、相手のそれはフェイントで、自分も違う動きをしなければならないなんていう場合、一度動き始めたものをやめて違うことを始めるわけですから、動きながらもすぐにニュートラルな状態を作らなければならないのです。
相手のどんな動きにもすぐに対応しうる状態が、この場合の自然体ということになります。
“隙がない”ってことですね。
posted by bigfield |14:49 |
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2007年06月04日
動きながら何を考えているか
動き始めてしまえば、身体は動き始めの「あなた次第系」と同じことの繰り返しということになります。
あらゆる状況変化を、身体全体の諸器官を使って感知し、すばやく最良な方法で反射して筋肉を動かす。(この“最良”な選択というのが、第1章で述べたように、練習量によって差が出てくるところです。)
その時、大脳はと言うと、その局面のことよりも、次に行うべきことを考えていなければなりません。次の次、あるいは優秀であるほどもっと先のことを考えています。
「今、このような状況だから、ああしてこうしてそうなれば勝てる」と、将棋や碁のように論理的に自分の戦術を積み上げています。
さらに、そのような思惑通り行かなかったときには、すぐに別の方法を選択していきます。
これも練習や試合の経験を積むことによって、身体の反射のように反射的に思い浮かぶようになります。
実際には、「あれをこうして…」などと言葉で思っているわけではありません。「あッ、右に行かなきゃ」なんて、言葉では行動に移るまでに時間がかかりすぎてしまうのです。
選手は映像を頭に描きながら運動しているのです。
その映像と自分の動きが合致するようにするために、その相違点を身体中で感じて、反射して修正しながら動いていくのです。
posted by bigfield |11:42 |
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