2007年06月18日

自然体の研究 序章

 自然体と言っても漠然としていて分かりずらいですが、ここではスポーツにおける身体的な自然体について考えていきます。心理的なことについては、あえて触れません。

 初回はおおまかなこと。
 本来、動物と書くものたちは動けないことは死を意味します。ありがたいことに現代は医療の進歩のお陰で、動けなくなってしまってもなんとか生きていくことはできますが、元々身体は動くように作られているのです。それもビックリするくらい機能的に作られています。
 例えば、ネコが高い塀の上に向かってジャンプするとき、身体全体をばねにして驚くべき跳躍力を発揮します。イルカが海を泳ぐとき、尾ひれをモーターボートのように激しく動かしているわけではないのに、それに負けないスピードで泳ぎます。
 それらの機能は、他の色々な機能を犠牲にして得ていると言えますが、人間は大脳をはじめとして色々な機能を充実させたために、どの機能も中途半端です。それでも、人間の本来持っている運動能力も捨てたもんじゃありません。
 そう。人間の本来持っている運動能力をそのまま発揮すること。それこそここで言いたい自然体です。


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2007年06月17日

自然体の研究1-2 人間の能力

人間が本来持っている身体的能力を考えてみましょう。

 2本足で立っているので、手と足が別々のことができます。
 手でボールをバウンドさせながら走るとか、手で引っ張りながら足で相手の足を払うなどです。
 しかし、手は手だけのこと、足は足だけのことをやっているわけではなく、「ドリブル」とか「出足払い」という一連の動作としての技術になっているのです。
 実際には手足だけではなく、身体のあらゆる場所が総動員されて動いています。
 そういった一連の動作は、大脳、小脳、延髄、脊髄などの中枢神経によって統御されています。
 それは原始的、動物的な機能ですが、訓練によってより複雑な動作も、より巧妙にできるようになります。
 ただ歩いているだけでも、自然と出す足とは反対の手を前に振りますし、フラフラせずにまっすぐ進むことができます。それを訓練すると、幅10cmの平均台の上で走ったり跳んだりできるようになります。
 これらの発達というのは筋肉の量の変化によるところは少なく、ほとんどは神経の発達によります。知覚神経、運動神経とそれらの情報を統御する中枢神経の発達が欠かせないのです。
 そして、人間は他の動物に比べて大脳が発達していますので、運動を行うために神経を発達させる能力にも優れていると言えるでしょう。
 その分、かなり無能で生まれてきますけど、それは逆に発達力によって環境に適応できる能力とも言えるかもしれません。

 人間はかなり複雑なことでもうまくやってのける機能を修得できる潜在的な能力を持っているのです。

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2007年06月16日

自然体の研究1-3 トレーニング

トレーニングとは環境適応能力を引き出すためのものです。

 箸より重いものを持ったことがないというお嬢さんが、少しずつ重いものを持つようにしていきます。すると、あら不思議。重いものを持てるようになるじゃありませんか。
 お嬢さんの身体は、箸を持つには足りていましたが、それより重いものを持つようにはなっていなかった。それを『重いものを持つ』という違う環境に放り込むことでその環境に適応させる。要するに筋肉や関節組織などを強くしたということです。
 高度にトレーニングされた選手は、その競技を行うための環境に身体が適応しきっています。
 例えば・・・
 カーブを投げるピッチャーは、初めは色んな握り方や腕の振り方など、大脳で考えて練習します。
 次第に自分に一番合っている投げ方を見つけ出し、少しずつ修正を加えながら何度も何度も投げてみます。
 しばらくすると、いつも同じ曲がり方でコントロール良く投げられるようになります。この時、カーブを投げるという動作のほとんどを脊髄での反射で行えるようになっています。
 筋肉や関節のみならず、非常に細かい神経の働きに至るまで、カーブを投げなくちゃいけない環境に適応した ということです。

 毎日長い距離を走っていれば走れる人になる。毎日ストレッチしていれば身体の柔らかい人になる。いずれも、身体に課した苛酷な環境に身体が適応したということ、イコール、トレーニングの効果が現れたということです。
 逆に、いつまでも同じトレーニングをしていても、すでに適応してしまっている身体には変化はおきなくなりますし、トレーニングをしなくなれば必要のない筋肉などは減少していきます。


posted by bigfield |12:37 | 自然体の研究 第1章 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年06月15日

自然体の研究1-4 朝飯前

運動に適応した身体とは?

 人間が生まれて、寝返りをし、ハイハイをし、つかまり立ちからやがて歩くようになる。これは赤ちゃんが歩くための身体の色々な働きを修得していく過程です。歩けたということは、歩くことに身体が適応したと言い換えることが出来ます。
 歩けるようになった赤ちゃんは『右足を出しながら左手を出して、次は左手を・・・』とか、『おっと体重が前にかかっているから転ばないように足を出さなきゃ』とか、大脳で考えているわけではありません。
 一度動き出したら、ほとんどの動作は脊髄や延髄、小脳など、意識とは関係のないところで統御されています。前述のようにいちいち大脳で考えて動いていたんでは動きがぎこちなくなるでしょうし、とっくに転んでいることでしょう。
 中枢神経は繰り返し行った動作を次第に覚えていきます。『右足を出すとき右手を前に出すと転びやすい』なんていう失敗も記憶されていきます。
 繰り返し動作を行うことによって、その動作のための筋肉も発達していきます。
 そうして目的とする動作が効率よくできる神経の反射のシステムと筋力が出来上がります。
 そのように身体が覚えてしまった状態を「適応した」と言い、そういう動作を「朝飯前だぁ」と言います。

 ただ、スポーツとなると朝飯前の動作をたくさん複合して行わなければなりません。また、ボールの動きに合わせたり、抵抗する相手を投げ飛ばしたりと、自分勝手に動けない面もあります。
 スポーツを行うには神経の反射のシステムをより高度に作り上げていかなければならず、同時にそれに対応しうる筋肉も作る必要があるのです

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2007年06月14日

自然体の研究1-5 臨機応変

スポーツに適応するには?

 スポーツでは、あらゆる場面で複雑な動作や臨機応変な対応が求められます。
 特に練習の量によって優劣の差がひらいてくるのが、臨機応変に状況にあわせて身体が動くかどうかということです。
 変化する状況は、内的要因と外的要因とに分けられます。
 内的要因は、疲労度合いとか、やる気とか、自分の中にあるいわゆる「調子」のことです。
 いろいろな「調子」を練習の中で実際に体験していればこそ、その時の「調子」に合わせてベストのパフォーマンスを引き出す術を知ることができます。毎日毎日、調子が良かろうと悪かろうと練習をしてこそ身につくものです。
 外的要因はさらに2つに別れます。
 グラウンドのコンディションや用具の工夫など、自分できちんとやれば良い状況を保てるような半外的なものと、天気や相手の強さなどのように、いくら自分が何かしても変わらないような完全外的なものです。
 いずれにしても、どんなに悪い状況下でも自分のベストのパフォーマンスを引き出したいと思えば、あらゆることを想定して練習をしておくべきなのです。例えば、ゴルフ練習場でベストショットを連発していても、ゴルフ場のちょっとした傾斜によってガタガタになってしまうようでは、良い練習をしたとは言えないのです。

 当たり前のことですが、そのスポーツに適応した身体を作ろうと思ったら、そのスポーツを行う以外ありません。さらに優秀な選手になろうと思うなら、毎日のようにたくさん練習し、あらゆる内的、外的条件を体験しなければならないということです。
 そうして人間の身体のシステムは、大脳の力を借りなくても、あらゆる状況に応じて一瞬で対応できるようになるのです。


posted by bigfield |11:38 | 自然体の研究 第1章 | コメント(0) | トラックバック(0)
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