Armar know Jack Bigwild

流した汗と涙の量が感動の大きさの違い

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先日、ラジオを聞いていたら、作家の倉本聰氏が次のような主旨ことを言っていらっしゃいました。
「スポーツ観ていて味わう大きな感動を、演劇では起こせていないのではないか。それはスポーツ選手と俳優の流した汗と涙の量の差なんじゃないか。」
さすがは文学者だなぁと感心し、共感しました。
子供の運動会のリレーを見たって両親は感動はしますが、赤の他人はそうでもないでしょう。運動会の子供なんかはたいして努力なんてしてませんもんね。でも、オリンピックやプロスポーツの年間チャンピオン決定戦なんていうのは、永年過酷な練習に耐えて、数々の挫折を乗り越えて、やっとそこに辿り着いた選手たちの一世一代の真剣勝負ですから、そりゃあ地球の裏側に住む人達だって感動しますよね。

そう、スポーツにおける地球規模の興奮、感動というものは、そこに集う選手達(家族やコーチなど選手を取り巻く人々を含めて)の努力の量の総和に比例するのかもしれませんね。

それで、倉本氏は俳優さんたちに体力的に大変な役柄を与え(詳しくは『走る 2017』)、1年くらいかけてトレーニングをしたそうです。しかし、過酷なトレーニングで脱落する人も少なくなかったそうです。

スポーツと演劇と、劇的に違うのは“勝負”の質とか方向だと思います。
スポーツの場合は、同じ立場で競い合うライバルが隣りいて、タイムや点数や組み伏せたりということで、明確に勝敗が決まりますが、俳優さん同志は演技を競うことはあったとしても、明確に点数などで勝敗が決まるわけではありませんし、同時にまったく同じ演技をすることはほとんどありません。スポーツとはまったく異質のものです。
よく俳優さん達が口にするのは「観客との勝負」という言葉です。「自分の表現をどう受け止めるのかっ?!」と観客席に問うているということなんでしょうか? あるいは「どうだ、面白いだろう」「さあ、そろそろ涙をこぼれさせてやるぞ」と仕掛けているということなんでしょうか? いずれにしても、スポーツの勝負とは本質的に違います。
スポーツは、あまりにも単純で明確な勝ち負けがあり、それだけのために真剣に戦うところに興奮し、勝敗が決した時のカタルシス的な感動があるんだと思います。

勝負の質が違えば、当然努力の仕方だってまったく違うことになります。
俳優さんだって、オリンピックのチャンピオンに負けないくらいの年月をかけて、一生懸命努力した人だっていると思います。
でも、まさか高地トレーニングで反吐を吐くまで走ったり、鉄棒から落っこちて股間を強打したりってことはないと思います。
逆に、スポーツ選手は毎日発声練習したり、自分の本心じゃないセリフを言いながら涙を流すような気持ちの作り方の練習なんてしたことないと思います。
汗と涙の量の差が感動の大きさの差というのは、倉本氏の言うとおりだと思います。だから、ロングランで何年も何年も人々に感動を与え続けるようなたくさんの人の汗と涙の詰まった演劇は、感動の総量で言えば、スポーツの瞬間的な感動の量と変わらないのかもしれませんよね。


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