2012年03月31日

ベースに加えたのは、指揮官流・バランスを保つアプローチ-FC東京×サンフレッチェ広島

 今回のマッチレポートはJ1の第4節、FC東京とサンフレッチェ広島の一戦。

 FC東京はJの数試合やアジアチャンピオンズリーグを見たが、成長する余地は大いに残されているチームだと思う。石川の爆発的なスピードと梶山の献身が光るが、後者は負傷でベンチ外。移籍が成功した感のある長谷川も出場停止で不在。そんなチームのスタメンは以下の顔ぶれ。権田、徳永、森重、加賀、太田、高橋、石川、羽生、田邉、谷澤、ルーカス。

 一方のサンフレッチェ。監督交代を断行したいくつかのクラブが大苦戦を強いられている中、引継ぎは順調に行なわれた。前評判はあまり高くなかったが、2勝1敗の滑り出しはまずまずで、選手たちも自信を口にしている。スタメンは西川、森脇、千葉、水本、ミキッチ、青山、森崎和、山岸、大崎、高萩、(佐藤)寿人という顔ぶれ。

 5+4の選択、つなぎにはこだわらないスタイル。


 最終ラインから細かくパスをつないでいくサンフレッチェのスタイルだが、森保新監督はバランスを意識したチームづくりに挑んでいる。攻撃色の強いFC東京とのアウェー戦ということで、まずは守備を固めるのも当然の選択なのだろう。両ウイングバックが最終ラインまで下がり、高萩と大崎のシャドーも中盤アウトサイドで守備に奔走し、5+4で相手の攻撃を食い止める。5バックは昨シーズンも見られた形だが、シャドーの守り方はより徹底されていた。

 森脇、千葉、水本らの最終ラインはつなぎにそれほどこだわらなかった。アウェーということもあるが、FC東京のショートカウンターの餌食になるのは避けたかったはずだ。縦に速い展開になったのは自然な流れで、シャドーの位置に入った大崎にとっては願ってもない展開に。裏への抜け出しを何度か見せた新鋭は、チームの平均年齢を下げる為の起用ではないことを証明する。

 強い風雨が襲う中、FC東京がやや押し気味だったが、寿人のボレーや大崎のシュートなど決定機はサンフレッチェの方が多かった。相手の分厚い守備の前にシュートまで持ち込めないホームチームは梶山と長谷川の不在も響いている。

 先制点をもたらしたミキッチの献身。


 後半に入り、両チーム共に先制点が欲しい展開で、試合を動かしたのはピッチの中で最も目立っていた選手の一人であるミキッチだった。56分、右サイドからドリブルでボールを運び、ファーに走り込んでいた寿人にラストパス。これをエースが決めて、サンフレッチェが先制した。クロアチア人アタッカーのアシストも見事だったが、自陣まで引いた時の精力的な守備も際立った。

 石川を中心に攻め立てるFC東京だったが、「攻守の切り替えを早くする」「コンパクトブロックを形成する」などの意思統一が図られたサンフレッチェを崩すのは困難だった。寿人らは前線で攻撃を遅らせる意識を随所に見せ、守備陣はシュートを打たせない粘っこいディフェンスを続けた。これまで積み重ねてきた正確なパスワークはペナルティエリア近くでのいなしで効果を発揮する。もちろん西川が最後尾に控えている安心感もあるだろう。

 ポポヴィッチ監督の檄は思うように届かず、途中から送り出した渡辺らは違いを生み出せず。横浜からやってきたストライカーは力みがプレーにも表情にも出ていた。余計なカードをもらった選手たちも含め、リーグ戦の初黒星に対する反省材料になったはずだ。

 チームの中で機能しつつ、そこに持ち味を。


 もしかしたら5本のシュートに留まったサンフレッチェに対し、守備偏重という批判があるかもしれない。リードしてからの展開は「よく耐えた」「なかなか攻撃に転じることが出来なかった」と意見が分かれるだろう。ただアウェーのFC東京戦に挑むアプローチとしては正しかったという声が大きいのではないか。守備を固めて、右サイドのミキッチ、大崎、寿人のスピードをゴールに結びつける策は成功したのだから。

 個人的に少々不満だったのは高萩と山岸。展開を考えれば、左サイドでプレーする時間が長かった彼らが攻撃的に振る舞い続けるのは無理があった。ディフェンスのタスクはしっかりこなしていたが、わずかながら魅せてもよい場面はあったと思う。期待値が低くないだけに、限られた中でそれぞれの持ち味を出して欲しかった。

 決勝点を挙げた寿人はJ1での100得点達成にまた近づいた。ボールを引き出す動きは秀逸で、高萩や大崎が彼に活かされる場面も今後増えていくはずだ。途中出場のソッコ(どうしてもミック・フォーリーを思い出す名前である)や野津田とエースの絡みもこれから楽しみだ。

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posted by 香椎 |23:27 | J1/J2 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2012年03月30日

「香川真司の契約延長・移籍問題について考える」の再考-ドルトムントに欠かせない男の未来とは

 今回の記事は、「香川真司の契約延長・移籍問題について考える-ドルトムントに欠かせない男の未来とは」に寄せられたコメントを基に書いたものになる。さまざまな意見を述べてくださった、tinさん、さかきさん、カリガリさん、ところてんさん、ゆーるさんに感謝を。

 おさらいだが、一週間前に私が皆さんに尋ねたのは以下について。
 ① 香川の移籍のタイミングはいつか、例えば今シーズン後はふさわしいか。
 ② 移籍するなら、どのクラブか。

 フルシーズン戦うのは初めて、欧州で結果を出してからでも。


 まず移籍時期だが、「今しばらく(2,3シーズンは)ドルトムントで」という意見が大半だった。その理由はクロップ・プロジェクト(厳密にはそのような言い方はないだろうが)にある。求心力に優れる指揮官も成長途上の主力たちも契約を延長した。移籍が噂される至宝のゲッツェもその一人。香川の残留が叶えば、バイエルンに対抗できる、本物のチームが誕生することになる。年俸倍増のオファーを提示したことが判明しており、直にそうなるかもしれない。
 
 とはいえ、プロジェクトはまだまだ道半ば。今シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(CL)は成功とは言えないだろう(グループリーグ最下位で敗退)。香川が欧州でフルシーズンを戦うのは初めてであり、CL(+ヨーロッパリーグ・EL)での経験は明らかに不足している。サッカー人として高みを目指すのは当然だが、ドルトムントでもっと高みに到達してから、ステップアップを狙っても遅くない。

 個人的には日本人選手の移籍において大切なことは、高い年俸を保証されることでも、ステータスを得るためでもない。そうではなく、常にプレーすること。アーセナルやバイエルンといったビッグクラブに日本人が在籍する時代だからこそ、強くそう思う。香川がプレーできなければ、日本代表にとってマイナスであり、負傷していないのにベンチに座っている姿は見たくない。

 数年後にトランジットなしでバルセロナへ?


 続いて移籍先について。ビッグクラブの需要という視点から残留すべき、という意見があった。例えばアーセナルはアルテタやロシツキが健在で(そもそも補強すべきはもっと後方のポジションではないか)、ザッケローニ代表監督の古巣であるユヴェントスは、鍛えられそうではあるが、あまりイメージは湧かない(4-2-4や4-3-3にはトップ下らしいトップ下のポジションはない)。また、補強資金でそれほど困らなそうなマンチェスター・シティとレアル・マドリーは2列目の選手が既に充実している。

 少し話は逸れるが、数年後のシティがどうなっているか分からないように、ユーヴェやリヴァプールも数年後には栄光を取り戻しているかもしれない。ビートルズ来日50年の節目まであと4年。名門で日本人が活躍する姿、あるいはイブラヒモビッチ(ミラン)やルーニー(マンチェスター・ユナイテッド)といった選手とプレーすることを想像するのも愉しい。

 話を戻そう。いくつか移籍候補を挙げてきたが、本命は香川本人も意識しているバルセロナだろう。シャビやイニエスタが健在で、セスク、アレクシス・サンチェス、アフェライ、カンテラ育ちの若手も控えている。ただ、選手獲得にはグアルディオラ監督の意向が反映されるようで、「香川が欲しい」と言えば分からなくなる。とはいえ、欧州レベルでインパクトを残して、スペインに旅立つのがより現実的に思える。

 イニエスタが30歳になる3年後がタイミング(香川は26歳)という意見と関連するが、移籍にワンクッションを挟むと、脱出が困難になる可能性がある。ドイツで経験を積んでのバルセロナ直行便というシナリオは地に足がついたものであり、理想的かもしれない。

 

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posted by 香椎 |21:52 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2012年03月29日

横綱に絶対的な強さは見られずとも、全勝優勝の鍵は万全な心身。

 たまにはサッカー以外の話題も…ということで。以前は野球スキーを取り上げたことがあるが、今回は相撲について書こうと思う。私事で恐縮だが、子どもの頃に好きな力士は武蔵丸だった。強さと脆さとキャラクターが魅力だったが、最も記憶に残っているのは魁皇の怪力に屈した一番。あの巨体が一本背負いで投げ飛ばされたのだ。もう10年以上前の話である。

 そんな私が応援したくなるのは、いかにも人の良さそうな「お相撲さん」らしい関取。今で言えば白鵬だ(ヒール役が似合った朝青龍という存在がいたからかもしれないが)。そんな横綱の、ある種「衰え」を指摘する記事を見つけた。春場所後に横綱審議委員会の鶴田委員長が「一昨年は4回あった全勝が昨年から一度もない。勝ち星の数を見る限りでは、ピークは過ぎたのではないか」と発言したというもの(毎日新聞より)。

 横綱を甘やかす委員会でないとはいえ、なかなか厳しい見方だろう。白鵬が8場所連続で全勝優勝を逃しているのは事実だが、そのうち6場所で優勝を果たし、残り2場所も3敗まで踏みとどまっている。一人横綱としての重責は果たしているのではないか。そもそも全勝優勝は至難の業であり、朝青龍の5回、貴乃花の4回、武蔵丸の1回に比べて、白鵬は既に8回も土付かずの優勝を達成している。

 因縁めいた春場所を乗り越えた。


 近年はトラブル続きの大相撲。昨年の八百長騒動は決定的であった。春場所が中止に追い込まれる前代未聞の事態。横綱というトップの地位に君臨し、歴史を背負う力士の心中はいかばかりか。そして、本来であれば初日の2日でもあった3月11日。自身の誕生日ということもあり、ショックは小さくなかったはずだ。抱えなければいけない横綱としての責任は、何度か目にしたインタビューからはひしひしと伝わってきた。余計なものを抱え込んでしまった印象があるが、彼に非はない。

 春場所の優勝インタビューで古傷についても触れていた。メンタルではない、フィジカルの部分について。稽古量はおそらく満足いくものではなかったのだろう。だが、傷が癒え、稽古の虫に徹すれば、遠からず、連勝記録を伸ばし続けた頃の絶対的な強さが見られるはずだ。因縁めいた春場所に区切りもつき、大関陣が「大」奮起しなければ、近々9回目の全勝優勝を達成するのではないか。好きな力士に対する願望も込みだが、果たして。

 

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posted by 香椎 |23:00 | 相撲 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2012年03月27日

鬱憤が爆発、ロナウドの笑顔も弾ける-レアル・マドリー×レアル・ソシエダ

 リーガ・エスパニョーラの第30節、レアル・マドリー対レアル・ソシエダの一戦は、ホームチームが5点を奪って圧勝。揃ってゴールを決めたイグアインとベンゼマのリーガでの得点は30を超えているが、ロナウドはこの日の2ゴールで得点数を35に伸ばした。驚異的な数字である。

 驚異的と言えば、ロナウドがリーガ100ゴールを最速(出場92試合目)で達成したことも話題に。1940-60年代のレジェンドであるディ・ステファノは115試合、シャルケでプレーするラウルは212試合で達成しているだけに、CR7が凄まじいペースでゴールを量産していることが分かる。ソシエダ戦でも明らかだったが、表情に滲み出る傲慢さとゴールを決める際の冷静さが記録達成を後押ししたのは間違いない。

 カカはもっとやれるか。


 ところで、久しぶりにリーガでのマドリー戦を見たが、ロナウドが気持ちよくプレーしているというのが率直な感想。カウンターのスピードは相変わらずで、ペナルティエリア内での迫力は半端でない。やはりロナウドの存在感は際立っていた。月並みの表現だが、彼を中心とする攻撃陣を止めなければならない相手は大変だろう。

 他に気になったのはカカ。絶妙なスルーパスもそうだが、チームメイトのお膳立てをしようという意識を感じた。プレーエリアも下がり目という印象。組み立てに参加するほど、最前線での怖さは少々薄れるかもしれない。だが、チームに何かをもたらせる余地は十分にある。マドリーでの日々は決して満足いくものではないだけに、今シーズンの締めくくりに向けて、決定的な仕事がしたいと思っているはずだ。

 カカだけでなく、チームも昨シーズン以上のものを勝ち取りたいと思っているはずだ。ビジャレアル戦の退場で処分を受けたモウリーニョが不在な上に、引き分けが2試合続いていたということもあり、選手たちのモチベーションは高かった。それに呼応したように、サンティアゴ・ベルナベウも素晴らしい雰囲気を作り出していた。最近の鬱憤を晴らし、ロナウドの自尊心もより高まった。リーガもチャンピオンズリーグも佳境に向かう中で、マドリーにとって大きな意味を持つ勝利になったと思う。

 

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posted by 香椎 |14:25 | リーガ・エスパニョーラ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2012年03月26日

ローマがディズニーとの提携を発表、北米進出は成功するか。

 ローマのアメリカ進出の一環が、先日発表された。セリエAのクラブと6年契約のパートナーシップを結んだのは、ESPN Wide World of Sports Complexである。

 コンプレックス=巨大な施設群はウォルト・ディズニー・リゾート(フロリダ州・オーランド)の敷地内にあり、そこではプロ・アマ問わず、さまざまなスポーツ選手がトレーニングを積んでいる。コンプレックス側の利点は、彼の地でトレーニングを積んでいる選手や、施設そのものに、イタリアの経験が注入されることだ。

 スポーツ専門チャンネルとしておなじみのESPNの施設がリゾートの中にあるのは、ディズニーの傘下に入っているからである。もしかしたら、セリエAの強豪とミッキーマウスの化学変化が生まれるかもしれない。ディズニー経営陣は、勢力拡大に意欲的であり、サッカー界に関わることはビジネスチャンスと捉えているのだろう。いつの日か、ローマのユニフォームにDisneyの文字が入ることも…?

 ディズニーとの関係強化、ローマの冬も変えてしまう?


 アメリカ人オーナーの新体制が始まって一年ほどが経つローマ。米国(の企業)との関係が強くなるのは自然な流れだが、それはローマの冬も変えてしまうようだ。来シーズンからチームのウインターキャンプは温暖なフロリダで行なわれる見込みだ。スポーツディレクターのバルディーニは素晴らしい施設と太鼓判を押している。1月の最高平均気温は21℃(ローマは13℃ほど)であり、負傷者のリハビリにも好影響かもしれない。

 選手補強の戦略にも影響はあるのだろうか。米国プロリーグの選手が期限付きで加入(ベッカムのような)するなど、米国とのゆかりが深い選手が加わる可能性はある。ただ、それ以上に現地の育成組織との交流が本格的になることが予想される。ローマの有望株が経験を積むべく派遣される、あるいはその逆も考えられる。

 北米でのマーケティングを成功させる鍵は。


 サッカーの収益の三本柱で言えば、今回の件はマーケティングに直結する(後はスタジアムとテレビ放映権)。上手くいけば、ビッグマネーが動くかもしれない。ただ、肝心のサッカーである程度の内容と結果が伴わなければ、お膝元の批判を浴びる。もし来シーズンの欧州チャンピオンズリーグの出場権が手に入れば、多くの人は満足し、可能性は広がる。北米のファンはCLを楽しんでいるし、そこで活躍する選手の知名度は大きい。しかし、欧州への切符が手に入らなければ…。

 ルイス・エンリケら首脳陣はアイデンティティを見つけられるか。誰しもが、バルセロナのサッカーをまるまるコピーする必要はないと感じているが、トッティ不在でも、形になるサッカーを見せないといけない。彼はアイドルだが、いつまでも現役というわけにはいかないのだから。

 ローマのアメリカ進出はポジティブな印象を受けるが、それが今後どう転ぶかは、やはりピッチの中次第と言える。

 

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posted by 香椎 |20:53 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2012年03月22日

香川真司の契約延長・移籍問題について考える-ドルトムントに欠かせない男の未来とは

 海外でプレーする日本人で最も注目を集める一人が、ドイツ・ブンデスリーガで活躍を見せる香川真司である。彼がドルトムントと結んでいる契約は2013年6月までとなっている。シーズンも佳境に入りつつあるが、去就について触れる記事も増えてきた。

 彼を獲得する為に必要な移籍金は1700万ユーロとみられる。これだけの額が払えるクラブは限られてくる。とはいえ、23歳のアタッカーはブンデスの首位チームで、ここまで9ゴール・8アシストを記録している。契約期間も相まって、移籍の話が浮上しない方がおかしい。

 移籍のタイミングはいつか、移籍先はどこか。


 およそ一年前に「マンチェスター・ユナイテッドの補強方針について考える-アレックス・ファーガソンのチームに欠けているピースとは」という企画を行なった際に、さまざまな意見を頂いた。例えば中盤。スコールズが引退するポジションに誰を後釜として獲得するか。ロドウェル、モントリーヴォ、ゲッツェなど様々な案が上がり、なかなかの盛り上がりだった。まさかスコールズが復帰するとは思わなかったが。

 今回の論点は、香川の移籍のタイミング(移籍するなら向かう先についても)である。ブンデスを常にチェックしている方、獲得の噂が浮上するプレミアリーグをフォローしている方、(獲得は難しいだろうが)スペインやイタリアのクラブを応援している方など、さまざまな意見があると思う。以下のフォーマットを用意したので、それぞれの考えを述べて頂ければ嬉しい。

 ① 香川の移籍のタイミングはいつか、例えば今シーズン後はふさわしいか
 ② 移籍するなら、どのクラブか(それぞれ理由が添えてあるとありがたい)

 個人的な意見は、移籍うんぬんより、クロップ監督率いるチーム(香川がトップ下のチーム)がどこまで進化するか見てみたい。監督との信頼関係もそうだが、ファンや仲間から愛されているのは、さまざまな媒体から伝わってくる。欧州行きの切符を有するドルトムントで力を蓄えるのも悪くないが、何より同じチームでファンから長く好かれる彼を見てみたいという願望もある。

 繰り返しになるが、是非多くの意見を寄せてもらえれば。

 

 長文でしたが、読んでいただいてありがとうございました。読んだ感想をコメントしていただけると嬉しいです。

 なるべく早く返信したいと思っていますが、頂いたコメントを基に記事を書くこともありますので、割愛させてもらうこともあります。その際はご容赦を。

 記事の更新は不定期ですが、お気に入りに登録する、あるいはツイッター(@FOOTBALL_kashii)でフォローするなどしてもらえれば有り難いです。では、次回の更新まで、しばしお待ち下さい。

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2012年03月21日

ライバルたちはミランから勝ち点をもぎとった、ローマの土曜日はいかに。

 ベルガモでの体たらく、アタランタのカウンターの餌食になってから。ローマは再び息を吹き返し、サン・シーロに乗り込む。

 

 前節のジェノア戦。オスバルドによる、ペナルティエリア内で冷静な仕事からのゴールを守り切った。勝利の翌日、ルイス・エンリケ監督は選手にオフを与えたが、それでも練習場に姿を現した選手もいる。

 負傷中のトッティとピアニッチはピッチやジムで体を動かし、フィジカルセラピーを受けた。デ・ロッシ、ステケレンブルクに次いで出場しているピアニッチはすぐに戻れそうだが、トッティは分からない。

 ジェノア戦の勝利に貢献したグレコ、タッデイ、ボージャンも練習場に現れた。エインセも軽く体を動かしたが、気になるのは同胞の仲間。膝の怪我で長期離脱中のブルディッソは個人用のメニューを消化し、既にランニングも開始している。公式の動画では気持ちよさそうにトレーニングをこなしている。今シーズン中の復帰は果たして。

 終盤で、狡猾な仕事を。


 土曜日のミラン戦は、来シーズンの欧州チャンピオンズリーグ出場を目指す上で重要な一戦となる。3位のラツィオと6位のローマの勝ち点差は4。前回対戦は2-3で敗れているとはいえ、何とか勝ち点を上積みしておきたいところ。ここまで20得点を奪っているイブラヒモビッチに再び仕事をさせてはならない。

 新プロジェクトのはじまりの一年を、ある程度の満足感を得ながら終えるために。求められるのは狡猾な仕事。ローマが後半40分から失点を記録した試合は7試合(リーグ戦)もあるが、そのシナリオは3種類。まず、そのうちリードしながら追いつかれた(1試合)。次に、1点差で追いかけながら失点した(3試合)。最後に、同点だったのに決勝点を奪われた(2試合)。看過していい数字ではない。

 ウディネ、ナポリ、ラツィオとのCL争いにおいて、ミランとの勝負が鍵を握るかもしれない。ウディネは勝ち点1、ナポリは4、ラツィオは4を首位チームから既にもぎとっている。おそらくローマが大差で勝利することはない。上のシナリオのいずれかで終盤に突入する可能性は十分にある。厳しい時間でも集中力を維持できるか。

 それでも、ミランとの一番は、新生ローマがどこまで成熟しているかを図る指針であり、欧州へ挑戦する資格があるかを占う試合になるかもしれない。黄色と赤が好きな私にとって、興味深い土曜日になりそうだ。

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2012年03月21日

緊急の親善試合開催へ、代表は最終予選までに何をすべきか?

 ザッケローニ監督の危機感の現れである。急遽、5月23日に国際親善試合が組まれることになった(対戦相手は未定)。ワールドカップ3次予選を連敗で終えたこと、ブラジル大会行きを目指す最終予選までの3ヶ月のブランクを考慮したのだろう。代表チームは、初戦までの(試合を含む)準備期間に何をすべきなのか。

 モウリーニョの言葉。


 ザックは、ウズベキスタン戦後の会見の冒頭で、「今日のさまざまな記録やデータを見ると、フィジカルコンディションが大きく影響した」と敗因を述べている。また、最終予選までの選手の過ごし方を問われると、「試合を通じて、フィジカルコンディションを高めてもらいたい」とも語っている。合宿をこなし、実戦を経験することで、コンディションを最高の状態に導きたいと、指揮官は考えているのだろう。

 アジアカップの反省もあるはずだ。昨年の大会は優勝を果たしたが、序盤は格下と思われたヨルダンやシリアに苦戦を強いられた。あの時は海外組(シーズン中)と国内組(オフ、そのオフもバラバラ)のコンディションの違いが注目されたが、今回は逆になる。ドイツ・ブンデスリーガの最終節は5月5日。オマーン戦(6月3日)まで約1ヶ月空くので、キャプテンの長谷部が臨時合宿を提案したのもうなずける。

 とはいえ、以前にモウリーニョ(レアル・マドリー監督)が興味深い発言をしている(2010年のNumber PLUSを参照)。南アフリカW杯を念頭に置いた彼は、欧州の厳しいリーグ戦を戦い終えた選手に大事なのは休養で、(それから)10日間の合宿を張るだけで十分としている。コンディションは選手それぞれで異なるが、ある程度休養が必要な選手もいるかもしれない。

 ウズベキスタン戦の反省点を炙り出す。


 コンディション調整ももちろんだが、ウズベキスタン戦の反省や連携の確認も必須だろう。1点差で敗れたあの試合、終盤は足が止まり、完全にメロメロだった。あれが繰り返されることはないはずだが、課題はいくつもある。攻守において数的有利を生み出そうとする意識、シュート(特にミドル)への意識は高めるべきであり、状況に応じて落ち着かせる時間をつくることも大切だ。

 ところで、本田は新たに股関節を負傷した模様で、復帰時期が読めない。「トップ下は誰が務めるべきか」という問題は長引くかもしれない。個人的にはポジションチェンジがスムーズで、相性もまずまずの中村憲剛と香川を2列目で起用すれば良いと思うが、ザックは対戦相手の戦い方も考慮して判断するだろう。

 大黒とカッサーノ、ザックの求める選手とは。


 ところで、最終予選を前にしたタイミング、合宿や親善試合で新しい選手を呼ぶ可能性はあるだろうか。ザックの性格を想像すると、それは小さいものに思える(宮市を呼べるなら、慣らしておきたいに違いないが)。大事な試合でどんな選手を欲するのか、彼の過去の発言を探ってみる。

 ザックは、2006-07シーズンにトリノを率いていたが、戦力的には決して恵まれたものではなかったようだ。そのスカッドの一員であった大黒に関して、潜在能力を評価しつつ、テクニックに難があり、起用してもミスが多かったと指摘している。また、南アフリカW杯のイタリア代表について、カッサーノを招集しないリッピ監督(当時)を支持していた。チームの一員として、計算でき、安定感を有する選手を欲していることが伺える。

 ウズベキスタン戦でサブに回った選手の中で、チームに安定感をもたらし得る選手は前述の憲剛くらいだったと思う。国内を見渡すと、ヴィッセルの野沢、FC東京の羽生、グランパスの闘莉王あたりは当てはまるのではないか。強烈な個性がどんな化学反応を引き起こすか分からないが、闘莉王の実績は十分で、母国開催のW杯に向けて気合いも入っているはずだ。

 こうして見ると、準備期間でやるべきことは少なくないが、選手起用や構成など楽しみな部分もある。ザックは、ウディネーゼやミランで名声を得た後は、困難と向き合う時間が長かった。アジア杯優勝と無敗記録で評判を取り戻したが、目標はブラジルにある。いよいよ、指揮官の真価が問われる頃合かもしれない。良い準備をし、良いイメージを持って、最終予選に突入することを願うばかりだ。

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2012年03月17日

かつての所属クラブに幸運を-CL準々決勝の組み合わせが決定

 日本時間16日20時から、欧州チャンピオンズリーグ(CL)の準々決勝(以降)の組み合わせ抽選が行なわれた。ビッグイヤーのそばで、司会を務めるのは、FIFA事務局長のジャンニ・インファンティーノ。スキンヘッドはおなじみである。

 まず抽選の前に、CLベスト8をアルファベット順に振り返っていた。アポエル(キプロス)、バルセロナ(スペイン)、バイエルン(ドイツ)、ベンフィカ(ポルトガル)、チェルシー(イングランド)、ミラン(イタリア)、マルセイユ(フランス)、レアル・マドリー(スペイン)。実に多彩なメンツである。7カ国のクラブに欧州一を争う権利がある(近年は2010-11、07-08、06-07シーズンが5カ国、08-09は4カ国)。

 続いて、ドロワーを務めるポール・ブライトナーが登場。昨年還暦を迎えた元選手は、バイエルンとマドリーで数々のタイトルを獲得してきた。バイエルンでは1973-74シーズンに欧州一を経験(決勝の相手はアトレティコ・マドリーで、あのルイス・アラゴネスが現役でプレーしていた)。バイエルンとマドリーに幸運をもたらせるか。

 マドリーとバイエルン、ブライトナーに感謝?


 20時から抽選がスタートし、最初に名前を呼ばれたのはアポエルだった。欧州に特大のインパクトを与えたイエローのユニフォーム。キプロス発の大冒険がどこまで続くかと思ったが、対戦相手はレアル・マドリーに。会場で見守っていたジダンは表情を崩さなかったが、おそらくマドリーファンは一安心といったところか。

 2試合目は、マルセイユ×バイエルン。決勝が本拠地で行なわれるだけに、ベスト8でバルサやマドリーを回避できたことで関係者は安堵しているはず。かつてのレジェンドに感謝しているかもしれない。

 3試合目は、ベンフィカ×チェルシー。こちらも会場にいた、ルイ・コスタの心境はどうだろうか。ナポリをなんとか撃破したばかりのチェルシーは、ダビド・ルイスとラミレスが古巣と顔を合わせることに。
テレグラフ紙の記者であるヘンリー・ウィンターは、セカンドレグをホームで戦えることが有利と考えている。

 ということは、残ったのが、ミランとバルセロナ。バルサの1勝1分けに終わったグループリーグの再現となる。2005-06シーズンは決勝トーナメントで当たっているが、その時はバルサが1-0で勝利した。リーガで水を開けられているバルサは、一週間でミラン、ビルバオ、ミランの連戦となる。グァルディオラのマネジメントに注目。

 抽選はまだ終わらない。準決勝と決勝の組み合わせが残っている。準決勝の第1試合は(マルセイユ/バイエルンの勝者)×(アポエル/レアル・マドリーの勝者)が対戦する。ここを勝ち上がったチームは、決勝でホームチーム扱いとなる。第2試合は(ベンフィカ/チェルシーの勝者)×(ミラン/バルセロナの勝者)で争われる。つまり、もしクラシコが実現するなら、決勝ということになる。
 
 前述のウィンターも、ツイッターで決勝=クラシコを予想していた。「欧州一のスタジアムで、ベストのチームが激突し、ベストの選手(メッシとCR7)が顔を揃える」となるのだろうか。

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 長文でしたが、読んでいただいてありがとうございました。読んだ感想をコメントしていただけると嬉しいです。

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2012年03月15日

ロンドンで高みを目指すには-日本U-23×バーレーンU-23

 今回のマッチレポートは、ロンドンオリンピック・アジア予選の最終節、日本U-23対バーレーンU-23の一戦。

 最終節直前の情勢は、日本(勝ち点12)がトップで、シリア(勝ち点9)とバーレーン(勝ち点9)が追うというもの。日本はアウェーで勝利した相手と、大事な試合をホームで戦うことができる。引き分け以上で自動的に五輪出場が決まるので、日本の予選突破の可能性を低く見積もる必要は全くなかった。

 ここまで4勝1敗、得点11、失点3という成績の関塚ジャパンが、五輪本大会で高みを目指すにはどうすればいいのか。視点の一つとして「ユニット」という見方がある。特に攻撃陣はメンバーが定まっていない。エースと目された永井もベンチを温めることがしばしばである。また、予選への召集が困難な海外組やA代表を優先することになった選手も多かった。連携面での熟成にハンディがある中、「ユニット」が機能しているかを見るのも悪くないだろう。

 セレッソコンビが、ロンドンへの切符を手繰り寄せた。


 日本の先発は以下の顔ぶれ。GKは権田、ディフェンスラインは酒井宏、鈴木、濱田、比嘉で構成。比嘉以外の選手は最終予選フルタイム出場。ボランチは扇原と山口。セレッソコンビはすっかり定着した。攻撃的な中盤には原口、東、清武が入った。注目の1トップは大津。サイドが本職の彼が慣れない役割をどこまで全うできるか。

 立ち上がりは、その大津の落としから、東がシュートを放つなど、悪くなかった。意外だったのはバーレーンで、わずかに五輪への望みがあるにも関わらず、守備重視のサッカーをしてきた。そんな相手もあって、膠着した時間が長かった。日本の選手たちは、確かに気持ちの入ったプレーをしていたが、攻撃の形がなかなか見えなかった。パスサッカーを意識する相手の裏をかいたのか、前線のタレントを生かそうと、長いボールを通そうとしていたが、上手くいかず。

 後半に入ると、関東地方を地震が襲った。暗くなりそうな気持ちを吹き飛ばしたのが、扇原だった。55分、左サイドの比嘉が前方のスペースにボールを転がし、それを原口が拾い、マイナスのクロスを蹴ると、ゴール前に侵入していた扇原が体勢を崩しながらゴール。その4分後には、東が左からクロスを入れ、中央で大津が潰れたところ、逆サイドの清武が豪快に叩き込んだ。

 その直後、清武に再び決定機が訪れた(シュートはポストを叩いたが)。最前線に素晴らしいパスを通したのは山口。予選では献身的な守備が目立っていたが、この試合ではボールの供給役としても機能していた。安定したボールポゼッションは追加点を期待させたが、しかし、清武らが交代で下がると、トーンダウン。消極的な相手もあり、少し消化不良な気持ちになったが、勝ちは勝ち。五輪行きが決定した。緊張感から解き放たれ、スタッフも含め、ピッチ上に安堵の笑顔が。

 機能しているユニット、不安なユニット。


 さて、前述したユニットという視点で試合を振り返る。濱田と鈴木は上手く守っていた。最終予選ではミスもあったものの、関塚監督の「個人のスケールは予選を通じて成長していると確信している」という談も当然彼らに当てはまる。心配なのは、信頼できる第3のCBが見当たらないことか。ボランチの山口と扇原も問題は無い。クラブで連携を高めることに不自由しないことは大きい。ポジションを失った山村の立場は厳しい。怪我もあり、最終予選は6試合で185分に留まった。

 サイドバックとサイドハーフの連携はどうか。右の酒井宏と清武は、それぞれ実力者であるが、「1+1=2」の域は出ていないだろう。逆の左サイドは比嘉のアピールが成功しているとは言えず、前のポジションは担える才能が多く、不確定要素が多い。とはいえ、今日の1点目が比嘉と原口から生まれたことは忘れてはならない。

 そしてCFとトップ下。最前線での縦の関係を考えると、攻守に貢献している東の前で、誰がプレーすべきか。大迫は355分で1ゴール、永井は200分で1ゴール、杉本はたった7分の出場。大迫は有利な立場にいるとはいえ、ゴール以外の貢献も含めても、物足りないか。大迫の代役として召集された工藤に出番が与えられなかったのは残念。

 私は本大会に向けた不安材料は、やはりLSBとCFと見る。前者は酒井高、後者はスペインでプレーする指宿(昨年末の合宿に参加)が大きな力になりそうだ。それとも…オーバーエイジというカードを切るか。どちらにせよ、五輪本番でハマらなければ意味がない。山口と扇原(と清武)のように同じクラブでプレーする選手をピックアップするのは一つの手ではあるが。その辺りのことはまた別の機会に。

 最後に。逆境に立たされながら、最後は五輪出場権を手にした、代表に携わるすべての方々。ひとまずお疲れ様でした。

  
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posted by 香椎 |03:46 | サッカー日本代表 | コメント(2) | トラックバック(0)
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