2004年07月28日
いつのまにパ・リーグ球団は1リーグ制を強く主張するようになったのだろうかと、パ・リーグ各チームの個性あふれる選手のプレーを愛し続けてきたひとりとして、どうも寝覚めがよくない。
大救世主でも現れぬかとかなわぬ思いを抱いているせいか、ときに夢を見る。目覚めて反芻してみても、定かではないボンヤリした”救世主”なのだが、夢の中でも、喜んでいるスタンドのファン(夢の中でもスタンドに空席は多いが、喜んでいる人たちは野球愛にあふれている)や選手の顔(それが近鉄の礒部やオリックスの塩谷だったりする)が喜色に満ちている。それだけに、目覚めて”ああ、夢か”とガッカリする。
「もうひと組み」の合併を示唆したのは西武ライオンズのオーナーだし、同球団社長もやたらに「1リーグ制」を強調する。チャンピオンのダイエー・ホークスは親会社の背後の大銀行の合併をめぐって、私のような平凡な市井の庶民には窺い知れない”やむにやまれぬ状況”がいろいろと取り沙汰される。ロッテも「合併の話はない」といいながら、ことあるたびに「1リーグ制」を持ち出している。まったくもって、約1000万人といわれるパ・リーグのファンにとっては呆然とするしかない日々の言動だ。
年に30億とか40億といわれる赤字、積算すると100億とも200億ともいわれる赤字といわれては、現実問題としては、致し方ない選択であるのかもしれないが、それにしてもこの寂寥感、無力感は、やるせなさすぎる。
いい機会だ、プロ球団経営の根本改革に乗り出すチャンスだと叫んでみても、このところの球界幹部が寄り集う会議での論議内容を知れば、そんな私個人の声などは、しょせん”蟷螂の斧、巨象に挑む蟻一匹”という無力感にとらわれてしまうのだからイヤになってくる。
せめて「ライオンズやホークスがプロ球界を席捲した頃、パ・リーグの野球に興奮、耽溺できたオレたちは幸福だったなぁ」などと、同世代の”よき時代を知る人たち”と懐旧談にふけって”パ・リ-グ讃歌”を歌って憂さを忘れるようにしている。
「1リーグ制」がどうなるのかは、わからない。「野球」そのものは好きだから観戦には行くだろう。しかし、身内からこみあげてくる”情愛に満ちた拍手”とは無縁になるだろうと思っている。
posted by 田村大五 |00:00 |
第141回~第160回 |
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2004年07月21日
怪情報が入り乱れている。
6月13日に「オリックスと近鉄合併」の話が急浮上して1ヵ月、いまになって「実行委員会で議決されたわけではない」といい出す球団も出て、プロ野球はどういう方向に進むのかわからない状態で、それぞれがてんでんばらばらの自己主張を繰り返すばかり。阪神首脳が音頭をとって巨人以外の5球団が「2リーグ制堅持」でまとまったかにみえるが、一方でパ・リーグの数球団が歯にモノがはさまった感じで「1リーグ制」に含みをもたせた発言を続けるのだから、怪情報がとびかう状況では、あるのだ。
もちろん”マユツバもの”が多い怪情報なのだが、中でも不気味なのは、「巨人がオリックス・近鉄合併球団とダイエ-、西武、ロッテなど現パ・リーグ球団と語らって新リーグを作ろうとしている」という”発信地不明”の怪情報だ。
読売・渡辺恒雄オーナーのたびたびの発言や、1リーグ説浮上以来の西武、ロッテ両球団首脳の思わせぶりな発言がないまぜになっての憶測をたくましくした怪情報だろうが、いわれてみると”起こり得る動き”と思えてくるところが、混沌のいま、不気味なのだ。
阪神主導の現セ・リーグ5球団は「2リーグ制堅持」とともに、自由ワク撤廃やウエーバー制などを含むドラフト制改革、両リーグ交流試合の実施、選手年俸の減額制限緩和などの”プロ球界の根本的構造改革”を打ち出しているが、「こっちにも考えがある」(渡辺オーナー)という巨人は、そういうことに関していっさい沈黙しているのも不気味だ。
オリックス・近鉄の合併計画を白紙にもどして「近鉄を大阪の市民球団として再生させよう」という理想論も出始めたが、近鉄側は「もうここまできたら白紙にもどすわけにいかない」といい、市民球団説も、では誰が音頭をとって現実にどう動かすかという具体論はまるで見えてこない。まったく”闇の中”だ。
出口が見えない混迷の中で、わからないことばかりだが、中でも不可解なのは「日本プロフェッショナル野球機構を代表し、これを管理統制」し、「野球最高の利益えお確保するため」、「指令を発することができる」(いずれも「野球協約」から)コミッショナーが”傍観者然”として”知らぬ顔”をきめこんでいるように見えることである。
posted by 田村大五 |00:00 |
第141回~第160回 |
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2004年07月14日
”歴史は繰り返される”とはよくいったものだと、阪神・久万オーナーの「1リーグ制に反対」発言を聞いて、あらためて”歴史の妙味”に唸っている。
ついこの間まで「1リーグ8球団制」を唱えていた御仁が、星野仙一氏に「1リーグ制はプロ野球を衰退させるだけ」とブチあげられ「まったく正論。やはりプロ野球は2リーグ」と、ガラリ豹変した。タイガースという球界の一方の雄の態度一変は、さまざまな意味で影響が出てくるだろう。”とことん2リーグ制論者”のひとりとして”久万発言”は大歓迎だし、”正論”で押しに押してオーナ-を納得させた星野仙一氏に拍手を送りたい(星野氏が久万オーナーになにをいったかは「週刊ベースボール」7月19日号の緊急インタビューを読んで貰えればよくわかる)。
これからのプロ球界はどうなるのかはまだ行方がわからない。問題点は10や20じゃぁない。”解決へ向けて全員で話し合い努力しなければならない課題” は数えられないほど山積している。が、ここにきて阪神が”ひとつのキー”となって浮かび上がってきたことに”歴史の妙を感じる”と思ったのは、プロ球界を包む状況はいまと逆の54年前、1リーグ制から2リーグ制になったときもまた、”キ-”は阪神の態度一変にあったからだ。
それまでの「1リーグ・8球団」を「ひとまず10球団」とし、情勢をみてゆくゆくは「アメリカのように理想の2リーグ制」を最初に唱えたのは、当時の読売新聞社社長の正力松太郎だった。簡単には書ききれない複雑な紆余曲折があるのだが、そのとき「新加盟球団受け入れ反対」が、正力の足元の読売幹部と中日、太陽(系統でいうといまの横浜につながる)、「新加盟球団受け入れ賛成」が阪急、南海、東急、大映、そして阪神だった。それが一転、阪神が前者のグループにかけこんで、3対5が4対4になって一気に2リーグ制へと局面は一変したのだった。
さて今度は、どういう変転をみせるのか。「たかが選手」などという暴言を吐いたオーナーと、12球団のチームカラーをあしらったミサンガを手首に巻いてプレーする選手会という”新しい戦い”も始まって、ハラハラする日々だ。
posted by 田村大五 |00:00 |
第141回~第160回 |
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2004年07月06日
「逆に“いいチャンス”と考えて、みんなであらためてプロ野球の根本を見直そう」―あちこちから、そんな声があがりはじめた。ドラフト制、FA制の見直しやテレビ放映権問題から、選手の年俸抑制まで、これまでプロ球団の健全経営を妨げていると見られている様々な問題を、この際あらいざらいぶちまけてみんなで話し合ってみようじゃないかという声だ。
星野仙一説ではないが、そういう“入り口”の論議なしで、またウヤムヤのまま一時的な球界再編成をとりつくろってみても、“出口”は見えてこず、またそのうちに違うところで“爆発”しかねないという危惧である。
そうなのだ。「ドラフト制という名のドラフトではない制度」とか、1チームにのみホームラン打者が集中するFA制に代表される、およそ矛盾に満ち満ちたシステムにのっかっていれば、その矛盾による“爆発”が起きて当然なのだ。今度の「いいチャンスだから根本を見つめ直そう」という声も起こるべくして起きた。それよりも“たまりにたまっていたもの”が噴出したものだ。
しかし、当の各プロ球団幹部、関係者だけが“知らん顔”している。会議は開いても堂々めぐり。「合併は承認する」という。ならばパ・リーグは5球団だ。それでいて「5球団ではリーグ運営はムリだ」などと“人ごと”のようにいっている。11球団で1リーグ制などというバカげた話はありっこないのに、自分が所属するリーグの2球団の合併を認めながら「リーグ運営はできない」と平気でいう球団幹部の神経がどうにもわからない。
プロ球界の運命がかかっているという大変なときに、会議また会議を重ねながら、球界の根幹にかかわるような決定事項はなにひとつなく、巨人の渡辺オーナーに「あの程度のレベルでは決まりっこない」とバカにされる各球団代表とは、いったいいかなる存在であるのか。1球団のオーナーに、そのような雑言を浴びても反発ひとつない球団代表会議という名のシラジラしさに、いてもたってもいられなくなる。
この人たちは「プロ野球」というものを“なんとも思っていない人種”なのではないかと憤りに体が震える。
posted by 田村大五 |00:00 |
第141回~第160回 |
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