2004年05月26日

白球の視点 第143回

 まだ5月の段階とはいえ、ダイエー・城島健司と打点数を競っている22歳の西武・中島裕之(自チームの4番・和田一浩を越えているのだからすごい。5月 25日現在)をはじめとする赤田将吾や大島裕行ら”チャンスをつかんだ若者”の動きがみずみずしい。まったく失礼ながら松井稼頭央はいなくなった、カブレラは当分出場できそうにないということで開幕前、パ・リーグの順位予想をさせられたとき、西武ライオンズをかなり”下”のほうにおいた。彼らがこれだけのびのびと動き回ると予想できなかったわが身が恥ずかしい。
 
 セ・リーグを見ても広島の栗原健太とか横浜の内川聖一(ともに22歳)など打席がまわってくるのが楽しみになってきた若者たちの颯爽の登場。”場所を与えて貰った喜び”のようなものが打席の中でハジけて見える。まさに”薫風”だ。
 
 そういう若者たちの”所を得た活躍”を見るにつけ、つい、他チームの大物たちを次から次へと引っ張ってきての「大艦巨砲主義」で「史上最強打線」とか称しながらなかなか勝てないでいる巨人の若者たちは可哀想だなと同情してしまう。かって「多摩川グラウンド(巨人のファ-ム・チームの練習場)にはウン億円が眠っている」といわれた時代があった。それはアマ球界で話題になった大物を巨費を投じて入団させ、生かしきれずファ-ムに置いたままの状態を皮肉った言葉だった。
 
 いまは、その頃とは、また違う。逆指名や自由獲得で得たアマ球界の大物たちは高橋由伸や阿部慎之助らたっぷりじゅうぶんに使う。が、あとは”他チームの大物たち”(一塁にロベルト・ペタジーニと清原和博がダブり、三塁に江藤智と小久保裕紀がダブっているのだから溜息が出てくる)で埋めていくのだから”いつの日か一軍”を夢見てファームで汗を流している若者が出る幕がない。「可哀想だな」と思うのは、そこだ。
 
 昨年から「非力な投手陣」はわかっていたのになんら”手当て”をせずにさらに傷口を広げ、一方では大物打者をダブらせても若者たちが出てくる道をふさいでいる球団の方針がどうにもわからない。「巨人の方針に賛成」という人がいたら教えてもらいたいものだ。

posted by 田村大五 |00:00 | 第141回~第160回 | トラックバック(0)
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