2004年04月29日
白球の視点 第142回
「野球は人の生き方であり、人のモノの見方であり、人の技術の粋であり、人の歴史と記録であり、人の政治と経済であり、人の権利と義務であり、文化人類学であり、科学である」という「ベースボーロジー宣言」を謳い、「豊饒なる野球文化の土壌をさらに耕したいと思う気持そのもの」という「野球文化学会」という集まりがある。さまざまな野球史観の展開やらラジオ実況中継論から野球物理学に至る野球論文を集めた論叢集ももう5冊目になる。論客ばかりだから今年の総会もにぎやかだったが、多くの人から「今年の両リーグのペナントレース、波乱ぶくみで捕まえようがない」と似たようなことをいわれた。 まだ始まったばかりで、これからどんな展開になるかわからないにせよ、昨年対ロッテ戦に19勝9敗のダイエーがずっと負け続けたり、そのロッテは昨年 21勝6敗1引分けのオリックスに勝てなかったり、セ・リーグでも昨年対横浜戦22勝6敗の阪神が01年秋以来の4連敗(いずれも4月28日まで)と、” 得手不得手”がひっくりかえって混乱している。 「価値観が混乱している世の中に似て野球にも”これ”という物指しがなくなったんだ」と今年の野球を評した人もいた。もちろん、その人その人の見方があって混乱ぶりの解釈は違っていたが、一点だけ共通していたのは「ストッパー不在現象」だ。 巨人の混乱ぶりも、中継ぎ役も含めたストッパー不在からきた不安定な投手陣にあるが(これは昨年からわかっていたことで、”パ・リーグの強打者集め”にばかり夢中になって投手陣整備になにひとつフォローしなかった球団フロントの責任は重いが、このことはいずれ大論陣を張ることになるだろう)、どうも最近は巨人だけでなく、佐々木を復帰させた横浜を除いて、どこも”フラフラ状態”のようだ。 その中で、ダイエーのルーキー・三瀬のスズしい顔して度胸満点のピッチングが気に入っていたのだが、ちょっと出番が多くなりすぎたようで、早くも心配になってきた。あちこちで混乱が起き続けて、それでペナントレースが面白くなればいいとはいえ、いささか気になるストッパー不在現象では、ある。
posted by 田村大五 |00:00 |
第141回~第160回 |
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