2005年11月04日
白球の視点 第180回
来シーズンの野球について、いまから気になってならないことがある。話題の“なんとかファンド”とか“楽天とTBSの戦い”では、ない。いま各地のプロ球団の秋季練習で「いったいどうなるのか」議論沸騰している「投手の2段モーションが反則投球になるということだ。 ノーワインドアップ投法で両手が一度止まるといわれる巨人・上原とかワインドアップ投法でグラブが頭上で停止するという中日・川上とか、どのチームもエース級がズラリ“疑惑の対象”になっている。 「子供の頃からずっと、いまのフォームでリズムをとっていたのに、いまさらやめろといわれたって」と当惑している中日のストッパー、岩瀬の例をみても、個性派投手の生命も脅かしかねない。 ソフトバンクの王監督が「かつて抜群の一塁牽制で走者をよく刺していたのにルール変更で牽制アウトをとれなかった江夏投手」を例に出していたが、近鉄時代の阿波野投手が一度、一塁牽制をボークにとられて以後、リズムをこわしてしまった例もある。だが今度は「一塁牽制球」ではない。岩瀬投手のように、少年時代から慣れ親しんできた打者への投球スタイルを直さなければならないとしたら、これはもう死活問題といっていい。 これまでもときに話題になった一度あげた足を止めたり上下させたりする下半身の動きだけでなく、腕の動きが止まってもいけないというが、そもそも“一瞬の停止”とは、どういう“停止”なのか、そこに“ある一定の線びき”ができるのか。 秋季キャンプに参加した審判員の間でもマチマチだったり、中には困惑を隠さない審判員もいるという。「いまのままなら(基準がわからないのだから)審判も可哀想」と皮肉るピッチングコーチもいたが、「一度、全審判団が集まってしっかり話し合わないとどうしようもない」という審判もいる。 いや、審判員だけのせいにはできない。今度のことは「国際慣例に従う」ということで実行委員会で決めたことだ。果たして「2段モーションとは何か」を、全球団代表から、もっといえばコミッショナーも含めた全球界幹部が集まってあらためて協議する必要がある。 この問題を、あやふやなままにしておけば、来シーズンのグラウンドでとんでもないことが起きるぞと、いまから警告しておこう。
posted by 田村大五 |00:00 |
第161回~第180回 |
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