2002年08月07日

白球の視点 第58回

 5日の日本ハム-オリックス16回戦の小笠原道大と谷佳知のバッティングはみものだった。持ち前のフル・スイングで小笠原が2本の二塁打(2打点)で勝利に導く快を連発すれば、試合前、その小笠原に「谷さんは抑えます」といった日本ハムの先発・金村に対して谷は右前、中前、左前へと3安打。この試合が終わったところで小笠原が打率.352で首位打者の座を守れば、谷は.351と1厘差に迫った。息をのむツバ競り合いだ。チームが低迷する中にあって、1打席1打席に気力充実のふたりには感心する。

 セ・リーグの打率争いもすさまじい。2日まで5位にいた巨人・松井秀喜が一気にトップに躍り出て、がぜん「三冠」が現実味を帯びてきたが、4日現在、松井を含めて打率3割3分台が中日・福留孝介、ヤクルト・岩村明憲、阪神・今岡誠の4人、さらに5位でもリーグ最多安打の巨人・清水隆行を加えて、連日、その順位がクルクルと変わる激戦だ。

 その中で、爽快な談話を読んだ。

 ~「数試合残した時点で、3冠王が確定したらどうする?」と聞かれて即答した。「出るに決まってるじゃん。休むわけないでしょ」。松井が口をとがらせていた~

 6日付け報知新聞の鈴村雄一郎記者の記事だ。

 よろしい、さすがは松井だ。必ずその意思を貫いてほしい。

 過去、何度、タイトルをめぐって欠場したり相手投手の敬遠四球乱発だったりして不愉快な思いをしたものか。かつて阪神・掛布雅之、中日・宇野勝の同数ホームランの最終戦、両者全打席敬遠のとき(1984年)は、さすがに当時のリーグ会長も特別の声明を発表して戒めたが、そのあとも首位打者争いの“帳尻合わせ”が散見された。

 先に亡くなったテッド・ウイリアムスが最終戦を休めばもう“打率4割”は確定というとき、あえて最後まで打席に入り続け打ち続け、“打率4割”はさらに輝やけるものとなった故事を持ち出すまでもない。

 ファンは誰だって、最後の最後までの全力をあげての戦いが見たい。セ5人、パ2人の健闘を祈る。

posted by 田村大五 |00:00 | 第41回~第60回 | トラックバック(0)
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