2002年07月02日

白球の視点 第53回

 パ・リーグ投手防御率のトップを走り続けているオリックスの具台晟(ク・デソン)投手とはじめて長時間、話をする機会があったので、韓国プロ野球のハンファ時代('96年)、投手4冠(防御率1位=1.88、最多勝と勝率1位=18勝3敗、最多セーブ・ポイント=40)を手中にしたときのピッチングについて訊ねてみたら、具投手、やたらに謙遜して「あんなこと二度とできないだろう、運です、幸運に恵まれたから」とくり返した。

 「抑えに出て打たれ、同点にされ、その裏、味方打線が打ってくれて勝利投手になったり・・・・・・」。“投手4冠王”なんて、そんなことばかりで達成できるわけはないのだが、具投手はしきりに「運」、「運」といったあとニヤッと笑って「(サヨナラ勝ちが多い)今年の西武のようにね」とつけ加えた。バックの援護によって投手の勝ち星は変わる・・・・・・とでもいいたかったのかもしれない。

 その西武、なかなか手堅く、その中にキラリと光る巧妙な試合運びをみせて快調だ。三塁コーチスボックスに出ずっぱりの伊原新監督、“やるもんだわい”と感心する場面が多い。得点機が少ないときの方が“さぁ、どんな手をうってくるか”という興味が湧いてきて“次の一手”を楽しみに待つ、といった気持ちになってくる。1日の対ロッテ戦でも5回、二死無走者からの相手のエラーを一挙に大量点に結びつけた選手たちの溌溂とした動きには目を見張るものがある。

 いまにはじまったことではないが、私はむかしから、この「二死、走者無し」からの攻守を見るのが好きだった。接戦のときはもちろんのことだが、過去、大きくリードされている試合でも「二死無走者」からの攻撃でジリジリと差を縮め、けっきょく逆転勝ちしたケースを何度も見ているからだ。

 今季も「二死無走者」からの攻撃で試合をひっくり返した例は何度もある。善戦を続けているヤクルトが対横浜戦で0対2の7回、二死無走者から代打・ルーキーの志田のヒットから逆転したケースは典型的なものだった。「二死無走者」からでも得点をしてみせる“気”があるかどうか。連戦の夏のポイントではないか。

posted by 田村大五 |00:00 | 第41回~第60回 | トラックバック(0)
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