2002年02月26日

白球の視点 第35回

 ダイエー・寺原隼人投手がキャンプ入り前からルーキーの話題の中心だったのに比べ、ひっそりしていた感じのあった巨人の1位指名ルーキー・真田裕貴投手がキャンプの終盤に入ってがぜん評価がうなぎのぼり、注目を集めている。宮崎入りしてすぐブルペンをのぞいた「長嶋茂雄さんがえらくほめたから?」と巨人関係者を冷やかしたら「とんでもない」と叱られた/「マスコミの話題に上らなかっただけで。われわれ内部では早くから即一軍ベンチ入りと評価していました」

 かねてから、いわゆる「高卒ルーキー」に興味を持っていた。古くは中西太、豊田泰光、王貞治、張本勲ら大物ルーキー打者、投手でいえば尾崎行雄(浪商2 年で中退だが)、江夏豊、堀内恒夫などという高卒ルーキーとは思えぬふてぶてしい男たちを見てきた身としては、このところ打者では松井秀喜、投手では松坂大輔以外“ふてぶてしい大物”の出現が少ないのが寂しかった(00年の首位打者・新人王の横浜・金城龍彦は2年目)。

 それが今季、華々しい話題は少なかったわりに実力派高卒ルーキーが高く評価されはじめたようで嬉しい。「抜擢したんじゃない。実力で(試合で)結果を出したから一軍で使うんだ」と大島監督が力をこめていう野中信吾遊撃手(佐賀・神崎高出身)もそのひとりだ。担当記者によれば、「監督のあの口ぶりではオープン戦の成績次第では公式戦開幕の先発メンバー起用も十分考えられる」という。もしそうなれば、チームにとって野手の高卒ルーキーとしては東映フライヤーズ時代の張本勲以来の快挙だ。

 野中の“売り”は足と守りだ。初のオープン戦でもカンのよさと快足ぶりをみせて大島監督を喜ばせた。このところ進境を見せてきた3年目の田中賢介もウカウカできない。イチローがバッティングだけでなく全身でみせた足と肩による野球の醍醐味を初々しい空気を漂わせて観客にアピールするとき、ベテランもそれに強く刺激される。チーム全体がピチピチとハズんでくる。そこに高卒ルーキーの魅力がある。

 公式戦まであと1カ月。ルーキーたちの奮闘を祈りたい。

posted by 田村大五 |00:00 | 第21回~第40回 | トラックバック(0)
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