2005年08月04日

白球の視点 第170回

 巨人は20安打を打っても勝てなかった。2日の対広島2回戦。いまさらいうのもシラけてしまうほど“シマリのないチーム”になってしまったということなのか。

 今季、20安打以上の試合は、これで2度目。6月12日の交流戦、対西武6回戦に21安打している。その西武戦は、清原の2本の3ランあり、清水の満塁ホームランありというにぎやかさで投げては内海-林という若い投手リレーで大勝、最下位を脱出。広島と入れかわってやっと5位になった試合だった。そのとき首位・阪神とは8ゲーム差。巨人ファンは、だから、なお望みを抱いた。

 それから約1カ月半、シーズン2度目の20安打だというのに悔いの残るサヨナラ負けだ。今度は最下位広島に2ゲーム差と迫られてしまった。同じ“20安打”でもずいぶん違う。いや“違う”というより、その“20安打”の間、巨人はなんら整備に手を尽くしていなかったということになる。「(ウチの投手は)こんなものなのかなぁ」というチーム幹部の談話を読んだが、これも無責任な話だ。

 かつて、やはり“1シーズン20安打以上の試合2度”というシーズンがあった。藤田元司監督で優勝した83年のことだ。対中日9回戦と対阪神10回戦。14対7、18対6の大勝でいずれも投手は2人ですませている。なんという違いだろう。

 この“20安打して大勝”と“20安打しても敗戦”の間に、球団フロント、現場幹部を問わず、このところの巨人という球団の無責任体制が浮かび上がってくる。投手陣の弱体、特に中継ぎ-抑え役の力不足はかねてからいわれ続けてきたことだった。誰の目にも明らかなそういう弱点を整備しないまま、ずっとここまで日を過ごしてきたということだからだ。

 それは、なにも投手陣のことだけではない。リーグ最低打率の打線についても「走らないこと」、「走れないこと」はよく知られ、ずっと指摘され続けてきたことだった。04年のチーム25盗塁は両リーグ通じて“ダントツの最低”。チームあげて、阪神・赤星ひとりの約4分の1という惨状。それがわかっていて、なんら手をうとうとしていない。今季も8月2日現在でチーム全員の盗塁数は、赤星に次ぐリーグ2位の中日・荒木ひとりの盗塁数と同じというていたらくである。

 いつからこんなチームになりさがってしまったのか。このチームこそ、根本から「野球」を考え直すときにきている。

posted by 田村大五 |00:00 | 第161回~第180回 | トラックバック(0)
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