2004年06月16日
白球の視点 第146回
「みんなが納得するような万全で、抜本的な改正をやるには2、3年はかかるだろう」といわれる“プロ野球の憲法”野球協約の改正問題から、選手の救済まで。プロ野球を震動させた今度の「オリックス―近鉄合併は、大袈裟でなく数えきれないほどの難問題を抱えている。 これまでも球界幹部から各球団の幹部、選手会も含めての真剣に話し合ってひとつひとつ乗り越えてこなければならなかった諸問題を、いずれも“先送り”してきたツケが、今度の合併話で炙り出てきた感じだ。 なにから語っていいかわからないほど複雑な問題がからみ合っている。たとえば、合併話と同時にひとり歩きを始めたような「1リーグ制論」にしても、むしろ困惑しているのは、いまのセ・リーグ各球団のほうでもある、というふうに、今度の合併話は、“パ・リーグが5球団になる、奇数球団では日程編成ができない、だから・・・”という単純な話ではないのだ。「プロ球団の経営とは?」という根源を問われている。だから、みんなが頭を抱えている。 そういう重大問題山積の中で、小さなことかもしれないが、合併話が明るみに出てからずっと気になってならないのは、やはり若い選手たちのことだ。両チームが合併したら単純計算で135選手。支配下選手ワクを80人に増やしても55選手は淘汰されてしまう。早くも、岩隈久志投手や中村紀洋内野手は、どのチームへ行くのかなど騒いでいる人たちもいるようだが、問題は、その「55選手」、いずれも将来性ある若者たちだろう。10年目に一気に台頭してきた“赤ゴジラ”(嶋重宣)のような選手がいるはずである。そういう選手が消えていってしまうことが気になってならないのだ(たとえば、ウエスタン・リーグの“ただいまホームラン王”の山下勝巳内野手のように、なんとか救ってあげたい選手は、いっぱいいる)。 社会人野球が手をさしのべるという話もあるが、選手として生きて行く土壌が違う。大量の淘汰が始れば“冷たいプロ野球”というイメージも広がるだろう。だから、これは合併する2球団の問題ではない。プロ球界全体にかかわる大問題なのだ。
posted by 田村大五 |00:00 |
第141回~第160回 |
トラックバック(0)





