2004年06月09日
白球の視点 第145回
ダイエー・松中信彦と西武・和田一浩の力感あふれる連日の猛打に強い興味と関心をもって日々のバッティングを凝視している。 6月8日現在、松中は.372という高打率で、ずっとパ・リーグ打撃成績のトップを走り続けていた日本ハムのセギノールに代わってトップの座に立った。ホームランも和田が連発すれば松中もすぐ打ち返して、もう20本台に入った。こちらもセギノールのホームラン数を越えるのは、もうすぐという感じだ。 松中と和田は、打点もダイエー・城島健司に次ぐリーグ2位と3位。ともにプロ入り8年目で1歳違い。リーグ優勝を争うチームの選手会長で4番打者。小久保が抜けたあと城島とともに打線の芯棒となった松中と、カブレラ故障欠場の間に台頭してきた若手打線をグイグイ引っ張る和田の気力充実ぶりが窺える。チームの勝利に直結している内容の濃いバッティングで、見ているほうも力が入る。 巧打、好打の連打ももちろん、見ていて小気味いいが、巨体(2人とも180cm、90kgを越える堂々たる体躯だ)からの試合の動向を左右する豪砲一発の打ち合いを見る快感は、なんともいえない野球観戦の醍醐味だ。きわどいゲーム差を競り合う豪快男同士の打ち合いを堪能(たんのう)できるのは、いつ以来からだろう、過去の強打者たちの打ち合いを楽しく思い出してみたのも一興だった。 古くは“ホームラン王・中西太”に挑んだ山内和弘や野村克也たちの打ち合い、野村が王座に君臨するようになると長池徳二や大杉勝男らが果敢に挑戦した。セ・リーグではON時代の中日・江藤慎一や阪神・田淵幸一らの強打の応酬。「パ・リーグの三冠王・落合博満」には、「不惑の挑戦」といわれた南海・門田博光の反撃があった。 いずれも豪快味たっぷりで、気力にあふれたバッティングがペナントレースを熱いものにしたものだった。04年の松中と和田の熱気に満ちた打ち合いは、そんな“輝ける球史”の復活を感じさせるに十分だ。それに、あえて故障癒えた日本ハムの小笠原道大も加えよう。願うのはただひとつ「彼らに大きなケガのなきように」それだけだ。
posted by 田村大五 |00:00 |
第141回~第160回 |
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