プロレス文藝

タケシマケンヂインタビュー【終】未来の想い出

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——バトラーツ解散を聞いて、タケシマ選手はどう思われましたか?
2010年の12月に団体解散を発表したのですが、正直言うと僕としては、その時期プロレスがまったくわからなくて辛い時期だったので、バトラーツがなくなったら僕もプロレスやめようと思っていました。 翌年の2月に澤さんが試合後のマイクで、 「悔しくないのか!バトラーツなくなってしまうんだぞ!」 ということを言われたのですが、正直ぼくは悔しくなかった。

——バトラーツ解散と同時にタケシマ選手もプロレスやめるつもりだった
そうだったんですが、その2月の終わりの興行で、僕なりにプロレスの何かをつかめる試合があって(インタビュー【05】その男、暗中模索につき 参照)。 そこから試合が、プロレスが面白くなってきた。けど解散とともに辞める気持ちは固まってたんすが、ある夏の日に澤さんに呼び出されて先に引退するっていわれて。 さらに澤さんから、 「マンモスジャパンツアーを引き継いで欲しい」 と頼まれまして。 (マンモスジャパンツアー:マンモス半田を再ブレイクさせるため47都道府県で試合をする企画) 僕は澤さんに恩があるので、澤さんの頼みは断れません。 マンモスジャパンツアーに参戦しているうちに、僕の中でバトラーツ解散後はスポルティーバエンターテイメントに入ってやってくのが一番いいかなと思いました。 二代目マンモス使いとして。 フリーという選択肢もあったんですが、澤さんから、 「フリーにならない方がいい。守ってくれるところがないと。どこか所属したほうがいい」 と助言もいただいていましたし。

——印象に残っている出場団体はありますか?

そうですね、リアルジャパンが使ってくれたことが僕の中では大きかったです。 世間的にビッグなところで使ってもらえたことで、もうちょい欲がでてきて、上目指そうかとなってきた。 自分の中で、プロレスが楽しい、お客さんが喜んでくれることが嬉しい。という部分はもちろんあるんです。 でも、欲が出てくるんです。上目指そうとするんです。やっぱり結局は強さなんです。 手応えを感じる試合をしたくなるんです。 ただまあ、試合がうまくかみ合わないとか、遠慮が出てしまう部分もありますが。

——試合が噛み合う、噛み合わないというのは何が違うんでしょう?
最終的には信頼関係というか……こういう言い方をするとちょっと語弊があるかもしれないのですが、相手選手に対して、この人とならここまでやっても大丈夫という。 馴れ合いじゃなくて、いつも一緒に練習しているからとかでもなく、その人ができるからここまでやってもいい。ここまでぶつかっても大丈夫という信頼関係です。 そこがうまく噛み合うと、お互いの力を引き出せる試合になると思います。

——今のお話にも「語弊がある」という言葉を使われてましたが、今のお客さんはプロレスを「娯楽」とみている人、「スポーツ」とみている人、「あくまでも勝敗にこだわる」人と、スタンスも様々だと思います。それに対してはどう思われますか?
今のプロレス界は、観るほうもやるほうも多様化してると思いますが、今のプロレスをお笑いで例えると、「コント」と「フリートーク」の2パターンだと思うんですよ。 世界観をつくって安定の笑いでいく「コント」パターンと、しゃべくりながらお客さんのリアクションをみて臨機応変に笑いをとる「フリートークパターン。 フリートークパターンはハマれば強いけどハマるかどうかは勝負です。 コントなら安定した笑いはとれるけどアドリブには弱い。 両方とも良し悪しありますが、僕は生のお客さんのリアクションを感じながら狙いにいけるフリートークのようなプロレスの方が好きです。

——普通、逆のように感じますが。
うーん、レスラー力が試されるとか頭脳的には大変なとこもあるんですけど、逆に臨機応変にできる試合って、やってる方は楽しいんですよ。 ビックマッチだったら80点でもいいからすごい安定した試合やるべきだとは思います。結果が3000点ならいいけど、2点ではシャレにならないですからね。 でも、そうでなければその場でその場で臨機応変に対応したほうがいいですし、そういう力をつけるべきだと思います。 怪我とか死亡事故につながりかねない危険な技を使わなくても、試合は十分成り立つ。 危険なことをして会場が沸くのは当たり前だけど、エスカレートしていったらレスラーは死んじゃいます。 過激ならいいってわけじゃないですし。


——さて、そんなタケシマ選手も残念ながら引退されるということで、引退興行に対する意気ごみを聞かせてください。
そうですねー、最高の悪ふざけというか、なんかこう僕みたいなこう、ジャガイモでもなんかできるんだぞと。 あと1日くらい主役やらせてよ、と。 今まで便利屋として尽くしてきたから引退興行の日くらいはいいよね、みたいな気持ちです。 僕ね、好きなんですよ。「誰もが自分の世界では主人公」みたい歌詞が(笑) あとは、バトラーツの後にお世話になったスポルティーバにも恩返ししたい。 名古屋のプロレスを東京でも見てもらいたいです。 僕の周りって、東京も名古屋もそうですけど「もっと自己中でいいのに」って思うレスラーが多いんです。もっと自己主張すればいいのに、もっとワガママに強気に前に出ばっていけばいいのに、っていう人が多い。 器用貧乏な選手も多い。 でも、僕の引退興行では全員ガンガン前に出てもらいたいです。 その中でも、僕が主人公っていうね(笑) 皆さん、絶対ワクワクできる楽しい興行にしますので、ぜひ観戦にいらしてくださいね!

——ありがとうございました

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